超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
それでは第二章《空母戦闘群激闘!》でもあるタイトルからしてネタバレしていますが、いよいよ海自に空母1隻を、秀真たちには二人の空母娘と、そして対人造棲艦《ギガントス》用兵器が明らかになります。

なお秀真たちに供与する空母娘たちは、オリジナル艦娘であります。
どんな性能を持っているかは、本編を読んでからのお楽しみであります。

では長話はさて置き、本編であります。

どうぞ!


第三十七話:奇跡の超兵器

「空母1隻を!……用意してくれるのかね」

 

「俺たちに二人の空母娘と、対《ギガントス》用兵器までも用意してくれるのか?」

 

安藤は信じがたい口調を、秀真は落ち着きを払った口調を上げた。

 

「そのとおりです。まず海自に用意する空母は、連邦空母《天安》よりも大きく、基準排水量は5万5000トン、満水排水量は6万5000トンの空母を用意します。

むろんこれでも米海軍の空母には及びませんが、搭載できる艦載機は天安の50パーセントがプラス可能です。

すなわち米海軍傑作艦載機F-14《トムキャット改》に、F/A-18《スーパーホーネット改》をそれぞれ20機ずつ、それにE-2C早期警戒機4機、EA-6《プラウラー》電子戦機4機、さらに対潜ヘリを4機積めます。

こちらの機体も用意します。また短SAM、CIWSをはじめ複数の防衛兵器を積んでおります。

ただし形状は米軍空母のようなCTOL発着型ではなく、アングルドデッキを持ちますが、艦首にスキージャンプ台をもつことは空母《天安》と変わりません。中型空母ではやむを得ないことです」

 

CTOLとは水平離着機のことである。

 

「最初は英海軍のインヴィンシブル級空母を考えましたが、これではBAe《ハリアーⅡ》しか搭載できません。

確かに《ハリアー》は重量・パワーが大きく、機敏で優秀なS/VTOL戦闘機ではありますが……いかんせん搭載兵装が足りませんし、これではとても連邦軍のJ-31とSu-33《シーフランカー》に対しては力不足です」

 

フォークランド紛争におけるAV-8《ハリアー》の活躍は、よく知られているとおりだ。

アルゼンチン海軍機を全て撃墜し、味方機には損害はなかった。

 

「うむ、しかしたとえ空母を貰ったとしても、問題は要員と訓練時間だ。その空母の大きさであれば要員3000名、いや、3500名は必要とするだろう。航空要員だけでも1500名必要だ」

 

矢島がすばやく計算して言った。

 

「自衛隊と言うものはただでも要員割れしている。多国籍支援軍にもそのような余裕はない。

Z機部隊にも三軍や志願パイロットたちから相当の人間をとらえているので、とても空母運用に割ける人員はないですな」

 

「その点は、よく分かっています」

 

灰田はことも何気に言った。

 

「そのために可能なかぎり少ない要員で済むように配慮しました。

基本的にはこの空母は……わたしの一存で便宜的に《飛鳥》と名づけましたが……未来の《バイオ・コンピューター》によって稼働されているロボット艦艇で、中枢コンピューター、我々の世界でいうところのハイパー人工脳には、自動的にいかなる敵との戦闘できるだけのアプリケーションが備わっています。

過去の空母戦闘のデータもすべて入っており、また学習機能も持ち、同じミスは二度と犯しません。なによりも、自機の安全も優先するようにプログラムしております。

しかし、戦闘には当然人間の判断も必要でしょうから、出撃、会敵、撤退と言う要所には、人間が介入する余地を残してあり、すべてマニュアルに切り替えて艦を動かせます。

むろん艦載機も無人機で自動離発着でき、コンバット・ブレインを載せていますので、パイロットも不要、メンテナンスもまた自動でおこないます。

これらすべてを中枢コンピューター、通称HBが面倒を見てくれます。

我々は《マザー》とも呼んでいますが。わたしの計算では、要員300名足らずで済むでしょう。

飛鳥にはCIC(戦闘情報中枢室)がふたつあり、ひとつは三重の防衛機能に守られたHBが入り、もうひとつは人間が入るためのものです。むろん、HBとは随時コミュニケーションが可能で、必要とあれば命令もできます。

