デジモンアドベンチャー02 〜導きの灯火〜   作:すなぎも

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うん、なんか、すいませんでした。
すごい遅れてしまいました。
駄文なのでそこだけご注意させていただきます
それではどうz...

バキッ


第2話『闇と呪い』

大輔の元へと飛んできたのは間違いなくデジヴァイスだった

しかし華音のものとはなにやら形が違っていた

華音のものはポケベルのような形なのに対してこちらはトランシーバーのような形で青いラバーグリップがつけられている

 

「デジタルワールドが選ばれし子供を呼んでるの・・・?」

華音はそれだけ呟くと目を回している大輔の首根っこを引っ掴む

そしてそのまま引き摺る形で階段を駆け上がる

 

向かった先は『コンピューター室』

つまりはパソコンの置いてある部屋だ。

 

この学校では唯一機械だけが置いてある無人の部屋になることがある部屋

今も無人だとすれば騒ぎになってないことから恐らく『これ』はそこから飛び出してきたのだ。

 

そんなことを考えながら階段を駆け上がり廊下を走り抜ける

そしてコンピューター室へと辿り着きドアを思いっきり引いて開ける

 

瞬間、目の前は銀色の羽で覆い尽くされる

あの時、あの敵と戦った時にいた鳥がいた

外の夕陽によってその羽は提灯の灯火のような色を放っていた

 

しかし、瞬きをするとそれは羽と共に消え去る

幻覚かと薄らと笑みを浮かべると不自然なことに気付いた。

何故だかあるのだ。

彼女の家に置いてある筈のあの鳥の置いていった『折れた刀』が。

 

「なんでこれがこんなところに・・・」

そう呟くと階段側からドタドタと騒ぎが聞こえてくる

 

「鉄!?」

現れたのは龍崎だった

しかしかなりの疲弊感を醸し出しておりいかにも急いで来たという様子だった

そう思ったのも束の間彼はすぐさま息を整え華音の目の前にある刀の前で屈み刀を持ち上げる

 

「これは・・・鉄のか・・・?」

「ん・・・家に置いてある刀だけどね」

龍崎はそれを聞いてなるほどと言って刀を鞘に収める

 

そしてそのまま刀を華音に手渡すと

「さっきは悪かったな」

そう言い残してさっさと立ち去っていく

 

それに対して華音は何も言わずにすぐに大輔のデジヴァイスをパソコンと繋ぎ合わせる

すると特殊なプログラムでも入っているのか自動的に初めて見るウィンドウが開かれる

 

そこにはアルファベットで「GATE」と記されていた

 

「これは・・・ゲート?

なんでここに・・・」

 

画面を睨みながら思案していると不意に頭の中に不安が過る

それと同時に空耳か、彼らの声が聞こえた気がした

 

「これがゲートなら・・・」

華音はパソコンのディスプレイへと手を伸ばす

手がぐにゃりと歪みパソコンの画面へと飲み込まれる

 

行ける。

 

両手をディスプレイに突っ込みさらに頭からゆっくりと入っていく

華音の作れたゲートとは似て非なる物なのか中は暗闇のトンネルではなくまるで一点集中の絵の様に光が1点を目掛けて駆け巡り常に視界が明るかった

 

目が乾いてきたのをきっかけに一度瞬きをする

再び目を開けると華音は先程とは全く違う異質な土地に立っていた

背後を振り返れば今までに一度も見たことのない黒い塔が建っており彼女はデジタルワールドの変化をその身に感じ取った

 

「華音・・・なの・・・か?」

塔を眺めていると後ろから聞き覚えのある声がした

かつて共に戦った唯一無二の彼女のパートナーの声だった

しかし、その声はかなり弱々しいものだった

 

「リュウダモン・・・?」

 

その声に不安を感じ急いで振り返るととても痛々しい彼の傷が目に映る

彼の装備している鎧の様な甲殻は一部は砕かれ腹部には袈裟掛けに切り傷が入っていた

そして閉じられた右目には上から3本の太い爪痕が残っており彼の右目が既に光を失っていることを容易に伝えていた

 

「なんでそんな酷い傷を・・・」

「デジモンカイザー・・・奴が現れてから・・・原種(アルカイオス)狩りと・・・紋章と繋がる者の、排除が・・・行われ始めたんだ」

そこまで言ってリュウダモンは地面にべたりと倒れ込む

 

リュウダモンを胸の前に抱え辺りを見回すと確かに森は荒れていた

ぱっと見ではわからないのだろうが枝葉が折れたり完全に枯れた木などが多く塔の真下などには闇の瘴気でも放たれているのか草一本生えていない

 

「ふざ・・・けるな・・・」

怒りがふつふつと燃え上り始める

 

「ふざけるな?

