超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
一部変更して、この北海道大戦車戦を終了します。この戦いの行く末は、どうなるか。

灰田「艦これ二期開始に伴い、来月のイベント、次のイベントでも秋刀魚漁など楽しみですね。
今回は『第六戦隊と!』の最新話同時更新です。こちらもお楽しみくださいませ」

では、気分を改めて……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』



第百三十八話:北海道大戦車戦 後編

連邦戦車隊を蹴散らさんと、鋼鉄の武者たちを思わせる日本戦車隊は総力を注ぎ込む勢いで戦いを挑む。

連邦軍と言う侵略者たちに対し、各戦車隊は自我から醒めたのか、怒ったようにギアが入り、履帯が唸りを上げた。一斉に各主砲がぱっと火を放った。

 

「命中、敵戦車2輌沈黙!」

 

西壱華大尉が搭乗するT-72-120戦車の主砲からは発射煙が白くわだかまり、構わずとも全力で前進するかに答えるように各車はギアを入れ、履帯が土煙を巻き上げた。超重戦車《オイ》と10式戦車、T-72-120戦車が最大速力を振り絞り、猛然と突進を開始した。

 

撃ち放った対戦車ミサイルの攻撃を受けた瞬間、鉄の棺桶と化し、燃え盛る2輌のT-55戦車を見た鳥嶋は怒りを露わにして口を開いた。

 

「おのれ!ジャップの戦車隊どもめっ!我が精鋭戦車隊と、対戦車車輌部隊前進せよ!独裁者の戦車を蹴散らせ!

北海道の父の怒り、アンドルフ・ヒトラーの犬どもに怒りの雷撃、神罰を下すのだ!ただし女指揮官は捕虜にしろ。私の女にしてやることを忘れるな!」

 

「失脚に追い込んだ嫌韓派・嫌中派のチョッパリどもよ!チョッパリの侵略戦争で連邦国に対してのヘイトスピーチが蔓延しているなど、とんでもないことだ!

アジア的優しさと、世界平和を望む中岡大統領様に敬意を払うのは当然のことなのに、礼儀知らずのレイシストチョッパリどもなぞ、地獄に叩き落とせ!」

 

鳥嶋大将と、桝山中将は号令した。

T-72とT-55戦車隊も同じようにギアを入れ、履帯が唸り上げて前進し始めた。

対戦車車輌部隊は、路上に放置されて、無傷な自動車やバス、ハーフトラックに溶接した鉄板を装甲板にして張り付けた車輌に、攻撃方法はRPGやミラン3などと言った対戦車火器を携えた歩兵部隊が搭乗しただけである。

手持ちの戦車隊と出来る限りの数を揃えた簡易装甲車輌に加え、遠距離支援攻撃は、後方にいる徹甲弾を装填したM119A3 105mm榴弾砲部隊などが務める。

制空権は握っており、現在補給中のJ-31部隊には対地ミサイルと爆弾を搭載し、これらで敵戦車隊を空爆で蹴散らす方針である。

 

鳥嶋たちは、何時でも逃げられるようにT-90戦車から機動力の高いパジェロSUVに乗り換えていた。

言わずとも、無傷で手に入れた盗難車だが、彼らは略奪したのではなく、戦利品として確保したのだ、と自慢気に胸を張り、さらに後部座席及び、トランクのなかにはアタッシュケースが数個ほど隠し持っていた。

そのなかには大量の金の地金やダイヤモンド、各貴金属など、高価な実物資産を詰め込んでいる。

中岡たちへの献上品でもあり、自分たちの裕福な老後生活のための資産でもある。

 

「我々も巻き添えを喰らいそうだ。もう少し後退したまえ」

 

「はっ!」

 

鳥嶋は、ドライバーに指示した。

軍曹の階級を付けたドライバーが、素早く車を旋回させる。土煙を上げて、鳥嶋と桝山のふたりを乗せた自動車は、今まさに始まろうとする戦車戦に背を向けた。

この戦いで、自分たちは死にたくない。

味方が戦死し、味方の戦車隊が入り乱れ、味方の誤射で破壊されようが関係ない。

例えひとつの都市を破壊、または手持ちの攻略部隊が全滅しようが、痛くも痒くもない。

寧ろ中岡や自分たちの輝かしい連邦国の幕明けとして散っていた軍神として奉るだけとしか考えていない。

 

「砲兵隊!撃てぇ!」

 

