この素晴らしい世界に銃声を!(旧)   作:大根の刺身

7 / 18
この勇者(笑)に鉄槌を!(上)

〈side カズマ〉

 

「コテツ!起きてくださいコテツ!」

 

 そうめぐみんがコテツを揺さぶりながら叫ぶ。

 

「ほぅ、腰抜けばかりかと思っていたが、そうでもなかったようだな。少々できるようだったが詰めが甘い、俺がこんな安物の短剣で倒せるかと思っていたのか?」

 

 そう言うとデュラハンは首のない馬に乗ると最後にめぐみんに向かい言った。

 

「紅魔の娘よ!こうなったのは全て貴様のせいだ!自分の行いを後悔するんだな!!ククク・・・フハハハハっ!!!」

 

 めぐみんがその言葉に更に顔を青くすると満足したのかデュラハンはそのまま城に帰って行った。

 

 

 余りにあんまりな展開に、集められた冒険者達は呆然としていた。

 コテツの傍にいためぐみんが青い顔でわなわなと震え、杖を握り直す。そして、一人で街の外へ出て行こうとする。

 

「おい、どこ行く気だ。何しようって言うんだよ」

「こうなったのは私の責任です。ちょっと城まで行って直接爆裂魔法をぶち込んで、ダクネスの呪いを解かせてきます」

 

 めぐみん一人で行ったところで、どうにかなるものじゃ無いだろ・・・と言うか。

 

「俺も行くに決まってるだろうが。お前一人じゃ、一回魔法撃って終わりだろ」

「・・・わかりました。でもアンデットナイトがひしめいているらしいです。となると武器は聞きにくいですね。こんな時こそ私を頼りにしてくださいね」

 

 微かに微笑みながらそう言うめぐみん。そうして俺達が作戦を考えていると。

 

 

「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

 

 

 そんな声が聞こえた。そして、アクアが嬉々として言ってきた。

 

「この私にかかれば、デュラハンの呪いの解除なんて楽勝よ!どう、どう?私だって、たまにはプリーストっぽいでしょ?コテツにだって回復魔法をかけたんだから!」

「「・・・え?」」

 

 どうやら行く必要は無さそうです・・・恥ずかしい・・・

 

 

〈side out〉

 

 デュラハン襲撃から一週間が過ぎた、ダクネスにかけられた呪いはアクアが解いたらしい。

 俺はあの後3時間程度気絶していて、よく知ら無いが・・・

 あ、後起きた時にスッゴいカズマとめぐみんに怒られた。それはもう、軽くトラウマになるくらい。

 

「クエストよ!キツくてもいいかクエストをうけましょう!」

「「えー・・・」」

 

 突然アクアがそう言い出した。カズマとめぐみんは不満そうだ。

 アクア以外のパーティーメンバーの懐は潤っている、わざわざ高難易度の仕事をしたいとは思わない。

 

「お、お願いよおおおおお!頑張るから!今回は、私、全力で頑張るからぁぁぁぁ!!」

「・・・・しょうがけぇなぁ・・・。じゃあ良さそうなクエスト見つけて来いよ。悪くなかったら付いていってやる」

 

 カズマがそう言うとアクアは掲示板へと駆け出して行った。その後にカズマが見張りに行った。

 

「コテツ、もう傷は大丈夫ですか?」

 

 チビチビとネロイドを飲んでいたらめぐみんからそう聞かれた。

 あの時デュラハンに蹴られた時肋骨を折ったのだ、アクアの回復魔法で骨は修復されたがしばらくは脆くなってるから安静にしとけと街の医者から言われていた。自分の防御値の低さに思わず涙した。

 

「大丈夫だよ、医者からも大丈夫って言われたし。それに毎日アクアに回復魔法かけてもらってたからな。・・・・あれ?俺アイツに礼として金とられたんだが・・・」

「そうですか、なら良かったです・・・」

「おう、ありがとな」

 

 そう言うとめぐみんはネロイドを飲み始めた。

 

「・・・」

「・・・」

(き、気まずい!すごく気まずい・・・会話も続かないし。だ、誰かこの気まずさをぶち壊してくれ!そうだ!ダクネス!)

 

 ちらっとダクネスを見るとニヤニヤしながらこちらを見ていた。

 

(だ、駄目だ、こいつ楽しんでやがる!?か、カズマ、はよ帰ってこい!!)

