超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
では予告通り、空母《天安》率いる連邦空母戦闘群VS空自の迎撃部隊の戦いです。

灰田「そして私が放った艦載機群VS連邦艦載機群との戦いが始まります。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか?」

ではではこの言葉に伴い、改めて……

作者・灰田「「本編であります。どうぞ」」


第六十三話:空母《天安》の最後

ヤン中将は、結局考えていたよりも20分早くJ-31、Su-33の両機を発艦させた。

幕僚たちの不安に負けたのだが、それが正しい結果となった。

両艦載機を発艦させてから10分後には、レーダーが敵機を捉えたからだ。

敵機は30度の方角から飛んできた。

しかしJ-31、Su-33はほぼ360度の方角に飛んでいるので、両機はクロスすることはないはずだ。

 

「防空戦闘開始!!」

 

ヤンは命令を下した。

数隻の護衛艦は距離を縮めて、ヤン中将が乗艦している《天安》を取り込んだ。

陣形は輪形陣。これで敵機の襲来に備える。

しかし各護衛艦のレーダーに映る敵機は、恐ろしいスピードで殺到してきた。

これは百里基地から飛び立った支援戦闘機群であり、その数は60機。

F-2とF/A-18Eが各30機ずつ入り混じっている。

しかしF-2の方が速力が速いので、F/A-18Eは次第に取り残されるかたちとなった。

これが思いもかけぬ時間差攻撃を生むことになった。

 

旅洋Ⅲ型2隻を始め、連邦護衛艦の対空兵装が上空を睨んだ。

長距離地対空ミサイル《HQ-5》に続き、短SAM、CIWS、130mm単装連射砲などがある。

なにしろ、切り札として温存しておいた中国艦艇……現在は連邦艦隊の能力は侮れない。

空母《天安》自体もCIWSを二基持っている。

F-2支援攻撃機が対艦ミサイルを発射すると同時に、連邦護衛艦群も各対空兵器で応戦した。

F-2が発射した対艦ミサイルは、アクティブ式誘導、連邦側はレーダー管制誘導である。

その精度は然したる違いはない。

各ミサイルの撃ち合いのなかで、《天安》は必死に回避運動に繰り返していた。

目標は自分自身であることは分かっていた。

しかし大東亜戦争ならばいざ知らず、現代の海戦では、対艦ミサイルを回避運動で回避し切れるものではない。あくまでも撃破しなければ意味がない。

連邦護衛艦群の防空兵器は意外に善戦を示しており、日本機が放った対艦ミサイルを半数ほど撃破した。

しかし、残りの対艦ミサイルは《天安》に向かって飛翔してきた。

これを喰らうまいと《天安》に搭載されているCIWSが猛烈な弾幕を張り、ミサイル4発も迎撃できたのは上出来だった。

しかし、連邦海軍の奮闘もここまでだった。

ASM-11の後継ミサイル……17式対艦誘導ミサイル3発が《天安》に命中、暗闇を煌めく巨大なオレンジ色の炎が噴き出した。

1発は艦橋を直撃して、ヤン中将と連邦幹部職員たちは即死した。

2発目が飛行甲板に命中、飛行甲板はミサイルの直撃に耐えきれることができず、命中した箇所にある飛行甲板が捲りあげ、大穴が開いた。

残る1発は艦尾に命中し、梶機室を破壊したので、《天安》は舵が取れなくなった。

今まで之の字運動を繰り返し行っていたが、直進せざるを得なかった。

そこに遅れてやって来たF/A-18E《スーパーホーネット》戦闘攻撃隊が、戦闘に加わる。

先ほど述べた時間差攻撃により、未だに炎上し続ける空母《天安》を無視し、その周囲にいる連邦護衛艦を狙う。

あとの半数は空母《天安》に止めを刺すべく、もはや回避行動が出来なくなった《天安》にミサイルを撃ち込んだ。

 

ここでも思い吹き返すように双方のミサイル攻撃が再現されていく。

連邦護衛艦は再び奮闘、今度は自ら敵に向かって飛翔する複数のミサイルに弾幕を張った。

旅洋Ⅲ型に搭載されている長距離地対空ミサイル《HQ-5》とともに、CIWSによる近接戦闘システムの威力があり、飛翔して来るミサイルをそれぞれ撃ち落した。

しかし迎撃に積極的だった旅洋Ⅲ型1隻に、各1発ずつ17式対艦誘導ミサイルが命中。

改ソブレメンヌイ級にも1発ずつ命中、コワンチョウ級駆逐艦には2発、マーアンシャン級フリゲート、そしてランチョウ級駆逐艦にも2発ずつ命中した。

 

