超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
今回は『第六戦隊と!』と同時更新です、こちらもお楽しみくださいませ。

灰田「今回でサイパン諸島の戦いから、新たな戦いの場所になりますのでお楽しみくださいませ」

では、気分を改めて……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第百三十三話:連邦軍、肉弾兵と化す

戦闘3日後

時刻 1200

 

「こちら武蔵。これより、秀真提督の指揮下に入る!」

 

武蔵率いる支援艦隊が到着した。

支援艦隊旗艦を務める彼女は、大和より一足早く、改装されている。以前の服装は首に大和と同じく艦首をモチーフとした金属輪を付けている以外は、さらし姿だったが、改装後の今は儀礼用軍服をアレンジした七分袖のシャツに伴い、新たにコート調の羽織を両肩に装備しており、より凛々しい姿に変貌した。

 

凛々しいのは、彼女だけでなく―――

 

「山城、私たち西村艦隊も行くわよ!」

 

「はい、扶桑姉様!時雨、最上、満潮、朝雲、山雲!気合い入れるわよ!」

 

『うん!』

 

西村艦隊メンバー全員が、闘志を燃やしている。

その証に、彼女たちは必勝を込めた鉢巻きを締めている。

 

「皆さん、補給物資持って来ました!」

 

「たくさん補給して、頑張ってください!」

 

「お代わりもたくさんありますから、皆さん食べてくださいね!」

 

瑞穂と速吸、神威たちを中心に食料や医薬品など補給物資を満載した両軍の輸送船団が到着した。

 

秀真・古鷹たち率いる連合艦隊の補給及び、地上部隊の補給などの揚陸作業の開始するのを、手を束ねて見守っているわけにはいかない。

スチルウェルは、温存していた高速ボート部隊に嫌がらせ攻撃を命じた。

 

高速ボート部隊指揮官は、尾崎実准将。

連邦海軍情報部隊から抜擢された直後、反日工作や諜報活動が認められて、大佐から准将に昇進した。

効果的な戦術は何もないに等しく、ましてや小賢しい戦術も通用しない。

最大速力を利用して、RPGなど対戦車火器で重傷させれば、と報復する気持ちを抱いた彼らは最大限にエンジン出力を上げて、単縦陣を組んで突撃した。

 

「提督!こちらに少数の高速ボートが接近しています!」

 

古鷹が緊迫した声を上げた。

秀真は、彼女が搭載する水上レーダーが感知した敵影とともに、CIC映像で確認した。

言わずとも、連邦軍の高速ボート部隊。

恐らく嫌がらせ攻撃、または自爆部隊と見抜いた。

連邦軍は諦めることなく、一矢報いたい、と言う敢闘精神と言うべきか、学習能力がないの方が正しいが。

 

「各自及び、各艦は主砲及び、高角砲や機銃などを使用して迎撃せよ!」

 

秀真の言葉に応えると、古鷹たちは閃光が放つほど凄まじい弾幕を張り、突撃してくる連邦軍の高速ボート部隊を迎撃した。

 

回避不可能なほど、飛翔する砲弾や銃弾の豪雨が彼ら連邦高速ボート部隊に襲い掛かった。

防弾性の乏しい高速ボートにとっては致命的であり、数発の銃弾及び、1発の砲弾を船体に被弾しただけでも大破炎上、または搭乗員専用の棺桶として、海の藻屑となり、儚くも殲滅されるだけだった。

自分の部下を持ち、昇進したばかりの尾崎実准将は憎しみの込めた表情を浮かべて、吠え面を掻いた。

 

「このKYジャップども!二度も三度も俺たちの素晴らしき地上の楽園に破壊しに来やがって!」

 

尾崎は罵声を言い、RPG-7を携えたものの―――

古鷹たちの機銃掃射を受けた彼は、悲鳴を上げることなく、棺桶と化したボートとともに死亡した。

遠くからでもいくつもの立ち上がる黒煙を双眼鏡から確認した連邦指揮官は、ギギギッ、と歯斬りした。

 

20分ほど起きた小規模な海戦は、呆気なく終わった。

もはや奇跡が起こることない。ただ絶望の戦い、地獄より生温い泥沼の戦いが続いていくのみ。

 

せめて、敵に一泡吹かせてやる、と言う気持ちが高まっていく。

 

