超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

2 / 147
今回は日常編であります。
なんかアニメみたい?いいえ、知らない子ですね(赤城さんふうに)

なお、今回も一部台詞を変更したり、少しですが足したりしています。
前回と違ったところもありますが、こちらでも楽しんでくれたら幸いであります。

長話はさて置き、本編であります。

どうぞ!


第二話:不運な一日

いつもと変わらない朝を迎えた。

起床し、軽い運動、そして間宮たちが丹精込めて作ってくれた朝食を摂り、これらを終えた秀真は、秘書艦である古鷹とともに執務室で仕事を開始していた。

 

「古鷹、間違いがないか確認して欲しい」

 

彼女に報告書を手渡すと、すぐに見通し、なるほどと書類を読み通した。

 

「大丈夫ですよ、何処も間違ってはいません」

 

「そっか。ありがとう」

 

古鷹の答えを聞いた秀真はひと安心すると……

 

「そう言えば今日は新しい娘が来る予定ですが、まだなのですか?」

 

秀真は、うなずいた。

 

「ああ。もうじき連絡が入るからそろそろ連絡がくると思うのだが……」

 

「楽しみですね、提督」

 

「ああ、楽しみだ。それに二週間後に行われる合同演習時のスケジュールも同時に立てなければならない」

 

「私も手伝いますから、今日も一日を大切にして頑張っていきましょうね!」

 

「ああ、ありがとう」

 

ふたりが他愛のない会話を楽しんでいると、突然と一本の電話が大きく鳴り響いた。

おそらくはあの方であり、そして伝言は、いま古鷹と話していたことについてだろうなと悟った。

 

「すまないが、古鷹。しばらく電話をするから静かにしておいてくれ」

 

「はい、了解しました。では、ついでにこの報告書と作戦資料を大淀さんに渡してきますね」

 

そう言うと、古鷹は先ほど纏めていた報告書および作戦資料を持っていき、執務室を出ていく。

彼女が、部屋の扉を静かに閉めたと同時に、鳴り響いた電話を取り出した。

 

「はい、もしもし」

 

『やあ、久しぶりだな。秀真提督』

 

「ご機嫌麗しゅう。元帥」

 

『うむ。キミも元気そうでなによりだ』

 

元帥はうなった。

 

「ハッ!元帥こそ、今日は例のご用件ですか?」

 

秀真は彼女に尋ねた。

 

『そうだが、まずキミに良いニュースと悪いニュースがあるんだ』

 

それはなんの死亡フラグですかと言い返したいところだが、一応なんですかと尋ねる。

 

『まず良いニュースからだ。先日のキミが行った奇襲作戦、とくに敵輸送船団を撃滅してくれたおかげでようやく我が軍はこの機を逃がさず反撃できたため、重要拠点およびシーレーンを取り返すことができた。

キミと郡司、他の良識な提督たちは敵の輜重を撃滅ないし我が国のシーレーンを回復させることを重要としてくれたから、本当にこの作戦をキミたちに任せておいて良かった」

 

「いえ、恐縮です。しかし自分たちだけでなく、この作戦に即採用し協力してくださった元帥や彼女たちのおかげです。自分たちはただ最善の努力を尽くしたまでであります」

 

『それでも重畳の結果、戦略的勝利だ。しばらくは我が国のシーレーンも回復でき、各鎮守府に資材が賄えるぐらいの量があるから、とても心から感謝しているよ』

 

「はい。ありがとうございます」

 

次の悪いニュースで落ち込まなければ良いが、と思ったが、その知らせがついに来た。

 

『次に悪いニュースだが……』

 

電話越しだが、異常と言うほどの緊張感が増し、秀真は手汗を掻いてしまう。これと共に固唾を飲んだ。

 

『すまないが……今日はキミのところに着任する予定だった最新鋭艦である例の娘だが、しばらくはこちらの事情により、私が育成することになったんだ』

 

「何かあったのですか?」

 

―――とは言え、原因が分かっても俺には対処のしようが無い、と内心に呟く。

 

『重要な問題が起こってね。とくに艦載機に問題が起きてね。なにしろ最新鋭機だから、妖精たちも手こずってしまってね。あとは実戦テストを行い、そして彼女にはある程度に練度を上げて、二週間後にはキミと郡司が行なう合同演習のときには着任するようわたしがつとめる……。このために連絡したんだ』

 

不幸だわ……と呟きたくもなったが、なによりも緊張した自分が馬鹿みたいに思えた。

だが冷静さを取り戻すため、三度深呼吸をし、復唱した。

 

「……では二週間後に、彼女が着任すると確認します。という事でよろしいですね?」

 