日本の対艦ミサイルは、各艦の艦橋に命中した。

艦橋はずたずたに引き裂かれたため、CICの電子システムは全て無効にした。

これにより旅洋Ⅲ型、マーアンシャンの両艦は半身不随になった。

現代艦船のメカニズムは全て電子システムで動く。

特に旗艦を務めている旅洋Ⅲ型にはイージス能力が喪失したのは痛かった。

2発のうち1発の17式対艦誘導ミサイルが、機関室を直撃、この瞬間に両艦は半身不随になってしまったのだ。

 

 

 

それよりも少し前に、針路220度で敵艦隊に向かって進む《飛鳥》の部隊では、マザーが再び報告した。

 

『敵空母は艦載機を発進させました。その数は30機。飛行針路は360度、東京を目指していると思われます。

トムキャットをこの敵機に迎撃に向け、スーパーホーネットは敵艦隊殲滅に向けたいと考えていますが、いかがでしょうか?』

 

マザーの声はあくまでも穏やかな口調である。真崎はその落ち着きぶりに憤懣を覚えた。

 

「しかし、トムキャットはたった20機だぞ。敵機は2種類……J-31に、Su-33だ。

前者は最新鋭ステルス艦上戦闘機、後者は強力なロシア製の戦闘攻撃機だ。各15機ずつ、両機合わせて30機はいるだろう。20機で立ち向かえるのか?」

 

『その点のご心配には及びません』

 

マザーは落ち着きを払って答えた。

 

『決して連邦戦闘機群は、東京に到達させません』

 

「うーむ、キミがそう言うのなら任せよう。いずれにしろ、スーパーホーネットでは格闘戦は無理だぞ」

 

敵艦隊に向かっていたトムキャット隊は、マザーからの指示を受けると急遽反転し、北西を目指した。

マザーが指示した針路は、敵機の鼻面を押さえる針路である。

 

J-31の最大速力はマッハ2.0で、Su-33の最大速力はマッハ2.1、そしてトムキャットの最大速度はマッハ2.3である。しかし両機ともその気になればマッハ2.5が出せる。

しかしトムキャット隊はショートカットできるから、両機よりも先に東京方面に進出出来る筈だ

たった20機で連邦最新鋭ステルス戦闘機に、ロシアで優秀なスホーイ社が生み出した傑作戦闘機《フランカー》シリーズを叩けると言う、マザーの自信はどこから来ているのか、真崎には分からなかった。

 

もっとも、このとき九州方面から厚木基地に移動したF-3、F-15合同部隊20機がおっとり刀で、この戦闘に参加すべく発進したのである。

その通信を受けて、真崎海将は少し気が楽になった。

両機ならJ-31、Su-33を撃破してくれるはずだ。すでに実績がある。

 

《飛鳥》から発進したトムキャット隊は、編隊を作らず、緩やかなV字形を作り、雁行している。

これが各々の性能を活かすには、もっとも都合のいい隊形である。

東京攻撃隊指揮官は、仙台空襲(第二次日本本土空襲)と同じように同じくチン大校。

しかし彼らは、前方を遮ろうと飛行しているトムキャットなのは知らなかった。

それが分かったのは20分後、大島に近づいてからだ。

 

チンが搭乗する愛機こと最新鋭ステルス戦闘機J-31のレーダーに敵影が映った。

敵機は彼らの前方に向かって、四時の方向から飛んできている。

その意図ははっきりしており、自分たちを阻止するつもりだ。

こいつらは日本空母から発進したものだろうと、チンは見当をついた。

日本空母は恐らく日本本土沿岸の、北東のどこかにいたのだ。

 

あらかじめ受けているブリーフィングによると、突然出現した日本空母は、衛星分析の結果……F-14D《トムキャット》と、F/A-18E《スーパーホーネット》を積んでいたそうだ。

その空母は、連邦空母《天安》よりもひと回り大きく、F-14D《トムキャット》を20機も積んでいると想定される。

言うまでもなくトムキャットは、かつては米帝空母AGC(空母戦闘群)の主力戦闘機で、対空戦闘のスペシャリストだ。

東京攻撃のために兵装を大量に搭載しているSu-33は重量があるため、格闘戦に分が悪いものの、自身やほかの者たちが操縦しているJ-31ならば勝機はある。

それにこちらは30機という圧倒的な数を誇り、旧式戦闘機に我が連邦戦闘機が負けるはずがないと信じていた。

 