義勇軍など合同1個小隊が爆薬を背負って敵戦車に自爆攻撃を敢行、2輌を大破炎上させたと言う報告を聞いたふたりの連邦指揮官は、複雑な感慨を味わった。

追い詰められた彼らにとって、これしか方法がなかったほど自暴自棄になっていた。

降伏したら生き恥、生きて帰ったら中岡大統領直属の親衛隊によって粛清されることとなれば、死は救済と言えるかもしれない。

 

 

 

二度目の補給作業に伴い、武蔵たち率いる支援艦隊と合流出来ることに成功した。

敵は散発的に榴弾砲を斉射して来たが、損害はほとんどなく、寧ろ居場所がバレてしまい、殲滅される一方だった。

このとき、飛行場を確保したため、本土からサイパン飛行場に飛行して来たTJS所属のTu-96《ベア》戦略爆撃機10機が、巡航ミサイルによる支援攻撃を開始した。

気づいた連邦野砲部隊は、巡航ミサイルの洗礼を受けて全滅した。

 

第二次輸送作戦により、兵力など大幅に増強された。

両軍の戦車を合わせて、合計40輌。

警戒車や装甲車などの類は、合計8輌。

各榴弾砲も5門ずつ補強され、ロケットシステムは5輌。

対迫撃砲及び、対空レーダーシステムも揚陸されており、これで敵の野砲や迫撃砲の居場所を突き止めることが出来る優れた装備品だ。

第三次輸送作戦も計画されているが、この際は施設機材を大量に運ぶ予定である。

 

古鷹たち率いる連合艦隊も無事補給が完了して、弾薬や燃料などの各資材が最大限にまで回復し、赤城たちと無人空母《アカギ》率いる空母戦闘群、各護衛艦の消費した艦載機や航空燃料、各種類のミサイル、航空爆弾などと言った各資材も然り。

息を取り戻した連合艦隊は、味方にとって天使であり、連邦軍にとっては黄泉の国に誘おうとする死神であり、または悪魔の存在でもあった。

 

北進部隊には、さらに1個連隊とともに、空挺部隊が増強される。

戦車隊と自走砲部隊、ロケットシステムに伴い、各種類迫撃砲や誘導兵器、戦闘車輌などが主力となる。

航空支援部隊は、両軍のヘリ部隊が掩護する。

状況に応じては、赤城たちの艦載機部隊が北進部隊を掩護すると言う形になる。

 

南進部隊は、加納陸将自ら率いる。

まずは赤城たちの《彩雲》などの偵察機を飛ばして、情報を取ってもらう。

機上から通信部隊に送られてきたデータを収集して、これらを解読した。

情報集をした結果―――連邦軍は北に掛けて、防衛線を築いていた。

陣地は塹壕陣地を速成したもので、頑強な陣地を作る暇などなかったのだ。

しかし、ここにも生き残った重砲や自走砲が少数おり、兵力は連邦軍や義勇軍などを含めて2個師団。

 

ここが正念場、最後の反攻ならばサイパン諸島での戦いは終了し、中岡大統領たちがいるマリアナ諸島攻略の近道ともなることを信じて―――

 

 

 

翌日。

作戦会議終了に伴い、1日休暇と再編成などを整えた一同は南北ともに進行を開始した。

 

戦闘開始の合図は、重砲部隊による撃ち合いだった。

連邦軍は野砲と自走砲部隊を持つが、命中率が低下し始めたために損傷を与えることが出来なかった。

しかし、日本軍は対空レーダーシステムと言う補助兵器があるおかげで連邦軍の重砲及び、自走砲部隊を次々と大破炎上ないし、破壊していった。

レーダーから複数のビームを照射して、敵軍が撃ち放った砲弾が過ると、探知精度や中・高空域の目標情報の迅速・正確な収集・処理・伝送を行うおかげで命中率も極めて高いのだ。

数分の撃ち合いで、南北ともに連邦軍の重砲部隊と自走砲部隊は壊滅的ダメージを負い、補給及び、補充がない今は砲撃を止めざるを得なかった。

 

連邦軍の攻撃が弱り始めた、と各司令官たちは、各々と進撃命令を下した。

 

10式戦車とM1《エイブラムス》、T-62、四式戦車改戦車隊が筆頭に、後方は両軍の自走砲及び、装甲車輌部隊に搭乗した機械化歩兵部隊と歩兵部隊が後に続く。

彼らの頭上には、両軍の攻撃ヘリ部隊とともに、赤城と《アカギ》たちの艦載機部隊が援護する。

 

