超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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では連邦と第三の目撃者(アメリカ)からの視点から打って変わり、十勝基地を建造と伴い、このサブタイトルから分かる事件が起こります。
そして毎度お馴染みでありますが、それと伴い、台詞なども一部変更している部分お楽しみを。

それでは、本編であります。

どうぞ!


第二十二話:危機のシーレーン

安藤・元帥・秀真の付託を受けて、主席補佐官の鳥飼が十勝基地建造作業の監督に当たることとなり、鳥飼は現場に詰めっぱなしで、仕事をこなさなければならない。

なにしろ一ヶ月という期間付きである。ジャンボ旅客機に匹敵する『新富嶽』ことZ機を200機のための飛行場を造るのだから、常識に考えられないスケジュールである。

ひとえに可能となったのは、灰色服の男……灰田の支援があったからである。

灰田は元帥と秀真の前だけでなく、安藤首相・郡司・鳥飼のまえに出没するようになっていた。

ふたりの代理とみなしたからだろう。

 

灰田は向こうの世界から機体だけでなく、航空燃料、整備用部品、それらを入れる倉庫、さらに完成された格納庫すら運んできた。

 

そのため、200機がそろっても全て格納庫に入れられる見通しがついた。

 

この点は、敵の衛星で偵察されてもZ機は見えないからである。

 

そのため日本施工陣のエネルギーは、ひたすら滑走路の建設に集中できた。

 

パイロットに関しても、灰田が向こうの世界から複数兵士を送り込んできた一方……こちらの世界でも深海棲艦と連邦軍を打倒しようと各鎮守府にいる兵士と志願パイロットたちなどが現れたため、多数のクルーを養成しなければならなかったが……これは鳥飼たちが関知することではなかった。

最大の救いは巨人機であるにもかかわらず、わずか六人で飛ばせるということである。

そのマニュアルを読むと、機能の80パーセントが自動化されており、しかも三重のバックアップ・システムを持っている。

 

現代の旅客機と同じく巡航高度まで上がって、目標の座標を入力してしまえば、あとはオートパイロットがやってくれる。

Z機は四連装13mm機関砲塔二基、合わせて八門を持つが、索敵、照準、射撃も全て自動化されている。

これらはバルカン砲に匹敵する射撃スピードを持ち、敵のロケット弾とミサイルをも撃墜可能だ。

六人かける200人で1200人、予備要員も入れると1300人はクルーだけで必要、整備員を含めると2000人ちかい要員をひねり出さなくてはならない。元々少数精鋭主義の空自にとっては、不可能と思われる数字だったが……

灰田が贈り出したマツダ少佐と彼の複数兵士、各鎮守府にいる兵士たちのおかげで十分な人員にそろえる事ができた。

 

しかも飛行機の操縦そのものが容易く、志願したクルーたちはすぐにマスターした。

B-52とC-5ギャラクシー輸送機の経験操縦がある秀真たちもためしにテスト飛行をしたが、マニュアル通り、本当に容易くマスターでき、各鎮守府のパイロットたち、翔鶴たちを救助したニコライは数多くの軍用機を操縦してきたが「これほど簡単に操縦できる爆撃機は初めてだ」と驚かされるほど、Z機は操縦しやすい。

また航空機を操縦したことがない古鷹をはじめほかの艦娘たちにもテスト飛行をさせてみたが、これまた容易に彼女たちでもZ機の操縦法をマスターすることができた。

 

佐伯幕僚長は全機いちどに出動させることは考えにくいので、100機を動かすだけのクルーが常時確保されれば良いと考え、あとは予備要員とした。

 

 

 

そして一ヶ月が来た。

 

灰田が約束したとおり、一ヶ月でZ機専用飛行場が完成し、要員もそろった。

敵のミサイル攻撃および空爆に備え、陸自と多国籍軍の高射特化部隊が配置された。

また万が一に敵が上陸したときに備え、周囲にはドイツのKSKからイギリスのSASなどといった数多くの対テロ戦で戦果を挙げたベテランぞろいの各国の特殊部隊に、少数の多国籍戦車・軽装甲車両部隊なども配備された。

また上空には定期的に、空自と多国籍空軍が周辺や基地上空を警戒している。

Z機はすべて灰田が運んできた格納庫に収められ、その格納庫ものも未来の素材でできており、通常のミサイルと深海艦載機の爆弾攻撃なら十分耐えられると、灰田は保証した。

航空燃料もたっぷり用意されたが、現代のあらゆる航空機が使用する航空燃料とは一味違い未来の添加剤が入っており、その素材は秘密だが、通常の航空燃料やメタノールより50パーセントましのパワーが出て、なおかつ燃費も良いという事だった。

