超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
少し変更ですが、予告通り上陸戦の続きになります。
灰田「今回は、赤城さん率いる機動部隊の皆さんも活躍しますのでお楽しみください」
では気分を改めて、予告通り……
作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』
ウォーカー少将の第29師団は、西から上陸してきた敵戦車部隊に圧迫され、空軍基地からは攻撃ヘリ部隊に圧迫された所以に、後方に待機せざるを得なかった。
反撃する手段もなく、水際撃滅も失敗に終わった。
北に上がる選択肢もあったが、地元民たちによるゲリラ活動に悩まされつつ、後方に配備している砲台部隊や要塞、トーチカなどを築き上げたのでここで撃滅するのが、スチルウェル中将の基本的戦略だった。
挟み撃ちにしたかったが、敵も馬鹿ではないと言うことで却下したのだった。
スチルウェル中将は同時に飛行場を奪還せよ、と命じた。
しかし命じるのは容易いが、実行するのは難しい命令だった。
飛行場を守備していた香川ニカ司令官率いる警備隊はすでに全滅、日本の空挺部隊が彼女たちを撃滅した直後、占拠した。
むろん管制塔や滑走路周辺に築いた拠点も占拠に伴い、彼らは強力な火力や装甲車を持ち、しかも援護に来た大型四発爆撃機と護衛戦闘機、そして後に合流する攻撃ヘリ部隊も加われば、こちらが制空権を奪回しない限り、飛行場は攻撃出来ない。
もはや滑走路の破壊も、奪回も手遅れだ。
ウォーカー少将はそれでも1個連隊(第103連隊)の増援を待ち、彼らとともに飛行場奪回のチャンスを狙うつもりだ。
それが来るまで、かつてのサイパン上陸戦に米軍を迎撃した旧軍のように耐え忍ぶのみ。
築き上げた陣地で籠城とともに、迎撃することを決意したのだった。
そのとき、大型四発爆撃機《連山改》がやって来て、高空からビデオカメラで状況を撮影していった。
その結果、機上で解析され、すでに無線機で第8師団司令部に電報された。
日本の第8師団は、海岸近くの見晴らしの良い場所に司令部を設置に伴い、海岸の西端として半径5キロに至る橋頭堡を形成していた。
上陸作戦から2時間が経過した。
1個連隊の兵員はすでに上陸、装備も全て揚陸された。
陸自で言う場合、戦闘団が形成されていた。
戦車は10式戦車や四式戦車改、TJS社のM1《エイブラムス》とT-62戦車部隊に伴い、99式自走155mm榴弾砲と、同じくTJS社フランス製カエサル装輪自走榴弾砲及び、スェーデン製アーチャー装輪自走榴弾砲率いる自走榴弾砲部隊と、多連装ロケットシステム自走発射機M270《MLRS》、工作車や輸送車、そして歩兵用の各誘導兵器と誘導弾システム、補給物資が揚陸された。
兵員は空挺部隊と合わせて、3600名以上。
しかも計算上の戦闘力は米軍1個師団並みでもある。
数々の近代兵器がこれを可能にしている。
接近戦となると互角かもしれないが、個々の兵士のキャリア及び資質が問題になって来る。
夜になると自衛隊などに大きなアンバンテージが生まれる。レーダー、暗視装置などが活躍するからだ。
《連山改》から得た情報では、師団規模の有力な連邦軍が南下中、自走榴弾砲50輌。
連邦軍は、飛行場の空挺部隊と第8師団に挟撃されていたものの、飛行場を奪回しようとする連隊規模の連邦軍が北上中である。
彼らの移動手段は一部の機械化歩兵部隊を除けば、徒歩が多い。
この情報を受けて加納陸将は、戦車隊10輌とともに、99式自走155mm榴弾砲、カエサル装輪自走榴弾砲及び、アーチャー装輪自走榴弾砲、多連装ロケットシステム自走発射機などを北から来る敵に当てることにした。
