超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
それでは予告通り、秀真たちによるイ800海底戦艦による本土攻撃およびパナマ攻撃が終了後のアメリカ・連邦視点に移ります。

灰田「またしても両者による日本報復作戦を立てます。果たしてその作戦はどんな作戦かは次回で明らかになります」

それでは改めて……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第百八話:新たな日本報復作戦

8月初め

時刻 1400時

ワシントン・ホワイトハウス

 

ホワイトハウスで・作戦会議室でコンドン大統領がまたもや驚愕すべき報告を聞いた。

正しくは聞かされたと言った方が良いだろう。

パナマ運河が攻撃を受け、そのひとつの閘門が破壊された。

しかも同時に通過していた商船も1隻を沈められ、運河は少なくとも1年間は使用不能という有様である。

コンドンや中岡たちの慢心はおろか、マーカス国務長官たちの不安は的中した。

自分たちの警戒心が無かったにも拘らず、コンドンは激怒した。

 

「この役立たず、貴様らジャップにおめおめとパナマ運河を破壊された恥さらしどもが!」

 

電話の受話器を手に取り、パナマ駐留軍およびアメリカ工兵隊司令官に直接電話した。

もはや連邦亡命政府の幹部たちの如く、酷い罵声と言うよりは子どもが喧嘩のときに言うような悪口大会でもある。

 

『申し訳ありません、我々も警戒はしていたのですが……』

 

「言い訳は無用だ、いかなることがあっても半年で復旧せよ!」

 

『りょ、了解いたしました……』

 

コンドンは怒りを露わに叩き壊すのではと思うくらい、ガチャッと強い音を立てながら受話器を置いた。

ハワイ島はもはや壊滅となり、その束の間にニューヨークが砲撃され、そしてパナマ運河が破壊されて不幸の連続だった。

ニューヨークでは自由の女神が破壊され、ニューヨーク市民はじめ多くのアメリカ国民に計り知れないほど精神的ダメージは大きい。

挙げ句は、日本軍がアメリカ本土まで上陸して来るのではないかと言う噂もあっという間に広がった。

今度こそ本格的に日本を怒らせ、かつて何し遂げることができなかった夢のアメリカ本土上陸作戦で米本土全体が日本軍に占領されるのではないかと言う噂も囁かれた。

はてまた核攻撃をされてでもアメリカは戦い続けるのかと言うことに対し、アメリカ国民は耐えられるのか、マーカスたち率いる良識派は考えた。

 

かつてのアメリカも日本本土侵攻作戦“オリンピック作戦”や“コロネット作戦”などを考えた。

しかし計算上ではこれ以上の兵士を死なれると、民主主義国家としては痛い。

また戦時国債でどうにか凌いでいる状態でもあったが、それでも足りないぐらいだった。

長引けば国民の厭戦気分も高まり、勝利とは言えない勝利もできない。

だからルーズベルト大統領の死後、後継者となったトルーマン大統領は日本に原爆を落とし、終戦を迎えた。

この決断のおかげで終戦を迎えたと言われているが、これほど愚かな神話はない。

米軍はこの完成したばかりの原爆の威力を知りたかった。

降伏をさせるならば原爆1発でも良かったのに対し、2発も投下したことだ。

もうひとつは前記で書いたとおり、ソ連を牽制するのに必要だったことだった。

アメリカの戦後処理はとても下手くそであり、今日までその国の政府に任せれば良いのに余計なことをして新たな混沌を生み出す。

 

日本と同じ手をすれば良いと思いきや、これが上手くいかなった。

冷戦時代では各国に支援をしたものの米軍撤退後は、イスラム聖戦士と名乗るテロリスト―― タリバーンやアルカイダなどが現われ始めた。

イラク戦争後でも同じく、イスラム国と名乗るテロリストが現われた。

アメリカは自国の軍隊の役割に伴い、本来の目的を間違えた。

何故なら軍隊の目的は敵軍撃破であり、自国や各国の治安維持ではないのだからだ。

だから米軍は戦争では勝利したが、対テロ作戦で損害を増大させた。

各軍の特殊部隊を導入しても同じく犠牲を増すばかりであり、交戦規定(ROE)と言う軍隊や警察がいつ、どこで、いかなる相手に、どのような武器を使用するかを定めた基本的なことですら危ぶまれた。

なおイラク戦争でも自衛隊の交戦規定は曖昧であり、幸い一人の被害も出すことなく撤収することができた。

馬鹿馬鹿しいことに、もしも敵兵を殺したら傷害罪・殺人罪に問われることになる。

他国の軍でもこんな罪に囚われることはない。

よほど日本が愛国心に目覚められたらマズイと偏見に伴い、反日思想を持つ連中の法則と言っても良い。

彼らは普段から『軍隊=悪』としか見ていない、その割には仮想敵国であるろくでなしの隣国の軍隊に対しては何も語らないどころか、保護と言う名の被った残虐行為を応援しているという。

