超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
予告通りアメリカ視点に伴い、誰もが予想しなかった出来事が起こります。
灰田「原作とはまたひと味違った展開になりますが、楽しめていただければ幸いです」
そして皆様の応援のおかげで、本作はついに……
第120話を迎えました!ありがとうございます!
気分を改めて……
作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』
アメリカ本土から精鋭部隊を収集して、編成された擬装部隊こと『ネメシス部隊』は《ミラクル・ジョージ》に擬装したB-52はむろん、エースパイロットたちが搭乗した護衛長距離戦闘機《サイレントイーグル》も1機すら帰投しなかった。
それどころか、日本本土で戦術核ミサイルが爆発して名古屋が壊滅したと言う発表すらなかった。
これがないと言うことは、米連合同の日本報復作戦”ネメシス作戦”は完全に失敗したとケリー長官は判断した。
また大統領に、どういうふうに説明すれば良いかと悩んでいた。
この長距離遠征作戦を改め、中岡たち率いる連邦亡命政府の十八番とも言える捨て身の特攻作戦がもしも形勢逆転として名古屋上空で起爆、報復に成功したら……
報復として、アメリカの非道さをなじめるためにも必ず日本は世界中に公表するはずである。
仮に出来たとしても、北海道・十勝基地にある日本のステルス重爆こと《ミラクル・ジョージ》を破壊しようとロサンゼルス級攻撃型原潜《トピーカ》と《バッファロー》に搭載されたウォーヘッド(戦術核弾頭)を付けたトマホーク・ミサイルを4発も発射したが、全て不発に終わったことを覚えている。
また未来人が供与したあのシステムのように妨害された可能性も高いと推測した。
「これらを説明すれば大丈夫か……」
ケリーはむろん、後の集会でそう説明すれば良いと思った。
かつてアメリカの世論では、誰もが先の大戦での日本の原爆投下は正当化された。
しかし、近年のアメリカの若者や常識人たちは『間違いだ』と反論することが多くなった。
そして『日本と戦うべきではなかった』と主張する者たちも言うぐらいあの戦争を泥沼化させたのだった。
これらを作った黒幕は、サイコパスと伴い、レームダックのルーズベルト大統領率いるアメリカ合衆国政府そのものである。
何しろアメリカは参戦したいために、日本の生命線とも言える南方のシーレーンを封じた。
日本は外交でなんとか大東亜戦争そのものを回避しようとしたのである。
当時の今上天皇の意思であり、そう願った。
アメリカもその素振りを見せていたが、実際は違っていた。
ルーズベルト大統領としてはイギリスを助け、ドイツとイタリアと戦うためには、どうしても日本に攻撃してもらわなくてはならなかった。
そうすれば、ドイツとイタリアも三国同盟により自動的にアメリカに宣戦布告せざるを得ない。
三選されたとき、非戦公約を掲げたルーズベルトとしては、こうせざるを得ないと策を練っていた。
またソ連と言うろくでなし国家もホワイトハウスに潜り込み、妨害活動をしていた。
日本が到底受け入れられない、あの有名な『ハルノート』を書いたのはハル国務長官でなく、その側近こそがソ連の諜報員だったと言うことが近年で明らかにされた。
つまり、日米両国はソ連に操られていた。
もしも早々気づいていれば、先の大戦は防げていたかもしれない……
このときの日本の苦衷を理解していた連合国GHQ最高司令官ことダグラス・マッカーサー元帥である。
彼は最後まで『日本は最後まで安保を守り、自衛戦争をした』と擁護したとのことだった……
現代では、もはやアメリカ優位ではなくなった。
マーカスたち政府内の少ない良識派の反対にも関わらず、日本に核攻撃をしようとした。
