超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
やや少し内容を変更してアメリカ視点に伴い、久々の日本視点になります。
そしてとある人物のおかげで―――

灰田「その人物のおかげで、ついに連邦亡命政府が言う『地上の楽園』も明らかになります」

果たしてどこなのかは、本編のお楽しみに。
気分を改めて……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第百二十一話:日米戦塵、ついに消ゆ

コンドン大統領と彼の側近たちの突然の死により、新南部連合はその求心力を失った。

 

事実上はハドソン大統領を、コンドン大統領と中岡たち率いる連邦亡命政府とともに失脚させた『ディープスロート』こと、ドール上院議員は自ら大統領となる意思を示した。

しかし急速に連帯を深めた北部及び、西部州連合のパワーを背景にマーカス国務長官が、それを断固として阻止した。

 

国民もこれを歓迎した。

連邦亡命政府の傀儡と化した現政権に伴い、常に武力一点ばかりのコンドン大統領たちに、国民は愛想を尽かし始めていた。

ハワイ島の壊滅、謎の海底戦艦による本土攻撃、そして今回の日本本土攻撃などの切っ掛けも含め、今度は本土自体に核攻撃が実施されるのではないか、と言う危機感が深めた。

 

遥かに理性のある大統領がアメリカを統治しない限り、取り返しのつかない世界になると言う危機感が全米に生じた。

サイモン副大統領もコンドン大統領と側近たちとともに、あの自爆攻撃により死亡してしまったので、早急に大統領を決めなくてはならない。

 

憲法に定められた選挙を行っている時間はない。

アメリカ大統領の選挙は、本来ならば直接選挙と間接選挙を兼ねたもので、まず州民が投票権を持つ選挙人を議員のなかから選び、その選挙人が投票し、過半数を得れば、選挙人の推す政党候補者が大統領となる。

 

しかし、これらの手続きのためには長い時間が掛かる。

だが、憲法ではまた不測の事態で正副大統領を失ったときには、国務長官がこれを代行すると記されている。

因みにアメリカ大統領が死亡した場合、その他の理由により、責務を果たし権限を執行できない場合の継承順位は、1位の副大統領から始まり以下―――下院議長、上院議長、国務長官、……と18位までが大統領継承法で定められている。

 

この条文に乗っ取り、マーカス国務長官が大統領に就任することになった。

 

マーカスが最初に行ったことは、新南部連合の解体とともに、ドール上院議員の上院議会に措ける弾劾決議提出―――これはアメリカ国家を混乱に導いた罪に対するものでだった。

そして全軍部を完全に掌握するに伴い、国内に潜伏している連邦亡命政府の残党掃討を宣言した。

これにより、国内に潜伏していた工作部隊は壊滅することに成功した。

また中岡率いる連邦亡命政府が亡命したことにより、アメリカはまた大きく振り子が振れ、一挙にリベラルに戻ることができた。

 

マーカス新大統領は、さらに外交を活発に再開した。

日本との和平交渉を早々に推進した。

安藤首相もむろん、ノーとは言わず、日米和平交渉を宣言した。

これにより、第二次日米大戦は終結したのだった……

 

しかし―――

 

日本政府は日米和平交渉を結び、第二次日米大戦が無事に終結したものの、ひと安心は出来ずにいた。

何しろ中岡たち率いる連邦亡命政府は、未だに『地上の楽園』と呼ばれる場所に潜伏している。

今もなお戦力増強をしているか、かつてのろくでなしな独裁者たちのように怯えながら、ただ息を潜めていると誰もが考えられていたが………

 

 

 

首相官邸では、最終決戦に向けた会議が行われた。

そして中岡たち率いる連邦亡命政府の嫌がらせとも言えるべきメッセージが送られて来た。

秀真たちにとっては、もはや退屈なとも言えるメッセージを……かつて反日偏向報道、且つ反日国家擁護などのろくでなし放送局の報道番組を観ていることと変わりなかった。

 

『我々は盟友アメリカに見捨てられ、その潤沢な支援を失えど、要塞化した我々の新たな『地上の楽園』で最終戦争及び、最終決戦が起きようと、我々連邦と崇高な我が連邦国民たちが最終的に勝利へと導くであろう!

もはやアジア諸国の覇王と、いや、アジア諸国を武力で支配し、アメリカに謀反を掛けたアジアの侵略王と同時に、軍事独裁国家日本の世界征服と独裁下による恐怖支配を打倒するには、我々連邦が世界平和のために武力を持って挑まなければならない!

