「何をやっているのですかコテツ!?」
「いや、確実に人のいないところにこれを飛ばすことできるのは俺だけみたいだからな」
「バカ!止めろコテツ!」
「じゃな皆・・・少しの間だったけど、楽しかったよ」
その日、俺は・・・
─────
「ん?なんだこれ?」
俺は今ガーズ達とダンジョンに来ていた。
盗賊はダンジョン必須の職業だが、基本覚えれるスキルが地味な事から人気のない職業だ。
幽霊屋敷の騒動があってまだ1日しか経っていないのだが、元々ガーズ達とこのダンジョンに行くと約束していたので俺は今ここにいる。
「コテツどうかしたのか?」
「いや、何かのアイテム拾っただけだ・・・」
「おぉ!よかったじゃないか!んで、何かわかるか?」
「いや、わからん・・・後で鑑定しにいってくるか」
「そうか・・・んでどうだ初めてのダンジョンは?」
俺は拾ったアイテムをポーチにしまいつつ、ガーズの質問に答える。
「思ってたより楽だな、罠も想定内だったしな」
「ガハハハ!それはお前が盗賊だからだぞ!」
そんなことを話しながら俺達は帰る用意をする。
ちなみにだがガーズ達は今のこの季節でも、バリバリと仕事をしている。
ガーズのパーティーは腕利きとしてそこそこ有名だったりする。本当ならアクセルのような初心者が集まる街ではなく、もっと危険な場所で活動してもおかしくないぐらいのパーティーだ。
そんなガーズのパーティーにはダンジョン必須の盗賊がいない。
前はいたらしいが結婚してから危険な冒険者から足を洗い、冒険者時代の経験を生かして作ったアイテムを販売しているそうだ。
そこで、冬になってから活動をあまりしなくなっている俺にダンジョンに行くから付いてきてくれと頼まれたわけだ。
ガーズ達の戦い方はとても勉強になるし報酬もなかなか大きいので断る理由はなかった。
「コテツこの後打ち上げするがお前も来るか?」
「お、いいねぇ!・・・って行きたいけど、今日はおとなしく帰るよ。家新しくなったしな」
「そう言えばそうだったな」
世間話をしながらガーズ達が借りていた馬車にのりアクセルに向けて出発する。
「ふぅ・・・」
「おう、コテツ疲れたなら寝てていいぜ。ついたら起こしてやるよ」
「お?そうか?ならよろしく頼むよ」
実際、初めてダンジョンに行っていたから結構疲れているので甘えさせてもらおう。
_____
『やっと見つけた・・・あの子に繋がる道・・・』
コテツ達がさっきまでいたダンジョンの隠されていた部屋に一人女性がいた。
『この500年待ちに待ったわよ・・・フフフ・・・ねぁアナタ、やっと私達あの子に会えるんだわ・・・』
女性は部屋の中央にある既に白骨化した遺体をなでながら、続ける。
『準備はほぼできたわ・・もう待つのはやめよ・・・』
女性はそういいながら水晶に映るコテツをみてニヤリと笑い
『私の新しい体までしっかりと届けてね・・・』
コテツはなにも知らない、自分が持ち帰った物が原因で自分の・・・いや自分の大事な人の人生を狂わせることになることを・・・
『あぁ!私の愛しい子・・・待っていて・・・』
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アクセルに着いた俺はガーズ達に報酬を貰い、皆が待っているであろう屋敷に帰る途中の事だった。
「コテツさん」
「お、リンかどうした?」
ギルドの新人受付嬢のリンが話しかけてきた。
「いえ、たまたま見かけたので話しかけただけですよ」
「そうか?」
フフフっと笑いながら「そうですよ」っと言うリンに苦笑しながら話す。
「送っていくよ」
「あれぇ~もしかして口説いてますか?」
「・・・おし、俺行くからな」
「あぁ!待ってください!冗談ですって!」
「はぁ・・・」
「まぁ、大丈夫なんですけどね。今から仕事ですし」
「そうなのか?」
「えぇ何か急に呼び出されてですね。残念ですがまた今度お願いします」
「わかったよ」
「それじゃ私行きますんで!」
「おう、頑張れよ」
「はい!」
そう返事をしてギルドのほうに走っていくリンを見送り俺は屋敷に向かって歩き出した。
それにしても、この時間に呼び出しか・・・また何かあったのだろうか・・・
「まぁ大変なことならその内わかるだろうしいいか」
