超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
それでは予告通り、日本の自衛隊と米軍・連邦陸軍のハワイ激戦の続きに伴い……

灰田「アメリカ政府が予想外の行動を起こします、果たしてこの戦いの行方はどうなるかは本編を読んでのお楽しみです」

それでは改めて……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第百一話:予知せぬ講和宣言

ハワイでは、いよいよ大詰めのときがやって来た。

米軍・連邦軍の両軍は後退を続け、パールハーバー一帯の狭い地域に押し込まれた。

何しろ狭い島なので、後退するのには限度がある。

ワイアラエ山脈に逃げ込み、ゲリラ戦に展開する手段を取る海兵隊と連邦軍もいた。

しかし、両軍の抵抗は終わってしまった。

ディエゴ司令官が降伏を決意したのは、日本軍はあくまでも停戦と称しているが……その武器弾薬が底をついたからである。

キム司令官は敵の武器を奪って徹底抗戦か、捨て身の特攻作戦をすべきだと主張した。

ディエゴたちは『これ以上は無駄な抵抗は無意味だ』と言い、却下した。

この言葉に痺れを切らしたのかキムは命令を無視して、本当に実行しかねなかったため、やむなく米軍将官たちは彼を射殺した。

 

何しろ本国から補給が受けられない。

島は完全に日本潜水艦部隊に包囲されているので、輸送船団はいっさい近づくことができず、近づけばたちまち撃沈させてしまう。

本土からの空輸も無理であり、例えC-17大型輸送機《グローブマスターⅡ》を用いた作戦もプランニングをしたのだが、空もまた空母戦闘群により封鎖されているため思い止まった。

強行すれば犠牲を出すだけである。

いま一度、大規模な空襲を受ければ、味方は全滅してしまうだろう。

 

そう考えたディエゴ大将は、ペンタゴンに停戦を受け入れる旨を求めるべく通信した。

ケリー国防長官もさすがに全滅せよとは言えない。

この状況を知ったケリーは、やむなくディエゴの降伏権利を認めたのである。

ディエゴは軍使を送って、日本軍司令官に『前回の停戦条件は、まだ生きているのかどうか』と確認した。

 

つまり、武器を持ったまま降伏するということである。

米軍のプライドの問題である。

 

小暮陸将はそれを受け入れた。

あっさりとこの寛大な措置を取ったのは、いくら銃があっても各弾薬がないことを見通していたからである。

弾薬が無ければ、銃は全てただの鉄の棒である。

連邦軍は除き、米軍にプライドを持たせて降伏させるには必要な判断だった。

 

ハワイでは、ついに銃声が止んだ。

2週間も続いた激戦は、日本軍の勝利へと終わったのだった。

オアフ島にはいくつかのゴルフ場があり、日本軍はここに仮キャンプを設営した。

また米軍・連邦軍を収容する措置を取った。

ともかく飛行場とパールハーバー諸施設を抑え、整備に掛からなければならない。

しかし燃料タンクも炎上し、各ドックも破壊されていたので、すぐにこれが使えるということはならない。

 

だが、海自・空母戦闘群は補給艦を連れていたので、とりあえずはパールハーバーで補給の必要はない。

海自司令部では、《アカギ》《カガ》の2個空母戦闘群を残して、残り《ヒリュウ》《ソウリュウ》《飛鳥》率いる2個空母戦闘群は、日本に帰投せよと命じられた。

補給と整備が必要なのでこれらが終了次第、残りも2個群と交替することになっている。

海自では米本土に避難した米空母戦闘群が、ハワイにやって来る可能性が低いと踏んだ。

例のニミッツ級後継艦も出しても返り討ちにされると思い、温存したに違いないと見た。

事実上、米海軍はニミッツ級空母4隻も大破されたので懲りたのであるが……

何よりもそれに在欧米軍支援のためにも必要でもあるが。

 

ともあれ、最優先で爆撃機専用飛行場が整備され、Z機100機がまず進出した。

これで何時でもアメリカ西海岸を爆撃することができる。

これらの状況を背景に、スウェーデン政府を仲介役にして、三度ワシントンに講和を申し出た。

 