何を言っているんだい?異物の存在で・・・」

 

その声に振り返ると紺色の燕尾服のような服を着て黄縁のサングラスを掛けた少年がいた

 

「その塔は傷が付いたら困るんでね

今すぐ離れてもらおうか。

次いでだし、拘束しておくかな。」

そう言って彼は指をパチンと鳴らす

 

すると地面や森の中からデジモン達が現れる

その目は妖しく紅く光りいかにも操られているといった様子だった

 

「ふーん・・・」

その瞬間華音は背後の塔に向け勢いよく裏拳を叩き込む

その一撃で塔にヒビが入り轟音と共に崩れ落ちる

 

「これは宣戦布告・・・

次から、少しでもこの世界を荒らしてみなよ。

私はあなたを殺してそれを止めるから。」

 

そう言い放つ華音の両目は彼の様に紅く輝いていた

華音が苦しむリュウダモンの腹部の傷に手を当てる

しかしそれを見逃すことなく少年の指示が出され周りにいたティラノモン、デルタモン、モノクロモンなどの成熟期が襲い掛かってくる

 

しかし彼らの爪や牙は届くことなく彼女によって頭や腕諸とも粉微塵に消し飛ばされる

 

「・・・なんだ・・・?

その・・・姿は・・・?」

少年は後退りながらうわ言の様に呟く

その時の華音の姿が明らかに異形と言える姿だったからだ

 

彼女の尾骶骨辺りから金属質で白銀色のうねる鋭い刃の付いた尾が生え、左側のこめかみ付近からは稲妻のような形の角が生え、左目の周りには隈取りのように紫色の紋様が浮かび上がっていた

 

その姿に他のデジモン達は既に逃げ出していた

少年も不利と見たのかすぐにワープシステムでどこかへと転送される

 

華音のその状態は何事もなかったかのように華音の体内へと戻り華音自身もその変化には気づいていなかった

 

華音は「相手が逃げた」とだけ感じそのままリュウダモン抱え・・・・

 

帰れないことに気付いた・・・

 

「ちょっと待って、帰る道無いじゃん・・・」

そこで彼女は過去の冒険を思い返す

ここの中からなら出来るかもしれない

 

まず現在地の座標と現実世界の座標同士を結びつける。

次にリアライズ機構をゲートに張り巡らせ・・・

最後に入り口を開ける・・・

 

この時、華音は目を閉じてこれを行った

失敗するような嫌な予感がしたのだ

目をゆっくりと開けると目の前には渦巻く闇の道が出来上がっていた

 

「・・・成功・・・した・・のかな?」

ゆっくりと久しく見ていなかった渦へと手を伸ばす

その時ゲートから人の切断された腕が転がり出てくる

 

「えっ・・・」

華音はそれを見た途端に口を抑えて一、二歩後ずさる

 

「なに・・・これ・・・?」

その表面も切断面も血に汚れてはおらずまるで生きているかのような生々しさだった

 

すると突如、彼女を異常なまでの頭痛が襲った

 

 

-----------------華音-------------------

頭がぐちゃぐちゃに掻き回される

頭が割れる。

痛い、痛い、イタい、いタい、いたイ、イタイ・・・

「華音」

「さよなら」

「また会える」

誰、誰、誰?

私はあなたを知らない

知らないのになんでこんなに・・・

 

右腕が・・・切断・・・?

魂?

