超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
今回はサブタイトル通りに、長くなりかねないために前編・後編に分けます。
灰田「なお事情により、前回の予告とは異なりますが楽しめて頂ければ幸いです」
それでは改めて……
作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』
「今度はこっちの番ね!」
古鷹の号令を聞き、全員が頷いた。
古鷹率いる第1小隊と加古率いる第2小隊は右舷にいる敵艦隊を、青葉率いる第3小隊と衣笠率いる第4小隊は各々に向かってくる敵艦隊を迎撃するために散開した。
「小癪ナ! 数デ攻メレバ勝算ハアル!」
重巡リ級たちは米軍が得意とする物量作戦を、それを再現しようと言うべきに先ほど30隻の仲間たちを用意したのはこのためである。
これらを二手に分かれて、こちらに突撃してくる古鷹たちに襲い掛かる。
「砲戦用意して!」
『はい!!』
古鷹の号令にふたりは従って、各連装砲の仰角を取って行く。
「よく狙って……撃てぇーーー!」
「撃つよ!」
「はい!撃ちます!」
凄まじい轟音と伴い、身を震わせるような飛翔音を上げる砲声が、パッと一瞬ほど暗闇を照らす閃光のごとく走り出した。
オレンジ色に輝く発射焔が、放物線を描きながら前進して来るこちらよりも数で圧倒する15隻の深海棲艦たちに襲い掛かった。
正確無比な撃ち放った古鷹たちの砲弾が重巡リ級のバルジをいとも容易く打ち破り、奇声に似た悲鳴を上げながら爆沈した。
深海側も懸命に撃ち返しているものの、巧みに回避する古鷹たちの前で吹き上げる水柱の輪は全てが無駄であることを告げた。
古鷹たちは単縦陣を組みながら神業に等しい回避を繰り返しながら、正確無比な射撃で深海棲艦たちに叩き込む。
「コウナレバ…… 一斉ニ襲イ掛カレ!」
この艦隊を指揮していた重巡ネ級は、猛スピードで古鷹たちを包囲した。
しかし、包囲されてもなお古鷹たちは冷静だった。
そんな事もお構いなく不敵な笑みを浮かべたネ級は、スッと手を出して各艦に命じた。
「殺セーーーーーー!」
各主砲を構えて、全方向から砲撃を喰らわした。
これだけの攻撃を、ましてや各砲弾の雨を全弾躱すことなんてできないと思いきや―――
「跡形モナク、吹キ飛ンダカ……」
しかし、ネ級の言葉を裏切るようなことが起きた。
先ほどの砲撃で周囲を煙幕が出来るまで砲撃したのにも関わらず、三人の人影が姿を現した。
「ソ、ソンナ……馬鹿ナ!」
ネ級は冷や汗を掻きながら、自身の瞳で確認した。
あれだけの砲弾の雨を浴びながらも、全員無傷であると同時に周囲に不思議なものが展開していた。
これは古鷹がクライン・フィールドを展開して、ネ級たちの攻撃を全て阻止したのだ。
先ほどの砲撃後に周囲には自動的に展開したため、完全に驕り切っていたネ級たちはこれに気づくことなどなかった。
仮にできたとしても、すぐ迫りくるこの危機からは逃れることが出来なかった。
「行くよ! 付いてきて!」
『はい!』
古鷹が時計の秒針を刻みが如く旋回して、魚雷発射管に装填していた魚雷を全て投射した。
阿賀野と吹雪も同じく息をぴったりと合わせ、時計回りをしながら一斉に全魚雷を投射した。
「全艦回避!」
ネ級の号令を聞き、包囲していた友軍艦に伝えたときには手遅れだった。
古鷹たちが一斉に敵艦隊に向けて投射した魚雷は言われなくとも、音響ホーミング魚雷だ。
