超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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遅れて申し訳ありません。
PC不調や、友人と呉訪問などで遅れてしましました。

灰田「予告通りこの海戦の続きに伴い、漸く終止符を迎えたとき、恐るべき真実が明らかになります」

それでは改めて……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第百十七話:偽りの勝利 後編

「降参スル、コレ以上乱暴シナイデ!」

 

その場にいた全員が驚愕した。

律儀に両手を合わせて、『降伏する』と言わんばかりに何度もお辞儀をした。

連邦亡命政府軍によって、人体実験により、そして戦うために非人道的兵器へ改造されてもなお、人間らしさ感情もほんの僅かに残っているのかと思った。

 

「本当に降伏しますか?」

 

大和は多少だが、鋭い口調で威圧を与える。

一瞬の空気を変える言葉を、この言葉を聞いた《ギガントス》は頷くように降伏した。

大和たちは警戒しながらゆっくりと近づいたが、艤装に装備していた兵装は全て破壊尽くされたのに伴い、先ほどの戦闘でもはや抵抗する手段は無きに等しい。

大和が《ギガントス》の目の前に立った瞬間―――

 

「掛カッタナ!アホガ!」

 

大和の両脚を掴むと、二度目の不意打ちを掛けた。

両脚を掴まれた大和は《ギガントス》を攻撃する前に、バランスを崩して尻餅をついた。

 

「きゃあ!」

 

『大和(大和さん)!!!』

 

「貴様、よくも大和を!」

 

しかし、激怒した武蔵が砲撃する前に《ギガントス》は素早く水中に隠れる。

予想外の出来事に対して、秀真たちは《ズムウォルト》級ステルス巡洋艦に搭載している水中ソナーを利用して、水中に隠れた《ギガントス》を急いで探索したが、先ほどの激戦の影響のため、敵艦のあらゆる金属破片が混じっているために時間が掛かる。

いわゆるデコイの役割をしているために、《ギガントス》が海中に逃げたのはこのためであるのかと、秀真たちは推測した。

 

大和たちはその場に動かずに、じっと堪えて警戒していた。

周囲には血と火薬の匂いが漂っていた激戦だったが、いっきに静寂が増して不気味にも月夜が連合艦隊を照らしている。

大和たちも周囲警戒をしているが、己の肌から滲み流れる汗と、心臓の鼓動はゆっくりと徐々に高まり、そして息をすることすら恐怖を感じる。

水中に隠れる《ギガントス》は、もしかしてナポレオン時代のとうに接舷切り込みでも仕掛けてくることも信じがたいと口走ったが、あり得ないことでもないだろうと考えた。

連邦は幾度もなく捨て身の特攻作戦をしたが、今回ばかりは研究をアメリカと重ねて、戦力・戦術を変えたとしても不思議ではないな、と秀真は呟いた。

 

「何処に……」

 

「何処にいるんだ、奴は……」

 

「……水中に潜り込まれると、Meもお手上げね」

 

大和と武蔵、アイオワと同じく―――

 

「まるでホラー映画さながらね……」

 

「あの時の夜戦…… 第二次ミッドウェー海戦を思い出すね」

 

「ああ…… あの海戦では敵の巨大魚雷には参ったが、今回は潜水できる敵とはな……」

 

高千穂・白山・十勝も水中に潜り込んだ《ギガントス》にはなすすべなしだ。

彼女たちが周囲警戒最中に、海中から鋭い光を双眸から放ちつつ、波を踏み分けて後ろから出た。

巨大なクジラを思わせるどころか、人喰いザメを思わせるようにスピードを上げる。

重い主砲塔や艦上構造物を備えた艤装は先ほどの戦闘で失われている。

そのおかげだろうか。速力は32ノットを超えている。

 

『奴は何かを企んでいるぞ。撃てぇ!』

 

秀真の号令に伴い、各艦と大和たちは攻撃を再開した。

全主砲が立て続けに咆哮を続け、水柱のなかに爆焔が轟くが、《ギガントス》はさらに突進する。

8本の水柱が、またしても立ちのぼる。

今や身軽となった《ギガントス》は、ぶるっと身震いしたように見えた。

しかし、速度は緩まない。

 

