超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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それでは皆さん、大変長らくお待たせいたしました。
予告どおりこの物語のメインともいえる超兵器、日本の切り札こと灰田さんが用意してくれたZ機部隊が敵ミサイル基地を爆撃するために出撃いたします。

ではそろそろ日本の反撃よ…全Z機、発進!そして連邦と深海棲艦を徹底的に叩きます!(蒼龍&飛龍ふうに)

そして毎度お馴染みでありますが、それと伴い、台詞なども一部変更している部分お楽しみを。

それでは、本編であります。

どうぞ!


第二十三話:日本反撃、Z機飛び立つ!

十勝のZ機部隊は軍のなかでも特別編成された部隊で、マツダ少佐とかれの複製兵士、志願パイロットたちなどといった陸海空の三軍から引き抜かれた要員で編成され、運用されている。

 

司令官は空自から選ばれた栗田空将で、指揮系統には統幕会議に直結している。

米軍太平洋軍司令部からの衛星監視によりノドンの燃料注入に開始されたという通信を受けた直後、総幕会議は、ノドンおよびテポドン基地へのZ機による空爆を決定、ただちに実行に移すよう栗田空将に命じた。

ノドンとテポドン基地も咸鏡北道(ハムキョンプクド)にある。

これら地名にいずれもミサイルの名前としたものでノドンは蘆洞。テポドンは大浦洞のことである。

もっとも北朝鮮内部での呼び名は違うが。同時に連邦軍と深海棲艦の合同海軍基地への空爆を命じた。

双方は北から青島(チンタオ)、寧波(ニンポー)、広州(クワンジュ)、湛江(チャンチャン)に海軍基地を持っている。

 

北から北海基地、東海基地、南海基地と名づけられた。ここを壊滅すれば双方は史実上、骨抜きとなる。

 

この命令を受けて栗田空将は、200機全機を出撃させることにした。

100機ずつを二隊に分け――アルファ隊、ベータ隊と名づける。それぞれの隊には爆撃機バージョンが90機、掃射機バージョン10機を用意する。

この掃射機の威力もテストで実証されており、なにしろ1分間1000発という猛威な火力を持つ多銃身バルカン砲が100基並んでいるのだから、この弾幕にとらえられた戦闘機は、例えマッハ2のスピードを持ったとしても逃げられるものではなかった。

 

Z機の航続距離は2万キロメートル。バシー島沖まで浸透できる航続距離をもつから作戦上は問題ない。

連邦国を爆撃するのにはお釣りがあまりすぎるぐらいだ。ステルス爆撃機のため奇襲攻撃が可能だから、F-15とF-3は護衛を付けない。これら戦闘機はあとで出番があり、爆撃機の護衛の役目は掃射機で十分である。

命令を受けてから二時間後に、アルファ爆撃隊の一番機が飛び立ち、まず連邦国に向かった。これに99機が続いた。

 

すでに目標はコンピューター爆撃マップに入っており、GPSで確認されている。

一番機の隊長はマツダ少佐である。

テスト飛行した際には、灰田いわく『マツダ少佐は天性の爆撃機乗りといってもよく、その資質は訓練で十分に発揮されている』と平然と言っていた。

最初は誰もが疑っていたが、その言葉どおり、マツダ少佐は優秀な技能と的確な指揮を兼ね備え、訓練でも非常に優秀だったため、指揮官として抜擢された。

 

バシー島沖に向かうベータ爆撃隊の隊長は、本郷大佐。

これまた技能優秀。100機のZ機を率い、8000メートルの高空から基地施設四箇所を空爆する。もともと日本軍は爆撃機用の爆弾は持たないから、すべて灰田が向こうの世界から持ち込んだもので、その威力はシミュレーション実験で実証済みである。

通常の1トン爆弾の三倍の威力を持っていた。Z機は実に50トンも搭載している。

Z機はマッハ1で、1万2000メートルの高空を飛び、日本海を横切ってたちまち連邦国に辿り着いた。

 

連邦日本海側沿岸には、むろん対空レーダーが並べられていたが、そのひとつもZ機をキャッチすることができなかった。Z機の完全なるステルス性能が利いたのだ。レーダー要員たちは遥か高空の雲の上に、くぐもった大型機特有のジェット爆音を聞いたが、なにものであるかは判別できなかった。

艦娘たちが攻めてきたはずがない。しかし日本軍もレーダーに引っかからないような大型機を持っているはずがない。

 