ネ級たちは危険を察知して回避行動をするように促したが、回避しようにもこの魚雷も同じように方向を変えて追尾していく。
努力の甲斐もなく、運よく免れたネ級を除く全深海棲艦たちはこの音響ホーミング魚雷の餌食となった。
「ナ、ソンナ…… アリエナイ!」
慌てふためいたネ級はこの状況をどう打開するかと考えずにあっという間に殲滅されたことに呆気を取られていたときだ。
「連邦深海棲艦ニ降伏ナドナイ!」
もはや連邦の伝統と言うべき自暴自棄になり、戦術的衝突を行なうために突っ込んだ。
「死ネ……オンボロ重巡娘ガーーーーーー!」
猛獣の叫びのように衝突攻撃をしようとしたが―――
「隙だらけですね」
ネ級は後ろをすぐさま振り返った。
そこには目の前にいたはずの古鷹がいつの間にか、後方に回り込んでいたことに我が目を疑った。
しかし灰田が用意した未来艤装と新型機関部に取り換えられ、従来の速度よりも高速と化しており、その高機動を活かした戦術を得た古鷹の前では、重巡ネ級は鈍足のカメ当然であるという始末だった。
「これで終わりです……!」
「ッ!?」
古鷹の艤装から――― 彼女が装備する20.3cm連装砲の薬室には砲弾が装填されていた。
今の台詞とともに、ライフリングを刻みながら回転していく砲弾が放たれた。
ネ級は瞳を細めた瞬間に、悲鳴を上げることなく頭部を吹き飛ばされた。
古鷹が去りゆく際に、その死体には爆薬が仕込まれていたのか引火して誘爆を起こした。
暗闇を一瞬にして、紅の炎が古鷹たちを照らす陽炎のようでもあった。
「敵艦隊撃破です」
古鷹がそう言うと、阿賀野と吹雪も同じく安堵した。
しかし、まだ散開した加古たちの戦闘はまだ続いているため油断できない。
気を引き締めて、古鷹は命じた。
「……それでは阿賀野さん、吹雪ちゃん。提督と合流して援護に行きます!」
『うん!(はい!)』
この後の最終決戦に向けて、残りの敵艦隊を殲滅するために駆けつけた。
全ては愛する者たちを護るために―――
「よっしゃー、古鷹たちに負けないように行くぞーーー!」
「はい、加古さん!」
「よぉしっ!突入だあ!!」
加古率いる第2小隊も同じく、別行動中の敵艦隊を捕捉していた。
こちらは大至急救援に駆け付けたと思われる連邦艦隊所属の護衛艦《アーレイ・バーク》級駆逐艦と、先ほどのネ級艦隊とは分かれた5隻の深海水雷戦隊が襲来してきた。
「たかが、3隻だ。叩き潰すぞ!」
豪語した連邦指揮官は、Mk 45 5インチ砲を旋回させた。
同時に、各種類のミサイルと《ハープーン》をあるだけ使い、飽和攻撃をし続ける。
その間に虎の子の巨大魚雷《トマホーク》を搭載した軽巡ヘ級率いる深海水雷戦隊たちがこれで止めを刺すと言う作戦である。
「撃てぇーーー!」
指揮官の号令と伴い、Mk 45 5インチ砲が火を噴いた。
先ほども言ったようにイージス・システムが故障しているために、目視射撃である。
正確無比な射撃は出来ないことは痛快であり、下手撃ちゃ数が当たると言うように撃つしか方法がない。
取りあえず深海棲艦と協力して撃ち合うものの、見当違いの方向に水柱を吹き上げる。
加古たちは怯むことなく、回避しつつ砲戦準備をしていた。
「そんな射撃じゃ、あたしらは効かないよ!」
「そうですね、神通さんが見たら命中するまで猛特訓なレベルですね」
「神通さんの猛特訓なら死んでるな、あいつ等〜」
加古・能代・深雪は、各々の感想を述べながら砲塔を敵艦隊に目掛けて―――
「よっしゃー、一斉射いっくぞーーー!」
『はい!(おうよ!)』