なにそれ・・・・・・

 

 

 

ハッとして顔をあげるとそこには彼女の顔を心配そう覗き込むタケルと大輔の顔があった

どうやらデジタルワールドから戻ってこれたらしい

 

「大丈夫?鉄さん。」

タケル君の言葉に呆然としながら頷くと大輔君が首根っこを持ちながら治療の施されたリュウダモンを見せてくる

 

「こいつから話は聞いたよ」

ちなみにこの後大輔君には手を軸にした強烈な回転蹴りを食らった

 

 

「さっき、デジタルワールドに行ったの。

何だかは分からないけど、紺色の服を着た不審者が荒らし回ってるみたい。」

リュウダモンを小脇に抱えた私はタケルにそう言う

しかしタケルもいまいち理解が出来ていない様子で頭に?を浮かべていた

 

「明日、また行ってみよう。

きっと行けると思うんだ。」

そう言って私はそそくさとその場を立ち去る

 

至極個人的な理由だった

 

何故だか今日は変な日だ。

鳥肌が収まらない

恐怖を感じているのか自ずと足も速くなっていく

 

家に着いた時にはすっかり息も上がってしまっていた

しかし家に辿り着いた安心感からか疲労はあまり感じてはいなかった

 

ドアを開ければきっといつも通りの我が家なのだと思っていた

しかし今日だけは違った

 

「どうも、お邪魔してます」

何故か入ってすぐ左のキッチンで中華鍋を振るう龍崎がいた

「・・・なんでいるの。」

「あなたのお母様に頼まれたので。」

そう言って彼は一心不乱に中華鍋を振るい米を炒めていた

 

「・・・炒飯」

「材料の問題でこれしか作れませんでした。」

 

妙に手際がいいのが地味に腹が立つ

次第に鼻に食欲を刺激する良い香りが漂ってくる

数分後には皿の上に黄金色の炒飯が盛られていた

また彼の炒飯に関しては何故か花びらのような謎の造形が施されていた

 

「なにこの無駄なテクニック・・・」

「パフォーマンスは義務です」

 

よく分からないことを言うと彼はいきなりその手に持ったスプーンで炒飯を再造形し始める

 

「義務だのなんだの言っておいて食べないんだね?」

「パフォーマンスは、義務です」

「それ以前に食べ物を粗末にしないのも義務でしょ」

 

私が眉間に皺を寄せながら突っ込みを入れると彼は一気に造形の速度を速める

数秒後私の眼の前には鍋を振るった時のような姿で固定された炒飯があった

 

「どうしてこうなった!!?」

「パフォーマンスです。」

そう言って彼は真顔で炒飯を掬い食べ始める

 

「こ、これは・・・パフォーマンス超えてるよ・・・」

私は苦笑いを浮かべながら呟いた

 

 

 

------------デジタルワールド------------

 

「総員、衝撃に備えろ!」

燕尾服の少年、デジモンカイザーが全員に指示を出した瞬間極太のレーザーが彼らの潜む要塞の横を過ぎ去る

 

「現在距離2,000!

再び奴が形態を変えます!」

「何に特化した!?」

その言葉を聞き届けたかのように彼らの敵の後背部にブースターが展開される

 

「ここまで一気に突撃してきます!」

「カウンターを狙え!

進行路上をバリスタで潰せ!」

彼らの要塞の前面にバリスタが設置され一気に矢を放ち出す

 

「竜剣【剛尾】」

背中のブースターが悲鳴のような甲高い音とともにしなるとても太い尾へと形を変える

そしてそれは俊敏に動き、突撃時のスピードをほとんど緩めることなくバリスタを弾き飛ばす

 

「竜鱗【切雨】」

そう言うと彼は要塞の手前で尾を使い自身の体を上空へと跳ね上げる

そして再び尾が変形を起こし鱗に包まれた巨大な翼と化す

 

羽ばたくごとに自身の翼に生えた鱗を撒き散らし

巻き起こした風でそれを弾丸のように撃ち込んでいく

 

まさに弾の雨だった

 

要塞はみるみるうちに穴を開けられ縁を削り取られ見るも無残な残骸へと姿を変える

 

「竜轟【吼】」

 

彼はそう呟き背中の翼をたたみ地面に降り立つ

その瞬間に翼を一気に変形させ巨大な砲台を作り出す

 

「塵芥と化すがいい。

傲慢なる穢れた帝王よ。」

その一言と共にデジモンカイザーの基地目掛けて極太のレーザーが再び放たれる

 

じゅわじゅわと肉が焼けるような音を立て

要塞どころか地面すらも溶かし消し去っていく

 

後にはレーザーが削り取った大地が残り要塞は跡形もなく消え去っていた

 

「・・・逃したか。」

 

そう呟くと彼は砲台を液状化させ体内に取り込む

それを終わらせるとふらふらとどこかへと向かう

 

恐らくはデジモンカイザーの向かった先へと。

 

 

 

 

 

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