 

確かにテスト飛行の結果――異常な燃費の良さとエンジン・パワーの強大さ、特にトルクの大きさが確かめられた。

 

しかし期限どおりとはいえ、ぎりぎりのところであった。

ついに堪り兼ねた中岡は“交渉を打ち切る。24時間後にミサイル攻撃を開始する”と警告してきたからだ。

 

24時間という期限を入れたのは、一部の賢明な幹部と深海棲艦たちの意志が入っているからだろう。中岡や彼の忠犬ともいえる幹部たちなら奇襲を狙っていたはずだ。

しかし戦艦水鬼は仲間たちを想うため、脳筋であり、人間に限界はないと古臭い概念―――”根性論”を唱える中岡のように無茶なことはしなかった。

日本にとって救いなのはいまだに連邦軍は深海棲艦との連携が取れていないこと、そして深海棲艦もまた連邦軍との連携が取れていないことが、むしろ救われていたのかもしれない。

 

連邦軍が幸いと言うべきか警告してきたので、秀真や郡司、ほかの提督たちはあらためて第一から第三までの艦隊を南西諸島海域にかけて展開した。敵合同艦隊を向かい討つためである。

また元帥の命により第四艦隊は各鎮守府の予備戦力として、とどめておくことは厳守している。

同じく海自と多国籍海軍の護衛艦群は、浜田沖合いから能登半島沖合いにかけて再展開した。

かれらの任務は、発射されたノドンとテポドン・ミサイルなどを空中で迎撃することである。このシステムは短距離から中距離の弾道ミサイル迎撃を目的とする艦船発射型弾道弾迎撃ミサイルと言われており、RIM-161スタンダードミサイルを改良したもので、SM-3と呼ばれる。

 

その主役はむろんイージス艦とミサイル護衛艦である。

沖縄県・石垣島にも布陣している護衛艦群もいるが、少数なのは否めない。

なお海自および多国籍海軍が撃ち漏らしたミサイルは空中では空自と多国籍空軍が仕留め、またしても撃ち漏らし、これが降下してくるところを陸自と多国籍支援部隊のPAC-3などが迎撃するが、これはさらに難しい。

ミサイルの最終速度はマッハ6以上の超高速になるからである。

 

それに地上近くで撃破しても、被害を被るから何の意味がない。

このため日本海と南方海域に展開した秀真・海自司令官たちなどは、Z機による先制攻撃に望みをかけていた。

連邦国は日本攻撃にはノドンしか使わないはずだ。

テポドンは中距離ミサイルであり、連邦国としては大陸弾道ミサイルに仕立てたいと考えている。

改良型のテポドンⅡは射程距離は6000キロメートルなので、ハワイやグアム攻撃の目的はもちろんだが、一部はアメリカ沿岸地域を攻撃することができる。

 

連邦国がノドンに燃料を注入し始めたときは、米軍から統幕本部に通報が来ることになっていた。

これに呼応して、連邦海軍は行動を起こし、南シナ海域の航行中のタンカーや貨物船を潜水艦で攻撃した。

 

この攻撃はすでに予測されていた。

 

中東の油田に頼っている日本は、タンカーを南シナ海域を通らざるを得ない。

フィリピンを迂回するとひどい遠回りになり、時間もコストもかかる。

そのため襲われるのを予知しながら、マラッカから南シナ海へのルートを通らざるを得なかったのである。

その支援のため潜水艦も十二隻、東シナ海から南シナ海にかけて展開させる。

しかしここにいたって連邦潜水艦と潜水カ級らがともに活動し、三隻のタンカーが立て続けに沈められた。

一隻100万トンのスーパータンカーだから、これは痛い。

 

しかもこれに飽き足らず、連邦国はジュネーブ協定をやぶり、病院船までも沈めた。

日本政府や各国の政府も連邦国に抗議をしたが、対する連邦国は自国の潜水艦群がやったという証拠もなければ、病院船を轟沈されたのは、病院船に武器弾薬とほかの物資を積んだだけでなく、かれらが轟沈されないように工夫をしなかったと、嘲笑い、開き直ったほど先の大戦で米軍が犯した戦争犯罪を真似したのだった。

つまりジュネーブ協定を無視し、ひそかに敵国に補給物資を積んだ他国の病院船が悪いということを言っている。

宣戦布告をせず、しらを切るというこの巧妙な作戦は効果があり、各国は抗議は先延ばしせざるを得なかった。

 