狼の皮を被った豚どもを、この地上から抹消すれば世界平和が必ず来る!連邦万歳!』

 

中岡たち率いる連邦亡命政府幹部の演説を聞いた連邦国民たちは―――

 

『偉大なる中岡皇帝様万歳!万歳!万歳!万歳!』

 

狂信者とも言える連邦国民たちは、直立の姿勢で右手をピンと張り、一旦胸の位置で水平に構えてから、掌を下に向けた状態で腕を斜め上に突き出すジェスチャーによる敬礼―――ナチス式敬礼(大戦中はドイツ式敬礼)を拍手喝采のごとく送ると伴い―――

 

『……ありがとう。我が偉大な連邦国民たちが主役であることを……余は誇りに思い、これ以上に嬉しいことはない……!』

 

中岡は連邦国民たちの戦意高揚に感涙する。

その姿を見た国民たちは、声援を送る。

 

「ふっ、大根役者並みのウソ泣きだな」

 

「下手なプロパガンダも良いところだ」

 

これらを観た秀真と郡司は、鼻で笑った。

傍にいた古鷹は苦笑い、木曾は『そうだな』と双眸を落として静かに頷いた。

また同じように連邦万歳!と、プロパガンダ演説を何度も繰り返している演説映像を観れば、誰もがうんざりするのも無理もない。

 

『余は誇り高い連邦国民たちを率いると伴い、我々は最後までアジアの侵略国家日本を必ず打倒する!

余が建国の父と呼ばれるのであれば、我が連邦国民たちは余の家族であり、可愛い息子と娘たちである!

アンドルフ・ヒトラーと女狐元帥率いる世界の破壊者が先導する悪の枢軸国、軍事独裁国家の日本の野望を阻止しなければならない!

さすれば我々連邦は世界の英雄、世界皇帝である余と我が連邦国民たちは歴史に名が刻まれ、我が子孫たちも未来永劫の繁栄と自由と、そして莫大な富と幸福が約束されるだろう!』

 

安藤首相と元帥は、少しだけ眉をしかめた。

アンドルフ・ヒトラーは、安藤首相とヒトラーを足して掛けた蔑称である。

彼らは毛沢東とスターリン、ポル・ポトたちなどと言ったろくでなし指導者たちの悪口は決して言わない。

常に自国民の命を軽視、且つゴミのように簡単に捨てることすら何の抵抗力もなく虐殺することを美化はおろか、寧ろ虐殺王である彼らを『偉大なる指導者たち』と心酔している。

 

『アジア的優しさに伴って、我々連邦が軍事独裁国家となり、世界の覇者と謳歌する日本を潰せば、世界中の人々は大喜びするだろう!

我々の話し合いを拒む罪人たちは誰だろう!?』

 

中岡の問いに、連邦国民たちは答えた。

 

『安藤ガー、元帥ガー、艦娘ガー!!!』

 

『その通り!我々連邦が神罰を与えて戦おうではないか!連邦万歳!そして……』

 

『日本死ね!!!』

 

中岡たちとともに、彼らと同じく中指を立てた連邦国民たちの映像で終了した。

 

『………………』

 

最後まで徹底抗戦に伴い、日本政府を侮辱する演説映像を見終えた一同は暫く黙り込んだ。

堪り兼ねたように口を開いたのは、秋葉法務相だった。

 

「要するに、連邦亡命政府は徹底抗戦を決めているわけですな。我々を舐めきっているわけです。

どうでしょう、首相。そろそろガツンと思い知らせてやらなければならんのではないでしょうか?」

 

「何をすると言うのだ。『地上の楽園』を知るために捕虜を尋問など許さんぞ」

 

「むろん、そんなことはしません。だが、ここまで来た以上は……毒を盛って毒を制す。我々も最終決戦に望まねばなりません」

 

元帥が発言した。

 

「具体的には、彼らの『地上の楽園』を攻略することです。彼らも惨敗し続け追い込まれている時点で、その覚悟しているでしょう」

 

「覚悟していればこそ、その攻略作戦は利かないかもしれません。無辜の市民たちがいると思います。

彼らを殺すことで新たな抗戦に繋がり兼ねません!」

 

如月官房長官が反論した。

 

「今度の戦いには、いろいろと芳しからぬことかもしれません。そもそも『地上の楽園』は……まだ情報不足だった頃の北朝鮮でしたが、その朝鮮半島にはもうありませんが、中岡たち率いる連邦亡命政府は何処かでそっくりそのまま作り、かつて冷戦時代に存在したジム・ジョーンズ率いる”人民寺院”のようなことをしかねないとの噂もあります」

 

「そのカルト宗教団体のように、連中は本気で決戦前にそんなことをしようと思っているのだろうか」

 

