超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
予告通り、ネメシス部隊を迎撃するためにTJS社と空自の航空部隊などがこれらを迎撃します。
灰田「果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか?」
それでは改めて……
作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』
日本に報復しようと飛行中のZ機こと、《ミラクル・ジョージ》に擬装したB-52部隊と、彼らを護衛するF-15SE《サイレントイーグル》部隊は1万メートルの高度を保ちつつ日本を目指していた。
これらは高高度を飛ぶほど、燃費が良いからである。
最終的に行程としては、北九州を通り、瀬戸内海、紀伊半島まで通過することが理想的だが、言うまでもなく当然この当たりも敵の防空網も密だろう。
したがって、航続距離が伸びることを承知の上で、九州地方の海上を通り、四国地方沖、紀伊半島沖合を抜けてから、一気に北上することに決定した。
ここであれば、迎撃機の妨害を受ける危険が少しでも減らすことが出来る。
双方の空軍司令官としては、できる限り無駄な危険を冒すことは出来なかった。
もはや連戦で疲れ切っているのだが、中岡たち依然として『艦娘たちを滅ぼし、世界を支配するのは我が連邦と、偉大なるアメリカ合衆国だ!』と、狂人じみた発言をする狂人たちとともに進むしかないのだった。
日本報復作戦“ネメシス作戦”に集った日本本土侵攻爆撃部隊は、飛行針路を迂回しつつ、一路東シナ海に向かった。
その一方、日本では―――
前日の朝から、各軍は警戒を怠らなかった。
これらの攻撃が一日も早まる恐れもあったからである。
しかし、この日は敵影など確認なしで何事もなく、後日を迎えた……
九州各地の空自基地では、TJS社と空自の合同部隊は緊迫の度合いが高まった。
資料で見たことのあるハワイ諸島沖の原爆の威力を海自の潜水艦が、秘かに撮影した映像を見ているので、これがもし名古屋まで発射されて爆発したらと言う恐怖がある。
現在の核兵器は、過去に日本に投下された原爆よりも威力も桁違いである。
仮に名古屋に核ミサイルが炸裂した場合、あの悲劇以上よりも悲惨になることは確かである。
だからこそ、命を懸けてでも護らねばならないのだ……
B-52部隊は、フィリピン海を過ぎた辺りから順次給油を始めた。
F-15SE《サイレントイーグル》部隊は、その前方と上空を旋回しつつ、警戒態勢を怠らなかった。
このF-15SE《サイレントイーグル》部隊の指揮官は、米軍はノックス大尉と、連邦空軍は
サンヨブ・キム中尉だった。
双方とも操縦技量も豊富且つ、実戦経験豊富なパイロットであり、エースでもある。
しかし、ノックス大尉は悲壮な決意を固めていた。
日本本土に殴り込み、つまり報復をせんと言うのに、僅か30機の《サイレントイーグル》に護衛させると言うことだ。
せめて最低限でも、護衛機100機が必要不可欠だ。
こんな作戦を立てた指揮官―――あのハゲメガネゴリラこと中岡元連邦大統領と、その無能に服従する双方の指揮官たちは、馬鹿だと言うのが内心の思いだった。
帰投時は機体ごと何処かに着水して、潜水艦が回収してくれると言うが敵の制海権のなかで白昼堂々と出ることはない。
浮上するとしたら、夜になるためそれまでは待機している。
その一方、サンヨブ・キム中尉率いる連邦空軍パイロットたちは戦意高揚状態であるのは気楽だと言うことは何時もと変わらないが。
これはノックスの意見の方が正しい。
連邦亡命政府軍と、アメリカ合衆国政府は功を焦ったのか、このような報復作戦を立てたのだが、日本本土の防空網の分厚さを考えれば、12機のB-52と30機のF-15SE部隊ではどうにでもなるものではない。
かつて日本本土を空襲したB-29部隊は、100機単位で行なわれた。
当初は護衛機なしと言う裸状態であるために、当然日本軍の猛烈な攻撃により、B-29部隊は一度の空襲ごとで、数十機と言う犠牲を出した。