 

 それから10分してやっとカズマがアクアを連れて帰ってきた。どうやらクエストで使うものをギルドから借りるための手続きに時間がかかっていたようだ。

 

「あれ?どうしだのみんな?早くクエスト行くわよ!」

 

 そう空気を読まないで言うアクアに今回ばかりは心から感謝した。

 

 

 

 アクシズの街から少し離れた場所にある大きな湖。今回の依頼は街の水源の一つのこの湖の浄化だ。今は水が汚染されていてブルーアリゲイターっと言うモンスターが住み着いた。このままでは危険で街の水不足に繋がるっと言うことから湖の浄化依頼が出ていたらしい。

 湖が浄化されたら、住み着いたブルーアリゲイターも自然と山に帰って行くらしい。

 

「・・・ねぇ、本当にやるの?」

 

 そう檻の中に入ったアクアが言った。

 

「・・・私、今から売られていく、捕まった希少モンスターの気分なんですけど・・・」

 

 これはカズマが考えた作戦らしいく、アクアは水に触れただけで水を浄化する変わった体質らしく、檻をアクアごと湖に沈め、ブルーアリゲイターからの攻撃を守りながら浄化する作戦らしい。

 俺達はヤバくなったら馬で檻を引き上げるしかやることが無いらしい。

 

 

 

「・・・つ・・・てつ!・・・起きろコテツ!」

「っ!?」

 

 どうやら途中で寝てたみたいだ、浄化は終わったらしいのだが、何故かアクアは檻から出ていなかった。

 

「わ、わりぃ」

「いや、大丈夫だ。なぁ、コテツ、めぐみんやダクネスと話し合ったが今回の報酬は全部アクアにやってもいいか?」

「あ、あぁ大丈夫だ。ってか寝てて何もしてないからな、貰う方がおかしいよ」

「悪いな、ありがとう」

 

 そう言ってカズマは泣きじゃくるアクアの方にいき。

 

「ほら浄化終わったのなら帰るぞ。皆で話し合ったんだが、俺達は今回、報酬はいらないから。報酬の30万、お前が全部もってけ」

 

 普段いろいろと文句を言う癖に、仲間を大事にしているカズマは俺達の立派なリーダーだ。

 カズマの言葉に小さく頷いたアクアは呟いた。

 

「・・・まま連れてって・・・」

 

 ?

 

「檻の外の世界は怖いからこのまま連れてって・・・」

 

 ・・・俺が寝ているうちに何があったんだいったい・・・

 

 

 

「ドナドナドーナー・・・」

「お、おいアクア、もう街中だからその歌は止めてくれ、ただ得さえボロボロの檻の中に入って膝を抱えた女を連れ込んでる時点で、ただえさえ街の住人の注目を集めているんだからな?とりあえずもう安全だからいい加減出てこいよ」

「嫌。この中こそ私の聖域よ。外の世界は怖いからしばらく出たくないわ」

 

 どうしても檻の外に出ないアクアにカズマが溜め息を付いた時だった。

 

「め、女神様っ!?女神様じゃないですかっ!何をしているのですか、そんな所で!」

 

 そう叫んだ男は檻に駆け寄ると鉄格子を曲げて中のアクアに手をさしのべた。

 ブルーアリゲイターでも壊せない檻壊すとかどんな筋力値してんだろこいつ?っというかアクアの知り合いか?

 

「おい、私の仲間に馴れ馴れしく触るな。貴様何者だ?知り合いにしては、アクアがお前に反応してないのだが?」

 

 今のダクネスは普段とは違いキリッとしていて、とても頼りになりそうな雰囲気を出している。

 男はダクネスを一瞥すると「はぁ・・・」っとため息を吐きながら、いかにも、自分は厄介事に巻き込まれたく無いのだけれど仕方がないっと言った感じだ。・・・・うぜぇ。

 

「ああっ!女神!そうよ、私は女神よ!それで?女神の私にこの状況をどうにかしてほしい訳ね?しょうがないわね!」

 

 カズマがアクアに何か言ったらしくようやく檻からでた。

 そしてアクアは男を見て首を傾げる。

 

「・・・あんた誰?」

 

 どうやら知らないようだ、いや、ただアクアが忘れているだけかもしれない。

 男は目を見開き驚いて叫ぶ。

 

「何言ってるんですか女神様!僕です、御剣 響夜(みつるぎ きょうや)ですよ!あなたに魔剣グラムを頂いた!!」

「・・・・?」

 

