超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
今回は久々のほのぼの回であります。
えっ、なんだかアニメみたい?いいえ、知らない子ですね(赤城さんふうに)。

灰田「それはさて置き、彼の艦娘たちとともに緊急会議をします。その悩みとはいったい何かは本編を見てのお楽しみ」

共同作業という事で、改めて……

作者・灰田「「長話はさて置き、それでは本編であります。どうぞ!!」」


第四十六話:土佐姉妹のとある悩み

「では秀真提督、始めましょうか」

 

口火を切った灰田に対し、秀真は頷いた。

 

「ああ、これより緊急会議を行なう」

 

秀真鎮守府では緊急会議が行なわれていた。

会議としては、次の大規模な攻略作戦かと思われたが……

灰田がもたらした超空母娘《土佐》《紀伊》のことである。二人は訓練中に無事“改”になれたのは良いことだったが、とある悩みのために緊急会議を行なうことになった。

その悩みは髪型についてのことである。

なぜ、このような状況になったのかは数分前にさかのぼる。

 

 

数分前。

Z機部隊による空爆、第二次南シナ海戦、そして多国籍海軍との各小規模な合同任務などの数多くの海戦、前回の大規模な攻略作戦が成功したことにより、日本のシーレーンは徐々に回復したおかげで、資材も賄えるようになった

元帥はご褒美として、次の攻略作戦あるまでは各自演習と遠征、そして哨戒任務と言った依然と変わらない日々でもあるが、久々の休養を味わっている。

むろん第六戦隊のメンバーである加古はいつも通り昼寝、青葉・衣笠は仲良く鎮守府内の取材および、彼女が発行している新聞『週刊青葉』の編集をしている。

今日もまた灰田は、別室で青葉の取材を受けており、多次元世界の日本および超兵器に関して取材を受けている。

取材に関しては灰田がこれまで支援した超兵器を一部だが、ぎりぎりに答えてくれた質問コーナーが人気である。

灰田は彼女たちにショックを与えないように、気を配っていることは忘れていない。

なお、公表に関してはこの鎮守府限定のみとする。この条件を呑めば、取材を許可するとのことであり、青葉は快くこの要求を呑んだ。

 

青葉曰く「また面白いものが書けます!」とのことで喜んでいた。

余談だが青葉は小説と脚本家を勤め、彼女が自ら監督・製作した映画『ラバウルで朝食を』が代表作がある。

元ネタは1950年代後半に実際に出た小説及び映画『ティファニーで朝食を』である。

主人公は衣笠で、彼女だけでなく秀真、古鷹たちもゲスト出演したが、こうした映画は苦手らしい。

しかし俳優さながらの演技は見事なもので、この映画は大人気を誇り、成功を修めたのである。

いまでも各鎮守府でも放映されており、彼女たちのファンも多いとのことである。

秀真もこの映画が気にいっており、休暇があるときには古鷹たちとともに、この映画を必ず見ている。

そして青葉は文才に伴い、漫画の原作者としても才能がある。

彼女が考案した架空戦記、SF小説、推理小説などのあらゆるジャンルを元に、これを共同制作で郡司と陽炎型19番艦駆逐艦《秋雲》が連載漫画を描いており、今では各鎮守府の人気を誇っている。

彼女たちも各々の休養を楽しんでいた最中、秀真と古鷹の視点に変わる。

 

「提督、痛くないですか?」

 

「ああ、大丈夫だ。続けてくれ」

 

唯一、古鷹はメンバーから外れて、いまは執務室では秀真と古鷹の二人っきりである。

秀真は普段から被っているスカルマスクはテーブルに置いてある。

そのマスクを脱いでいる理由は、古鷹に耳かきをしてもらっているためである。

普段からは自分でもやるが、どうしても肝心なときに耳垢がうまく取れないことがある。

だから、こうして古鷹に頼むことが多い。

耳かき棒で、溜まっていた耳垢をカリカリと優しく取る音が聞こえてくる。

痛みもなく、それが心地よいものであり、久し振りの耳かきだから眠くなるものだなと思い、眠気を誘うような刺激でもある。

 

「はい、提督。次は反対側です」

 

「了解」

 

右耳の掃除が終えると、次は反対側である左耳を掃除する。

静かな雰囲気が続き、こうして二人で過ごす時間は久しぶりだからお互い嬉しいのである。

秀真は両目を瞑りながらも、次の攻略作戦はいかなるものになるのかを考えていた。

敵も厭戦気分が高まり、連邦国と決裂してでも停戦講和を結ぼうとしているのだろうか、もしくは連邦同様に、あのドイツ第3帝国のように国内が焦土化、自国民が国民擲弾兵にしてでも徹底抗戦を最期まで続けるのか、中岡たちは有能な部下と支持派たちを率いり、自分たちだけ何処かの国に亡命する可能性も高いと視野に入れている。

日本もかつては本土がB-29戦略爆撃機に焦土化されても大本営は徹底抗戦を構え、軍と自国民ですらも本土決戦に備え、例え全日本人が玉砕してでも米軍と戦うことを計画していた。