鳥嶋の号令を受けて、連邦砲兵部隊が支援砲撃の火蓋を切った。M119A3 105mm榴弾砲が轟音と吼える。

アウトレンジの砲弾が、続けざまに放物線を描いて、日本戦車隊の周辺に落下する。

釣瓶撃ち。ずらりと並んだ野砲が、続けざまにオレンジ色の発射焔を吹き出して、砲弾を投げ飛ばす。

飛び渡った砲弾が、目標地点に着弾する頃を見計らい、より近距離に配された野砲部隊も、猛然と撃ち出した。

 

「撃って撃って撃ちまくれ!」

 

号令一下、野砲が吼え、咆哮し続ける。

ソ連軍伝統『砲兵は戦場の女神』且つ、得意の、徹底した火力を叩き込む制圧射撃。

白熱の尾を曳いて飛翔する砲弾は無数の弧を描き、地獄の業火を浴びせかけた。

 

「各部隊、前進せよ!チョッパリどもを踏み潰し、破壊尽くし、ひれ伏せさせろ!」

 

砲兵部隊の支援砲撃後、連邦戦車隊指揮官の号令一下、数輌と言うエンジンの唸りが轟いた。

踏みしだく履帯、陽光すら灰色染まった視界を埋め尽くして、黒色の車体を持つ連邦軍戦車隊が前進した。

各車輌とともに前進する連邦戦車隊指揮官こと、水原穂波少将は眼を疑った。

彼女が駆る戦車は、鳥嶋たちから賜ったT-90戦車だ。

T-72をベースに大幅に改良して、より高価なT-80Uのレベルに近づけた第三代戦車だ。愛称は『ヴラジーミル/ウラジーミル』と呼ばれている。

古代の亀にも似た車体が地面を踏みしめる。

突進して来る日本戦車は、自軍よりも遥かに強そうに見えた。

 

「どうせ見かけ倒しよ。全軍前進!」

 

胸中に兆した不安を振り払い、穂波は叫んだ。

同時に愛車にギアを入れ、履帯が軋みながら地面を蹴り上げた。

轟然と咆哮する戦車隊が、戦意を剥き出しに距離を詰めていく。

 

「全車砲撃せよ!アンドルフのレイシストネトウヨどもをしばき倒し、全員の身体全てに連邦軍伝統道具、呪いの五寸釘をぶち込め!」

 

罵声を放った穂波が、発砲命令を下した。

彼女の射撃手が引き金を引き絞り、T-90の主砲が鋭い叫びを上げて、各車は必殺の一弾を撃ち放つ。

いくつも発射煙が吹き上げ、豪煙に包まれた。

その中を飛翔した徹甲弾は、一番目立つ鉄の巨獣に似た巨大戦車に向かった。

 

「よぉし。レイシストネトウヨ戦車数輌片付けた!」

 

瞬間の手応え。彼女が撃破を確信した歓声を上げた刹那―――

 

各車が放った砲弾は、狙い過たず、日本戦車の前面装甲に命中したと思いきや、何ひとつ損傷を与えることが出来なかった。

 

「ば、馬鹿な!直撃弾なのに無傷だと!?」

 

穂波は、眼を疑った。

叫んだ瞬間、命令弾を受けて猛り立ったかのように、日本戦車の主砲が吼えた。

空気摩擦により、赤熱させて飛翔する砲弾は、T-90の前面装甲を、紙のように貫通した。

驚愕の表情を貼り付けたまま、穂波の頭部が四散する。次いで車内を跳ね回った徹甲弾は、T-90の乗員をことごとく切り刻み、肉片に変えていた。

やがて停止したT-90が、貫通孔から紅蓮の炎を噴き上げ、爆発した。

 

「敵指揮官戦車撃破!各員砲撃続行」

 

アインズ大将が操る、超重戦車《オイ》の一撃は凄まじく、なお且つ未来素材と、自己修復機能が施されているため、難攻不落の移動要塞とも言えた。

大混乱な戦場を疾駆し、鋼鉄の流鏑馬たちの如く日本戦車隊も、巨体を軋らせて正確無比な射撃で、連邦軍戦車及び、軽装甲車輌部隊を次々と破壊する。

連邦軍戦車戦や軽装甲車輌部隊も、お返しとばかりに撃ち続けた。しかし、指揮官の水原穂波少将が開始直前に戦死したため、半狂乱で反撃している。

ハンマーのような殴った異音が響き、跳ね返された砲弾があらぬ方向に飛んでいく。

雨霰と撃ち込まれ、爆焔に包まれる戦場を駆け巡る超重戦車《オイ》部隊などが主砲を放つ。

無数の発砲炎が閃いて、徹甲弾が飛翔する。

大気を裂く異音が響き、発砲炎で位置を曝け出したT-55戦車と、傍にいたテクニカル車輌部隊が、続けざまに炎上した。

 