米軍が硫黄島を欲しがっていた理由は、ふたつあった。
ひとつは空襲の際に、日本機の追撃で損傷した機体の緊急着陸基地とする。
もうひとつは当時、最速長距離護衛傑作戦闘機としても有名なP-51《ムスタング》の発進基地として占領することでもあった。
ここまで作戦段階を計画していたからこそ、成功したのである。
今回は空中給油を利用してから作戦であるから不要である。
だが、あまりにもお粗末と言うべきか、中途半端な作戦であることに変わりない。
日本中部に進攻するならば、少なくとも100機のB-52部隊が必要だが、それだけの機数を与えるほど合衆国は甘くない。
最近ではマーカス長官率いる講和派が薄々、日本に講和を求めているために工作をしたとの噂もあるが定かではない。
ともかく、コンドンや中岡たちは日本に一矢報いたいと言う思いで立てた拙速の作戦だったのである。
連邦は元より、これをオーソライズした双方の上層部たちも同罪である。
しかし、誰にもこの放たれた矢は止めることは出来ない。
B-52部隊は給油を行ないつつ、東シナ海を通って、一路九州南海海域に向かった。
すでに全機補給は終わり、役目を果たした給油機は全機引き返した。
給油機も後に合流場所で、別の給油機から補給を受けて米本土まで帰投することも抜かりないようにしている。
屋久島の南方上空をかすめて、擬装部隊は九州沖合に進攻した。
しかし、その前にここで米連合同軍にとって思いがけない出来事が起こった。
薩摩半島に据えられていたレーダーが前日に故障を起こしたため、その代わりに空自のE-767早期警戒機(AWACS)がこの周囲を警戒していたのである。
したがって国籍不明機をキャッチした空自は、米連合同空軍―――通称『ネメシス部隊』が襲来して来たと打電した。
早期警戒機は気づかれないように、この擬装部隊を警戒しつつ、偵察して行った。
そうとも知らずに南九州の警戒網を悠々と飛行する『ネメシス部隊』はあと少しで目標針路である四国沖合を目指していた。
この時の『ネメシス部隊』のB-52部隊指揮官は、シマード少佐である。
少佐は、核ミサイル搭載機の機長である。
友軍が提供してくれた情報では、四国にはレーダー基地は存在しない。
しかもここを空襲すると言ったメリットもないに等しく、ここでは自分たちは捕捉されないと言うことは聞いている。
しかし、紀伊半島南端潮岬にはレーダー基地があるため、捕捉される可能性は高い。
だが、こちらにはステルス塗料を機体に塗っており、さらに日の丸を付けて擬装しているため、捕捉されても誤魔化すことが出来ると確信した。
まさか自分たちの《ミラクル・ジョージ》だと思い、敵は友軍機には攻撃してこないだろうとも安易に考えた。
そしてこの九州沖合を抜けたら、四国沖合、次に紀伊半島沖合から志摩半島沖合に針路を変針しつつ、伊勢湾を超えたら、攻撃目標である名古屋上空に進攻して、自分たちが操縦する指揮官機《エクスカリバー》に搭載された核ミサイルを発射する。
この無茶な作戦が成功すれば、奇跡とも言える勝利を掴むことが出来ると考えた。
また戦前に見た写真では、紀伊半島から志摩半島のリアス式海岸を任務中に見ることができる。
この目で飛行中に本物の双方のリアス式海岸を見ることができたら良いな、少佐はそう考えた。
少佐とは反対に、サンヨブ・キム中尉率いる連邦空軍部隊は真逆である。
名古屋上空に辿り着いたら、兵装がある限り、破壊の限りを尽くすつもりである。
宮城・仙台で起きた空襲をしたように、日本人を虐殺したくて堪らない。
漸く自分の手で日本を一矢報いることが出来る、このために生きてきたと思うだけでも嬉々な気持ちに伴い、気分が高揚して行く。
ここまで開き直れる軍隊は、共産圏ならではの伝統なのかもしれない。
人命なんて紙切れと同じく、軽いに等しい。
彼らが崇拝している自称『アジアの偉大なる指導者』と滑稽・無能とも言える毛沢東と、彼の愛人こと江青とともに『大躍進政策』や『文化大革命』の名を付けたプロジェクトと言う無能な計画では、ソ連と言う存在に嫉妬心を抱いたために多くの餓死者を出した。