『敵機が来るぞ。相手はたかが旧式戦闘機のトムキャットだ。編隊を崩すな。各ウィングはしっかりとリーダー機を守れ!』

 

そのような意味のことを中国語で話している。

高度は5000メートル。左手には噴煙を吐く大島が見え、その向こうに伊豆半島、正面には相模湾の向こうに日本の大地、まだ雪を被った富士山が突出して見え、やや右手には東京湾が鈍く光って見えた。

 

あれが東京メガロポリスだ。

もうひとっ飛びで目標に到着するところだった。

日本に再び悪夢を味あわせることができる故に、我々には愉快な光景がもう一度見られると考えただけでも興奮してきた。

そこに思わぬ邪魔が入った途端、チンは歯噛みした。

何としてでも邪魔者を叩き落として、自分だけでも東京上空に侵入してやる。

その時、チンは右手にきらきらと光る機械の翼を肉眼で確認した。

もはや敵機は、そこまで来ていたのだ。

 

『小日本をぶっ潰せ!我々栄光ある連邦軍に敵わないことを思い知らせてやれ!』

 

チンは中国語で叫び、そして愛機の翼をひるがえして敵機に向かう。

ウィングもこれに従う。

小日本と言うのは、連邦国、かつて中国で流行っていた日本に対する蔑称である。

今は流石に使われておらず、同じ意味を持つ“東洋鬼”と書いて、日中事変当時に日本軍に対して使われた言葉である。

もっとも連邦国は特アに倣い、小学・中学・高校・大学生にまで反日教育に熱心に教鞭を振っている故に、大本営にいた者たちもまた連邦は連戦連勝と嘘を教えている。

だから平然と日本に対する蔑称、反日意識を植え付けているのだ。

 

これに対してトムキャット隊は散開した。繰り返すが彼らは編隊を組んで戦わない。

各機1機ずつがリーダーとしての能力を持ち、全て自己判断で戦う。

J-31及びSu-33の固定兵装は30mm機関砲だが、両機とも多彩な搭載兵装を持っている。

今回のミッションは都市攻撃のための主力機はレーザー誘導爆弾、空地対ミサイルだが、敵機との遭遇に備えて、空対空ミサイルも2発ずつ搭載している。

一方、トムキャットは空対空ミサイル(AAM)2種類合わせて8発も搭載している。

こと空中戦に関しては、優位は明らかである。

 

あとはパイロットの腕が勝負である。

チンは、日本空自パイロットの腕を決して過小評価していなかったが、いま迫ってくるのは旧式戦闘機、しかも退役したF-14《トムキャット》に負けるはずがないと思った。

しかし明らかに自分たちをも凌ぐようだった。

J-31、Su-33は一斉にR-73ミサイルを発射した瞬間、自分たちの目を疑った。

トムキャットはなんとくるりと360度ロールターンして、両機が発射した空対空ミサイルを回避すると、さらに突っ込んできた。

 

推力ノズルを備え、正式採用を見送ったSu-37は宙返りができると聞いたことはあるが、F-22、F-35、PAK FAですらもこんな荒業ができる戦闘機は世界中にいない。

ましてや旧式戦闘機であるトムキャットですらもできないはずだ。

急激なGの増加にパイロットは付いていけず、ブラックアウトをしてしまうか、または推力を失い、失速してしまう。

しかし現時点で、このトムキャットは平然とそれを熟している。

人間が乗っているとは思えない荒業だが、事実、人間は乗っていなかったのである。

人工脳が全てを動かしていたのだが、チンたちにはそれを知る術はなかった。

敵機のAAMをやり過ごしてしまうと、トムキャット群は反転して襲い掛かってきた。

両翼下に搭載していたAAM-9短距離空対空ミサイルを一斉に発射した。

 

なにしろトムキャット1機が8発のミサイルを持っている。

それが20機から一斉に発射されたのだから、おびただしい数のミサイルが噴煙を引いて、J-31、Su-33合同部隊に突入してきた。

 

『避けろ!』

 

チンは絶叫した。

両機は対ミサイル対策として、チャフを放出した。

しかし多勢に無勢であり、ミサイルの数はとても避けきれないものであった。

たちまち逃れることができなかったJ-31及びSu-33がミサイルを浴びて、暗闇に煌めく炎に包まれて、爆発四散した。

パイロットたちは脱出する暇もなく、敵のミサイル攻撃を受けて、機体と運命を共にした。

もっともその方が幸運であり、例えベイルアウトできたとしてもその下は海面であり、助かる見込みは少ない。

 