それを象徴している連邦国……今では落ちぶれて、自分たちが連邦亡命政府になってでも例えアメリカに寝返ってまででも日本を滅ぼさんとした。

しかし、今ではこの状況に追い込まれているのだから自業自得でもある。

またしても、この重苦しい空気が漂う会議に移り変わったのは言うまでもないが。

連邦が付いてから世界最強を誇っている米軍が、日本に翻弄されてここまで追い詰められるのは前代未聞だったからだ。

 

「ジャップと兵器女どもに、負けるとは海軍の奴らも情けないな」

 

ギャラガーは海軍と空軍嫌いだ、自分のような攻撃的な指揮官がいないから言えるのだ。

実際に日本海軍と戦えば同じような台詞を言えるかどうかは怪しいが。

 

「何としても厭戦気分が高まっている国民の、不安と怒りを押さなければ……」

 

サイモン副大統領の言葉に伴い、全員が顎に手を当てながら考えると……

 

「私にいい考えがある!」

 

中岡はこの空気を打開すべき、また新たな作戦を考案した。

 

「海上がダメならば、空から攻めればいいのです!」

 

「しかし、空から攻めても日本上空に辿り着くのは難しいぞ」

 

ギャラガーの言うとおり、米本土から直接爆撃機を飛ばしてもパイロットの体調を考えなければならない。

パイロットたちの操縦時間は、1時間が限界である。

長時間の操縦は疲労が増し、戦闘するにも苦労するどころかできない可能性が高い。

かつてガダルカナル島の飛行場を奪還、または無力化をしようとしてラバウル基地から出撃した零戦や一式陸攻部隊もそのような目に遭っている。

特に零戦部隊は15分と非常に限られた時間で空戦しなければならず、それ以上の時間になるとラバウル基地までの帰投が難しい。

撃墜王のひとり、坂井三郎中尉も不運にSBD艦上爆撃機《ドーントレス》の7.62mm後部旋回連装機銃の集中砲火を浴び、その内の一弾が坂井の右前頭部に命中・挫傷して左半身が麻痺したのに加えて右目を負傷して(左目の視力も大きく低下)計器すら満足に見えないという重傷を負った。

しかし、坂井は奇跡的にラバウル基地まで戻ることができた。

しかもその愛機は燃料切れと言う状態で戻って来たのだから驚かされる。

オカルト話では母親の声に導かれ、ここに辿り着いたのだとも言われているが、真相は定かではない。

現状に戻る。

 

しかし連邦はお構いなし、限界はないと論破するどころか、もはや口癖のように言う精神論と根性論で誤魔化す。

 

「そこで我々の自慢の捨て身の特攻作戦部隊をご用意しています、ですから大統領閣下の御許可があればいつでも実行可能です」

 

「ふむ……特攻作戦か……」

 

中岡大統領の言葉に、コンドンは顎に手を当てて唸った。

 

「特攻と言っても何処を攻撃するつもりなのだ?」

 

ケリー国防長官は訊ねた。

 

「むろん陽動と本隊に分けて作戦を致します、ただし本命は日本攻撃であります」

 

「ほう、囮はどこなのだね?」

 

コンドンが訊ねると、中岡はにやりと不気味な笑みを浮かべて答えた。

 

「我々は真珠湾を失いました。ですからこちらも天秤にかけるように日本の真珠湾であるトラック諸島か、またはマリアナ海域に囮艦隊を出撃させつつ、この報復作戦の切り札とも言える本隊である特別攻撃隊を日本本土まで突っ込ませます」

 

「つまり陽動部隊はトラック泊地空襲か、マリアナ沖海戦を再現するのかね?」

 

コンドンが言うトラック泊地空襲とは、太平洋戦争中の1944年2月17と18日になされた米軍機動部隊による日本軍の拠点トラック島への航空攻撃である。

日本では『海軍丁事件』としても有名である。

この攻撃により日本軍は多数の艦船と航空機を失い、トラック島は無力化された。

現在でも日本海軍の重要な前線基地、日本の真珠湾と言われている。

もうひとつのマリアナ沖海戦は、日米がマリアナ諸島沖とパラオ諸島沖で行われた海戦。

日本の作戦名は『あ号作戦』とも言われ、アメリカ側の作戦名は海上作戦を含むサイパン島攻略作戦全体について、『フォレージャー作戦(掠奪者作戦)』と命名されていた。

米軍がここを落とすには、当時最新鋭の戦略爆撃機B-29《スーパーフォートレス》の発進基地として重要な場所でもあった。

 

「その通りです、少数ですが我々の新兵器も実験を兼ねて投入したいと思います。

我が艦隊としても改良された新兵器も試したいものですから、丁度良いでしょう。

そちらとしてはB-52と護衛機を貸与していただければ、いつでも実行可能であります。

B-52には原爆を搭載します、なお奴らを欺くために日の丸を付けて置きます。

なおB-2ステルス爆撃機に使用しているステルス塗料を機体に塗ればステルス機能が発揮して欺けること間違いないでしょう。

護衛機はF-15SE《サイレントイーグル》を、これらを30機が良いでしょう」

 