敵の卑劣な攻撃により、元帥たちはもちろん、海自と多国籍海軍にとっては面目を丸つぶれに等しい。

だが、なんといっても連邦国と深海棲艦たちのお膝元である。地の利がある。

それに連邦国はすでにキロ級を失ったが、旧式のロメオ級潜水艦から最新鋭の原潜またおよそ六十隻の稼働艦を持っており、さらに潜水カ級などもいる。

その数でも圧倒的に有利であり、海自潜水艦群の裏をかくのはじゅうぶんだった。

ただちに海自潜水艦群に向けて、司令部から通信が飛び、日本輸送船を守れという命令が出された。

後々イムヤたちは、かれらに合流するため、しばし出撃は事情により遅れる。

 

実質的の連邦国との海戦である。

 

石垣島にいた護衛艦群は幕僚監部からの命令を受け、台湾南海上を迂回して南シナ海の公海上に進出した。

秀真たちも新たな艦娘たちを出向かえ、古鷹たちとともに出撃した。

 

こうしておそまきながら、シーレーンの防衛にかかった。

 

ただし、明らかに現在の兵力が絶対的に足りないことはたしかだ。

本来ならば中東から日本までタンカーを集め、全護衛艦と艦娘たちを動員して護送船団方式で運ぶべきである。

しかし秀真・古鷹たちや多国籍海軍はこれに慣れているが、海自は長年後方支援ばかりしていたので頭で分かっていても迅速には動けず、強権で民間のタンカーを拘束することをためらっていた。

 

これは第二次世界大戦でもそうだった。

英米の間、あるいは英ソの輸送ルートは最初から護送船団方式ではなく、各輸送船が単独航海していた。

そこをドイツ海軍のUボートに狙われ、片っ端から撃沈されたので、護送船団方式に切り替えた。

しかし、それでも単独航海しようとする頑固な船長たちがいたのである。かれらの言い分は、護送船団方式だともっとも遅い船に、その速度に合わせなければならず、かえって危険ではないかというものだった。

 

この言い分にも一理ある。

 

しかしUボート部隊は、すぐさま護送船団方式に対する新しい戦法を生み出した。

その名もウルフパック――いわゆる群狼戦法である。

つまり、一隻のUボートが敵輸送船団を見つけると仲間を呼び集めて執拗に食い下がって、一隻ずつ食っていく。まるでシカの群れを襲う狼に似ていることから、この名が付けられた。この戦法の餌食となった船団らは目的地に着いた時には、ほど半分に減っていたということもあれば、全滅したという悲惨な船団もいた。

1943年半ばまではUボート優位の状態が続いていたが、連合軍が長距離哨戒機・電波探知機・対潜専用の護衛艦(駆逐艦や護衛空母など)を多数投入することで形勢は逆転した。

Uボート部隊は次第に追い詰められ、形勢逆転を狙おうとしたが、かえっていたずらに損害を増すばかりの結果となり、ついに再逆転はできなかった。

 

いっぽう日本は単独航行にこだわり、次々アメリカ潜水艦や航空機などに多数の輸送船を沈められた。

これではまずいと悟って、ようやく護送船団方式に切り替えたのは昭和18年になってからである。

しかし護衛艦としては必要な駆逐艦は、すでに多数沈められ、作戦が窮屈になっていたのであまり効果を挙げられなかった。

 

もし戦争初期に護送船団方式を取っていれば、損害はだいぶ防げただろう。

 

太平洋戦争では、兵站構築等に関しては日本軍は後手後手に回ったがその一例である。

 

この命令を受けた海自三個潜水隊の先任司令の成田海将補だったが、輸送船の護衛を優先するか、敵潜を狙うべきか判断に迷っていた。

 

防衛および後方支援ならまだしも実戦が初めての司令部は、明確な命令を出せなかったはずだ。

しかし成田は考えた。タンカーにつかず離れず護衛していれば、かならず敵潜は現れる。そこを撃沈する。

同時に日本政府はすべての輸送船に対して、インドネシアのスンダ海峡からマカッサル海峡、セレベス海峡、そしてフィリピンの東海方面に抜けるルートを検討していたが、なかなか実施に踏み切れなかった。

マラッカを抜けるに比べて、あまりに遠すぎる迂回ルートである。しかもインドネシアの多島海を抜けてこなければならず、暗礁が多く、下手をすれば深海棲艦に襲われるのでそれだけでも危険である。

 

しかしいったんマラッカ海峡ルートを抜けた後は、なるべくフィリピン寄りに北上するよう指示した。

かくして突然、日本の石油シーレーンは連邦潜水艦と深海棲艦の脅威にさらされ、秀真・古鷹たちと海自をはじめとする多国籍海軍のいまある兵力だけで対抗しなければならなかった。

