この素晴らしい世界に銃声を!(旧)   作:大根の刺身

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このリッチーに救済を!

 

 カズマの話を聞いて何故か当事者のアクアが一番怖じ気づいたのにたいしカズマが「お前が一番やる気だせよ・・・」カズマがアクアにそう言った、その時。

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!街の中にいる冒険各員は、至急冒険者ギルドに集まってください!繰り返します。街の中にいる冒険者は至急冒険者ギルドに集まってください!』

 

 そう街中にアナウンスが響く。

 確か、魔法で声を拡大しているんだったけ?

 

「おい、緊急クエストってなんだ?モンスターが街に襲撃しにきたのか?」

「ん、多分キャベツの収穫だろう。そろそろ収穫の時期だしな」

 

 めぐみんとダクネスは少し嬉しそうだ、俺はカズマと首を傾げている。

 

「皆さん、突然のお呼びだしすいません!もうすでに気づいている方もいるとは思いますが、キャベツです!今年もキャベツの収穫時期がやって参りました!今年のキャベツは出来がよく、一玉の収穫につき、一万エリスです!すでに街中の住民の方は家に避難して頂いております。それでは皆さんできるだけ多くキャベツを捕まえてください!くれぐれも逆襲されないよう、お願い致します!」

 

 ・・・・・・逆襲?キャベツが?

 そう思っていると歓声が外から聞こえてきた、見てみるとわけの分からない事が起きていた。

 

「この世界のキャベツは飛ぶわ。味が濃縮され収穫時期が近づくと逃げ出すわ。簡単に食われてたまるかとばかりに」

 

 

 緊急クエスト 『キャベツを収穫せよ』を無事終え、今は収穫されたキャベツ料理を食べていた。

 

「うま・・・何でただのキャベツの炒め物がこんなに旨いんだ・・・」

 

 そうぼやくカズマの隣で俺はひたすらキャベツを食べていた。

 うまい、街の冒険者を総動員して収穫させるだけはある、そして何とこのキャベツ、新鮮なうちに食べると経験値が貰えるらしい。捕まえただけでも大量の経験値を貰えるし、報酬も高い。いいこと尽くしだ。

 うちのパーティーの上級職の3人は今回のクエストの働きをほめ合っている。ちなみにカズマは頭を抱えテーブルに突っ伏している。

 そうそう、ダクネスが正式にパーティーに加入した。

 メンバー構成だけでみればナイト系の上級職クルセイダー、魔法系上級職アークウィザード、プリースト系上級職アークプリーストっと言う豪華なパーティーだが、中身は攻撃が当たらない前衛職、1日一回しか魔法を使えない魔法使い、そして今回のクエストでも全く約にたたなかった自称女神のプリースト。

 俺は楽しいからいいが、実質リーダーのカズマはそうでもないらしい。まぁ、気持ちはわからんでもないけど・・・

 

 翌日、カズマとアクアが装備を買いにいくと言うので他のメンバーは自由行動をしている、昼過ぎにたまり場になっている冒険者ギルドに集合との事なので今は宿の部屋でホルスターと短剣の手入れをしていた。

 能力をあまり使わなくしてから短剣をよく使うようになったので消耗が激しい、そろそろ新しい物に買えようかな?

 そんな事を考えていたら気がつくと約束の時間を過ぎていた。

 

「あ、やべ!」

 

 急いで装備を整え冒険者ギルドに向かった。

 

 

 ギルドに付くと既にカズマ達が揃っていた。

 

「すまん!遅れた!」

「遅いですよ、コテツもう次に行くクエスト決まってますよ」

 

 どうやら俺がつく前に受ける依頼を決めていたらしい。

 

「悪かったよ、俺はどのクエストでもいいし別に良いんだけどね。それよりカズマ、随分冒険者らしくなったじゃないか!」

 

 ジャージから主に革製の防具に変わっていた、今までが悪い訳では無いが、ジャージはただの服だ何の防御力も無い、一部に鉄が使われているから金属を嫌うジャイアントトードにたいして有利になるだろう。

 