それにも関わらず、自分たちは自己弁護を最期までして贅沢三昧をした。
また金日成でも朝鮮戦争時には、アメリカ率いる国連軍に負けた際にも自分が立てた作戦で敗戦の責任は全て自分の部下たちに罪を擦り付けて、全員射殺した。
ことある事に責任転嫁を後継者、金正日から、その息子もその祖父を真似して側近たちを次々と粛清した。
スターリンにいたっても疑心暗鬼を常に持っており、赤軍大粛清でも多くの指揮官などをいとも簡単に粛清した。
彼ら連邦亡命政府軍は劣勢でも必ず勝利することができる、太陽と輝く存在に相応しい中岡連邦大統領様の御加護があると洗脳されたも当然だった……
双方のそれぞれの思いが重なったとき、シマード少佐の隣にいた副操縦士が叫んだ。
「前方に敵機、100機以上はいる模様!」
彼だけでなく、《サイレントイーグル》部隊の指揮官―――米軍のノックス大尉と、連邦空軍のキム中尉も同時に、敵影を捉えた。
『タリホー!!!』
無線マイクでキツネ狩りのときに、獲物を見つけたと叫ぶハンターの掛け声が響き渡る。
『各機油断するな!』
ノックス大尉の号令で、各《サイレントイーグル》部隊は増漕タンクを捨てて、加速させると前方に出て、各機散開した。
自分たちが日本上空を進攻した時点でレーダーに察知されており、敵機はやって来るのだと、ノックスは思った。
このまま名古屋に到着させるほど、日本軍は甘くない。
『敵機は多国籍軍も混じっているが、俺たちの敵ではない!連邦の根性を見せてやれ!』
キム中尉が言う敵機とは、TJS社所属の精鋭パイロットたちが操縦する米軍自慢の最新鋭ステルス戦闘機F-35とロシアの傑作機Su-35に続き、英国を始めとするヨーロッパ各国で制式採用されているユーロファイタータイフーンである。
そして空自部隊も同じく精鋭パイロットたちが操縦するF-15J《イーグル》部隊に、日本独自且つ、和製版F-22とも言えるF-3《心神》ステルス戦闘機部隊が各機20機ずつ、合計100機が襲い掛かって来た。
互いにアフターバナーを噴かせつつ、蒼空とダンスを交わすように熾烈な空戦が展開する。
各《サイレントイーグル》のパイロットたちは、日本戦闘機部隊に対して、絶対の自信を持っていたが―――
数多くの実戦経験を誇る自分たちよりも、ひと味違っていた。
寧ろ自分たちよりも実戦経験が高く、神業とも思われるパイロットたちが多いとも思えた。
ノックスと、キムはたちまち奴らは並々ならぬ相手にぶち当たったと悟った。
敵機の半数機は、《ミラクル・ジョージ》に擬装したB-52部隊に襲い掛かった。
だが、大人しく撃ち落されてなるものかと、Z掃射機を模倣した改装されたB-52掃射機が装備した20mmバルカン砲が火を噴いた。
輪形陣を模倣するように、飛行編隊を組んで対空射撃で敵機を近づけさせない。
しかしZ機掃射機改が搭載している未来の自動追尾照準機ほど遠く、数撃てば当たるようなものである。
必死の抵抗も空しく、F-35を筆頭にTJS空軍部隊とともに、空自のF-3《心神》とF-15J部隊の猛烈な各対空ミサイルの攻撃に3機が被弾、やがて烈火に包まれて火達磨と化した機体は空中爆発を起こす。
だが、シマード少佐が操縦するB-52核ミサイル搭載機はまだ無事ものの、護衛の掃射機は次々と撃墜された。
空中戦が始まり、自分たちの作戦が不利になるとあらかじめ定められた信号を送り出していた。
このサインはもしも搭載機が撃墜されたら、これ以上は進撃せず、直ちに引き返せと言う手順になっている。
TJS社と空自合同部隊の闘志が猛烈なのは、むろんの名古屋を死守することの意味を聞かされているからである。
日本を三度目の核攻撃を、核ミサイルを名古屋上空に発射させてはならなかった。
米連合同部隊の《サイレントイーグル》も善戦して、空自のF-15Jを5機撃墜したが、同等の犠牲を払った。
実戦経験のレベルに伴い、数が多いTJS社と空自が有利になる。
ノックス大尉と、キム中尉も自分たちの腕を信じてドックファイトを繰り返して、なんとか撃墜しようと奮戦していた。