報復作戦自体、中岡が第二次トラック諸島沖海戦の際に人造棲艦《ギガントス》の口内に隠していたラジオらしき物で勝利を確信したかのように、あっさりと機密を洩らしてしまったからである。
この漏洩は、かつての日本海軍の失態とも言える。
開戦間近ーー 真珠湾攻撃が行われる前は徹底的に箝口令が敷かれており、搭乗員たちも上官たちの報告が来るまでは冗談かと思われるぐらい驚愕した。
しかし、連勝した浮かれのせいかミッドウェー海戦開始前では何処から漏洩したか定かではないが、民間人まで知られるようになった。
この教訓を生かすことなく、中岡本人と身内に甘く全て部下に責任を擦り付ける連邦亡命政府の機密事項の甘さが”ネメシス作戦”の失敗、そして最後の切り札と勝利を失わせたと言っても過言ではない……
マーカスだけは心を痛めていた。
日米共同の深海棲艦撃滅が始まって、正確に言えば連邦国との戦い以来、日本は大きく変わってしまった。
未来人らしき何者かの支援によって、各種の強力な超兵器から艦娘たちの艤装まで入手したことが、提督や彼らの艦娘、そして日本人にこれまでにない自信をつけたのかもしれない。
ともかく、今の日本人は日本人ではない。
果断で攻撃的、国益を、言い返ると国家の誇りと愛国心を護るためならば、如何なる戦闘も辞さない。
艦娘たちも彼らと同じだが、人類を超越する存在でもあり、人間以上の心を持った人間でもある。
今までの両者の概念を捨て、中岡率いる連邦亡命政府から決裂しなければ、とんでもないことが起きると予感がしてならなかったのである……
これらの状況を踏まえ、アメリカ国内でも情勢の変化が起こりつつあった。
今までの対日戦争への敗戦などのショックから国民は新南部連合、コンドン大統領と連邦亡命政府を歓迎し、武力行使を容認して来たが、今回の報復作戦自体がやり過ぎではないかと言う空気が醸成されて来た。
日本軍と艦娘たちはともかく、同胞を見捨てて見殺しにすること、いかに日本を恫喝するためであっても正当化出来ないと言う議論が生まれたのは当然のことである。
これはむろんリベラルな北部と、西部の各州から始まり、新南部連合以外の州に広がり、密かに強固な連帯が形成されるに至った。
この取り纏め役となったのは、マーカス国務長官である。
軍部もまた、冷静を取り戻しつつあった。
特に米海軍は、自分たちが日米最終戦争の引き金を引いてしまったかもしれないことに、今更ながら気づいたのである。
日本本土にいる同胞を危うく殺し兼ねないことに自責の念に耐えられなかった。
米空軍は、中立の態度をとっていた。
なにしろ《ミラクル・ジョージ》の脅威と、トラウマが強かった。
日本とは出来れば戦いたくないと言う立場に伴い、様子見と言う雰囲気だった。
しかし、陸軍はハワイ上陸作戦時の日本軍に対する復讐心は激しく、コンドン大統領及び連邦亡命政府に服従する構えだった。
陸軍出身のギャラガー参謀総長は、元々空海軍を信頼はむろん、信用すらしていない。
陸軍すら掌握すれば、いざ全面戦争に対処出来ると信じていた。
現代戦のドクリンクからすれば、信じがたい時代錯誤であり、ホワイトハウスも軍部も時代錯誤者の集まりになってしまったのである。
ホワイトハウス―――
今のアメリカ政府は、南部のタカ派の集まりで、かつてないほどの愛国主義国家に変貌している。
コンドン大統領はこれまでの如何なる大統領よりも独善的且つ、強権的である。
ケリー国防長官の報告により、”ネメシス作戦”が失敗したと聞いて、コンドン大統領は怒り狂った。
この報告を聞き、ホワイトハウスにはケリー国防長官以外に、ギャラガー参謀総長、サイモン副大統領、各軍トップが召集した。
中岡たち率いる連邦亡命政府も召集したかったが、忙しいと言う理由で見送られた。
この場にいたら、さぞ火薬庫が爆発したような展開になり兼ねないと思い、大統領側近は呼ばなかったとも言えるが。
そして、マーカス国務長官は呼ばれなかった。