_____
「ぶっ殺してやるっ!!」
「かかってこいやーー!!」
屋敷の前まで着いたが何だか中が騒がしい。
「はぁ・・・まったくこんな時間まで何をやってるんだか・・・」
近くに他の家は無いと行ってももう深夜だ、こいつらはもうちょっと常識っていうものをだな・・・
「お前ら!こんな時間まで何やって・・・」
「「「「あっ」」」」
怒鳴りながら入った俺を待っていたのはカズマからの全力パンチだった。
「ご、ごめんコテツ・・・わざとじゃないんだ・・・」
「・・・」
・・・わかったよカズマ、お前がそういうつもりなら。
「ぶっ殺す」
「ひぃっ!?」
「逃げんじゃない!」
「いや、それは無理だぁーーーっ!!!」
結局俺もカズマ達と夜遅くまで馬鹿騒ぎをしていた・・・
後で知った話だが、こいつら俺のいないうちにダクネスが実家から持ってきたカニと高級な酒を食っていたそうだ、もちろん俺の分など残っているわけがなかった・・・
「ちくしょう・・・」
_____
翌朝、俺は昨日暴れた後の掃除をしていた、少々派手に喧嘩してしまい反省中だ。
「こっちは終わりましたよコテツ」
「お、ありがとう。悪いな手伝わせて」
「いえ、私も少ししてしまったので大丈夫ですよ」
「いや、それでもだよ・・・よし、終わり」
掃除を終えた俺はソファーに座り、昨日の報酬を取り出して計算を始める。
屋敷を手に入れたとは言っても、まだまだこのパーティーには借金が有るのだ、今回はギルドからの報酬ではなくガーズ達からの報酬なのでいつものように借金の返済分が引かれないのだ。
そのため、計算して返済分とパーティーの備蓄分、それから俺の取り分にわけている。
最近決まったことなのだか個人的に来た依頼の報酬は各自で計算をし返済、備蓄、個人の取り分に分けることになっている。
まぁ、個人で来る依頼は俺にしか今のところ来ていないので俺しかやっていないのだが・・・
「コテツ、そこ間違っていますよ」
「ん?どこだ?」
「ここですよ、これだったら備蓄のとこが多くなります」
「おぉ、本当だありがとな」
最近はこのようにめぐみんが手伝いをしてくれるようになった。
計算を間違って慌てていた時に教えてくれたことがきっかけだった、今は毎回のように手伝ったくれるのだが、嬉しい反面ちょっとだけ恥ずかしくもある。
「・・・なぁ、めぐm・・・」
『デストロイヤー警報!デストロイヤー警報!現在、起動要塞デストロイヤーがこの街へ接近中です!冒険者の皆様は装備を整え、冒険者ギルドへ!そして、街の住民の皆様は直ちに避難してくださーーいっ!!!』
・・・またかよ!
_____
『起動要塞デストロイヤー』について今もっている情報は少ない、わかっているのはそれが通った後はアクシズ教徒以外何も残らないと言われている事だけだ。
「・・・なぁめぐみん、何で荷物纏めてるんだ?」
デストロイヤー接近の警報がなったとたんにめぐみんは慌てて荷物をまとめ、二階にいたアクアが騒ぎ出した。
そのことに少し疑問に思った俺はめぐみんに聞いてみたのだが・・・
「逃げるに決まってるじゃないですか」
「決まってるのかよ・・・」
「えぇ、あれに勝てるわけ無いですからね」
「まぁ・・・そうだよなぁ・・・」
そう言いながら装備を整え始めた俺を見て、めぐみんは目を見開いて驚いた。
「コテツ、まさかデストロイヤーと戦う気ですか!?」
「まぁな」
「どうして・・・」
「・・・俺にはこの街以外、居場所が無いからな・・・」
よし、準備完了、デストロイヤーを実際に見たことはないからどんなものかわからない、だが魔王の幹部だったベルディアよりもヤバいだろう。
・・・さてと、行くかな。
「待ってください」
俺がギルドに向かおうとする俺をめぐみんは呼び止める。
「・・・私も行きますよ。コテツだけじゃ心配ですからね」
めぐみんはそう言うと纏めていた荷物から杖を取り出し、俺の後をついてくる。
「・・・行くか」
「はい」
俺達はギルドに向けて屋敷を飛び出した・・・・何か忘れてる気もするが・・・
「逃げるの!遠くに逃げるのよ!!・・・あれ?皆は・・・?」
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