超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
予告通りで日本政府視点から始まりつつ、次の作戦に移りとある大国がある計画を実行しようと目論むという話でしたが、今回は事情により、とある大国の目論見は次回に回しますのでお楽しみを。
灰田「理由としてはそれもありますが、次回に回した方が面白いかなという至極簡単な理由でもありますので、ご了承ください」
では予定変更をお伝えが済みましたところで、改めて……
作者・灰田「「本編であります。どうぞ!!」」
連邦工作員が起こしたテロ事件『佐世保同時多発テロ事件』を解決してもなお、戦争は続く。
この事件終了後でも連邦空母戦闘群、人造棲艦《ギガントス》の両艦隊の消息は、ようとして知られなかった。
3月7日。
台湾民進党議員が中華航空特別機で日本に入国し、与党の台湾ロビーの議員と面談した。
ふたりは兼ねてから連絡を取り合っており、今回の来日については、メールでまだ連絡をしてから飛んできたのである。
連邦国は、通信衛星を使った国際電話は盗聴して盗聴してあるはずだから電話は使えない。
メールもまた盗まれる恐れがある。
人間が行くのは確実で、スパイ技術のなかではローテク、所謂『ヒューミント』がもっとも確かなものである。台湾議員の話しを聞いた与党議員は、さっそく如月官房長官に連絡、議員を安藤首相に会わせる。
台湾議員の名前はリウパオと言い、レン総統の懐刀である。
官房長官からの連絡を聞いた重大情報を聞いて、安藤首相は、矢島防衛省長官を立ち会わせると、首相官邸に連絡した。
リウはさっそく切り出した。
「連邦海軍と深海棲艦と、後者に似た敵艦が昨日の早朝、バシー海峡、バタン諸島の北を通過し、太平洋に出ました。我が軍は対潜哨戒機、潜水艦、フリゲートなどを繰り出して、海峡を警戒していたのです。敵に攻撃されるのを覚悟の上でしたが、幸いに攻撃は受けていません。
連邦も深海棲艦も今の時点では、我々を敵に回すことを避けたのでしょう……
これは極めて重要な情報なので、米軍が偵察衛星で教えてくれればいいのですが、さもないと不味いことになりますので、我が総統の指示でわたしがこうして飛んできたわけであります」
リウは言った。
安藤首相は、矢島防衛省長官の顔を見たが、矢島はかぶりを振った。
アメリカからは何の情報も入ってこないと言う意思表示である。
「それは助かります。総統によろしくお伝えください」
「実は我々にもお願いがあるのです。ここではっきり申し上げますが、我が台湾はこの機会に独立宣言を行なおうと考えています。
しかし連邦はまだ福建省沿岸部に400基もの戦術ミサイルを持っており、我々が独立すれば、それを持って攻撃を仕掛けてくるでしょう。
台湾の独立は決して許さないのが、中国譲りの連邦国のテーゼですから。
したがって、我々は貴国に頼らざるを得ません。我々はすでに秘密同盟を結んでいることでありますし、あのステルス重爆で、残る戦術ミサイル《東風15号》や《鬼角弾》を叩いていただきたい、と総統の希望であります」
その秘密同盟は、日連戦争が避けられないと分かったときに、やはり件の議員の仲介で結ばれた。
なるほど、ギブ・アンド・テイクという事になる。
台湾は体を張って、バシー海峡を見張った。その見返りを求めているということだ。
「分かりました」
安藤は躊躇わずに答えた。
「我が国はもともと貴国の独立を支援するにあります。可及すみやかに東風ないし鬼角弾ミサイルへの攻撃を行なうことをしましょう」
「その旨、書簡にしていただけますか?」
さすがにリウはただ者ではない。確固たる証拠を要求した。
安藤に食言させては堪らないからだ。
「良いでしょう。すぐに作りましょう」
リウが帰って行ったあと、安藤はただちに国防会議を召集した。
「なるほど、連邦と深海棲艦はそう出ましたか」
杉浦統幕長の言葉を繋げるように、元帥が口を開いた。
「私としては恐らくそうではないかと思いましたが、これで確認が取れたわけですね」
「しかし、アメリカの背信はけしからん」
秋葉法務相が言う。
「知っているくせに、そらとぼけよって」