この頃には、すでに大統領側近たちはマーカスの裏切りに気づきつつあったからである。
しかし、これが結果的にマーカスの命を救うことになる。
コンドンはガウン姿だった。
そのままの格好で側近たちを召集したのは、いかにショックが大きかったかを物語っている。
実際に攻撃と言うものは、命令する側は何の痛痒も感じない。
例え戦略原潜、または地上からミサイルを発射するだけで済む話なのだから、実感が湧かないのである。
しかし、いざ何度も日本報復作戦を立てても煮え湯を飲まされ続けられたら、失われたものの大きさが実感できる。
「ほかに情報詳細は入ったのか?」
コンドンは、ギャラガー参謀総長に矢継ぎ早に尋ねた。
「目下、派遣した連邦潜水艦部隊が調査中ですが、おそらく我が軍と連邦空軍により、編成されたネメシス部隊は全滅したはずです。核ミサイル搭載機《エクスカリバー》が発射するチャンスもなく、日本機に撃墜されたと推測します」
「またしても忌々しいジャップが!」
コンドンは呻いた。
「……ジャップどもは、如何なる攻撃でも屈しないと言うわけか?」
コンドンがケリー国防長官に聞く。
ケリーがもっとも筋金入りの日本軽視論者だったからである。
「……おそらく、我が国に対する警告でしょう。もしも我が国が日本本土を攻撃すれば、報復としてあの空母戦闘群と艦娘たちを率いる大艦隊などで我が国の西海岸沖もむろん、ワシントンを攻撃する肚でしょう」
「これでは結局、元通りの睨み合いになりますな。つまり大平洋海域は日本のものになったも同然です!」
ギャラガーはヒステリックに言う。
全員顔を見合わせた瞬間に、ぞっと悪寒がした。
コンドンはじっと目を瞑った。
目を閉じれば、災厄は行き過ぎて行くかもしれないと言う自己防衛でもあったが……
「どうしますか、大統領。このままだと我が国の権威はますます傷つき、NATO諸国からも笑い者になり兼ねません!」
サイモン副大統領の言葉を耳にして、コンドンは目をカッと見開いた。
「もう一度、日本報復作戦を実行せよ!」
そう叫んだ直後―――
『おはよう、コンドン君!』
この場にいないはずの中岡の声が響き渡る。
それに伴い、かつて日米両国で人気を誇ったドラマ『スパイ大作戦』のテーマ曲『MISSION:IMPOSSIBLE』が流れ始めた。
「中岡大統領!何処だ!?」
コンドン大統領は訊く。
彼だけでなく、サイモン副大統領たちも見渡したものの、中岡の姿は見えなかった。
しかし―――
「大統領、ありました!」
コンドン大統領の傍で護衛していたひとりのシークレット・サービスが、一台のノートパソコンを見つけた。
その動画に中岡が演説する姿が映っていた。
『今回の君たちの任務は今までの御礼に伴い、ここにいるコンドン大統領君たちと馬鹿な連中は全員死んでもらうことになりました!』
「死んでもらうだと……ふざけるな!」
コンドン大統領は、先ほどとは比べものにならないくらい、顔を真っ赤にして憤慨した。
憤慨する彼とは違い、中岡は不毛するように答える。
『カリスマ溢れる俺様たちの素晴らしい作戦をことごとく無駄と失敗ばかり、その挙げ句は連戦連敗やスペックダウン兵器を貸与などをし続けるアメリカに愛想が尽きました。は〜い』
中岡はコンドン大統領たちを侮蔑するように舌を出して、アッカンベーを見せつける。
「このクソジャップがッ!」
コンドン大統領は怒り狂い、シークレット・サービスからノートパソコンを奪い取り、それを叩きつけた。
しかし、叩きつけられても壊れないように造られたのかノートパソコンは壊れず、さらに苛立たせるが如く中岡の演説は終わらない。
『そんなレイシスト大統領と馬鹿な仲間たちが殺された場合は、我々偉大なる連邦共和国の選ばれし神々は『地上の楽園』で満喫中であり、一切の戦争犯罪は関知されない。
このあと君たちに素敵なプレゼントが、このホワイトハウスに災厄と混乱が贈り届けられます!