制空権を喪失した連邦軍は、当然自走砲や野砲などで押し立ててやって来る。
万が一のときは、海上に待機している秀真・古鷹たちが支援砲撃及び、無人空母《アカギ》とともに、赤城たち率いる機動部隊の航空支援も充分に受けられる。
これらを撃破すれば、自然に足止めすることが出来る。
闇夜に紛れて歩兵が浸透して来ようとすれば、レーダー照準仕様のロケットシステム、暗視装置やゴーグルを装備した特殊部隊やスナイパーの出番である。
空挺部隊に1個大隊などを増援に、残りの兵力は反撃しようとする連邦軍を迎撃する。
おそらく玉砕覚悟か、または北上して来る増援部隊と合流して防衛線を作るかもしれない。
こちらも増援部隊が到着しない限り、積極的に打っては出られない。
1200時
スチルウェル中将は、生き残りの増援部隊が来たことに、ホッとした。
しかし、その兵員数は600名に過ぎなかった。
3個師団の兵力のうち助かったのは彼らだけであり、しかも装備は猟銃や竹やりなどと心細い物しか装備していない。
それでも増援は増援であることを喜ぶべきだ。生き残った連邦義勇軍部隊にM16やAK-74などを貸与した。
問題は、自分たちがどこまで持ちこたえられることが重要課題である。
海上には日本艦隊、制空権も日本が優先になり、そして内陸まで追い込まれたと言う報告が入ったからである。
これらを撃退して撃破できる見込みは、はなはだ薄かった。
かつての日本が味わった『サイパンの戦い』を、今度はこちらが味わう番である。
または『グアムの戦い』でも、友軍は同じように味わっているかもしれない、と推測したのだった……
連邦豪邸・緊急会議室
中岡を中心に、忠秀主席、連邦陸海空軍と戦略情報部、幹部たちを集めて緊急会議を開催した。
中岡自らサイパンの情勢を検討したが、地図上では日本軍は、南北から挟撃されている形だ。
「このまま攻勢に出て、敵を押し潰すことは出来ないのか?」
中岡は尋ねた。
アンミョンペク総参謀長が彼の傍らにおり、アンミョンペクは軍部と大統領との連絡役と伴い、調整役も務めている。
その中岡は、日本軍が上陸した瞬間、恐ろしく機嫌が悪い。
連戦連敗に続き、日本を世界地図から抹消とともに、屈服させる可能性が、限りなく遠のいてしまったことを悟ったからである。
このままだと深海棲艦と自分たちが始めた戦争を終わらせられかねない。
無能な大統領はおろか、史上最低の戦犯者として裁かれる挙げ句、死刑になる可能性も高い。
「敵が我が楽園にこれほど容易く見つけるとは……それは疑わしいと考えざるを得ません」
忠秀は素っ気なく答えた。
実は戦艦水鬼たちが仕掛けた単純な罠とともに、情報が漏洩していることを知らない。
「敵は我が軍を凌駕する兵力を持っているべきです。しかも旧軍や旧式兵器も混ざっているのに連携が取れています。ジャップを叩き落とす兵力を割く余裕がないですし、何よりも制空権を失っとるわけです」
これを聞いた連邦空軍司令官こと、セザール・マガナ大将は苦い顔になった。
現在戦において、制空権の喪失は痛いものだ。
もはや飛行場を取られた今は、連邦の存命事態も危うくなったとも言える。
「それは海軍の責任でもある。これからどうするつもりだ?」
海軍に話題を振った。
いつも通りの責任転嫁をすることもあると思うと、今度はスプールハウゼー作戦部長が苦い顔になった。
「我が海軍力を再建する余裕はもはやない今は、残存艦艇で対処するしかない」
「我々はもっとも現実的にならなければならん、諸君」
中岡は流石に、落ち着きを取り戻していった。
「このままサイパン諸島の防衛が困難なのであれば、増援を送るべきだろう。忠秀主席、グアムからいつ増援を送れるかね?」
「はあ、すでに命令は出してありますので大丈夫ですが、問題は護衛艦隊ですが……」
