超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
本来ならば前回に投稿される予定だった話をとある大国の陰謀と言いますか、ある計画を実行しようと目論むという話です。
灰田「果たして今後の展開にどうなりますかは言えませんが、とある名言に当て嵌まりますね……」
『国家に真の友人はいない』 キッシンジャー
『我が国以外は全て仮想敵国である』 チャーチル
ではこの言葉に伴い、改めて……
作者・灰田「「本編であります。どうぞ!!」」
首都ワシントン・ホワイトハウス
ハドソン大統領のところには、連邦・深海棲艦両軍の沖縄侵攻作戦が見るも無残な敗戦が終わったことが報告された。
これに先立ち南北連邦、同じ連邦国海空軍・深海棲艦たちが行なった対九州作戦も両軍の決定的敗戦に終わった。
「うむ、早くも連邦・深海棲艦は追い詰められてしまったな」
ハドソンは、政府と軍部の両幹部たちに顔を見回しながら言った。
「軍事的常識からいえば、海洋進出すら素人並みに進み過ぎ、さらに実戦は全て艦娘たちに頼り過ぎただけでなく、深海棲艦にすら劣る者たちが、かつての特アの野望を再現するように敵地に上陸作戦を行なおうとするのが、無理なのです」
ヨーク参謀総長が度し難いという表情で言った。
「連邦空軍はそれでも持てる重爆や中爆、そして護衛戦闘機を繰り出して、予備爆撃は行ったぞ。いちおう上陸作戦のセオリーには叶っている」
ケリー国防長官が指摘する。
「それは確かにそうですが、その重爆たるものが旧式爆撃機では話になりません。
爆撃機はともかく、護衛戦闘機も新型は少数であり、多くが旧式戦闘機です。
なにしろ日本はF-15を150機、F-3ステルス戦闘機50機に、そして我が国率いる多国籍支援軍機も持っていますから、防空能力はアジアで日本に敵う国はありません。それに防空網も充実しております。
そのおかげで、連邦軍はまず空戦で悲惨な目に遭い、重爆ないし中爆のほとんどを喪失、さらに多くの戦闘機までも喪失したはずです。
また海戦では残っていた二線級の艦隊を繰り出したためJSMDF及び艦娘たち、そして多国籍支援海軍に敵うはずもありません。
衛星で見たところ、三軍による多数の対艦ミサイル、徹甲弾、さらにレーザーを浴びて、ほぼ殲滅した様子でしたが、それでも上陸船団は深海棲艦とともに上陸しようと試みましたが、敵の攻撃に遭い、殲滅されました。
なお一部の深海棲艦と連邦軍兵士は、日本の捕虜となりました。
上陸作戦は、およそ海軍の作戦のなかでももっとも困難なものであり、70年前以上のD-dayでも、我が国率いる連合国は持てる限りの重爆、戦闘機、地上攻撃機に、そしてあらゆる艦艇を繰り出したことを忘れずに。
投入航空機は1万機を超え、艦船は6000隻。総参加兵員は300万人を達しました。
とくに制空権は完全に確保しましたが、それでも守る立場のドイツ軍が優位で、我が軍は第1師団はオハマビーチで釘付けになり、危うく作戦自体が崩壊し掛かったほどなのです。
連合軍の諜報活動が成功し、ドイツ軍は上陸地点をカレーだと思い込んでいたから成功したようなもので、カレー方面にいたドイツ機甲師団が最初からノルマンディーにいたら、恐らく作戦は成功しなかったでしょう。
わたしの目から見ますと、連邦はこういった歴史の教訓から何も学んでいないようです。
例の超大国意識に毒づかされているのです。
しかも深海棲艦たちの足を引っ張るだけでなく、もはや同盟破棄も時間も問題でしょう」
「キミの言う通りだが、連邦国はまだ深海棲艦との同盟を維持している。しかも空母戦闘群に、新型深海棲艦を持っている。……いや、前者はそう呼んで良いのかどうか苦しいところだが」
ケリー国務長官が言った。
「彼らは太平洋に出たようだな。我々は日本に敢えて知らせなかったが、そこでどう戦うつもりだ?」
「恐らく日本の大都市、首都・東京を奇襲するつもりでしょう。なにしろ太平洋は広く、日本の早期警戒システムがいかに優秀でも、これをキャッチアップするのはなかなか困難です。ことによると、今度は連邦・深海両軍がポイントを稼ぐかもしれません」
ヨーク参謀総長は、むろんフットボールに引っ掛けて言ったのである。