『まるで奴は《ルサールカ》のようだ!』

 

郡司が言うルサールカとは、スラヴ神話に登場する水の精霊だ。

ただし精霊というよりは幽霊のようなもので、若くして死んだ花嫁や水難事故で死亡した女性がルサールカになると信じられている。

ロシア神話でも有名であり、気候や地勢に合わせるようにその姿や性質が各地方によって異なる。

南ロシアではルサールカは素晴らしい美少女の姿をしているとされ、長い金髪を持ち、透けるような白い服に身を包んでいるとも言われている。

その一方、北ロシアのルサールカは、青白い顔をした醜い妖怪のような姿で、緑色の髪と緑色のぎらつく目を持ち、巨大な乳房を垂らしているとされる。

南ロシアではルサールカは妖艶で愛嬌もあるが、北ロシアでは嫉妬深く気まぐれ、且つ邪悪な性質と考えられている。

 

「覚悟シロ、兵器ドモ!」

 

何処からか隠し持っていたのか、罪人の首・手・足などにはめて、身体を自由に動かせないための刑具――― 2本の巨大な枷《かせ》を取り出した。

直後、これを鎖の両端に錘のついた投擲武器《分同鎖》のように扱い、そしてブンッ、と思いっ切り、大和たちの足めがけて投げつけた。

 

『回避!!!』

 

大和の号令に伴い、各自は散開する。

しかし、回避する大和たちを見た《ギガントス》は不気味にもにやりと嘲笑う。

枷は獲物を見つけて集団で襲い掛かろうとするシベリアの人食いトラの如く、一度狙った獲物を捕らえ、相手の息の根を止めるまで追尾していく勢いだった。

 

『!!!』

 

先ほど顔を殴られた仕返しと言わんばかり、真っ先に狙われたのは武蔵と十勝だった。

意思を持ったかのように枷は、武蔵の右腕に、十勝の左腕に絡め、そして二人の手首に嵌まった。

 

「しまっ……うわっ!」

 

「この放せ……うわっ!」

 

「先ホドノ御礼ヲ、タップリシテアゲル!」

 

《ギガントス》は最大戦速を上げて、ふたりを引きずり回す。

大和たちの周囲を包囲して、ふたりを引きずり回すのを楽しむように喜悦な表情は、もはや狂人的な笑みと化し、そして幼児語を口にしながら、激しくスピンする。

 

「回転シマス回転シマス回転シマス、キャハハハハハハハハハ!」

 

同じ言葉を繰り返し、武蔵と十勝を引きずり回す姿は、恐怖のメリーゴーランドである。

 

『武蔵と十勝を助けるんだ!』

 

『了解!!!』

 

各自は各主砲塔を振りかざし、轟然と撃ち放つ。

この衝撃は自分たちの身体を、各護衛艦の艦体を震わせて、砲弾が飛んでいく。

大空を切り裂くような轟音を引き連れたように、《ギガントス》に目掛けて、巨弾が襲い掛かる。

しかし、不思議なことに《ギガントス》の周囲には水柱が立つことはなかった。

逆に大和たちに海水が湧き上がり、砲戦に慣れている大和たちですらもこの数本の水柱が、まるで嵐に揉まれる木の葉さながらに翻弄された。

 

「Ouch!やってくれたわね!」

 

「攻撃を跳ね返すスピンを持つなんて!」

 

「私の攻撃すら跳ね除けるなんて……!」

 

「なんて技なの!」

 

アイオワたちは、思わず舌打ちした。

この《ギガントス》の目にも止まらぬ回転スピードは―――島風の言う『速きこと島風の如く』と言わんばかりのスピンの影響のために、あらゆる攻撃を跳ね除け、最強とも相応しい大和の46cm三連装砲の攻撃ですらも通じない。

それどころか、各砲弾は跳ね返り、逆に大和たちに襲い掛かると言う恐るべき技を持っていた。

 