「グアムに待機している連邦海防艦と武装輸送船10隻と、護衛機20機を手配しました」
スプールハルゼーは言った。
兵力は出来る限り割くことを避けたいが、今は致し方ない。
一矢でも報いらなければ、この会議の誰かが粛清されかねないからだ。
「問題はグアムからサイパン諸島に増援が来るまで、スチルウェルが持ち堪えられればいいのですが……」
「ふむ……その見通しはどうかね?」
中岡が訊く。
「敵はすでに飛行場を確保しました。これは自由に空輸を受けられることを意味します」
アンミョンペク総参謀長が言った。
「なんと言うことだ!我々はどうすれば良いのだ?」
忠秀は吐き捨てるように言った。
全員顔を見合わせると、深刻な顔を浮かべた。
「我々には、もうひとつ選択肢がある」
中岡がゆっくりと言った。
「我々には秘密兵器がある。すでに出発もしており、5日後には北海道に到着する。陸上で忌々しい日本を上陸部隊が北海道を占領すると言うわけだ」
「まさか、あれを出撃させたのですか!?」
アンミョンペク総参謀長は驚愕した。
「ああ、我にとっては奥の手の奥の手である『プロジェクト621』部隊が北海道に到着するまでスチルウェルたちが粘ってくれればくれるほど、我々の情勢が変わるときまでが勝負だ……」
サイパン諸島内陸部
第一戦線とも言える激戦地では、迎え撃つ第4連邦陸軍及び、連邦義勇軍の合同部隊と、陸自の第8師団改めて『機動師団』の1個大隊とTJS部隊の合同部隊による戦闘が展開していた。
日本側の予想通り、連邦軍は穴熊状態などで待ち構えていた。これに対して10式戦車とともに、灰田が用意した四式戦車改、TJS部隊のM1《エイブラムス》とT-62戦車部隊が前進して、歩兵部隊が彼らに随伴する。
上空には赤城たちの艦載機及び、無人空母《アカギ》の直掩部隊が上空援護、後方には陸自とTJS社の自走榴弾部隊が控えている。
このとき、《おおすみ》などに陸自の観測ヘリOH-1《ニンジャ》も積んでいた。
各1機ずつ南北に配備されており、《ニンジャ》が搭載している可視光線カラーテレビ、赤外線モニター付き索敵サイト、レーザー距離測定装置が敵上陸地点を昼夜問わずに監視することが出来る。
各自走榴弾砲部隊の活用には、レーザー距離測定装置搭載の観測ヘリやUAVは欠かせない。
連邦軍の戦車がいない今は、対歩兵や要塞などが多いから威力を発揮する。
連邦軍は穴熊状態。
もっぱら各塹壕やトーチカなどに立て籠もり、防御戦に徹していた。
秀真・古鷹、TJS艦隊などが高火力で叩いたのにも関わらず、連邦軍は自走砲や重砲などを大量に配備していた。
戦車部隊に守られながら、日本合同部隊は勇敢に前進して行く。
彼らを迎撃せん、と連邦歩兵部隊は塹壕から汎用機関銃や小銃などで抵抗する。
上空には赤城たちの艦載機部隊が、各々搭載していた航空爆弾やロケット弾を喰らわす。
「各員、我が軍の歩兵部隊を援護せよ!連邦のドブネズミどもを一兵たりとも活かすな!」
艦橋では赤城が活を入れる。
「各機、損傷機及び負傷者の収納も速やかに」
加賀も同じく活を入れて、補充機の準備急げ!と指示を出した。
熟練整備妖精たちも気合いを入れて、帰還した攻撃隊の補充に取り掛かる。
「江草隊のみんな急いで。赤城さんたちに負けないように戦果を上げるわよ!」
「友永隊も急いで。徹底的に空爆するわよ!」
蒼龍と、飛龍も競うように航空支援部隊に活を入れる。
「第3次攻撃隊急げ!赤城さんや加賀姉に遅れを取るな!」
「連山隊の補給急げ。敵に目にもの見せてやれ!」
同じく土佐と、紀伊も切り札である《連山改》を運用している。
護衛機は少ないが、少ない分は赤城たち及び、《アカギ》のステルス艦載機、TJS社の空母艦載機部隊が補ってくれる。