加古は搭載した20.3cm連装砲の砲口からオレンジ色の炎が弾け、重々しい砲声が響き渡る。
続けて能代と、深雪も各々の連装砲を斉射した。
凄まじい砲声が暗闇に鳴り響くたびに、周囲には火焔の花が咲き乱れる。
不運にも軽巡ヘ級とともに行動していた駆逐ハ級に砲弾が命中し、ギエエエと悲鳴を上げながら沈没した。
その中を砲戦しつつ、必殺の巨大魚雷《トマホーク》を有効射程距離まで詰めながら敵水雷戦隊とともに接近して、ついに標的を捉えて投射した。
「標的を捉えました、ダンカン艦長!」
「よし、撃てぇー!」
連邦指揮官ことダンカン艦長は、これを聞いて同じく《アーレイ・バーク》級駆逐艦も加古たちを捉えると、《ハープーン》と《トマホーク》などを撃ち込んだ。
「あたしらにはお見通しだよ!」
こちらに向かってきた全誘導兵器を見た加古は拳を握り、そして海上を思いっきり拳を海面に突き立てた。
これを見た連邦指揮官は苦し紛れの悪足掻きかと嘲笑ったが、すると加古の艤装から激しい稲妻が迸り、意思を持つかのように雷槌《いかづち》が周囲を駆け巡った。
すると巨大魚雷《トマホーク》と伴い、《ハープーン》を含む全誘導兵器は正確に加古たちを狙ったはずなのにあらぬ方向に飛翔していくもの、その影響のせいで多くの《ハープーン》などが空中衝突して打ち上げ花火のように暗い夜に咲く紅き花のように咲き乱れた。
「な、なんだ……あれは?」
呆気に捉えていると、ダンカン艦長に最悪な報告を耳にした。
「先ほどの攻撃で主砲以外の全兵装とシステム使用不可能です。EMP攻撃に似た障害も生じています!」
「なに!そんな馬鹿な!?」
先ほどの雷槌による衝動波で全ての兵器システムなどに異常を生じた。
軽巡ヘ級率いる深海棲艦たちは辛うじて主砲や通常魚雷は使える。
しかし必殺の《トマホーク》とともに、対艦ミサイルが使えない現代の護衛艦としては致命的なものでもある。
「復旧急げ……!」
ダンカン艦長が促している間にも、味方の軽巡ヘ級率いる深海水雷戦隊が攻撃された。
自身が乗艦している艦の修復中でも、艦隊同士の戦いは続いている。
負けずとも砲戦しているが、加古たちの各連装砲が放つ砲弾の、近距離からの衝撃に耐えきることはできなかった。
やがて膨れ上がった身体が限界に達し、内側から裂けた。
体内からは膨大な量の火焔が吹き上がり、焼死しながらその火焔の中に倒壊した。
「急げ、早く!」
ついにダンカン艦長にも運が尽きた。
「ぶっ飛ばす!」
加古の叫び声に撃ち放たれた砲弾が、艦橋に命中した。
艦内に侵入した砲弾がチッと舌打ちをしたかのように信管が作動すると、CIC全体を地獄の業火が逃げようとした者たちに閃光と火焔は周囲を包み、地獄と化した。
この攻撃によりダンカン艦長以下、副官や各乗組員たちが戦死したため、たちまち指揮は混乱と化した。
反撃をしようにも全兵装とシステムが麻痺しているため、不可能である。
「能代、深雪……止めを刺すぞ!」
加古の号令で、ふたりは頷いた。
「後始末は能代に任せて下さい!」
「深雪スペシャル、行くぞー!」
能代と深雪は先ほどのお返しとばかりに、《ハープーン》を発射した。
打ち上げられ、飛翔した《ハープーン》は地獄絵図と化している《アーレイ・バーク》級駆逐艦に目掛けて襲来した。
艦首に命中、次にど真ん中、そして後部飛行甲板に次々と命中した。
主砲塔が艦体から押し剥がされて、くるくると空中を舞いながら落下した。
先ほど援護していた最強と呼ばれたイージス艦が、自身が放った火焔と爆圧に耐えきれず、猛火を巻き上げて沈んで行った。