『やむを得ん、兵器を捨てて応戦しろ!』

 

チンは命じた。生きて母艦に戻れば、再出撃できる。

残った連邦艦載機は搭載兵器を捨てて、身軽となった。かくして空戦は機関砲の撃ち合いに移行したが、いまや敵機の方が優位である。

身軽になったJ-31、Su-33の両機は必死に応戦したが、敵機の敏捷性、その運動性は……チンの知る限りのトムキャットの運動性を遥かに超えている。というよりは、人体の生理を無視していると言っても良い。

横滑り、反転、果ては宙返りとありとあらゆるアクロバット飛行を繰り出して、最新鋭機である両機を翻弄している。

 

連邦パイロットたちは半ば呆気に取られているうちに、敵の機銃掃射を浴びて戦死した。

パイロットは操縦桿を握りながら、燃える棺桶と化した自機とともに墜落していった。

 

『いったいこいつ等は何者だ。本当にパイロットが操縦しているのか!?』

 

チンは唖然とした。

1機のトムキャットがすれ違ったが、そのコックピットにはパイロットの姿は見えなかった。

チンはちらりと見えただけだが、絶句した。

 

間違いない、これは幽霊戦闘機だ。幽霊が操縦しているのか!?

 

それとも日本軍は無人戦闘機を開発したのか。

米軍ですらもUCAVを操縦するには操縦者がいなければ、無理な話しだ。

いったい全体、このトムキャットはどうなっているんだ!?と、チンはショックのあまり先ほどの冷静な判断に伴い、思考力が失っていた。

そこに反転して戻って来た敵機に背後から銃撃されて、エンジンから火が噴き、コックピットを炎が包み込んでいく。

チンは愛機から脱出すべくベイルアウト・レバーを思いっ切り引いたが、しかし残酷にもスタックして動かなかった。

 

『そんな我が最新鋭ステルス機が、トムキャットに負けるなんてぇぇぇーーー!!!』

 

地獄の業火に包まれたチンは絶叫しながら、愛機とともに落ちていった。

大空に連邦戦闘機群の姿はなくなった。遥か下方の海面に彼らが激突する水煙が見えた。

トムキャットはしばらく敵機を求めて旋回していたが、その1機がマザーに“戦闘終了”と報告した。

 

“敵機30機撃墜、我が方に被害なし”

 

 

 

空母《飛鳥》のCICでは、マザーが真崎に報告した。

 

『敵機の東京攻撃を阻止するミッションは終わりました。敵機30機は全滅。味方機は損害ゼロです』

 

全く感情を読めないその声を聞いて、真崎は身震いした。

未来の戦争はこのようになるのか、人間の感情の介在する余地はないのかと呟いた。

 

『まだ敵艦隊が残っています。スーパーホーネットで攻撃を続けます』

 

 

 

連邦空母《天安》率いるは、悲惨な状況になっていた。

すでに3発の対艦ミサイルを浴びて炎上し、停滞している。

舵をやられた《天安》は炎上しつつ、それでも自我を持つように速力30ノットで北東に直進し、艦隊から離れつつあった。

これはむろん彼らの本意ではないが、舵が利かない以上どうにもならない。

機関を止めれば停止できるが、そうしてしまうと敵潜水艦の攻撃を受けてしまう危険性があるので出来ない。

 

ビスマルクの悲劇と似ている。

独逸戦艦《ビスマルク》は初陣にて、僚艦の重巡洋艦《プリンツ・オイゲン》とともに、イギリス巡洋戦艦《フッド》を撃沈、最新鋭戦艦《プリンス・オブ・ウェールズ》を大破させると言う手柄を立てた。

しかし重巡洋艦《プリンツ・オイゲン》は補給のために別行動をしていたときに、アイルランド海峡にいた別行動をしていた英国艦隊に捕捉された。

なんとか占領地のフランス・ブレスト軍港に逃げ込もうとしていたが、英国空母《アークロイヤル》から発艦した旧式複葉雷撃機《ソード・フィッシュ》の雷撃を艦尾に受けて舵が利かなくなり、そしてフランスとは全く逆方向に走り続けた。

そこに集まって来た英国戦艦を中心とした艦隊に袋叩きにあって、沈められた。

舵さえ無事であれば、ブレスト軍港に逃げられただろうし、海戦となっても相当に戦えたはずだ。要するに運命の女神は空母《アークロイヤル》に微笑んだのだ。

 