明日には補給部隊及び、爆撃機部隊がやって来てくれるから遠慮はいらないのである。
「サラの子たちも、赤城さんや加賀さんたちに負けないように!」
「我々も遅れを取るな!Ark Royal攻撃隊!発艦せよ!」
TJS艦隊に所属するサラトガと、アークロイヤルも航空支援に徹する。
彼女たちも灰田の高速学習装置を利用して、練度は高く、赤城たちにも勝るとも劣らないほどの腕前が……
『攻撃隊…… 撃って、撃って、撃ちまくれ!』
「赤城さん。赤い台詞が多いわね……」
「ああ、あそこまでなると、我々も負けていられないな!」
ふたりの日本語も流暢になることも然り。
『ふたりとも!喋る暇があるなら我が軍の援護をする!』
イヤマフから赤城が聞こえ、ふたりは注意を促された。
『アッ、ハイ!!』
気を取り直したサラトガと、アークロイヤルは艦載機部隊に発艦準備を下した。
「進め!進め!」
「兵を散開させろ!」
自衛隊やTJS社の合同歩兵部隊指揮官の号令とともに、前進して行く。
両戦車部隊が歩兵部隊を援護し、赤城及び、《アカギ》の艦載機部隊が障害物を取り除くと言うドイツ軍の電撃戦を思わせ、豊富な火力支援は米軍を模倣している。
第一次世界大戦のように塹壕から各銃器及び、重火器を撃つ連邦軍歩兵部隊、要塞やトーチカなど次々と蹴散らしていく。
自走砲も遠距離攻撃、アウトレンジ戦法だからこそ力を発揮するが、接近されるとすこぶる戦車の餌食となる。
しかし、そんな見晴らしの良い場所からとある連邦兵士たちが大声を上げた。
「レイシストジャップどもが近づいたぞ!」
サムソン・トーマス連邦指揮官の号令とともに、要塞から砲身が飛び出して前進して来た。
「ジャップども。ここに眠るお前らの戦争犯罪者共のように、我々が現代に蘇えらせたこの加農砲で蹴散らしてやる!」
双眼鏡で攻撃目標を決めると、砲兵たちに伝達した。
少数精鋭且つ、熟練砲兵たちが素早く砲弾とともに、炸薬を装弾する。
砲身の俯角を取り、各員復唱しながら目標を合わせた。
「よし!ジャップどもに中岡様から賜れた、この《リーゼ・ファウスト》で正義の鉄槌を下してやれ!」
トーマス連邦指揮官が命令を下すと、《リーゼ・ファウスト》と名乗る加農砲が轟音と伴い、火を吹いた。
見晴らしの良い難攻不落の要塞とも言えるこの砲台陣地とともに、反撃の狼煙とともに地獄の業火を味あわせてやると報復の意志とともに……
今回もまたきな臭い部分も残しつつ、終了です。
連邦軍が言っていた『プロジェクト621』は、とある国が開発した巨大兵器を模倣しています。
事実では無用の長物とされ開発中止になりましたが、近いものは開発され、一時期は極秘任務で運用しています。
灰田「後にこの巨大兵器の正体については、後ほど明らかになりますので暫しお待ちください」
最後に登場した《リーゼ・ファウスト》と愛称が付けられたオリジナル加農砲の正体も明らかになります所以に、コピーが得意な某国クオリティーもありますので。
次回でUA50000になる嬉しさに伴い、次回予告に移ります。
灰田「次回は某戦争映画に似たこの砲台要塞の攻略に伴い、日本軍の快進撃をお送りします。
なおこの要塞攻略には、とあるメンバーが活躍しますのでお楽しみくださいませ」
なお、なおいつも通りですが、同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。先ほども述べた通り、あと少しで最終回を迎えますが、自分のペースで執筆していきますので最後までお楽しみください。
灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百二十九話までダスビダーニャ(さよならだ)」
ダスビダーニャ!次回もお楽しみに