しかしソ連の侵攻とともに、皮肉にも原爆投下により阻止されたのは何とも言えないが。

イラク戦争でもサダム・フセインは「わたしは劣勢であっても国民とともに米軍と戦い続ける」と国民に演説しながらも、自分だけは国民を見捨てて隠れた。

しかし米陸軍第4歩兵師団と特殊部隊により、イラク中部ダウルにある隠れ家の庭にある地下穴に隠れているところを見つかり拘束され、そして最後には死刑にされたのは言うまでもない。

話しが逸脱したので現状に戻る。

 

「提督、そろそろ終わりますよ」

 

「そうか、古鷹」

 

考え事をしている間にも、耳かきは終わりを迎えようとした。

 

「それでは細かいものも取れましたから、仕上げに入りますね」

 

古鷹はそう言うと、仕上げに息を吹きかけた。

 

「はい、これで大丈夫ですよ」

 

「ありがとう、古鷹」

 

秀真はゆっくりと起き上がると古鷹に「ありがとう」と礼を言い、自身の傍にあるテーブル……そこに置いていたスカルマスクを被り、いつも通りの秀真に戻る。

 

「古鷹も耳かきしようか、お礼に」

 

「えっ、いいのですか。提督……?」

 

本心は恥ずかしかったが、提督である秀真から耳かきされるのは滅多にない。

青葉たちのアドバイスでは「ライバルたちに先を越されないように積極的にならないと」という言葉を思い出したので、これはチャンスとばかりと思い、古鷹は照れながらも頷いた。

 

「では、お言葉に甘えて失礼します」

 

いつもならば加古や青葉に膝枕をする古鷹だが、逆にされるのは新鮮だなと思えた。

それに伴い、心臓の音がより高くなり、緊張感も生まれた。

 

秀真は耳かき棒を点検した。

いつも射撃場で多種類の銃を撃つ際にも、護身用拳銃を持つ際にもこうして点検するため、自然に彼の癖が出てしまう。本人は「いつもの癖だ」と述べる。

古鷹たちも何度か秀真が銃器を分解し、組み立てる作業を見たことがあるので慣れている。

 

「それじゃ、始めるぞ」

 

「は、はい。お願いします」

 

古鷹は恥ずかしかったが、嬉しさもあった。むろん秀真も同じである。

しばらく秀真が耳かきをしている最中に、コンコンッと扉を軽くノックする音が聞こえた。

秀真がどうぞと入室許可を出しながら、古鷹の耳かきを続けた。

 

「失礼します。提督」

 

入室してきたのは、土佐、紀伊である。

 

「どうした、二人とも?」

 

「提督と古鷹さんたちに御相談があるのですが……」

 

「相談か、いいぞ」

 

「わたしで良ければ、ちからになります」

 

真剣なふたりに秀真と古鷹は耳かきをいったん中断して、彼女たちの悩みを聞くのだった。

 

 

 

「と言う訳で、みんなに集まってもらったのもそのためなんだ」

 

現状に戻る。

他愛もない会議でもあるが、困ったときは全員で胸を貸すのが当たり前である。

演習と小規模な出撃でレベルが上がり、改装ができるようになった土佐と紀伊をイメチェンするために、この緊急会議が行なわれた。

髪は女の命とも言われているから、こればかりは秀真だけで解決できることではないため、古鷹たちと協力して解決するしかない。

灰田も参加しているが「ここはあなたの艦娘たちとの絆の見せ所です」と言い、見学する。

 

「誰か、良い意見あるか?」

 

全員に尋ねると、誰よりも先に手を上げた者がいた。

矢矧の姉で、阿賀野型1番艦の阿賀野である。

 

「はーい、提督さん。阿賀野にいい考えがありまーす!」

 

「ほう、どんな考えだ」

 

嫌な予感しかないと思ったが、秀真は一応聞いてみた。

むろん姉妹艦の能代、矢矧、酒匂も秀真と同じく嫌な予感しかしなかった。

 

「阿賀野は、このままの状態が良いと思いまーす」

 

どうしてだと秀真が再度聞くと、阿賀野は土佐・紀伊に近づいた。

 

「だって、こうしていれば……矢矧のように割けるチーズができるからー」

 

と言いつつ、土佐の後ろ髪、ポニーテールを「割けるチーズ」のようにいじり始めた。

 

「失礼でしょうが!」

 

「おぶゥ」

 

ナイスな突っ込みをする矢矧は、阿賀野の両頬を軽く叩く。

能代は「阿賀野姉ぇがご迷惑を掛けました」と土佐姉妹と灰田に謝り、酒匂は「ぴゃう」と気絶している阿賀野を見て、矢矧を怒らせてはいけないと知ることになった。

なお、土佐たちは「別に怒ってもないし、気にしていないから」と言った。

能代たちにも聞いたが、能代は自身の髪型である三つ編みを、矢矧は大和と同じ髪型を、酒匂は長門のようにロングストレートにしたら良いとの意見が出た。

土佐たちは阿賀野たちの意見どおりにそれぞれの髪型を変えてみたが、やはり迷いがあった。

 