 アクアはまだ首を傾げている。そして、俺は今さら気がついた、アクアはあの時俺をここに送った女神さんでカズマも日本から来たのかもしれない、何で一緒にいるかはわからないけど。そしてこのミツルギっと名乗った男も日本から来たのだろう、後ろにはミツルギのパーティーメンバーと思う女の子がいる。

 

「ああっ!いたわね、そういえばそんな人も!ごめんね、すっかり忘れていたわ。だって結構な数の人送ったし、忘れたってしょうがないわよね!」

 

 まぁ、今仲間やってる俺の事もたぶん自分が送ったと忘れてるくらいだしねっと心の中で思いながら眺めていると。

 

「ええっと、お久しぶりですアクア様。あなたに選ばれた勇者として、日々がんばってますよ。職業はソードマスター。レベルは37まで上がりました。・・・所でアクア様はなぜここに?というか、どうして閉じこめられていたんですか?」

 

 ミツルギはチラチラっとカズマを見ながら言っている。

 カズマが何か説明しすると。

 

「・・・バカな。ありえないそんな事!君は一体何を考えているんですか!?女神様をこの世界に引き込んで!?しかも今回のクエストではオリに閉じ込めてつけた!?」

 

 いきなり叫びカズマの胸ぐらを掴んだ、さすがにこれはやりすぎだ。

 俺は腰に有るハッシュパピーをいつでも抜ける用に準備する。

 

「ちょちょ、ちょっと!?別に私は結構楽しいし、ここに連れてこられたのはもう気にしてないんだけどね?それに魔王を倒せば帰れるんだし!今日のクエストだって報酬を全部くれるっていうのよ!30万よ30万!」

「・・・アクア様、こんな男にどう丸め込まれたかは知りませんが、今のあなたの扱いは不当ですよ。そんな目に逢って、たった30万・・・?あなたは女神ですよ?それがこんな・・・。ちなみに、今はどこに寝泊まりしているんです?」

 

 我慢しないと我慢しないと・・・・

 

「えっと、コテツ以外のみんなと馬小屋で寝泊まりしてるけど・・・」

「は!?

 

 ミツルギがカズマを掴む手にさらに力が込められた。

 

「おい、いい加減その手を放せ。お前はさっきから何なのだ。カズマとは初対面のが礼儀知らずにもほどがあるだろう」

 

 いつも物静かなダクネスが怒っている。隣にいためぐみんも詠唱をしている。

 ミツルギは手を離すと興味深そうにめぐみんとダクネスを観察する。

 

「・・・クルセイダーにアークウィザード?・・・それに、随分綺麗な人達だな。君はパーティーメンバーに恵まれているんだね。それなら尚更だよ。君はアクア様やこんな優秀そうな人達を馬小屋で寝泊まりさせて、恥ずかしいと思わないのか?さっきの話じゃ、就いている職業も、最弱職の冒険者らしいじゃないか」

 

 ミツルギは同情するかのようにアクア達を見て笑いかけた。

 

「君達、今まで苦労したみたいだね。これからは、僕と一緒に来るといい。もちろん馬小屋なんかで寝かせないし、高級な装備品も買い揃えて上げよう。というか、パーティーの構成的にもバランスが取れていいんじゃないか。ソードマスターの僕に、僕の仲間の戦士、そしてクルセイダーのあなた。盗賊の僕の仲間とアークウィザードのその子にアクア様。まるであつらえたみたいにピッタリなパーティー構成じゃないか!」

 

 当然のごとく俺とカズマが入ってない。アクア達がこそこそ話始めたので俺はミツルギに話しかける。

 

「おい、あんた」

「なんだよ、部外者は引っ込んでてくれないかな!」

 

 新調した短剣を引き抜いて飛びかかろうとするのをカズマが必死に止めてくる。

 

「お、おい!コテツ!気持ちはわかるがやめろ!」

「離せカズマ!この礼儀知らずの糞野郎はボコボコにしないと気が済まん!」

 

 カズマを引き離そうとするがなかなか離れない。そんな事しているとアクアが

 

「ねぇ、カズマ。もうギルドに行こう?私が魔剣あげておいてなんだけど、あの人には関わらない方がいい気がするわ」

「コテツ落ち着いてください。さ、早くギルドに行きましょう」

 

 めぐみんにそう宥められ仕方なくでは有るがこいつ殴るのは止めておこう。

 