ともあれ、首都平壌に向かい空襲警報が出された。

これを知った中岡大統領は首をひねったが、なにしろ聞いたのは爆音だけで、レーダーにはなにも引っかからないという。ことは、ステルス機かと推測した。日本には平壌までは辛うじて届くF-15戦闘機をもっているが、戦闘機のことだから都市攻撃には乏しい。

高価で貴重な機体をそんな目的のために出してくると事は思わない。

 

とすれば目的はただ一つ、燃料注入中のノドン基地である。

この燃料注入は二時間かかり、準備時間を含めると実戦配備につくまで三時間はかかる。

この時間がかかるのはノドンの泣き所で、固形燃料化すればすぐに解決できるのだが――テポドンの改良を優先にしたため、そこまで至らなかった。

 

中岡は、総参謀長に電話で怒鳴った。

 

「何だか分からんが、ジャップどもはおそらく爆撃機を飛ばしてミサイル基地を狙っているぞ。発射を急がせろ。移動基地をすぐに移動させろ。それから戦闘機を出せ!」

 

咸鏡北道にあるノドン基地は五つ、その内のふたつが発射台は車輌に搭載した移動基地である。

 

「はぁ? 爆撃機でありますか?」

 

アンミョンペク総参謀長の声はいぶかしげだった。

 

「敵はそんなものは持っていないはずですが……」

 

「だが、現に何かが飛んでいる。戦闘機を飛ばして迎撃させろ!」

 

連邦空軍の主要基地は、江原道(カンウォンド)と黄海北道(ファンヘプクド)にあり、虎の子である中国人民解放軍が開発した二種類のステルス戦闘機J-21と31が置かれている。双方合わせてその数は50機。

これらの性能的には、空自の主力戦闘機F-15に匹敵し、F-3とは互角に戦えると言われているが、電子システムは両方に劣るらしい。双方は北東に向かって、急上昇したが、やはりレーダーに敵影を捉えることはできなかった。

灰田がZ機に用いたステルス素材は完璧なものであり、まるで幽霊飛行機である。

双方の飛行隊は敵機を見つけられず、やむなく帰投した。

もしかれらが1万2000メートルの高空まで上がれば、肉眼でZ機の大軍を視認できたかもしれない。

しかし、もしこれらを迎撃しようとすれば、たちまち掃射機の弾幕に捉えられて撃墜されたはずだ。

 

帰投したのは正解であり、運が良かったのかもしれない。

 

これらの戦闘機は虎の子であり、指揮官は大事にとって帰投させたのである。

 

その間にもZ機隊は既定の針路を進んでいた。

 

「……最初の目標まで、あと1分です」

 

ナビゲーター兼爆撃士が機長こと、マツダ少佐に報告した。

 

「よろしい。高度8000メートルまで降下する」

 

Z機はレーザーを用いた全天候照準装置を持っていたが、これまた灰田からのプレゼントだった。

 

これは米軍爆撃機が持っているのと同じもので、目標記憶装置やGPSと連動している。

 

「ターゲット・ワンへの爆撃針路に入る」

 

Z機は高度を落としながら、爆撃針路に侵入していった。

 

このとき、まだ雲の上である。

 

しかし照準システムのコンピューター画面には、赤外線で捉えたターゲットたちがくっきりと映し出されている。

 

 

 

地上ではあと10分で発射準備が完了するところで、まず20発のノドンが発射され、東京と大阪を襲い、順次発射されたノドンは横浜・名古屋・福岡に命中する。

搭載する弾頭には通常炸薬のほか、炭疽菌、黄熱病ウイルスなどの生物兵器、生プルトニウム、チクロン・ガスなどの化学兵器が積まれていた。

なかば洞窟に隠れ、発射の時だけ発射台が引き出されるようになっているものもある。

 

しかし自衛隊情報司令部は、米軍の軍事衛星を利用し、それら全てを掌握していたのである。

地上基地では連邦軍防空隊が、大型ジェット機特有のエンジン・ノイズが聞こえたが、雲が厚くてよく見えなかった。防空隊は対空ミサイルも用意していたが、レーダーにはなにも映らない。見えないものを攻撃しても仕方がない。

 

いったい何ものだろうと、多くの隊員たちは首をひねるばかりだった。

 

まさか米軍がここまで来て、爆撃しにきたのではあるまい。

 

精鋭部隊ともいえる防空戦闘機隊は、いったい何をしているのだろうか。

 