HBといっても基本的にはロボットですから、人間の命令には忠実にできています。

しかし、その命令が誤っていて自艦および自分を危険に晒されると判断するときには、その命令を無視する場合がありますから、そのつもりでいて下さい。

なお艦載機はすべてZ機同様、完全ステルスで、米軍の本家よりも上回っています。

“改”と称するのは、そのためです。飛鳥がこのような空母であれば、訓練期間は二週間で充分でしょう」

 

灰田は安藤たちに空母《飛鳥》の説明が終えると、引き続けるように秀真たちに説明をし始めた。

 

「この飛鳥に続き、もうひとつは二人の艦娘です。艦種は空母ですが……彼女たちは只の空母ではなく超空母娘といった方が良いでしょう。わたしは仮称として彼女たちを《土佐》と《紀伊》と名づけました。

搭載可能な艦載機200機、かつて英国が開発して頓挫した氷山空母《ハバクック》並みであり、あなた方が保有している赤城たちの搭載量を遥かに上回ります。しかも通常の空母または軽空母でも装備できない大型四発爆撃機、つまり大型四発爆撃機《連山改》を搭載することも可能です。こちらもわたしが製造しますが、彼女たちを秘書艦にすれば《連山改》を持ってきますのでお勧めします。

しかし空母は攻撃力は高いものの、非常に脆弱性が目立ちますので、こちらも装甲空母並みにしております。

しかも大和級・改大和級のバジルを誇り、この強靭な防御力は敵の魚雷、つまり雷撃を容易に防ぐこともでき、そして飛行甲板は大鳳・翔鶴・瑞鶴の持つ装甲甲板を装備し、500キロ爆弾に耐え得る特殊な構造の飛行甲板を持ちます。

しかも彼女たちが装備している対空兵器もこれまた強力な信管、かのVT信管をも上回る《YM信管》を搭載した《五式弾》と言う名の和製版VT信管付き弾頭を装備した対空砲までも装備しております。

彼女たちもまた、飛鳥同様、秀真提督たちの艦娘と訓練をすれば改ないし改二にまで改装期間は同じく、二週間で充分でしょう。なお彼女たちは、改三までありますので覚えておいて下さい。今後はあなた方の機動部隊の中核として活躍します」

 

疲れる様子もなく灰田は、最後の兵器について説明をした。

 

「最後に対人造棲艦《ギガントス》用兵器として、私はレールガンよりも強力な兵器を用意します。

わたしが供与した兵器、彼女たちの兵装でも充分に対処可能ですが、万が一に備えてこの異界の帝王でもある《ギガントス》を、今後も量産される可能性も視野に入れて、この怪物を分子レベルまで分解するレーザー砲と分子破壊魚雷をわたしが造りますのでご安心を。

レーザーと言うのは、要するに光のビームのことであり、極めて強力な光で直進性が強いものであります。これは原子を励起状態……つまり動きの活発的な状態にして、さらに基底状態……つまりもっとも動きの鈍い状態にするときに、光のかたちでエネルギーを放出させるものです。

なお特殊魚雷である分子破壊魚雷は、海自や多国籍支援海軍が使用するアスロックと同じく、この特殊魚雷にはソナーが搭載されており、自動的に目標に向かってこれを破壊します。

いわばレーザー砲と同じように、この怪物を分子レベルに分解することができますのでご理解できていれば幸いであります。

なお友軍誤射を防ぐためにも安全装置も施し、また急速学習システムを利用すれば、さほど苦労はせず、すぐさま扱える事ができますのでお任せください」

 

その場にいた全員が、ぽかんと口を開けて聞いていた。さすがの秀真たちもレーザー砲に関しては驚きを隠せなかった。

 

これら全てはどちらにしろ、まさに途方もない話である。

 

SF小説を聞かされているようで、とても現実だと思えなかったのだろう。

しかし、灰田のいうことには実績がある。あの十勝基地を救ったのも想像を絶する未来の技術だったと思えば、古鷹の未来装備、戦艦空母娘、超空母娘、そしてコンピューターが支配する空母の存在、異界の怪物とも言える人造棲艦を分子レベルまで分解可能なレーザー砲、分子破壊魚雷(特殊魚雷)など、むしろ彼らの未来テクノロジーからすれば、簡単なものだろう。無人機については米軍や各国の軍なども実用化している。