 

いよいよ連邦共和国と実質的開戦……しかし日本に宣戦布告はしなかった……となった。

ただし、戦艦水鬼率いる深海棲艦はご丁寧に宣戦布告をしたが。

よくよく考えてみると、戦史を振り返っても正式に宣戦布告があったほうが珍しい。

太平洋戦争でも日本は最後通牒とおぼしきものをアメリカに手交したが、宣戦布告というよりも国交を断行するもやむなしと書いてある。

 

そして、真珠湾奇襲攻撃でなしくずに対米戦を始めたというわけだ。

 

ドイツはソ連に宣戦布告をせず、来るべき対ソ戦《バルバロッサ作戦》の発動に備えて、大軍を北方・南方の両軍に分けてソ連との国境に集めておいた途端に、突然侵攻したのである。

対するソ連側は対独計画段階で揉めていたため、まったく戦う準備などできておらず、パニックに陥って、ドイツ軍の怒涛の進撃を許した。

 

総司令官たるスターリンは二週間も行方不明だった。

独ソ不可侵条約あり、ヒトラーは決して我が国に戦争を仕掛けてこないと、スターリンは信じていたふしもある。

だが、一部は対独戦に備えるべきだと主張する者がいたが、人間不信のスターリンはろくに聞くことはなかった。

なにしろ冬戦争開始まえでも優秀な指揮官たちを大粛清し、かれの側近ですらも信じられず虐殺をしたのだから。

慢心というべきか、それが脆くも破られたので、そのショックのあまり姿を隠したらしい。

しかし立ち直ったスターリンは、持ち前の鉄の意志を発揮し始め、退却した将軍たちをすべて銃殺刑にするという荒治療という方法に出た。

これが功を奏して、ソ連軍の混乱はおさまり、ジューコフを代表する名将たちが活躍し始めて、ドイツ軍はモスクワ前面に食い止められた。もっとも『腐った扉を蹴り飛ばしただけでもソ連は簡単に崩壊するだろう』と宣言したヒトラーとソ連という広大な大国と冬将軍を知らず、ヒトラー同様に、そんなことも知らずに冬装備をしなかったドイツ軍にも敗退の原因もあるが。

 

しかしそのあとも押されまくり、スターリングラードで決定的勝利になるまで二年近くを費やした。

 

これと同様に、なしくずしに戦争が始まった。

しかし実質的には、深海側に寝返り、中岡率いるブラック提督たちが賠償金を支払わない時にはノドンをぶちこむと恐喝したときから、戦争は始まっていた。

 

アメリカの支援が断ちきられた日本は孤独で戦わなければならなかった。

政府も軍事大国でもあるインドにも特使を派遣、貿易・相互産業開発協定を結ぼうと努めており、台湾にも協力を求めているが、良心的な配慮のため、両国を巻き込むわけにはいかない。

かれらが連邦国と深海棲艦の攻撃を受ければ別だが、親日国とはいえ、自分たちから立ち上がらなければ義理がない。

 

日本は自衛隊と艦娘たち、そして少数の多国籍支援部隊で戦わなければならなかったことに変わらない。

 

基本的には孤独にちかい日本は、その孤独のなかで、戦いは始められるのだった。




史実上でありますが、連邦国との戦いが始まりました。
前作では中途半端なところまでしか進めませんでしたが、今回の戦い(海戦)を上手く書けるように気合入れて、執筆します!(比叡ふうに)
もちろん秀真や古鷹たちだけでなく、神通さんも活躍いたしますのでご期待を。

神通「!! お任せください! 必ず提督のご期待に応えて見せます!」

あはは…神通さんが張り切っているところで、次回予告であります。
では皆さん、大変長らくお待たせいたしました。
次回はいよいよこの物語のメインともいえる超兵器、日本の切り札こと灰田さんが用意してくれたZ機部隊が敵ミサイル基地を爆撃するために出撃いたします。
その威力とはどれくらいなのかは、次回のお楽しみに。

それでは第二十三話まで、ダスビダーニャ(さよならだ)。

神通「ダ、ダスビダーニャです…では、あなたたちも訓練の続きをしますよ!」

あはは…神通さん、張り切るのは良いけど無理しちゃダメだよ。(ぎゅっ)

神通「あの、その、急に抱きしめられたら、わたし…///」

青葉「これはこれでいい記事になりそうな予感が、あれ、カメラは?」

???「ハハハッ、すり替えておいたのさ!」

青葉「あ、青葉のカメラ返してください」

あれ、いま某蜘蛛男がいたような気がしましたが……気のせいですよね?
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