いったんは緊急発進したが敵を見つけられず、帰投したことを彼らは知らなかった。

次の瞬間、ぶ厚い雲を突き破って、何かがクルクルと回転しながら落ちてきた。

地上にいた全員は蒼顔し、思考停止した。それは明らかに爆弾だった。しかも巨大なやつだった。

ミサイル部隊指揮官は、すべての作業を中止、防空壕に退避しろと叫ぼうとしたが、間に合わなかった。

無数の1トン爆弾が地上で炸裂、そこにあった全てものを吹き飛ばした。

灰田が用意した航空爆弾は、米軍のBLU-82《デイジーカッター》並みの、それに近い威力を持っている。

 

これを喰らった隊員たちの人体は雲散霧消。

発射台も粉々になりミサイルは爆発したが、弾頭のBC兵器は爆弾の炸裂で生じた高熱空気のため、その場で無力化された。Z機は戦果を確かめつつ、次なる目標へと向かった。プロットされた五つの基地を完全破壊するまで、30分もかからなかった。

 

掃射機の機長は爆撃隊の下を旋回しつつ、腕を撫していたのだが、上がってくる敵戦闘機は一機もいなかった。

 

“われ奇襲に成功せり、一五〇〇”

 

マツダ少佐は暗号無電で東京の統幕会議に打電すると、部下たちに反転を命じた。

 

 

 

中岡は何が起こったのか、よく分からなかった。報告してくるべき防空隊も全滅してしまったからである。

かろうじて、ミサイル基地から離れていた港湾棲姫たちと陸軍部隊からの緊急報告がきた。

 

「ノドン基地は、すべて猛烈な爆撃を受けて破壊された模様です」

 

それが第一報で、アン総参謀長から報告がきたのは、正体不明の侵入機が報告されてから、およそ40分後のことである。

 

「大統領、ノドン基地がすべて破壊されました!」

 

「なんだと!?」

 

中岡は呆然した。

 

「どうやってだ?」

 

「爆撃されたのです!」

 

「いったい爆撃したのは、どこのどいつだ?」

 

「……それが、よく分からないのであります」

 

アン総参謀長はそう答えたが、その瞬間、自分の首が飛ぶことを覚悟した。

 

「ともかく敵機は大型爆撃機、しれもステルス機能を持つらしく、我が軍のレーダーにはまったくひっかかりませんでした。ですから我が防空隊もミサイルを発射できなかったのです」

 

「ステルス爆撃機だと!?」

 

ふざけるなと言わんばかりをした表情で、中岡は喚いた。

 

「そんなもんを持っているのは米帝だけだ! 畜生めが!」

 

冷静さに欠けた中岡は、強硬命令を下した。

 

「この恨みはかならず晴らしてやる!テポドンなどの核ミサイルを全世界に撃ち込む準備をしろ!」

 

「ちょっとお待ちください、大統領。そんな大胆な事をすれば全世界との全面戦争になります。そうなれば、我が連邦軍は勝ち目がありません」

 

「うるさい!我が国は連邦国になった事を忘れたのか、こっちには使い捨ての深海棲艦と奴らから貸与された技術で開発された最新鋭の陸海空三軍を持っとるんだ。

そんな弱気でどうする!人間には限界がないんだ!」

 

中岡は、口癖のように『限界はない』という根性論で唱え、吠えた。

 

「それはそうですが、我々の敵はあくまで日本、異端者と博愛主義の兵器どもであって、全世界ではありません。この爆撃機の正体をはっきりするまで、テポドンなど核兵器の使用は控えるべきだと考えます」

 

総参謀長は必死に説得したおかげで、そうだなと唸った。

もともとヒステリックというか、小さな些細な事で切れる中岡だが、総参謀長の言葉を聞き分けるだけの分別はまだ残っていた。

 

「…分かった。ともかくその爆撃機の正体を調べろ、急速にだ!」

 

「分かりました」

 

アン総参謀長がほっと胸を撫で下ろす一方……中岡は焦っていた。

 

これは早めにあの生物兵器の完成を急がせなくては……




原作通りに、Z機は敵ミサイル基地に対する空爆任務に成功いたしました。
連邦国にとっては終わりの始まりでもありますのは言うまでもありません。
むろん深海棲艦たちも同じではありますが。

では切りが良いところで次回予告であります。
次回は、南シナ海を奪還およびシーレーンを守ろうとする秀真・古鷹たちが作戦行動中の詳細と伴い、今回の空爆任務で活躍できなかったZ機の掃射機バージョンが大活躍いたします。

そして少しだけですが、連邦空軍の最新鋭機も登場しますのでお楽しみを。

それでは長話もさておき、第二十四話までダスビダーニャ(さよならだ)。
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