「それで?何のクエストにいくんだ?」

「ゾンビメーカーだ、最近よく墓にでるらしいからな」

「ゾンビメーカーってアンデット系のモンスターだったよな?このパーティーで行けるのか?」

「それは大丈夫だ、ゾンビメーカーは駆け出し冒険者でも倒せるモンスターだからな、油断しなければ絶対に勝てる」

 

 そう胸を張り言うダクネスだが、少し不安だ。そして、俺が不安そうにしている事に気がついたアクアがおちょくってきた。

 

「あれあれ!?コテツさんアンデットが怖いの?プークスクス!!この私がいるのよ!アンデットモンスターなんていちころよ!」

 

 ついイラッときた俺は〈武器精製〉でハリセンを作り全力でアクアの頭に振り下ろした。

 パァン!!っと大きい音が鳴り、悲鳴を上げながら転げ回っているアクアとそれを羨ましそうに見ているダクネスを無視して、俺はカズマにいろいろと説明してもらった。

 カズマが言うに一番の役立たずである自称女神のレベルを上げることにより知力アップをはかろうとしているらしい。アークプリーストであるアクアにはアンデットモンスターは相手をするのが楽で簡単に倒せるっと言うことらしい。めぐみんからハリセンをどこから出したか聞かれたが、適当にごまかした。

 

 

 街から外れた丘にの上。

 そこには、お金の無い人や身寄りの無い人をまとめて埋葬する共同墓地がある。

 土葬をするこの世界は死んだらそのまま埋めるだけ、なので墓地にはよく埋められた死体目当てにアンデットモンスターが集まる。その代表的なのがゾンビメーカー、このモンスターは自分は質のいい死体に取り憑き、配下のゾンビを連れまわすらしい。

 その共同墓地近くでで俺達は今バーベキューをしていた。日の入りまではまだまだ時間がある。日がでているときはアンデットモンスターは出ないので安心だ。

 

「ちょっとカズマ、あんた肉ばかり食べてないで、野菜もたべないさいよ!」

「俺、キャベツ狩りからどうも野菜が苦手なんだよ、焼いてる途中で飛んだり跳ねたりしないか心配になるから」

 

 そう言いながらカズマはマグカップを取り出し、初級魔法でコーヒーを作り飲んでいた。

 

「わりぃ、カズマ俺にも水くれ」

「あ、私にもお願いします」

「わかった、〈クリエイトウォーター〉!」

 

 カズマが魔法を使うとマグカップに水が注がれる、魔法使い以上に魔法を使いこなしているような気がするが、あえていわないでおこう。

 

 日が沈み、周りの気温が下がってきた。

 

「冷えてきたわね、ねぇカズマ、私ゾンビメーカーなんて雑魚じゃなくて、もっと大物が出てきそうな気がするの」

「・・・おい、そんな事言うなよ、それがフラグになったらどうするんだよ」

「静かに・・・」

 

 そんな事を話しているカズマ達を注意する、今敵関知スキルに何か引っかかった。

 

「おいおい、ゾンビメーカーってあんまりゾンビ引き連れないよな?結構な数いるぞ・・・」

「あぁ、今俺の方も感知した」

 

 そうカズマと話していると墓場の中央で青白い光が走った。

 その幻想的な青い光は大きな魔法陣、そして魔法陣の隣に黒いローブの人影が見えた。

 

「・・・あれ?・・・ゾンビメーカーじゃ・・・ない気がします・・・」

「突っ込むか?ゾンビメーカーじゃないにしても、こんな時間に墓地にいる以上、アンデットには違いないだろう。ならアークプリーストのアクアがいる限り楽勝だろう」

「いや待て、あれほどのゾンビを連れている奴だぞ?下手したら返り討ちにあうぞ。後もう少し待て、後少しで周りのゾンビも罠の範囲内に入r・・・」

 

 俺が全部言い終えないうちにアクアが思いがけない行動をとった。

 

「あーーーーーーっ!!」

 

 突然叫びローブの人影に駆け寄るとビシッと人影を指差し

 

「リッチーがノコノコこんな所に現れるとは不届きなっ!成敗してやるっ!」

 