「……わたしが心配しているのは、連邦が持っている戦略原子力潜水艦だ。
連邦がもしそれを使い、日本の都市に核攻撃をしたとしたら、我が国の立場はどうなるんだ?」
「我が国は、同盟国としての日本を見捨てたと世界中から思われます。
ここで日本が核攻撃を受ければ、我々は何もせずに傍観するわけにはいくまい。
もし傍観すれば、我が国の威信は地に墜ち、いかなる国も我が国を信用しなくなるだろう」
要するに、ハドソンと言う男は気が小さいうえに心配性だった。
かつてニクソンと言う男もそうだった。
ニクソンは、大統領としても点数を稼ぎたいと考え、訪中して毛沢東を持ち上げて、ソ連を牽制しようとする毛沢東の術中にまんまと墜ちていった。
この先触れに努めたのが、冷徹なリアリストのはずのキッシンジャー国務長官だが、二人とも中国と言う国がまったく分かっていなかったと言える。
中国と言う国には信義はない。利用できるものは何でも利用する。フルシチョフと蜜月時代だったときは、ソ連から膨大な援助を引きだし、ブレジオフと上手くいかなかった。
海千山千の政治学者キッシンジャーも周恩来(ジョウエンライ)の外交術にころりといかれてしまったのである。
小心なニクソンは、誰が悪口を言っているのか知りたくて、ウォーターゲート・スキャンダルを引き起こして墓穴を掘り、任期途中で降板した不名誉な大統領となった。
ニクソンだけでなく、近年でもレームダックと呼ばれている現役大統領、4年前に我が国を破滅に追い込もうとしただけでなく、日米同盟を破棄しようと企て、特アに媚を売り続け、そして我が国の固有領土を平然と売ろうとした某反日売国政党らも墓穴を掘り、どちらもパフォーマンス好きの不名誉な代表者たちを数多く残している。
このハドソンの資質も彼らに似ているが、モンロー主義者だけにさらに始末が悪い。
孤立主義を自ら選びながら、なおもアメリカの威信を気にしているのだ。
「わたしの考えでは、連邦は戦略潜水艦を日本に対して使わないでしょう。あくまで我が国に対する抑止力として使うでしょう」
ヨークは言った。
「日本はあのステルス重爆を使って、連邦奥地に戦略ミサイル基地を破壊する可能性があります。そうなったら、連邦は我が国に対する切り札をなくしますので」
「ふむ。ともかく太平洋の東半分は厳重警戒にしてもらいたい。それから例の対日計画作戦だが……《チェリー・プラン》とか言っていたかな。あれはその後、どうなっているのかね?」
「はあ、目下ペンタゴンで問い詰めているところですが、どの程度日本を叩くべきか、そこのところの見極みが困難でして……むろん、我が軍の空母戦闘群を三個も繰り出せば、JSDF及び艦娘たち、そして多国籍支援軍は撃滅できるはずですが、我が軍も相当な被害を覚悟しなければなりません。
なにしろ我々が育てた軍隊に多国籍陸海空軍、さらに先の大戦で猛威を振るった艦娘たちですから、我々の手の内を知り尽くしています。
これは日本そのものを破壊し、占領するわけではなく、我々にはできぬ理由を持って肥大化し過ぎた日本の戦力を落とすプランですから、そこの匙加減が微妙なのです」
「いや、うかうかしていると、我々の方が痛い目に遭いかねんぞ」
ケリーは同調した。
「なにしろあのステルス重爆の威力はすごい。あれを使えば日本は復興中のハワイやグアムを叩くことも容易い。再び母港を失えば、空母戦闘群も使いづらい。
日本はいまや艦娘たちだけでなく、本物の空母も持ったようだが、ほかにもどんな隠し玉をもっとるか分からん。
わたしは《チェリー・プラン》は、全力を挙げて日本を叩くことを考えなければならないと思う。中途半端なプランでは、とても危険だ」
「わたしもその意見に賛成だ。なにしろ日本は理解不能な国となった。戦術核兵器を使うことも考慮しなければならない」
当初この対日計画に反対していたハドソンだったが、ついに折れて、賛成を挙げた。
2003年に起きた911同時多発テロ事件からアメリカは変わってしまったのだ。
しかしこの事件の発端ともいえるきっかけを作ってしまったのは、アメリカと言っても良い。