「ふむ、どれも似合うがな。次に意見がある人は?」

 

「提督、私たちもいいですか?」

 

すぐ傍にいた一航戦の赤城が意見を述べた。

 

「私のようにサイドテールはしてもいいかなと思います」と加賀。

 

「私も加賀さんのように、左右逆のサイドテールもいいと思います」と赤城。

 

そういうと赤城と加賀は、土佐たちの髪型をいじり、自分たちが述べた髪形を再現した。

こちらも似合うが、やはり先ほどと同じく迷いがある。

 

「提督、次は私のようにしたらいかがでしょうか?」

 

雲龍も加賀たち同様に髪型をいじり、長い一本の三つ編みにし、さらに自身の緑の龍玉のようなものが嵌めこまれた装飾をつけ、毛先は黄緑の輪で留めてみた。

なお天城は、髪型はそのままにして自身の前髪左に留めている赤い「楓と結袈裟」の髪飾りを取り付けたり、そして葛城は尊敬する瑞鶴の髪型、ツインテールにしてみたりとしたが、やはり結果は同じく。

 

「うむ……。なかなか決まらないか……」

 

川内・神通は、髪型はそのままにして髪飾りかリボンを身に着ける、那珂は自身の髪型、ビスマルクたちはそのままか、グラーフのようにツインテールにして帽子を被る。

瑞穂も自身の髪型を真似して、髪飾りをなどと述べたが、これまた同じく。全員の意見も試しにしても……

 

「やはりどれもいいですが、土佐さんたち迷っていますね……」

 

青葉たちの意見も試したが、言うまでもない。

因みに加古も自身の髪型を、青葉はポニーテールを、衣笠はサイドテールである。

そして秀真・古鷹はダメ押しに「ショートヘア」と述べたが。

 

「……どうすればいいやら、こればかりは俺も頭を抱えるな」

 

ホワイトボートに書かれた髪型をすべて試したが、もはや万事休すと言ってもよくアイディアが尽きたかと思ったのだが……

 

「そう思いますが、もう解決していますよ」

 

灰田が意味深な言葉を告げるに伴い、土佐が秀真に尋ねた。

 

「提督、コンバットナイフでもありませんか?」

 

「どうしたんだ、土佐?」

 

「お願いします。ナイフをお願いします」

 

「分かった」

 

そう言うと秀真はタクティカル・ベストに収納しているM9コンバットナイフを取り出し、土佐に渡した。

 

「提督、皆さん……わたし、もう迷いません!」

 

もはや迷いを断ち切ったと宣言した土佐は、元に戻していた自身の髪型を、ポニーテールを掴み、秀真から借りたコンバットナイフでバッサリと切った。

土佐に続き、紀伊も同じくショートヘアにした。

 

「提督と皆さんのおかげで吹っ切れました」

 

「ありがとうございます、提督、古鷹さん」

 

ポニーテールから、ショートヘアにした土佐、紀伊は吹っ切れたようだ。

土佐は秀真のコンバットナイフを返しながら、お礼を言う。

 

「似合っているな、二人とも」

 

「はい、二人ともよくお似合いです!」

 

「二人ともよく似合っていますよ。さすがですね」

 

秀真、古鷹、灰田に続き、全員から歓声と拍手喝采が起きた。

たまにはこういうのんびりとした会議も悪くないと思い、会議は無事終了した。

なお後日、元帥が彼女たちの話しを聞いたときには「ふたりとも思い切ったことをしたね」と言い、二人の髪型を褒めたのは別の話である。




灰田「実際には秀真提督、古鷹さんたちは出演していませんが、この世界の『ラバウルで朝食を』では出演しています。なかなか面白い映画でしたよ」

秀真「衣笠の演技は最高だったし、俺も古鷹も緊張したな」

古鷹「すごく緊張しました、先ほどの耳かきもでしたが」

加古「あたしも出演したけど、緊張したよ、ZZZ……」

青葉「わたしは多忙でしたが、いい思い出になりました」

衣笠「ふふーん。衣笠さん最高でしょ?」

ハラショー。そして今回の話、何だか昔見た漫画に似ているのありましたが、思い切ったことをした土佐姉妹たちであります。

土佐「わたしもこの髪型、気に入っています」

紀伊「わたしも生まれ変わった気分ですし、深海棲艦に負ける気はありませんから」

灰田「と時間もありませんから、次回予告であります。
次回は沖縄侵攻作戦《征球作戦》が発令し、それを阻止するための戦いが始まります。
最初は空自・多国籍海軍VS南北連邦空軍による空戦から始まりますので、お楽しみを」

秀真「俺たちは出番があるまで待機だからな」

灰田「その通りです。彼らの活躍は少し先ですので、しばしお待ちを。
ではそろそろお時間ですので、第四十七話まで、ダスビダーニャ(さよならだ)」

秀真「ダスビダーニャ(さよならだ)」

古鷹・加古・青葉・衣笠「「「「ダスビダーニャ(さよならだ)」」」」

土佐・紀伊「「ダスビダーニャ(さよならだ)」」

ダスビダーニャ(さよならだ)、次回もお楽しみに。
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