ただしこれらに関しては操縦者が必要で、自律型無人機なんて夢のまた夢である。

それが空母航空団というスケールで、複数かつ運用が自動的になっているだけである。

そしてレーザー砲なんて言うのも米軍はレールガン同様に、両方を開発しているものの、未だに手こずり、どちらとも開発段階である。

 

「うーむ」

 

安藤首相は唸った。

 

「これはありがたい話だ。これで我が国も連邦と深海棲艦の侵攻に対等に戦えるわけだ。そうではないかね、矢島くん、元帥」

 

矢島防衛省長官はあわてて頷き、元帥たちは冷静に頷いた。

 

「はぁ、ありがたすぎて言葉が、感謝の言葉が出ないのですが……」

 

「艦載機200機に加え、さらに四発爆撃機《連山改》までも搭載できる超空母級2隻に……しかも対人造棲艦《ギガントス》用兵器としてレーザー砲に、特殊魚雷も用意してくれ、そしてコンピューターが支配する空母までも供与してくれるとは……それは良いが、いつどこに現れるんだ。灰田?」

 

「そうですね。いまから三日後の早朝はどうでしょうか?

かつて米軍の第七艦隊が使っていた横須賀の第十二バースにつけるというのは?……周りの住民にショックを与えると困りますので、充分に人払いをしてください」

 

「分かりました」

 

連邦が襲撃し、壊滅状態になった第七艦隊は史実上解体となった。

もしこれらがあれば、かなり強力であったが、連邦の魔の手により、最強だった第七艦隊は老朽化が進んだ建物のように脆くも崩壊し、崩れ去ってしまった。

唯一の生き残りでもある旗艦《ブルー・リッジ》以外は、哨戒任務中に連邦海軍・深海棲艦の合同艦隊の襲撃を受けて、轟沈してしまったからである。要救助者たちは助かったのは不幸中の幸いであったが。

なお旗艦《ブルー・リッジ》は、いまは海自・艦娘たちなどの友軍物資輸送任務に就いている。

 

「超空母も、レーザー砲と特殊魚雷も一緒か、灰田?」

 

秀真が尋ねた。

 

「それらに関しては秀真提督の鎮守府が良いでしょう。こちらはわたしが説明しますので、こちらも周りの住民にショックを与えると困りますので、空母《飛鳥》同様に充分に人払いをしてください」

 

「分かった。明日の早朝だな」

 

「分かった……」

 

秀真たちは慣れている一方、矢島はそう答えるのが精いっぱいである。




今回の元となった超兵器は以下の通りです。
空母《飛鳥》は、原作『天空の富嶽』からであります。
なお現在ではF-14《トムキャット》は退役していますが、好きな戦闘機なのでそのままに、イラン空軍でも現役ですからね、いまでも。

次にオリジナル艦娘こと《土佐》《紀伊》の元ネタは、同じく田中光二先生作品の『超空母出撃』からであります。因みに灰田さんがテレパシーを使って援助しています。
また烈風の開発が成功するなどとし、ミッドウェイ海戦に大勝利であります。
のちに登場する四発爆撃機《連山》の開発では、本人が直接現れて援助します。
またこの素晴らしいアイディアをくれた同志に感謝しております。

最後にレーザー砲と分子破壊魚雷は、同じく『夜襲機動部隊出撃』に登場しています。
登場と言っても2巻であり、使う機会は少ないですが……
この元ネタは異世界の怪物《ギガントス》狩りに使われています。
読みましたが、後味の悪い映画『ミスト』と、ゲーム『地球防衛軍』を足して二で割ったような、まるで宇宙戦争みたいな状態になっています……

神通「提督…そろそろ次回予告を…」

あはは…では切りが良いところで、次回予告であります。
長くなりそうな可能性がありますので、最初は超兵器のひとつ、空母《飛鳥》の視察から始まります。
こちらは矢島長官たちが視察しますので、お楽しみを。

それでは第三十八話まで、ダスビダーニャ(さよならだ)。

神通「ダ、ダスビダーニャです…では提督、蒼龍さんの誕生日会に急ぎましょう」

今日は蒼龍の進水日ですから、急がなくては(使命感)
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