Life 7
その日のイッセーは朝からおかしかった。
何かを悩んでるように見える。
アーシアが話かけても上の空で、あーとか、そうだなとか、適当な相槌を打つだけだった。
何かわけがあるのかと聞くと、
「なぁ、リョータ。部長ってなにか家のことで悩みがあるのかなぁ?」
と、俺が知っているわけのない事を聞いてきた。
普通に考えれば一緒に眷属になった俺が分かるわけがないのだから。
「お前と一緒に眷属になった俺が分かるわけないだろう?」
「そうだよな~。変なこと聞いて悪かったな。」
そしてやつは「はぁ~」とため息を吐くとまた思考の海に奴は戻っていった。
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放課後、いつものように旧校舎に向かおうとイッセーのやつは相変わらず上の空でマトモな反応を返さない。
そんなイッセーのことをたまたま昇降口で一緒になった木場も心配したのか俺と同じような質問をイッセーに投げ掛けている。それにもイッセーは俺の時と同じように質問を質問で返し、それに対し木場は、
「僕はよく知らないけど朱乃さんなら知ってるんじゃないのかな?あの人は部長の懐刀だからね。」
その答えにイッセーは納得したのか午前中よりも随分とマシな顔になった。
部室の目の前に来るともの凄い気配に押し潰されそうになった。
「…何てことだ。この僕がここまで気づかないなんて。」
木場もどうやら気づいているようだ。イッセーは何言ってんだコイツって顔してる所から見ても気づいてないのだろう。
とてもデカイ気配。
今の俺何かじゃ絶対に相手にされないようなデカイ気配。
プレッシャーに押し潰されそうになるなか扉を開けるとそこにはーー
金髪の男が部長と対面する形で座っていた。
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部長と金髪男から説明された事を簡潔に纏めるとーー
男の名前はライザー・フェニックス
上級悪魔の貴族で、リアス部長の家同士が決めた婚約者。
本来なら結婚はリアス部長が大学を卒業したらのはずだったが現フェニックス家の当主が急遽結婚を早めるように後押しをしてきた。フェニックス家は現在冥界で強い権力を持っているため断りづらく、この度結婚する事になった。
しかし、リアス部長は結婚に反対し駄々を捏ねているという状況だ。
「文句を言うなよ、リアス。これも悪魔なら必要なことだ。貴族はみんな恐れているんだ。純血の悪魔が絶えてしまう事を。お前もその事をわかっているはずだ。」
「私だってね、ライザー。結婚する覚悟はできてるの。婿養子だってとるわ。」
「だったら、」
「でもね、それは今じゃないし、その相手はあなたじゃない。私は私を私として見てくれる人としか結婚しないわ。」
こんな感じで、両者の主張は噛み合うことなく平行線を辿っていく。
このままではこの議論に終わりはない。
どうしたものかと思っていると、魔方陣が現れたその中からメイドが現れた。
「グレイフィア?!」
リアス部長がメイドさんの名前だと思われるものを叫びライザーさんも驚いた顔でメイドを仰視している。
「皆さん。静粛になさってください。お嬢様の新しい眷族の方ははじめまして。グレモリー家に仕えるグレイフィアです。今回の結婚の件は私の主、お嬢様の兄から解決策としてレーティングゲームをしてはどうかと提案がありました。それをフェニックス家のご当主も先ほど案を呑まれました。もし、ライザー様が勝ったら即結婚。お嬢様が勝てば婚約破棄ということになります。」
「その勝負乗るわ。」
部長はすぐにグレイフィアさんが出してきた案に賛成を表明した。
それもそのはずだ。勝てば悩みの種はきれいさっぱり無くなるのだから。
グレイフィアさんの説明はまだ続く。
「ただし、両者が公平になるようにお嬢様方の修行の時間を取るため、開始を10日後にします。また、お嬢様の女王である姫島様はライザー様との一対一を禁止、また他の眷族に混ざって攻撃するのも禁止とします。ただし、他のライザー様の眷族を狙って攻撃するのは可。その攻撃が敵に当たっていればライザー様が巻き込まれてもライザー様に攻撃したという事態にはならない。よいうルールです。よろしいですか?」
「問題ないわ。」
「依存はない。」
二人とも頷くなかでイッセーは
「すいません。どうして朱乃さんが、直接攻撃するのは禁止なのでしょうか?」
俺も思っていた疑問を質問してくれた。ないす、イッセー。
「ご質問の答えですが、このレーティングゲームはリアスお嬢様の覚悟を問うものです。朱乃様が本気で戦闘すれば、いかにフェニックスと言っても勝敗は明らかです。そんあ状態ではマトモに修行しなくても勝ててしまう。それでは意味がない。だからといって朱乃様を禁止にするとあまりにもリアスお嬢様が不利すぎる。そのため今回のようなルールに落ち着いたのです。」
つまり、朱乃先輩はそれほど強いということか。
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要件を伝え終わるとグレイフィアさんは帰り、ライザーさんも、
「10日後を楽しみにしているぞ、リアス。」
と言い残し去っていった。
そして部長が言った。
「明日から学校を休んで修行よ!」
というわけでオカルト研究部は明日から修行となったのである。