ただし条件として、無効にしたアメリカ国債を復活させること。

次に中岡たち率いる連邦残党軍と同盟を決裂、こちらに国際裁判を有利にさせること。

そしてアメリカ在住の日系人を連邦残党とともにした暴挙に対して、1億ドル(約117億円)の賠償金を要求する。

その代わり、これらの条件を全て受け入れられれば、全軍ハワイから撤退する。

これらを受け入れなければ、カルフォルニアなど重要拠点なども空爆するという暗黙の圧力を掛けている。

仲介したスウェーデン政府は『数日の余裕を持って決めたい』とワシントンの意思を伝えて、日本政府は了解した。

 

なにしろ、いま世界各地でのドルの暴落は凄まじい。

アメリカ財務省は第三国を経由してロンドン、パリの金融市場……ウォール街はいまや機能していない。

 

またシンガポールの市場では必死に買い支えているが、とうてい追いつかないほどの暴落ぶりである。

やはり日本の持つ国債をチャラにしたという暴挙が、いまになって効いてきたのである。

そのアメリカがチャラにした日本保有のアメリカ国債は、実に4兆ドル(約446兆円)にのぼる。これを容易に調達するのは困難である。

回復した証拠に、日本の息のかかった第三国の銀行にその金を組み立てねばならないからだ。

さもなければ、日本は信用しないだろう。

そんなアメリカの苦境が分かっているから、日本も了解したのだが、この辺りは日本側の詰めが甘い。

アメリカが連邦残党軍とともに、勝手に陥ったのだから妥協すべきではなかったのである。

やはり一部の日本幹部政府たちの間では、例の『ギルティ・フォーメーション・プログラム』が徘徊しており、両者を徹底的に叩くのは躊躇われるものがあったのだ。

 

 

 

ワシントン・ホワイトハウス

このところ連日のように政府幹部、各軍トップたちを集めての国家安全保障会議が開かれていた。

全員の疲労はもちろんだが、特にハドソン大統領の疲労には見るに耐えなかった。

かつて代々のアメリカ大統領で、これほどの苦境に追い込まれた者はいるのだろうか。

ニクソンやクリントンは苦境に立ったことがあり、それも自ら招いたスキャンダルだった。

世界が敵に回ったわけではなく、常にアメリカの味方だった。

ニクソンは失脚し、1972年6月に起きた民主党全国委員会本部への不法侵入・盗聴事件、いわゆる『ウォーターゲート事件』の責任を取り辞任した。

クリントンに至っては不倫、いわゆる『モニカ・ルインスキー事件』がきっかけで第17代のアンドリュー・ジョンソン以来の弾劾裁判にかけられた。

常識ある国民は呆れたが、幸い内政に成果を上げたので弾劾されずに済んだ。

先の戦争では日本が東南アジアを席巻し、太平洋艦隊が沈められていたときも落ち着いていられた。

 

なによりもまだ国力もあった。

いつでも反撃に出られると言う自信があったからだ。

だからこそルーズベルト大統領は、泰然としていられた。

国民もまた味方であり、国の苦難を前にして一枚岩に纏まっていた。

今とは、全く違う状況になった。

アメリカ合衆国は、バラバラに分裂どころか崩壊しようとしているからだ。

ドルの暴落が甚だしく、国内経済も混乱を極めた。

なお国民は厭戦状態であり、各州ではイスラム原理主義者のテロも続出した。

国内はもはや混乱状態と言う有様である。

 

「今日は日本との講和を受け入れるかどうか、まずそこから議題を進めたいと思います」

 

マーカス国務長官が、まず発言した。

 

「うむ…… オアフ島では我が軍や連邦軍の捕虜の残虐行為などは発生しておらんのか?」

 