この時、両者は各3機ずつF-15Jを撃墜したが、それ以上は限界だった。
それ以上に搭載兵装も全て使い果たしたゆえに、両者の疲労と精神力も限界に達していた。
ノックス機にはF-35とSu-35、ユーロファイターの各TJS社の空軍機によるミサイル攻撃が襲来して来た。
だが、搭載していたフレアはすでに使い果たしたために回避することも出来ずに、空中で爆散した。
燃える棺桶となり、墜ちていく操縦席では死体となった彼を迎えるように蒼海に着水して静かに沈んだ。
キム機には空自のF-15JとF-3《心神》の20mm機関砲による機銃掃射を喰らった。
双眸をギョッとした直後、操縦席ごと破壊された。
噴き出た鮮血が飛び散り、ガラスを真っ赤に染めた。
人体ごとミンチ以下となり、パイロットを失った機体はきりもみをしながら海面に着水すると、大きな水柱とともに消えて行った。
護衛の掃射機は日本の《ミラクル・ジョージ》の改良版―――Z掃射機改のように威力を発揮出来ず、米連合同護衛部隊の《サイレントイーグル》は全機撃墜された。
周囲にいる戦闘機部隊は、全てTJSと空自の戦闘機である。
Z機に擬装したB-52部隊は6機が生き残り、諦めずにまだ進撃していたが、悪運強くシマード少佐の核ミサイル搭載機もそのなかにいた。
しかし、ついに彼らの強運も尽きる時が訪れた。
シマード少佐が操縦する機体の真正面に向かって来たTJS社所属のユーロファイターの機銃掃射により、コックピットを撃ち抜かれた。
この攻撃でシマード少佐と、隣にいた副パイロットも悲鳴を上げる暇もなく即死した。
また両翼とターボファン・エンジンも撃ち抜かれた核ミサイル搭載機《エクスカリバー》はあえなく海面に向かって急降下し始めた。
このシマード機には目印として、尾翼に黄色のストライプが巻かれている。
これが撃墜されて行く様子を見た生き残ったB-52のパイロットたちは、たちまち意気喪失して反転し始めた。
敵機の攻撃を避けて旋回を繰り返したため、各機は高度8000メートルに落としていた。
そこに増援として追撃しに来たTJS社と空自の合同戦闘機部隊が襲い掛かった。
合計50機に完全包囲された挙げ句、生き残ったB-52部隊も全機撃墜された。
ここに中岡たち連邦亡命政府と、アメリカの野望はあえなく潰れた。
奇襲か―――
強襲か―――
それをはっきりさせなかったと言う両者の落ち度、つまり戦術的敗北でもあったのだった。
元より第二次トラック諸島沖海戦で、情報を洩らした時点で彼らの負けでもあったのだ……
今回は危機一髪とも言える米連合同部隊ネメシス部隊の作戦は見事に阻止されました。
灰田「本編にはないオリジナル展開でありましたが、楽しめていただければ幸いです」
なおキム中尉の元ネタは『CoD:IW』の登場敵勢力SDFに所属するエースパイロットです。
宇宙戦争でも連邦軍に似た敵勢力いるとは……
ともあれ、馬鹿な大統領が情報を洩らした時点で負けフラグを立たせてもいましたけどねw
灰田「原作の『超戦艦空母出撃』では、間一髪の展開でありましたけど……一難去ってまた一難でありましたが」
次回でついに本作品は120話を迎え、あと少しで完結することが出来る嬉しさに伴い、寂しさもあります。
灰田「最終回まであと少しですが、頑張って行きましょう」
張り切って行きましょう!(魔王睦月ふうに)
では、次回に移ります。
灰田「次回はアメリカ視点から送りたいと思います。
この報復作戦後に、誰もが予想しなかった出来事が起こります。はたまたどんな展開かは次回で明らかになります」
いつも通りですが、同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。
あと少しで最終回を迎えますが、自分のペースで執筆していきますので最後までお楽しみください。
灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百二十話までダスビダーニャ(さよならだ)」
ダスビダーニャ!次回もお楽しみに