「もはや米軍の情報は当てになりません。いや、当てにしない方が無難でしょう。
ただし、我が国にいる多国籍軍は除いてですが」
大洲外相は渋い顔になって言った。
「むしろ、アメリカは我々を敵視にかかっていると考えるべきでしょう」
「しかし空母戦闘群、人造棲艦に太平洋に出られると厄介です。
なにしろ太平洋は広いですから。敵は好きなように動き回ることができます。
つまり作戦のイニシアチブを敵に捉えています」
矢島が言う。
「敵の狙いは、いったいなんだと言うのかね?」
安藤は尋ねた。
「それははっきりとしていると考えます」
杉浦統幕長が答えた。
「敵は東京ないし大阪を、艦載機および艦砲射撃による奇襲攻撃を仕掛けてくるはずです。沖縄侵攻作戦と佐世保拉致事件の失態で終わったので、連邦軍と深海棲艦は世界の笑い者になりつつあります。どちらも面子を賭けても我が国に一矢報いなければなりません。
それが東京奇襲です。空母戦闘群は快速ですし、艦載機の作戦行動半径ぎりぎりのところから発進させることが可能です。
空母《天安》が載せているスホイ33の作戦行動半径は1200キロ、J-31も同様です。
空母型ギガントスに関しても同じと推測します。
戦艦型ギガントスは南方棲姫と同じく、16inch三連装砲を搭載しており、余裕に射程距離範囲に入ると推測します。
これだけでも余裕があると、我々はそう容易く捕まえられません。
護衛艦隊と潜水艦を総動員させる必要があります。むろん飛鳥部隊とこれを護衛する秀真艦隊も出します。早期警戒機は硫黄島に移し、これから常時警戒させましょう。
ここに対潜哨戒機P-3Cも常駐していることですし」
「うむ、そうだな」
安藤は唸った。
「断じて東京を奇襲させてはならんぞ。そんなことをさせれば、こっちが世界の物笑いのタネになる」
「リウ具委員との約束は、お守りになるつもりですか?」
如月官房長官が確認した。
「それはもちろんやらねばならない。台湾が独立してくれるということは、つまり我々が強力な味方を得たことだ。連邦・深海棲艦の両軍はこの方面にも手当てをせねばならず、東京奇襲作戦が窮屈となる。彼らを早期に屈服させるチャンスが出てくる。
一部の深海棲艦は元帥の管轄で監視し、我が国に亡命している者たちがいるぐらいなのだからチャンスがあるとわたしは見ている。
統幕長、十勝に連絡して栗田空将に空爆準備をさせてくれたまえ」
「分かりました」
杉浦は答えて、いったい退席した。
「しかしわたしの感想では、素直なところ台湾はエビで鯛を釣りましたね」
元帥は微笑して言った。
「敵がバシー海峡を通るしかないことは、ほぼ分かっていたことです。
確かに台湾軍は危険を冒したでしょうが……レン総統もなかなかしたたか者ですな」
「そうでなくては、一国の元首にはなれんよ。キミもそうだろう?」
安藤は素っ気なく言った。
「私はただ、自分なりにやっているだけですよ。安藤首相」
「本当にキミは天才なのか、そうでないのかが分からなくなってきそうだよ。
それよりも、これからはいっそう自衛隊と多国籍両軍、そして元帥や秀真提督たちの艦娘諸君に頑張ってもらわなくてとならん。
もしも東京が爆撃されたら、世界の物笑いになるのは我が国だからな」
「むろん、最善を尽くします」
こうして日台秘密同盟の密談、国防会議は無事終了した。
空母《飛鳥》を中核とする日本初の空母戦闘群は、第八護衛艦隊と名付けられた。
秀真、古鷹たちも護衛艦隊として所属している。
余談だが秀真たちは、この艦隊を『第八艦隊』と呼んでいる。
その理由としては、三川中将率いる第八艦隊を模倣しているからだということである。
古鷹たちは『懐かしいですね』と言った。
本来ならば少数の重巡洋艦と軽巡洋艦、駆逐艦だけなのだが、空母《飛鳥》と土佐姉妹を付けると立派な機動部隊であり、贅沢なものだなと秀真は呟いた。
空母《飛鳥》の指揮官は、幕僚監部のスタッフだった真崎海将である。
飛鳥の艦長は、海上勤務の長いで、空母《ニミッツ》や《ドワイト・D・アイゼンハワー》に体験乗艦したこともあり、海自初の空母の艦長として最適と考えられた。