「果たして、そう上手くいくか分からないな」

 

「うむ、私もそう思う」

 

普段は、マーカス国務長官の意見には何でも反対するケリー国防長官もこの時ばかりは同調した。

 

「しかし、我々も日本に報復すべきです。大統領の意見をそれで日本は少しでも考え直すだろう」

 

サイモン副大統領は言った。

彼の言葉を聞いたマーカスは、不味い状況になったと考えた。

これ以上、この戦争に長引けば兵士を無駄に死なせてしまいかねない。

これは民主主義国家そのものを破壊してしまう。

 

「いや、しかしこれ以上にこの戦いを終止符に考えるべきではないですかな?」

 

サイモンに言う。

 

「あくまでも最後の交渉と言うべきでもあるとして、考えておくべきだと……」

 

「そんな弱腰なことは言っておられんだろう!」

 

サイモン副大統領は怒鳴った。

テキサス人気取りの荒っぽい男でもある。

 

「また本土があの艦娘どもに砲撃か、あの《ミラクルジョージ》などによる空爆を受けたらどうするのだ。キミは祖国の破滅の責任を取れるのか!?」

 

「少しお待ちください」

 

戦略空軍司令官・ゴードン大将が言った。

 

「本職としては、連邦亡命政府軍に協力すべきです。今度こそ日本はこのことを考え直す時かもしれません」

 

「うーむ……」

 

サイモンは唸った。

 

「……だとすれば、やってみる価値はあると思います」

 

ギャラガーは言葉を繋いだ。

さすがに攻撃的な思考を持たなかった、及び腰のディエゴ大将とは大違いだった。

 

「しかし、実行しなければ分からないではないか」

 

サイモンは反問する。

 

「確かにそうかもしれませんが、本職はやる価値があると考えます。

何としてでも我々は決して日本に屈しないこと、太平洋は永遠に我々のものだと言うこと強い意思をこの際に見せつけてやるのです」

 

「しかし…… 日本には不思議な力、未来の日本人が介入しているから阻止される可能性が高いだろう」

 

マーカスが指摘する。

 

「その時はその時だ。しかしこの報復作戦をやるべきだ」

 

「その通りだ、私も中岡連邦大統領の名案を採用したいと思う」

 

この議論にケリを付けたのは、コンドン大統領だった。

先ほどから全員の意見を聞き、決めるか否かを考えていた。

中岡たちはそのことをよく知っているため、誘導されたと言っても良いだろう。

しかし本人は、ハドソンよりも超がつくほどのレームダックであることを知らない。

 

「さっそく、この特攻作戦を実行する準備をしよう」

 

かくして米連協同作戦であり、日本報復作戦“ネメシス作戦”が実行されることになった。

ネメシスはギリシャ神話に登場する、復讐の女神として有名である。

だからこそ、この作戦が名づけられたのである。




海を諦めた両者は、今度は空からと言う米軍が得意とする空爆計画を採用し、さらに巧妙と言うよりも偽装作戦と言う形になりましたが。

灰田「因みに作戦名の元ネタは『超空母出撃』で米軍が考案した作戦であります。
本来ならばアメリカ級空母で原爆を搭載したB-17を使いますが、本作品でのオリジナル展開として空中給油をしつつ、日本本土に核爆弾を投下すると言う作戦です」

また別次元『超戦闘機出撃』でも同じことしていましたね、作戦名は『ルシファー作戦』でしたが、どちらにしろ失敗していますけどね……
言わずともですが……

灰田「気にしてはいけません」

まあ、そうなるな(日向ふうに)
ここまで来たら、あと数話で終わるのかと思うと寂しくなりますね。
原作でも米軍がこういう作戦を考えると、終盤に近くなりますからね。

灰田「最終決戦はまだまだ先になりますけどね、この物語は」

余計なサブタイトルを思い出さなければ大丈夫ですし、同時連載『第六戦隊と!』でもいろいろな展開とシュガーテロを考えて時間が遅くなることもありますが、最後まで本作品を完結させますのでご安心ください。

灰田「では、これ以上話しますと長くなり兼ねませんので次回予告に移ります」

お願いいたします。

灰田「次回は両者の視点から、日本視点と米軍・連邦視点による各々の視点に移ります。
日本は米軍・連邦亡命政府軍に対して、どういう風に策を練るかを考えるか。
また米軍・連邦亡命政府軍の”ネメシス作戦”の計画内容が明らかになります」

本作品と共に、同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。
最終回まで自分のペースで執筆していきますので、お楽しみください。

灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百九話までダスビダーニャ(さよならだ)」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに
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