「ソロソロ疲レチャッタカラ、カエスヨ!」

 

スピンを止めると、ソラッ!と言わんばかりに、自身の巨大な枷で拘束した武蔵と十勝を大きく振り回し始めた。

二人は振り落されぬように、両手で鎖を持つことしか出来なかった。

眼下を見下ろして凝視すると、自分たちの下には大和たちがいた。

このワイヤーアクションとも似るこの攻撃は、天地を揺るがすような雄叫びを上げる。

空気を裂いて落下してくるふたりは、今まさに大和たちに目掛けて殺到した。

 

「まずい!」

 

「みんな避けろ!」

 

武蔵と十勝が大和たちに警告を促すも、すでに手遅れだった。

この世の終わりのような轟音を伴って、真下の海面が、槌で打たれたように圧迫される。

水柱に包まれた直後――― 雪崩落ちる海水に覆われた大和たちが姿を現した時には、大和以外は全員大破状態に陥る。

二人を助けようと、大和たちは受け止めたがあまりに重力によって増した威力とともに、放たれる衝撃波によって、彼女たちのバルジは耐えることができなかった。

 

「す、すまない……」

 

「武蔵が無事ならば大丈夫だから」

 

「姉貴、すまない……」

 

「十勝が無事ならば大丈夫ですから」

 

「姉妹を助けるのは当然のことよ」

 

安心するのは束の間―――

 

「ハハハハハハッ」

 

大破した大和たちを見て、《ギガントス》は嘲笑いながら喜悦な声を上げながら止めを刺そうと近づく。

だが、大和たちを助けようと秀真率いる護衛艦隊が、各艦砲を再射する。

 

「ウルサイ、軍国主義ノゴキブリドモメガ!」

 

多数の水柱を浴びながらずぶ濡れ状態となり、楽しみを邪魔された《ギガントス》は舌打ちをして毒づく。

苛立ちをしていると、《ギガントス》は何かを思いついたのか、先ほどの枷とは打って違い、

鎖の先端に、右手には『く』の字型を、左手には『プロペラ』の形状をした左右非対称のブーメランが装着した両鎖を振りかぶり、これらに回転を付けながら投擲する。

投擲された鎖付きブーメランは回転しながら飛翔する。

威力を増した両武器は、高速で回転しながら前進して行く。

回転軸の上側の翼は下側の翼よりも対気速度が高速になるため、より大きな揚力を発生させる。

左右の方向に旋回したブーメランは、とある2隻の護衛艦の艦体に突き刺さった。

 

『郡司、ナガタ一佐!!』

 

『しまった!』

 

郡司が乗艦する《ズムウォルト》102番艦と、ナガタ一佐が乗艦する《みょうこう》の艦体に《ギガントス》の放った鎖付きブーメランの餌食となった。

 

「衝突事故攻撃!」

 

再び幼児語を放ちながら、両艦を輌突させた。

両艦の衝撃により、内側の鋼鉄をも押し潰して、みるみる傷を深めていく。

敵の至近弾を受けたように、《ズムウォルト》102番艦は左舷後部飛行甲板に直撃に伴い、VTS操作不可能や射撃管制装置が発火した。

しかし、優秀な複製隊員率いるダメコンチームによる応急処置のおかげですぐさま鎮火した。

僚艦《みょうこう》は艦首部分と、艦砲塔を残して全ての兵装が破壊され、そして少数の乗組員たちが負傷したしたが、ナガタ一佐の冷静な判断とダメコンチームのおかげで中破に留まることが出来た。

また共通として、両艦とも航行に支障なしと言う奇跡とも言える損傷で済んだ。

《ギガントス》は縦横無尽に動き回り、無敵を誇るか如く、海自の護衛艦群にも同じように衝突事故を模倣した攻撃で全兵装を使えないようにする。

 

「博愛主義ガイル旗艦ハ……特別ニ兵器女トトモニ、海底マデノスクラップコースヲサービスシマス……アハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

 