もっとも湊海将補には大きな悩みがあった。
預かっていることになっている空母というのが、並の艦ではない。
なんとコンピューターで全て制御されている半自動艦だということである。
マザーと呼ばれる未来のバイオ素子コンピューター、ひらたく言えば人間の頭脳と同じだということだが……実質的には切り替えられるようになっているが、そのすべての作業もコンピューターが行なう。人間はそれをチェックしていれば良いのである。
しかも艦載機も無人機、この無人機の性能には恐るべきものがあり、人間のパイロットではとても不可能なアクロバット飛行も平然とやってのける。
なにしろG(加速度)と言うものには関係ないのだから、それも可能になる。
そして訓練では、見事な戦闘飛行をやってのけた。
しかし灰田の言うところでは、マザーはいわゆるロボットに過ぎず、人間の意志に最終的に従うことになっており、湊がよほどヘマな命令を出さない限り……つまり艦の安全を脅かさないかぎり……彼に従うはずだ。
しかしいざ実戦になったときはどうなるのか。湊にはさっぱり分からないと言うのが本当のところだった。
ともかく連邦空母戦闘群、人造棲艦《ギガントス》が太平洋に進出したときの知らせを受けて、鹿児島湾にいた第八護衛艦隊、秀真・古鷹率いる連合艦隊は九州南方海面に出ると、
八丈島方面に向かった。
元帥、統幕長本部の判断では、連邦空母戦闘群、ギガントスは伊豆諸島から小笠原諸島の中間海域あたりのどこかで、作戦行動を起こすだろうということである。
このため硫黄島に、早期警戒機E-2Cが派遣された。
P-3C対潜哨戒機はすでに常駐しており、これらが哨戒任務を行なうことになった。
E-2Cの作戦行動半径は1200キロ。巨大なレーダードームを背負っており、600個の目標を識別できる。ターボプロップエンジンにより、最大速力は650キロである。
P-3Cの作戦行動半径はさらに大きく、E-2C 早期警戒機の3倍、2000キロ近くである。
空自には大型早期警戒機E-767《ジェイワックス》を持っており、これは両機よりも遥かに航続距離は長いのだが、なにしろ旅客機が母体だから滑走路が短すぎて、硫黄島の飛行場には降りられない。
敵はまず潜水艦も伴っていると予想される。航続距離の長さを要求されると言うことから、ハン級原潜を繰り出してくるだろう。そのうち1隻は第二次南シナ海戦で沈められたが、まだ4隻も残っている。通常型戦略潜水艦《ゴルフ級》も出してくるかもしれない。
これはただ1隻存在するだけだが、巨浪2号の戦略ミサイルを搭載できる。
これは核弾頭も搭載可能で、しかもMIRVだという噂もある。
そのミサイルの最大射程距離はおよそ8000キロメートル。
そしてこれらの戦略潜水艦の存在は、ワシントンの悩みの種としていた。
日本と台湾が連携しただけでなく、空母《飛鳥》率いる第八護衛艦隊となりました。
なお秀真・古鷹たちの第八艦隊は土佐姉妹がいるから、もはや機動部隊です。
田中光二先生の作品では、三川中将は作品によりますが、機動部隊を指揮したり、戦艦部隊を指揮したりしています。好きな提督のひとりですし、嬉しいのであります。
灰田「本当に第六戦隊、三川艦隊好きですね」
ジパングがきっかけだったけど、艦これと田中光二先生作品のおかげでもあります。
秀真「まあ、無理はするなよ」
アッ、ハイ(ニンジャスレイヤーふうに)、チョコレートを食べれば大丈夫であります。
灰田「このままでは長引きそうですので、次回予告に移りますね。
次回は今回予定するはずだった、とある大国の陰謀と言いますか、ある計画を実行しようと目論むという話です。果たして今後の展開にどうなりますかは、しばしお待ちを」
秀真「どんな敵でも蹴散らして見せるさ」
古鷹「私も頑張ります」
加古「あたしも頑張るよ……Zzz」
青葉「艦隊決戦も青葉にお任せ」
衣笠「衣笠のちから、見せてあげる!」
灰田「皆さんの覚悟が聞けて大いに満足です、ではではそろそろお時間ですので……。
第五十七話まで、ダスビダーニャ(さよならだ)」
秀真一同「「「ダスビダーニャ」」」
ダスビダーニャ!!次回もお楽しみに