T-72-120戦車及び、10式戦車の砲塔が旋回を終え、自慢の砲身が、T-72戦車の正面に向けられた。

次の瞬間、オレンジ色の火矢が吹き延びて、驀進するT-72戦車の正面に、眩い火花が散った。

双方の一撃で、敵車体が押し止められたように見えた。紅い火が走り、車体を彩ったかと見る間に、鋼鉄のドン亀は、大音響を上げて爆発した。

丸みを帯びた砲塔が浮き上がり、傾いで落ちる。

砲身が大地に突き刺さり、首を跳ねられた連邦軍戦車は、炎を吹き上げて燃え出した。

 

「怯むな!側面側に回り込んで、レイシストどもをしばき倒せ!」

 

その隙に側面側から反撃を企てながら疾駆し、対戦車火器を携えた歩兵部隊には、日本戦車隊の後方から、凄まじい炎の帯が立ち上がる。

まるで教会のオルガンを悪魔が弾いているような、心を震わせる火焔の旋律。その正体は何百発もののロケット弾。これら全てが炎の尾を曳いて飛翔する。

ロケット弾が着弾した瞬間、火焔地獄が車輌部隊に襲い掛かって来た。元々非装甲車輌だった自動車に耐爆システムなど施しておらず、いとも簡単に破壊された。

車内にいた歩兵部隊たちの多くは、脱出出来ず、生きながら焼き殺された。運良く脱出出来た者も重度の火傷、半狂乱で叫び、さ迷うゾンビのように歩き回るだけだった。

 

「間にあったようだな」

 

西が呟いた。

このロケット弾攻撃を行った者たちは、釧路市街地郊外で連邦偵察部隊を殲滅したケルベロスたち及び、超人合同戦車隊である。

 

「これより、我々も残りの連邦軍を殲滅する!」

 

ケルベロスたちも追撃して来た。

エンジンの轟音と、敵味方の砲声。ロケット弾が飛翔する風切り音。そして破壊された戦車の炎上する音。

さらには、戦車の隙間を縫うようにして駆け巡る彼我の歩兵が撃ち合う自動小銃や汎用機関銃、重火器の銃声と爆発音に、怒号と悲鳴が混じる。

連邦歩兵部隊は、まだ数はいたものの、押し寄せて来る彼女たちの勢い、威圧感を見て、ライフルなど携えた銃器を捨てて、恐怖のあまり我先に逃亡する者、果ては発狂し、何故か北海道にも関わらず、歌いながら両手を頭上に挙げて、手首を回しながら左右に振り踊るカチャーシー(沖縄踊り)をする者たちも少なくなかった。直後、戦車部隊に轢き殺された。

 

敵味方が入り乱れ、遥か後方から黒衣の死神とも思わせるJ-31部隊が姿を現した。

両翼下に対空地ミサイルや航空爆弾、機首に搭載されている30mm機関砲を備えている。

高速を利して、戦車と歩兵部隊を叩こうと襲い掛かる合図を響かせ、機体を翻する様は、ギリシャ神話のハルピュイアの乱舞を思わせる。

 

しかし、太陽と重なる黒い機影がJ-31部隊に襲い掛かった。

 

両翼に装備された機関砲が一斉に吼えた。

撃ち放たれ、切り裂くような灼熱した火線が、J-31の操縦席に降り注いだ。

鮮血に染まったジュラルミンの破片が飛び散り、機体が揺らぎ、やがて錐揉みを始め、北海道の大地に落ちていく。

不意打ちを喰らった僚機も同じく、血とジュラルミンの爆焔が咲く最中、もう1機も黒煙を上げて、為す術もなく、撃墜されていく。

 

運良く攻撃を回避出来た1機の命運も尽きる。

対空攻撃を得意とするヘベ、彼女が連邦偵察部隊から鹵獲した携帯式地対空ミサイル《FHJ-18 AA》を構えて、標的を捕捉するロック音が響き、引き金を絞った。対空ミサイルに捕らわれたJ-31もチャフを撒こうとするも、一足早くミサイルの餌食となり、逃げ惑う連邦歩兵部隊の群れに墜落して二次被害をもたらした。

 

「我々の切り札も来たな……」

 

西壱華たちの頭上を通り過ぎていく友軍機。

J-31部隊を撃墜した黒い機体、空母娘たちが主力とするジェット戦闘機《天雷改》及び、《轟天改》部隊が天使のように蒼空を自由に駆け巡り、両翼を左右に揺らした一方―――

 

「おのれ。こうなればジャップども全員黒焦げの死体にしろ!砲兵部隊、白燐弾装填。ジャップども全員焼き殺せ!俺の合図で―――」

 