こめかみを揉みながら、ハドソンは尋ねた。

かつてイラク戦争やアフガン戦争などで、自軍の兵士たちがイラク人やアフガン人などに対して、多くの非人道的行為を行なった記憶があるからだ。

特にキューバ・グァンタナモ基地におけるイラク人捕虜の扱いは国際問題になった。

元々、敵国であるキューバに米軍基地があるのはおかしなものだが、これは冷戦時代の際に、アメリカが作った基地がそのまま残ったのである。

カストロが政権を握り、アメリカ企業が撤退したときも米軍はここを引き払わず、そのまま居座り続けた。

カストロは追い払いたかったが、最後まで叶うことなく2016年11月25日に死去した。

なおアメリカ政府は彼が死去、キューバと国交を結ぶまで1年に100ドル(約1万2000円)の土地代を払い続けた。

むろんキューバ政府は受け取らないと言う、誰もが笑えない冗談が続いてきた。

 

「いや、国連査察団あるいは赤十字査察団はいつでも受け入れると日本は言っておりますので、その心配はないでしょう」

 

マーカスは答えた。

 

「寧ろ、最大の問題は講和条件にある日本保有の我が国の国債復活です。何しろ4兆ドルと言う驚愕なものです。これを日本指定の銀行に送金しない限り、日本は『うん』と言わないでしょう」

 

「講和を蹴ったら、どうなる?」

 

ハドソンは尋ねた。

 

「おそらくあの《ミラクル・ジョージ》を持って爆撃して来るでしょう。ロサンゼルスやサンフランシスコは大被害を受けます」

 

「爆撃されたら、我が政権は持ちません」

 

グレイ首席補佐官は指摘した。

 

「………!?」

 

ハドソンは『それでも構わぬ』と言いたいが、さすがに思い止まった。

心痛のあまり正気を失いかけてもいたが、何もかも放り出したい心境である。

しかし、最後は自分なりのけじめをつけようとした。

 

「よく分かった…… 諸君、私は連邦残党軍と同盟を決裂して、日本と講和を結びたいと思う」

 

その一声で、全員が一斉に騒ぎ出した。

 

「なぜですか、大統領。まだ日本に負けたわけではありません」

 

そう言ったのは、ケリーだった。

 

「ハワイを取られたとしても我々が負けたわけではありません。その間にオアフを奪回する計画をなんとか練るのです」

 

ヨークは言った。

 

「まあ、待ちなさい」

 

両手を上げて、ハドソンは喧騒を制した。

 

「キミたちも見ただろう、我が空母戦闘群は最新鋭空母を除き、ほとんどが大破した。

グアムの空軍基地だって、日本の重爆部隊にやられ孤立状態だ。

そして止めと言うべきハワイも占領されたのだ。これ以上戦い続けると我が国は今よりも大混乱しかねないことは勿論、いまよりも取り返しのつかないことになる」

 

ヨークは返す言葉がなかった。

事実上、日本軍にハワイ島を占領された挙げ句、国内情勢も不安定だからだ。

これ以上悪化の道を辿る前に、何とか打開しなければならない。

もう自分はどうなっても良い。

最後まできちんと任期を務められるのであれば、それで良いではないかと思った。




予想外の展開と言いますか、急遽アメリカが『停戦講和』を宣言しました。
ハワイまで占領されたら国民は厭戦気分が高まり、このような状況になるのも無理はないかと思いますが……

灰田「因みに『海底戦艦イ800』ではハワイを占領されてこのようになったりしています。また『天空の要塞』『超日米大戦』などでも同じくハワイが占領されて同じような事になっていることもありますが」

果たしてどうなるかは不明ですね、今後は。
原作と同じくこの戦いはまだまだ終わりませんので、連邦残党軍も往生際が悪いものですから。

灰田「元よりこの最終章に突入した時点でもう崩壊していますからね」

まあ、そうなるな(師匠ふうに)
積もり話もいろいろありますが、そろそろ予告に参りましょうか。

灰田「承けたりました。次回はこの停戦講和後の話しです。しかも日本はもちろん、ハドソン大統領がとある人物『ディープ・スロート』の正体を知るべくとある人物との会話をする最中に誰もが予想外の事件が起こります」

最終章は以前も予告下通り、遅くなることもあります。
しかし、最後まで楽しめて頂ければ幸いです。

灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百二話までダスビダーニャ(さよならだ)」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに
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