各戦車隊には、秀真の助言通り、ワイヤーフェンスで利用して製造したスカートを取り付けていた。

これで連邦自爆部隊の自爆攻撃が来ても、これを防ぐことが出来る。

 

北部戦線では、日本軍の戦車隊の進撃が始まった。

待ち構える連邦軍は、島の住民から強奪した数輌の農業用トラクターに、BM-21《グラート》多連装ロケット砲を装備した簡易対戦車車輌を配備していた。

この車輌は、対戦車壕に隠れており、出来る限り敵の戦車隊を誘き寄せる陽動部隊としての任務を果たす。

その他に、自爆攻撃部隊に志願した連邦合同2個小隊が待機していた。

彼らは迷彩服を着用、顔は真っ黒に塗り立て、爆薬物が詰まった背嚢を背負っていた。

 

日本軍の戦略は主力は西側を進み、空挺団は戦車5輌の援護付きで東側の海岸沿いに進む。

主力部隊の戦車隊は、連邦軍が築いた最終防衛線に向かって進み続けた。

起伏だらけの地形だが、各戦車に装備されている自動姿勢制御装置を持っているから、スピードを落とす必要はない。

 

「待つんだ……待つんだ……」

 

連邦軍陽動部隊指揮官・アリソン少佐は、無線機を通じて復讐せんと焦る部下たちを制止し続けた。

緊張感と焦る気持ちのため、喉の渇きとともに、嫌な冷や汗が全身から滴り落ちてきた。

双眼鏡で覗くと、ワイヤーフェンスで造られたスカートが戦車隊に装着されているのを確認した。

 

「くそっ!敵の戦車隊は自爆攻撃用フェンスを付けているぞ!司令部に伝えろ!」

 

アリソンは、傍にいた通信兵に命じた。

司令部に駐在したガルベス少将は、この報告を聞いたものの、今更どうすることも出来ない。

せめて、侵略軍である憎き日本軍に一泡吹かせてやろう、と言う思いだった。

 

「今だ、撃てぇ!」

 

アリソン少佐は、憎しみを込めた声で怒鳴った。

BM-21《グラート》多連装ロケット砲が火を吹こうとした瞬間、獲物を捕捉した猛禽類たちのように、赤城たちの艦載機部隊及び、攻撃ヘリ部隊が強襲して来た。

急降下する彼女たちの艦載機部隊は機銃掃射や対戦車機関砲、両翼下に抱えた豊富な航空爆弾やロケット弾などによる攻撃と伴い―――

両軍の攻撃ヘリ部隊も艦載機部隊同様に、機関砲やロケット弾、《ヘルファイア》対戦車誘導ミサイルなどの制圧射撃により、破壊されていった。

 

航空支援に続き、戦車隊の後方から迫撃砲と重機、各種類の誘導兵器部隊が支援攻撃を開始した。

レーダーシステムも兼ね備えているから、連邦軍防衛線に次々と塹壕陣地などに損傷を与える。

 

そして仕上げと言う形で戦車隊の砲撃が開始された。

大地を揺るがす履帯の桁ましい走行音に伴い、闘志を燃やす闘牛のように唸るディーゼル・エンジン音。

これらを聞いた連邦軍は『戦前の日本、アジア諸国を侵略する戦車隊の音だ!』と発狂した。

 

しかも日本軍の戦車隊は、ワイヤーフェンスで造られたスカートを張り巡らせている。

自爆攻撃どころか、爆薬を投げることも出来ない。

しかし、やらればならないと同時に、復讐心も高まった連邦自爆部隊は、起爆を遅らせてから戦車隊の前面に飛び込み、フェンスごと戦車の腹に潜り込もうと決心したのだった。

 

「中岡大統領様、万歳!」

 

ひとりの連邦軍曹が叫び、飛び出して来た。

先頭に立つ戦車の前に飛び込むものの、ワイヤーフェンスに身体ごと引っ掛かり、身動きが出来なくなってしまった。直後、起爆装置が作動して爆薬が轟然と爆発した。軍曹は、悲鳴を上げることなく戦死した。

彼の肉体は爆発により、無惨に四散したのだった。

 

しかし、連邦軍曹の攻撃は無駄に終わった。

もうもうたる黒煙に包まれた10式戦車には実害はなく、損傷することはなかった。

秀真たちの助言、考案したスカートは、立派な成果を発揮したのである。

 