鳥嶋は激怒しながら、命令を下そうとした瞬間、彼の鼓膜まで響き渡る特急列車の汽笛を思わせる音に伴い、巨人の拳が大地を振動、そして山びこのように木霊する爆発音が叩き込まれた。

 

『うわあああああああ!!!』

 

彼らが乗車するパジェロSUVは、空から降り注いだ凄まじい衝撃波に襲われ、直後、操縦不能に陥った愛車はスピンオフしながら、近くの電信柱に激突した。

操縦不能となったが、悪運強く、鳥嶋たちは頭部に傷が出来たものの、幸いにもエアバッグのおかげで軽傷で済んだ。

 

「あの衝撃波は、いったい……」

 

車から降りた鳥嶋は、傷の痛みに堪えつつ、首に掛けていた双眼鏡を覗き、じっと見つめた。

直後、信じられない光景を眼にして疑った。

まず、海上に待機していた巨大輸送潜水艦1隻が黒煙に混じり、火焔に包まれて撃沈していた。

次に残る1隻は、僅かな抵抗を見せた少数の乗組員たちは敵うまいと全員降伏、同時に白旗を揚げていた。

そして最後におびただしい数の艦船、憎むべきあの連合艦隊が、今もなお異形の戦艦空母からの艦砲射撃及び、各軽空母から発艦していく多種類の艦載機部隊、それらによる空爆が開始されているのだった……

 

「我々は挟み撃ちにされてしまった……」

 

 

 

釧路沿岸部

時刻 1430

 

「全艦、この十勝に続け!」

 

彼女の号令に伴い、海面が、より巨大な衝撃に叩き据えられ、一瞬窪んだ後にさざ波だって、さらに波濤が吹きちぎられる。膨大な爆焔が噴き出し、オレンジ色の火光が閃いた。力感溢れる砲身から叩き出された砲弾は、衝撃波を振り撒きつつ、天空へと掛け上がり、雷神の轟きを伴って落下した。

大気を踏み轟かせて落下した徹甲弾は、十勝が意図した通りの位置に落下した。

 

「着弾、成功!」

 

十勝からの報告に、郡司は頷いた。

 

「良いぞ。各員も十勝に続き、攻撃を続行せよ!木曾、僕たちも行こう!」

 

「ああ!もちろんだ、郡司!」

 




今回は北海道大戦車戦は、ここにて終了となります。
架空戦記『荒鷲の大戦』など、迫力ある戦車戦を参考にしています。今回の超重戦車《オイ》を提供してくれた同志炒り豆さん、ありがとうございました。

灰田「R.U.S.E.に伴い、各超重戦車《オイ》の資料及び、『超海底戦車出撃』に登場した空中戦艦《新富嶽》の自己修復機能なども加えています」

因みに超重戦車《オイ》を初めて知ったのは、ワールドアドバンスド大戦略シリーズ『鋼鉄の嵐』と『作戦ファイル』ですね。ただし試製ですから弱いです。
しかし、外観は格好いいですから好きな戦車です。
つじーんなどの意見が通っていたら、三式戦車、四式及び五式戦車の登場が早ければ、六式及び、七式戦車と言った後継戦車も登場していたかもしれません。

灰田「因みに私が介入した世界では、四式及び、五式戦車に続き、『超日米大戦』では六重式戦車、『超海底戦車出撃』では巨大海底戦車《海龍》も登場しています」

因みに、どれも最強です。
海底戦車《海龍》は、伊400型並みの大きさです。
100mm砲と、20mm機関砲を搭載。その名の通り、潜水艦のように潜れ、最大深度1000メートルまで潜航が可能な海底戦車です。
最初読んだ時は、某海底軍艦かなと思いました。

灰田「ほかにも、ドイツの巨大戦車《ラーテ》など色々な戦車が登場する架空戦記もあって、個性豊かで面白いのがミソですね。因みに《ラーテ》は、荒鷲の大戦に登場しています。しかも米国とドイツ・ワイマール共和国共同製造し、ロシア内陸で暴れまわりました」

長くなり兼ねないので、次回予告に移ります。
次回は、鳥嶋たち連邦軍を陸海空による掃討作戦に伴い、これを機にして中岡大統領たちに、またアクシデントが起きますのでお楽しみください。

灰田「なお、同時連載『第六戦隊と!』の連載もお楽しみくださいませ。私がとある回に出ていた?果てどうでしょうかね?」

北海道大戦車戦編から、またマリアナ諸島での最終決戦に戻りますので、最終回まで頑張ります。

灰田「それでは切りの良いところになりましたので、次回もまた、第百三十九話までダスビダーニャ(さよならだ)」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに
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