再び喜悦な表情と伴い、耳を聾する嘲笑う声が戦場に響き渡る。

両手を掲げた《ギガントス》は、西部劇のカウーボーイが携えるロープのように巧みに操り、敵を絡め取らんと投げつけた。

 

『CIWSで、あの鎖付きブーメランを迎撃せよ!』

 

秀真の号令に応えて、《ズムウォルト》101番艦に搭載しているCIWSが火を噴いた。

毎分3000発以上の発射速度を誇る近接防御火器システムが、敵の鎖付きブーメランによる攻撃を駆逐せんと咆哮する。

双方の鎖付きブーメランのひとつ――― プロペラ型は20mm機関砲弾を浴びて弾かれたコインのように回転直後は引きちぎられたように砕け散った。

しかし、もうひとつの『く』の字型をした鎖付きブーメランが《ズムウォルト》101番艦の艦首に深く突き刺さった。

 

『しまった!』

 

全速後退で引き抜くことが出来ない。

標的である獲物から離れないよう返し針のような役割を担い、下手に動かすと艦体に損傷を与えてしまいかねない。

 

「ソロソロアバズレ共々、コノ人殺シノレイシストヲ公開処刑ニシテヤル!」

 

『させるか!』

 

抵抗するように、155mm先進砲がオレンジ色の閃光が噴出した。

同時に噴き出した砲煙が周囲を覆い隠し、主砲の真下の海面が、槌で打たれたように圧迫される。

抵抗の意志に苛立った《ギガントス》は、顔を真っ赤にして咆えた。

 

「堪忍袋ノ尾ガ切レマシタ…… サッサト死ネ!!!」

 

勢いよく投げようとしたが―――

 

『死ぬのはお前だがな』

 

「ナニ?」

 

呆気に取られている最中に、自身の右腕を確かめる。

見知らぬ間に何者かに鋭利な日本刀で一刀両断された右腕が、真下の海面に浮いていた。

 

「ギャアアアアアアアアア!」

 

激痛のあまりに《ギガントス》は堪えかねなかったのか、その場で傷口を押さえて暴れる。

 

『間に合ったな……』

 

「提督、遅れてごめんなさい!」

 

『大丈夫だ、みんな無事か?』

 

「はい、全員大丈夫です!」

 

秀真を救ってくれたのは、古鷹たちだ。

敵特殊艦隊を葬り去り、この危機を察知して駆けつけてくれたのだ。

 

「オ、オノレ。ヨクモ私ノ右腕ヲ!」

 

怒り狂った《ギガントス》は残りの左腕に新たに予備として用意しておいたのか、装着した鎖付きブーメランを振り回しながら突撃して来た。

 

「みんな、散開して!阿賀野さんと、吹雪ちゃんたちは提督と大和さんたちの救助を!」

 

『了解!!!』

 

古鷹の号令に伴い、加古たちは素早く散開した。

しかし、古鷹だけは散開せずに真正面から《ギガントス》に挑む。

 

「真正面カラ挑ムトハ愚カナ女ダ!」

 

《ギガントス》の挑発を耳にした、古鷹は落ち着いた口調で答える。

 

「落ちた武器を再び持つというのは素手では、私たちに勝てないと認めたということですね」

 

穏やかな古鷹も激戦を乗り越えたからこそ、心理的にダメージを与えることも戦略の内でもあると理解している。

案の定、彼女の言葉を聞いた《ギガントス》の顔は真っ赤に紅潮した。

 

「ヨクモ世界一美シイ、コノ私ヲ馬鹿ニシタナ!」

 

トサカに来た《ギガントス》は、さらにスピードを上げて突撃した。

 

「安い挑発に乗るのは負けたも当然です!」

 

すると誰よりもレーザー主砲の扱いに長けた古鷹は、各主砲から発射した光源体を空中に停止させ、これを胸の前で交差した腕を上下に素早く伸ばして右手刀と左手刀の間に大きな三日月型の光源体を形成し、これを発射した。