 そんなアクアの声を聞き、急いでアクアに言った。

 

「アクア!飛べ!吹き飛ばす!!」

 

 俺の鬼気迫る声が聞こえたのか、アクアは慌ててこちらに戻ってきた、リッチーは何が起こっているのか把握

まだ最初の位置にいた。

 

「よし!」

 

 アクアが効果範囲を出た瞬間にスイッチを押す。

 一瞬遅れ爆発音が鳴り響く。C-4俺が墓地に来て仕掛けておいた罠だ、スキル〈罠隠蔽〉で隠された物はそう簡単には見つからない。

 威力こそめぐみんの爆裂魔法には遠く及ばないがそれでも充分威力は高い。並みのモンスター程度なら一撃だろう。だが・・・

 

「な!?」

「うぅ・・・ひ、酷いですよ、いきなり攻撃してくるなんて・・・」

 

 爆発の中心にいたリッチーは傷一つなかった。

 

「だ、ダメですコテツ!リッチーはあらゆる物理攻撃を受け付けません!」

「え!マジかよ!?」

 

 俺が驚いていると、アクアがまた突っ込んで行き魔法陣を壊し始めた。

 

「や、やめやめ、やめてぇぇぇぇ!誰なの!?いきなり出てきて爆破したり私の魔法陣を壊そうとするのは!?やめて!やめてください!」

「うるさい!黙りなさいアンデット!どうせこの怪しげな魔法陣でよからぬことを企んでいるのでしょ!?何よこんな物!こんな物!!」

 

 超大物モンスターのはずのリッチーが魔法陣を踏みつけるアクアの腰に泣きついている。

 

「やめて!やめてー!!これはまだ成仏できていない子たちを天に返して上げるための物です!」

 

 リッチーが言うように人魂のようなものが青白い光と共に天に消えていってる。

 

「リッチーの癖に生意気よ!そんな善行アークプリーストの私がやるわよ!」

 

 そうアクアが言うと片手を上に突き出し。

 

「〈ターンアンデット〉ッ!」

 

 そうアクアが言うとアクアを中心に白い光が墓場を包んだ。

 その光はゾンビ達に触れるや否や、ゾンビ達が消えるように浄化されていった。その光は勿論アンデットであるリッチーにもおよび・・・

 

「きゃー!か、体が消える!?止めて止めて、私の体が無くなっちゃう!!成仏しちゃう!」

「あははははは、愚かなるリッチーよ!自然の摂理に反する存在よ!神の意に背くアンデットよ!さぁ、私の力で欠片も残さず消滅するがいいわっ!」

「おい、やめてやれ」

 

 そう言いカズマがアクアの頭を剣の鞘で小突くと集中力が切れたのか、白い光を放つのを止めて、頭を抑えて涙目になっていた。

 そのアクアを無視しカズマはリッチーに声をかけた。

 

「お、おい、大丈夫か?えっと、リッチーでいいのか?あんた」

「だ、大丈夫です・・・危ないところを助けて頂き、ありがとうございました。おっしゃる通り、リッチーです。リッチーのウィズと申します」

 

 ウィズと名乗ったリッチーはびっくりするほど美人な人だった。

 何故ウィズがこの墓地で普通は街のプリーストがやるような事をしているかと言うと、街のプリーストは拝金主義でお金を持っていない人が埋葬されるこの墓地は後回しにされ、ろくに供養されないので天に帰れないので、定期的に訪れ天に帰りたい魂を天に返してやっているとのことだ。

 普通にいい人だった、それはもう、うちの自称女神のアークプリーストよりは確実に。

 カズマはアクアが定期的にここを訪れ天に返す事を約束し、そのかわりになるべくこの墓地に来ない事をお願いした。

 

 

 墓場から帰る途中ダクネスが呟いた。

 

「そう言えば、ゾンビメーカー討伐はどうなるのだ?」

「「「「あっ」」」」

 

 クエスト失敗!




 お、おう、日刊(加点式、加点式透明、ルーキー)に載ってる・・・

 こうなれたのも皆様方のおかげです!ありがとうございます!

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