このテロを誘引した原因の一つは、「国家に属さない交戦団体も軍隊として取り扱う」という新ジュネーヴ条約が原因である。至極簡単に言えば『どのテロ組織も国家と対等な関係になれる条約』をアピールしている。
この様な条約であれば、本来捕虜に値しない非正規軍であるテロリストも軍人並みに扱われる。
つまりテロリストたちに聖域を与えってしまったと言っても過言ではない。
これに泡を食ったアメリカは、イラク戦争で得た過ちを正すため、2005年の安全保障政策を「直面脅威対応型」から2002年の新戦略にもとづき“緊急・潜在・不確実”事態に対応できる「将来可能性型」へと転換した。
基本的には二つの主作戦正面対応を維持するために、緊急迅速展開部隊を強化するとともに特殊作戦司令部の陣容を増強した。
しかしそれでも世界の警察を担うのに疲れたアメリカは、徐々に撤退をしてしまう。
それを待ったかと思い、新たなテロ組織《イスラム国》が生まれた。
この失態は軍隊の目的を間違えたのが原因である。何故なら、軍隊の目的は敵軍撃破であり治安維持ではない。
だから米軍は、イラク戦争では勝利したが、対テロ作戦で損害を増大させてしまったため、国内では反戦運動を加速化してしまった。
元より国家再建は敗北側の責任であり、だから米軍は、あのイラク戦勝利後に撤退すべきだったのが以下に正しかったかを表している。それをもしも実行していれば、良い結果になっていたかは神のぞ知る世界である。
話しが逸脱したので戻る。
ハドソンはもはや日本を支援しても意味はなく、今後は連邦・深海棲艦と距離を取った方が良いと考えていた。
今後に備えて、両者との友好関係を築きつつ、対日対策計画を練ろうと結論づいたのである。なにしろ元々、日本というのは敵国だったのだから……
「また万一に備えて連邦が深海棲艦との同盟を破棄し、中岡大統領や彼の幹部たちが我が国に亡命したいときは、躊躇することなく亡命を快く受け入れたまえ。例え我が国が長年保ち続けた日米同盟を破棄してでも構わない。
そして彼らが戦力を欲するならば、我が軍と同じく兵器や装備などを惜しみなく与えたまえ」
「はあ……では、その線に沿ってプランを練り直します」
ヨーク参謀総長は答えたが、内心は不満だった。
戦争のことは専門家にまかせておけばいい。アマチュア大統領の口を出すことではないと思ったが、憲法上大統領が最高司令官である以上、やむを得ない。
日本と台湾の両国による秘密同盟成立に伴い、空母《飛鳥》と、秀真・古鷹率いる第八護衛艦隊が無事編成していた頃に、アメリカは日本を裏切る気満々という展開とともに、対日計画《チェリー・プラン》を計画を採用するという展開に……
灰田「どの架空戦記でもふたつの言葉どおり、アメリカが裏切ることが多いですしね」
まあ、そうなるな(日向ふうに)。
超日中大戦、天空の富嶽、超日ソ大戦などでも日米講和ないし日米同盟を捨てて、平気で日本を裏切っていますからね。
灰田「それでも『戦争は人間の本質』でありますからね」
パラベラム……ラテン語で「汝が平和を望むならば戦争に備えよ」という言葉もあれば、
ローマ帝国の軍事学者ウェゲティウスの名言でも「平和を願う者は戦争の準備をしなければならない。勝利を望む将軍は兵士を厳しく訓練しなければならない。
結果を出したい者は技量に頼って戦うべきであり偶然に頼って戦うべきではない」
灰田「まあ、そうなりますね」
あまり多く語ると早朝になりかねないから、そろそろ予告編をお願いします。
灰田「次回は第八護衛艦隊とZ機部隊の行動を少しと、連邦空母戦闘群などの様子を見てみましょう。そして連邦空母戦闘群に、空母タイプの人造棲艦《ギガントス》がとある作戦行動に移りますので、どういう展開になるかは次回に明らかになります」
秀真「どんな敵でも蹴散らして見せるさ」
古鷹「私もどんな敵でも蹴散らして見せます」
土佐「いよいよ私たちの出番か、楽しみだな」
紀伊「はい、土佐姉さん。私の艦載機や連山たちも準備万端です!」
灰田「わたしの土佐姉妹はしばらく後になりますが、その時は充分に暴れてください。
ではではそろそろお時間ですので……第五十九話まで、ダスビダーニャ(さよならだ)」
秀真一同「「「ダスビダーニャ」」」
ダスビダーニャ!!次回もお楽しみに