自爆部隊隊員たちは次々に飛び出したが、いずれもスカートに跳ね除けられ、引っ掛かって身動きが出来なくなったところを、機銃掃射の餌食となった。

さらに北進部隊指揮官・林田一佐と、TJS戦車隊指揮官・ベッカー中佐は連邦自爆部隊の突撃を阻止するために歩兵部隊を展開していた。

連邦自爆部隊は、次々と阻止されてしまい、殲滅されたのだった。

 

 

 

最後の反攻、防衛線も陥落したも同然だった。

スチルウェル中将たちは、この報告を受けて考えていた。

 

「もはや、この戦いは無意味である」

 

彼の副官・ハリス大尉と、MPたちは頷いた。

これ以上の戦いは、無駄死に等しく、中岡大統領たちのために死んでも意味も名誉もない。

自分たちも使い捨て部隊にされて、ようやく気づいたスチルウェル中将たちは、司令部内にいた全ての連邦指揮官たちを射殺した。

 

「よし、全軍に戦闘中止及び、停戦せよ。と打電せよ。同時に日本軍司令部に『我々は降伏する』と打電せよ」

 

ハリス大尉たちは返答し、日本軍司令部に打電した。

全軍の武装解除に伴い、全軍降伏を条件にと言う日本軍司令部からの電文が対しても拒むことなく、スチルウェル中将たちは受け入れた。

 

「我々にとって、これが名誉ある降伏だ」

 

1200時の時刻を指す前、ホテル上空に数機のヘリ部隊や地上には軽装甲車輌部隊が姿を現した。

スチルウェル中将たちは、数多くの降伏条件を受け入れて、数多くの命を救うことが正しいと受け入れた。

サイパン諸島の激戦は徹底抗戦よりも、ひとりでも多くの命を救うことを選んだ連邦指揮官の英断により、幕を閉じた。

 

サイパン諸島は無事解放されて、マリアナ諸島の道に近づいたのであった。

 

しかし、サイパン諸島の激戦とは裏腹に北海道にも連邦軍の魔の手が忍び寄っていた―――

 

 

 

某海域

 

ひとつの潜望鏡が、とある島を見ていた。

文字通り、北海道である。

これを見た連邦海軍所属の特務潜水艦艦長・本山益造がニヤリと笑っていた。

 

「ただいまより、中岡大統領様の特殊任務・北海道解放戦線『サンタクロース作戦』を開始する!我々が偉大且つ、崇高な同志中岡大統領様の意志を受け継ぎ、日本独裁政府の抑圧に苦しむ北海道市民の解放と伴い、敵のステルス重爆を我が手に収めて、世界帝国たる日本を石器時代に戻してやる!」

 

この意気で、特務潜水艦艦隊とも言える《プロジェクト621》部隊の士気は高揚した。

 

「中岡大統領様たちの御加護とともに、アンドルフ・ヒトラーに神罰を!」

 




今回でサイパン諸島の戦いは、無事終了となるものの……

灰田「北海道で新たな戦いが始まる予兆を見せて、今回は終えました」

この『サンタクロース作戦』は、同じく『超空の決戦』で起きた戦い、米ソ共同北海道進行作戦の名前から拝借しました。
こちらも圧倒的な米軍の貸与した艦船及び、ソ連の爆撃機部隊など物量は恐ろしいものの、各自衛隊の兵器により蹴散らせましたが、ここから米軍も特別攻撃隊を結成して、護衛艦《くらま》に体当たり攻撃をしました。

灰田「これを影響に、沖縄ではもちろんですが、満州でもこの自爆攻撃部隊が自衛隊を襲っています。
最後はソ連軍元帥たちが、スターリンとベリヤを暗殺して満州戦も無事終了しました」

ベリヤは、提督たちの憂鬱みたいに漫画好きな綺麗なベリヤであれば、まだマトモだったでしょうね。
では、次回は北海道進行作戦の予告です。

灰田「新たな戦い、北海道進行作戦『サンタクロース作戦』では、連邦軍の秘密兵器『プロジェクト621』の正体、これがただの潜水艦ではありません。
果たしてどのような特殊潜水艦なのか、次回で明らかになりますのでお楽しみくださいませ」

同時連載『第六戦隊と!』の更新で遅れることもありますがご了承ください。
あと少しで最終回を迎えますが、自分のペースで執筆していきますので最後までお楽しみください。

灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百三十四話までダスビダーニャ(さよならだ)」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに
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