安藤首相が呟いた。

 

「中岡たちが、妄想と紙一重の異常な反日の持ち主でもあると同時に、幾度の逃げ道を作り永らく泳ぎ抜いた悪運の者たちです。

今までの敗戦により、求心力は衰えたことは明らかですから、この演説による最終決戦への備えと結束力がより固ければ玉砕、または集団自殺もあり得るでしょう。

……つまり、強い連邦共和国を取り戻す、と言う幻想を与え続けているのです。

多くの連邦国民は、反日組織や売国奴たちなどでもありますから」

 

これまでの調査も含め、彼らは中核派の面でもある。

いわゆる戦後のアメリカが用意した『日本国憲法』にある憲法9条に伴い、共産主義を崇拝するサイコパス集団であり、国家転覆こそが平和に繋がると目論んでいることを教え込んでいる。

今では滅亡したが、一部の噂では連邦亡命政府の兵士たちになっている。

 

「しかし、そのためには我々がこれを阻止しなければなりません。これ以上の犠牲は抑えなくてはなりません」

 

元帥の言葉に伴い、全員が頷いた。

 

「首相、降伏勧告でも致しますか?」

 

如月官房長官が尋ねた。

 

「うむ……そうだな」

 

安藤はこめかみを揉んだ。

秀真たちも安藤の苦渋の決断に伴い、これ以上は戦争を続けたくないことを理解している。

 

そのとき、秀真の背後の壁に灰色の靄が掛かり、部屋中の空気が冷たくなった。

灰色服の男―――灰田が現れる前触れである。

果たして灰田の姿が朦朧と現れ、すぐに実体化した。

ここにいる全員が、そのプロセスに慣れているので、今さら驚かない。

初めて見る者たちが見たら、幽霊が出現したかと思うだろう。

 

「皆さん、お久し振りです」

 

灰田が、秀真の横に立つと発言した。

 

「ここまでのお話を聞いていました。しかし、それで良いのですか?彼らはアメリカ以上の暴君です。

自分たちの理想を掲げただけでなく、日本を裏切り、最後まで我が儘、且つ武力で言うことを聞かせようとする悪童です。そんな非情な指導者たちを野放しにすると言うのですか?」

 

「キミの言うことはよく分かる。だが奴らの言う『地上の楽園』が何処にあるのか、我々にも分からないのだ」

 

安藤は言った。

 

「しかし、この深刻な事態を解決するために私が手助けしましょう。そのためにある人物を連れて来ました」

 

灰田の言葉に伴って、遅く姿を現したのは―――

 

『戦艦水鬼!』

 

彼女の姿を見た全員が驚愕した。

 

「初メマシテ、皆サン」

 

戦艦水鬼の挨拶に、すぐさま我に帰った元帥と秀真、郡司、そして古鷹たちは冷静に頷いた。

安藤首相たちは初めて見る深海棲艦を目にして戸惑いながらも、自分たちの冷静さを保とうと努める。

 

「今マデアノ連中ノ暗号解読二手コヅッテシマッタガ漸ク奴ラノ居場所『地上ノ楽園』ト言ウ場所ガ分カッタ」

 

全員が顔を見合わせた。

 

「それは何処だ?」

 

秀真の問いに、戦艦水鬼は答えた。

 

「カツテ貴方タチガ『絶対国防圏』ト言ッテイタ場所……マリアナ諸島海域ヨ……」

 




今回も原作『天空の富嶽』最終巻でも同じように、コンドン大統領や側近たちが退場した後に新南部連合も崩壊し、マーカス新大統領が日本に講和を申し入れて、アメリカは再び正常に戻りました。

灰田「原作ではここで終わり、すべて私が仕込んだシナリオや神のぞ知る世界で終了することが多いですからね」

そしてドブネズミたちこそ、中岡たち率いる連邦亡命政府が言った『地上の楽園』は架空戦記ではよく激戦となるソロモン諸島と、マリアナ沖海戦が多くて迷いました。
やはり現代解放されている海域で、MS諸島防衛作戦がありましたのでこれをヒントにしてマリアナ諸島に選びました。

灰田「各『超〇〇出撃』シリーズでも、この海域は必ず米軍と戦うことになりますからね」

ともあれ、最終決戦準備前になるかなと思います。

灰田「なお次回はこの続きに伴い、久々の連邦視点になります。予定ではその戦力詳細になると思います」

いつも通りですが、同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。あと少しで最終回を迎えますが、自分のペースで執筆していきますので最後までお楽しみください。

灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百二十二話までダスビダーニャ(さよならだ)」

一同『 ダスビダーニャ!』

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに
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