「敵艦隊殲滅か……」
「やりましたね、加古さん!」
「深雪さまたちに掛かれば、こんなもんよ!」
燃え盛る敵艦を見て、加古は額の汗を手拭いで拭き取った。
「でも……提督と合流しないといけないから寝るのはお預けだな」
あくびを抑えて、両手で頬を軽く叩いて気合いを入れた。
「そんじゃ、あたしらも合流するぞ!」
『はい!(おうっ!)』
加古たちも同じく、この後に行なわれる艦隊決戦に向けて駆けつけた。
古鷹率いる第1小隊と、加古率いる第2小隊は敵艦隊を葬り、秀真たち連合艦隊と合流しようとしていた頃―――
「さあ、ガサ。青葉たちも追撃しますよ!」
「了解、青葉!」
同じように青葉率いる第3小隊とともに行動していた、衣笠率いる第4小隊はこちらに向かっている深海特殊艦隊(決死隊に近いが)を迎撃しようと進んでいた。
「夜戦なら負ける気がしないわね!」
「白雪も頑張ります!」
ふたりは闘志を燃やしていたが―――
「頑張ろうね、初雪ちゃん♪」
「もうやだ、帰って寝たい…」
矢矧たちと同じように酒匂も初雪を励ましたが、逆効果だったため酒匂は思わず転びそうになった。
「もう、初雪ちゃん〜」
どうすれば良いのか分からなかった酒匂に、衣笠が助け舟をした。
「初雪ちゃん、この海戦で頑張ったら提督からのお休みが来るから頑張ろう♪」
彼女が言うと、休日と言う言葉に反応した初雪はシャキッと目が覚めた。
「分かった、頑張る……」
誰もが、この言葉でやる気スイッチが入ったことに驚いた時だった。
「水上電探に反応です、距離およそ30海里(約55キロメートル)。北東より27ノットで接近中の多数の深海棲艦を捕捉!」
青葉の報告を聞いた一同に緊張感が走ったが、士気は依然として高いままだ。
「近いね、みんな砲雷撃戦の準備は良い?」
衣笠の問いかけに、青葉たち全員が頷いた。
「それじゃあ、ガサ。武運を!」
「青葉もね♪」
お互いの拳を軽く相討ちして、それぞれ自分たちを狙っている敵艦隊を捕捉するために分かれたのであった。
今回は古鷹率いる第1小隊と、加古率いる第2小隊による無双で敵艦隊を葬りました。
もはや最強の重巡部隊と言っても過言ではありませんがw
灰田「たまにはこう言う路線変更もしても良いですね、次回もこのノリで行きますが」
まあ、たまには悪くないかと思います。
同連載『第六戦隊と!』でも同じようなノリがありますけどね、お馴染みの架空戦記ネタも今回は加えましたものなのでw
灰田「あの作品は中々楽しめますからね、当初はいろいろありましたが」
ともあれ、どちらの世界の古鷹たちの活躍を楽しめて頂ければ幸いです。
重巡洋艦の良いところと、古鷹たちの良いところをたくさん知って頂ければ私も古鷹たちも嬉しいものです。
古鷹「今日もまた活躍しましたね♪」
加古「あたしらに掛かれば、こんなものさ♪」
ともあれ長くなりかねないから、そろそろ次回予告と行きましょう。
古鷹「はい、次回はこの海戦の続きから始まります!」
加古「青葉と衣笠たちが活躍するから、みんなお楽しみに〜」
内容は変更と伴い、同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。
最終回まで自分のペースで執筆していきますので、お楽しみください。
灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百十五話までダスビダーニャ(さよならだ)」
古鷹・加古『ダスビダーニャ!』
ダスビダーニャ!次回もお楽しみに