「えーと。俺の仲間は満場一致であなたのパーティーには行きたく無いみたいです。俺達はクエストの完了報告があるから、これで・・・」

 

 俺達が通ろうとするとミツルギはカズマの前にから動かない。

 

「・・・・どいてくれます?」

 

 さすがにカズマもイライラしているようだ。

 

「悪いが、僕に魔剣という力を与えてくれたアクア様を、こんな境遇の中に放ってはおけない。君にはこの世界は救えない。魔王を倒すのはこの僕だ。アクア様は僕と一緒に来た方が絶対にいい。・・・君はこの世界に持ってこられるものとしてアクア様を選んだと言うことだよね?」

「・・・そーだよ」

「なら、僕と勝負を使用じゃないか?アクア様を持ってこられる『者』として指定したんだろ?僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら、何でも一つ、言うことを聞こうじゃないか」

「よし乗った!じゃ行くぞ!」

 

 カズマは予想していたんだろう、ミツルギがいうやいなや剣を抜き飛びかかった。

 

「えっ!?ちょっ!待っ!?」

 

 不意をつかれたミツルギだが、腰の魔剣を抜き受け止めに入るがカズマは剣を寸止めして左手を突き出した。

 

「『スティール』ッッッッ!」

 

 そう叫ぶと同時にカズマの手にミツルギの魔剣が握られていた。

 

 

「「「「はっ?」」」」

 

 そうカズマ以外の全員が言った。

 呆然としているミツルギにカズマは剣を振り下ろした。

 

「卑怯者!卑怯者卑怯者卑怯者卑怯者ーっ!」

「あんた最低!最低よ、この卑怯者!正々堂々と勝負しなさいよ!」

 

 ミツルギの仲間がカズマに文句を言っている。

 

「おい、お前らのリーダーが仕掛けた勝負だろ?しかもこちらはまだ、駆け出し冒険者。俺から言わせればあんたらがしたのはかつ上げだ、あと俺達の仲間を物扱いして、それで普通にスキル使って勝ったらそれを卑怯者扱いとか馬鹿じゃないのか?」

「な、何ですって!?」

「は?何か?間違ったこといってますか?おいカズマはよ行こうや」

「お、おう、この魔剣貰っていきますね」

 

 カズマがそう言うと取り巻きの一人がいきり立つ。

 

「な!?バカ言ってんじゃないわよ!その魔剣はキョウヤしか使いこなせないわ。魔剣は持ち主を選ぶ。その剣は、キョウヤを持ち主と認めたのよ?あんたには魔剣の加護は効果がないわ!」

「マジで?俺に使えないのか?」

「カズマ、本来の力が使えないでも、今お前が使ってる物より良いもんだ。それに使わないのなら売ればいい。つかあんたら邪魔だからさっさと行けよ」

 

 そう警告する。さすがに俺も我慢の限界だ。

 

「じゃぁな。そいつが起きたら、これはお前が持ちかけた勝負だから恨みっこ無しだって言っといてくれ。じゃ、行くぞ」

 

 そう言ってギルドに向かう俺達にミツルギの仲間が武器を構えた。

 

「ちょっとあんた待ちなさいよっ!」

「キョウヤの魔剣返して貰うわよ。こんな勝ち方、私達は認めない!」

 

 そう言ってこちらに攻撃をしようとした。時、乾いた音が2回鳴った。まぁ、俺が撃っただけだが。ハッシュパピーに装填していた弾は麻酔弾、それを頭に撃ち込まれた2人は即座に眠った。

 

「・・・・よし」

「よし。じゃねーよ!だ、大丈夫なのか!?ってかそれ銃だよな!?この人たち死んでないよな!?」

 

 カズマは俺が銃を持っている事に驚いている。ちなみにめぐみん達は何が起こっているのかわかっていない。まぁ、そうだろう、この世界に銃はないし、魔法を使った訳じゃないのに人がいきなり寝たのだから仕方ないだろう。

 

「カズマ、大丈夫だ安心しろ・・・たぶん・・・」

「安心できるかぁぁぁ!!」

 

 結局眠ったミツルギパーティーはそのまま放置する事になり俺達はようやくギルドに戻れた。

 




 誤字脱字、感想などお待ちしております!

 仕事の関係上、次回からの投稿が遅くなるかもしれませんができるだけ早く書き上げて投稿したいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。