蒼く輝く三日月型の光の刃物は、《ギガントス》の左腕を切り裂いた。

無惨に切り裂かれた左腕は、紅き鮮血とともに空中を舞い上がった。

先ほどの右腕もこの攻撃により、切り裂かれたのだ。

 

「ウワアアアアアアアア!」

 

両腕を落とされた挙げ句、もはや追い詰められたも同然だった。

 

「今度コソ本当ニ降伏スル、本当ダ!」

 

古鷹の前にしゃがみ込み、頭を下げて謝った。

 

「嘘でないですね……」

 

「本当ダ、約束スル!」

 

泣きじゃくる《ギガントス》の顔を見た古鷹は、刻々と近づくものの……

 

「でしたら、口内に隠している武器も捨ててください!」

 

古鷹がレーザー主砲の銃口を突きつけられると、《ギガントス》は―――

 

「バレタラ仕方ナイナーーー!」

 

表情を変えた《ギガントス》は、古鷹に体当たり攻撃を喰らわせた。

古鷹は両腕をクロスさせて、受け身でカバーした。

 

「コレデモ喰ラエ!」

 

隙を与えず《ギガントス》は、口内に隠していたロケット弾の発射準備を整える。

憎悪を込めた破壊力抜群のロケット弾で、周囲に乱射しようと試みるも―――

 

「計画なしの攻撃は自滅ですよ?」

 

口を開いた瞬間に、青葉が待っていましたとばかり、発射機に向かって斉射した。

青葉が放った砲弾は飛翔を繰り返して、飲み込むように口内に直撃した。

2連装のカタパルト式ロケット弾発射擲弾器を貫通した直後、《ギガントス》の醜い顔を爆炎に包み込み、灼熱の劫火に包み込んだ。

 

「絶対ニ許サンゾ!今度ハ首ヲ切リ落トシテヤル!」

 

口から噴水の如く、《ギガントス》は吐血しながらも戦意はまだ失うことはない。

足元に装着していた剣状の刃物を投げようとした直後、さらに後方から予想外の攻撃が来た。

 

「させねぇーよ!」

 

加古は凄まじい勢いを込めた飛び蹴りを《ギガントス》の後頭部に喰らわせた。

彼女の蹴り攻撃を諸に喰らった《ギガントス》は、顔から眼球が飛び出した。

突如と視界が遮られ、激痛のあまり眼球が飛び出た状態で走り回り、もはや敵わないと知り逃げようとした。

 

「逃げても無駄よ!」

 

災厄はまだ終わらない。

逃げようとする《ギガントス》の背中を、衣笠は狙撃した。

放たれた徹甲弾を浴びて、吹き飛ばされる衝撃波を浴びた《ギガントス》は航行不能に陥ったものの、最後の反撃と言わんばかり足元に装着していた隠し剣を射出した。

勢いよく射出した剣は、古鷹に向けられた。

 

「ヨクモ世界一美シイ私ヲ汚シタ神罰ダーーーーーー!!!」

 

これで相討ちが出来ると思いきや、裏切る結果を目にした。

古鷹は撃ち放たれた剣を両手で受け止め、止めを刺すためにこれを投げ返した。

奪い取られた己の武器が、自身に返ってきた。

避ける気力を失った《ギガントス》は、吸い付かれたように自身の剣が胸に突き刺さり、力尽き、その場で絶命したのか完全に倒れた。

 

「作戦終了です……」

 

ホッと胸を撫で下ろした古鷹の言葉を掻き消そうと、《ギガントス》は立ちあがった。

 

『ハハハハハハッ!馬鹿な博愛主義者どもご苦労さん!』

 

《ギガントス》の深海棲艦のような片言ではなく、紛れもない中岡の声そのものだった。

口内にあった破壊されたロケット弾発射擲弾器から、ラジオらしき物に切り替わっていた。

連邦らしい挑発行為だなと、秀真は言った。

 

『お前たちが馬鹿な囮艦隊を相手にしている間に、我々の本隊がもうすぐ本土に核ミサイルを搭載した戦略爆撃部隊で神罰を与えます!日本は世界中の多くの馬鹿に看取られながら三度目の神罰たる核兵器に伴い、日本本土は我々神に浄化される記念すべき日へとなります!