『ああ。キミには本当に申し訳ないと思う』

 

「……いえ、戦友が戦死したという報告よりは良いですから」

 

元帥は女性でありながらも艦隊指揮や戦略などに関しては鬼才と言っても良いほどの優秀な戦略家として、誰からも尊敬される女性司令官である。……その一方、ブラック鎮守府の提督たちにとっては目の上のタンコブである。

当初は嫌がらせ程度に抗議をしたが、やがて山本五十六長官のような暗殺まで企てる者たちも現れ始めた。

しかし元帥は悪運が強いため、ブラック提督たちは手を焼いていると、取材好きな青葉と一部の提督たちから聞いた。その話では真実は不明だが、元帥を暗殺しようと送り込んだ暗殺者たちは必ず護衛兵に殲滅され、そして後日には死体となって発見されることだ。

噂では選りすぐれの護衛兵らは、全員が超人的な能力を持った兵士たちでいくら撃たれても死ぬことはない不死身の兵士ともいわれ、彼らが携えている武器はすべて強力で、しかも人間離れした能力と体力を兼ね備えている。

そうとも知らずに元帥を暗殺しようと潜入した暗殺者たちは彼らに殺されたんだと、まるで都市伝説のような噂が広まっている。元帥は断じて否定しているが、物好きな者たちが調べようとしたとたん、行方不明者たちがあとを絶たない。その物好きたちの多くは、ブラック提督の部下たちであることは言うまでもないが。

秀真たちは興味を持ってはいたが、決して探索はしない。青葉もこれは心掛けている。

日本のことわざで、『触らぬ神に祟りなし』という言葉があるように、そのことについては知らない方が身のためでもある。

 

『最近はブラック提督たちが何者かと手を結んでいるとのわたしと郡司の配下にいる諜報部隊から得た情報だ。

平然と何かを企てている連中だから、キミも郡司も十分に気をつけたまえ!』

 

「はい。分かりました」

 

『では二週間後、合同演習時には新しい娘、例の娘が来るから楽しみにしておいてくれたまえ。

ほんとうならばキミと郡司の演習を見てに行きたかったのだが、手が離せないほど忙しい身だからね……」

 

「了解いたしました、元帥」

 

『ではそろそろ切るね、短時間だったが、こうしてキミと話せて良かったよ』

 

「自分も元帥との貴重な会話ができて、なによりです」

 

『ふむ。またこうして会話しよう』

 

「了解です。元帥」

 

『では、またな』

 

そう言うと、彼女は電話を切った。会話を終えた秀真は電話を置いた直後に、再度深呼吸を三回した。

ふと机に置いているデジタル時計を見て気付いた。

ただ短いといった割には、一時間近くも元帥と話していたのか、という事を知った。長くて短いようだが、彼女との会話は久々に会話できたので不満はなかった。

そう安心した秀真は背伸びをし、リラックスしていると扉をノックする音が聞こえた。

秀真がどうぞと入室許可を出すと、彼女が戻ってきた。

 

「ただいま戻りました、あれ?どうかしたのですか?」

 

先ほどの用事を終えた古鷹は秀真に尋ねたが、彼は首を短く横に振った。

 

「それが先ほど元帥から連絡が来たんだ。本当ならば今日着任するはずだった子が、とある事情により延期になったんだ。その子が来るのは二週間後、つまり郡司と行なう合同演習のときに着任するという連絡さ」

 

「私も今日着任するかと思いましたが、変更とは急ですね」

 

「ああ、まったくだ。俺も楽しみにしていたのだったのだが……」

 

郡司の艦隊に所属している山城のように、不幸だと呟きたくなった。

 

「しかし、二週間後のお楽しみだと思えば気が楽ですよ、提督?」

 

「それもそうだな……。元帥からも伝言だ。『先日の作戦ご苦労様』と古鷹たちのおかげで重要拠点を取り返すだけでなく、今後のシーレーンが回復でき、各鎮守府で資材が回せるほどの余裕ができたとの事だ」

 

「いえ、提督の考案した作戦が功を奏したのです。私たちはそれに従ったまでのことです。提督も自分に、自信を持ってください」

 

古鷹は穏やかな笑みを浮かべた。

 

「ああ、ありがとう。古鷹」

 

「いえ、どういたしまして」

 

彼女の天使のような笑みを見た彼は、もうひと頑張りしなくてはな、と残りの報告書類に手をつけたときだ。

 

コンコンッ、と再びノックの音に「どうぞ」と秀真はふたたび入室許可を出した。

 

「失礼します。秀真提督」

 

「用件は?」

 