なおこのノートパソコンは自動的に消滅する。それではさよなら……そしてアメリカ死ね!」
侮蔑に伴い、挑発するように中指を見せつけた中岡の映像が終了した。
その直後、ノートパソコンから白煙がいびり立った。
どうやら化学反応で自然発火する仕掛けにより、データが消滅し、二度とノートパソコン自体を起動出来ないに細工したのだった。
「ふざけおって……」
裏切り者の中岡たちを探し出して、全員叩き潰せと叫ぼうとしたとき、別のシークレット・サービスが駆け込んで来た。
「すぐに避難してください、大統領!正体不明の小型ジェットが接近しています!」
「時間の余裕は?」
新任の首席補佐官が訊く。
この時すでにグレイもコンドン大統領たちのやり方に愛想を尽かして辞任した。
彼の後継者となった男は、南部出身のハワードと言う人物がその任期に就いた。
「それではヘリに乗っている時間はないな。大統領閣下、地下道に避難してください!」
ハワードが言った。
有事の場合に備えて、ホワイトハウスには頑丈な地下道があり、外部に逃げられるようになっている。
一同は取るものも取り敢えず、地下道に向かった。
しかし、あと一歩、地下道に入ろうとした瞬間―――問題のリアジェット機が突入した。
これはチェサピーク湾、そしてポトマック河上空を水面すれすれに飛行し、ここホワイトハウスに接近したため、シークレット・サービスも気づくのが遅れた。
米空軍のレーダー基地も探知出来なかった。
このリアジェット機を操縦していたのは、中岡たち連邦亡命政府軍の使い捨てパイロットだった。
使い捨てパイロットには、国内にいた三流パイロットを拉致した直後、あらかじめ用意しておいた覚醒剤などを注射して興奮状態にさせた。
その使い捨てパイロットが操縦するリアジェット機の機内には、極めて強力なC4爆薬が500キロ以上も積んであるから、その威力は計り知れない。
突入と同時にホワイトハウスに周囲に鳴り響かせる大爆発に伴い、建物全体を振動が走った。
アメリカ合衆国の政府機能の中枢にして、合衆国を象徴は見るも無残にも崩壊し始めた。
建物内は瞬く間に圧壊させ、膨大な重量と瓦礫の豪雨がコンドン大統領たちを押し潰し、その命を奪った。
最後まで彼らは共闘などなく、中岡たち連邦亡命政府の手の上で踊らされていたに過ぎなかった。
紅蓮の炎に染まる祖国の姿―――同じくアメリカの象徴である星条旗は炎を纏いながら、この国の終焉を知らせるように靡かせるだけだった……
今回は原作『天空の富嶽』最終巻でも同じように、コンドン大統領たちもリアジェット機による自爆攻撃により、全員退場しました。
なお原作では某スパイ大作戦の任務台詞に伴い、ああ言う出来事は一切ありません。
アメリカ嫌いと言いながらも押し付け憲法と、ドラマや文化など好きと言うよくあるものです。
灰田「原作では本土攻撃に遭い、最後は呆気ない最期を迎えたものですからね」
本土攻撃されて、最後は呆気ない最期です。
一難去って、また一難と言っても良いでしょう。
ともあれ……
一同『第120話記念、おめでとう!!!』
\ぱんぱかぱ〜ん/←クラッカー音
前書きに書いた通り、ついに本作も無事第120話を迎えることが出来ました!感謝です(翔鶴ふうに)
灰田「あれこれ2年費やしましたね」
色々とありましたが、みんなの応援のおかげであるから感謝しかないよ。
灰田「どうも致しまして」
元帥「うむ、ありがとう」
秀真「ありがとう、兄弟」
郡司「ありがとう、同志」
古鷹・加古・青葉・衣笠『えへへ、ありがとう////』
木曾「ありがとう」
神通「ありがとうございます」
次回からは、いよいよ最後の戦いに突入致します。
最終回まであと少しですが、最後までお楽しみください。
灰田「なお次回はアメリカ視点に伴い、久々の日本視点になります。どんな展開かは次回で明らかになります」
いつも通りですが、同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。あと少しで最終回を迎えますが、自分のペースで執筆していきますので最後までお楽しみください。
灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百二十一話までダスビダーニャ(さよならだ)」
一同『 ダスビダーニャ!』
ダスビダーニャ!次回もお楽しみに