想像しただけでもアハハハッ! アハハッ! アハハハハハハッ!』

 

不毛する笑い声を高らかにした直後、《ギガントス》の身体から電気が漏電した。

 

『お前たちは日本が滅び行く最後が見れなくて残念でした!最後にお祝いの言葉を贈ります。お前たちの大事な元帥たちとともに、日本死ね!』

 

捨て台詞を吐き終えたのか《ギガントス》は、放電と火衣を纏った状態で突撃した。

連邦の十八番である自爆攻撃と察知した古鷹は、各主砲から発射した光源体を再射――― 先ほどの三日月型の切断力場とは同じだが、今度は垂直ではなく水平に形成したものを発射した。

切れ味抜群の光源体は、《ギガントス》の首に喰い込むと容赦なく切り落とした。

首が切り落とされたことにより、ゆっくりと錆びついた機械のようにぎこちない動きをしていた。

 

「みんな、止めを!」

 

『分かった!(分かりました!)』

 

止めを刺さんと、古鷹・加古・青葉・衣笠の各レーザー主砲を斉射した。

蒼きレーザーを一点に集中させて、これらを《ギガントス》に浴びせた。

彼女たちの集中攻撃を浴びた《ギガントス》は、ついに耐えることが出来ずに爆焔の花が周囲に咲き乱れ、見る者全てを終焉へと誘うように膨大な火焔の塊となり、やがて大きな水柱を上げて爆発四散した。

 

『安堵は束の間だ、奴らの戦略爆撃部隊を迎撃するようにTJSや空自に連絡するんだ!』

 

『任せろ、同志!すでに通信を送った!』

 

古鷹たちも疲労と伴い、大和たちは満身創痍であるため、一時的だが赤城たちなどが待機しているトラック泊地で緊急処置と補給をした後に、本土に戻らなければならない。

 

『全艦隊、この場から撤退する!空母《アカギ》は上空警戒して、他は単横陣を維持しつつトラック泊地を目指す!』

 

全艦反転。無事勝利したとは今回は敵の策略に嵌まってしまったため、苦い勝利とも言えるこの戦いを教訓として、各艦隊はトラック泊地に向かった。




今回は久しぶりに8000文字未満になりました。
なお今回は古鷹にも限定グラが出て、流石に気分が高揚します(加賀さんふうに)
余談ですが呉で最新鋭ヘリ搭載護衛艦《かが》を友人と見ることができて、こちらも戦意高揚になります。
もちろん長迫公園と、青葉慰霊碑にも訪問して手を合わせました。

灰田「ともあれ、時間が掛かりましたことに関して申し訳ありません」

こちらも遅れて申し訳ありません。
今回の《ギガントス》は、前回述べた通り本当にずる賢い個体にしました。
もはや超獣武器庫こと、殺し屋超獣バラバみたいになりましたが。
口内に隠していた兵装は『アカメが斬る!』からヒントを得て、銃からロケット弾に変えました。
幼稚言葉で罪悪感なし且つ、残酷さも加わりました。

そして今回は古鷹無双になりました。
浴衣古鷹可愛いです、古鷹可愛いよ古鷹!
ここで述べますと語りきれないほどにならないので以下略しますので、ご了承下さい。
この調子で古鷹たちの四季限定グラ増えて来て欲しいです。

古鷹「嬉しいですが、恥ずかしいですね////」

灰田「あまり長くなり兼ねませんので、私が予告しますね。
次回は連邦の戦略爆撃部隊が、日本報復作戦“ネメシス作戦”が実行されます。
なお彼らを迎撃するためにTJS社などの航空部隊がこれらを迎撃します。
果たして勝利の女神はどちらに微笑むのかは、次回のお楽しみに」

いつも通りですが、同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。
最終回まで自分のペースで執筆していきますので、お楽しみください。

灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百十八話までダスビダーニャ(さよならだ)」

古鷹「ダスビダーニャ!」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに
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