「秀真提督にお届け物です」

 

敬礼した憲兵は、すぐに用件を言った。因みに容姿は『CoD:MW2』の第75レンジャー部隊隊員に酷似している。

服装だけでなく、武装ももちろん。ちなみに彼が携えているのはベルギーの有名な銃器メーカー、ファブリックナショナル社(FN社)がアメリカ特殊作戦軍(SOCOM)向けに開発したアサルトライフル《SCAR-H》である。

また彼だけでなく、ほかの隊員たちも各々の好みの装備で武装しており、少数ではあるものの、彼らもまた我が家同然であるこの鎮守府と主人である秀真と大切な家族である艦娘たちのためならば、自らの命を投げ出すほど士気が高い。だが、秀真は「決して命を粗末にするな」と、木村昌福海軍中将のようにきつく厳命している。

 

「もしかして……」

 

この勘が正しければと思い、憲兵に案内されてもらい、すぐに届け物を確認した。

 

「やっぱり……」

 

案の定、気遣ってくれたのか、元帥からのプレゼント、しかも元帥お得意の贈り物―――海軍最大の嗜好品でもある《大和ラムネ》を、しかも一ヶ月分を送りつけるとは、流石だと言いたい。

 

「しばらくはみんなで、大和ラムネが楽しめそうですね」

 

「そうだな。古鷹」

 

因みに、あとで人数分ほど【大和ラムネ】を冷やし、昼食は秀真と古鷹たちと一緒に作った伊太利コロッケ(現代で言えば、牛肉と野菜入りのクリームコロッケである)と、それと吹雪たちが採ってきてくれたアサリを贅沢にたくさん使ったオムライスを振る舞い、そしてデザートには、間宮が用意してくれた間宮アイスとともに堪能をしたのは別の話である。

 

「もしかして郡司のところも届いているかもな……」

 

 

 

 

とある某鎮守府。

 

「ハックション」

 

郡司は口を押えて、くしゃみをした。

 

「どうしたのですか、提督?」

 

扶桑型一番艦《扶桑》が問いかけた。

 

「誰かが噂しているんだ、なんとなく……不幸だわ」

 

思わず山城の口癖ように不幸だわと、郡司は呟いた。

 

「提督も噂されているの…?本当に不幸だわ…」

 

姉妹艦《山城》も、いつもの口癖を言った。

 

「山城もか、お互い様だな」

 

自分らだけでなく、なにかしら友人にも不幸があるのだろうと察した。

 

「隊長、木曽さんたちが帰投しました」

 

スク水を着た小学生中学年程度に見えるショートカットの艦娘、まるゆが報告しに来てくれた。

これを聞いた郡司は、約束通り、いつもの時間に帰ってきたなと笑みを浮かんだ。

 

「ありがとう、まるゆ。それじゃ木曾たちを迎えたあとは昼食を作らないとな」

 

伝えに来てくれた彼女を撫でて、木曾たちを迎える。

全員無事に帰ってきたことに安心した郡司は、今日の昼食当番である江風と涼風と一緒に《バラ寿司》を、海風は《湯肉片(鯨と野菜の甘酢煮)》を作り、伊良湖の用意したアイスモナカを堪能した。

なおこちらも同じく、元帥からの贈り物《大和ラムネ》が届いたのはいうまでもない。




今回は少しですが、秀真と古鷹の日常でありました。
それと伴い、お気づきですが、元帥を狙おうとした暗殺者を殺した護衛兵たちの正体は察していると思いますが、例のあの部隊です。
だいぶ、まだ先ですけど彼らも登場しますのでお楽しみを。

また秀真の憲兵隊員の容姿と装備も変えました。
こっちの方が面白いかなと思いまして変更しました、なお、こちらの方が気にいっているのであります。

そしてとある鎮守府の提督も出ていますが、次回登場しますので……
なお登場した海軍飯は『戦艦大和の台所・グルメアラカルト』を参考にしました。
ちなみに伊太利コロッケは青葉が作った料理として記録に残っていますが、どこがイタリアなのかという突っ込みやバラ寿司は第二十四駆逐隊、江風と涼風が編成されたときに作られたレシピですが、生の牛肉を使ったバラ寿司だそうです。
結構面白いので好きですね。海軍飯は知るのも作るのも楽しいですから。

神通「提督…お腹が空いたのなら…わたしが作りますよ?」

長話はさて置き、次回は郡司提督との合同演習編であります。
それでは第三話まで、ダスビダーニャ(さよならだ)。

神通「ダ、ダスビダーニャ…それじゃ作りますね」

こちらも楽しみであります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。