しかし彼女も《ビスマルク》同様に、不運が襲い掛かる。

ジブラルタルへ帰投中ドイツ潜水艦U-81の雷撃を受けて損傷した。

暫らくは曳航されたが14日の早朝に、ジブラルタルまで残り25マイルの地点で横転沈没した。U-81がビスマルクの仇を取ったのである。

 

護衛艦のうち、旗艦を務めている旅洋Ⅲ型がやられたのは痛かった。

残る4隻はまだ無事で、そのうちマーアンシャン級フリゲート、そしてランチョウ級駆逐艦の2隻が必死に《天安》に追いつこうとしていた。

改ソブレメンヌイ級1隻は、コワンチョウ級駆逐艦と共に、乗組員の救助に当たっていた。

敵機はもう引き上げて行ったからである。

しかし、これで済むものとはとうてい思えない。

ここは日本海だ。敵がうようよ集まってくるはずだ。

史実、300海里近くにいた潜水艦群は、最大速力で北上しつつあった。

佐世保から第二護衛艦群も南回りで急行しつつあったが、これはだいぶ時間が掛かりそうだった。

 

その日本潜水艦群の手前には、連邦原潜ハン級3隻が展開していた。

彼らは水中発射可能な対艦ミサイルを持っている。

敵艦隊が現れたらお見舞いしてやろうと思ったが、手ぐすね引いて待ち構えていた。

しかし、マザーには空母戦闘群同士を海戦で戦わせる意思はなかった。

航空団だけで片を付けられるものを、そんな無駄をする必要はない。

大東亜戦争時でさえ、艦隊決戦というのは滅多になかった。

小規模な艦隊が夜戦を行なうことはあったが、戦艦を含むフルスケールの艦隊が決戦することはなかったのである。

ほとんどが空母同士の戦闘であり、重巡、軽巡洋艦、駆逐艦同士の小競り合いの中心であり、結局『世界最強』とも言われた戦艦《大和》《武蔵》も航空機にやられた。

大東亜戦争ですでに主力は戦艦から、航空機へと変わったのだ。

皮肉にも空母機動部隊を主力にしようと言う画期的アイデアを生み出したのは実は、我が日本海軍であったのだ。しかもあの真珠湾攻撃が仇となってしまったことも然り……

現状に戻る。

 

日がまだ高い頃……

混乱しきった連邦艦隊に今度は、20機の《スーパーホーネット》が襲い掛かって来た。

兵装は対艦ミサイルとレーザー誘導爆弾である。

後者は本来地上の固定目標に用いられるが、速力を失って停滞している艦艇も固定目標に等しい。それに対艦ミサイルよりも遥かに威力がある。

連邦艦艇は全ての対空ミサイルを使い果し、CIWSの残弾数も僅かである。

残弾数に余裕があるのは各艦に搭載されている単装連射砲である。

20機の《スーパーホーネット》のうち10機は迷走している《天安》に、残る10機は連邦護衛艦に襲い掛かった。

CIWSは撃ち続けたが、もはや残弾数はゼロであり、その代わりに咆哮を上げた各連装砲で撃ち続けたが遠吠えにしかならない。ましてやマッハ2を超える対艦ミサイルを撃ち落とすことなど容易いことではない。

たちまち各護衛艦に命中、ミサイルの直撃を受けて機関部も破壊されて炎上した。

迷走していた《天安》を護衛していた駆逐艦も炎に包まれた。

ミサイルを効果的に使い切ってしまうと、レーザー誘導爆弾の出番である。

速力を失った連邦艦隊の上空に、大量のレーザー誘導爆弾がヒューと言う不気味な音を鳴り響かせながら落ちてきた。

まず《天安》に命中して大爆発を起こし爆沈、ほかの護衛艦も同じ運命を辿った。

ここに連邦海軍が誇る空母《天安》率いる連邦空母戦闘群は、別行動をして離れた旅洋Ⅲ型1隻を除き、全滅した。

艦隊次席指揮官は必死に本国との連絡を取ろうとしたが、電波が届かなかった。

ここでも《飛鳥》から発進したEA-6電子戦機《プラウラー》が数海里ほど離れて旋回し、ジャミングしていたからである。

 

残るハン級原潜だが、味方艦隊の全滅する様子を潜望鏡で遠望すると、指揮官は戦意喪失、全速力で南西に離脱を計った。

最大速力で北上していた海自潜水艦群は、これを捉えきれなかった。

皮肉にも原潜の足の速さが生きたのである。

 

ここに日本空母戦闘群……飛鳥率いる第八護衛艦隊の完全なる勝利へと終わったのだった。




空母《飛鳥》が放った無人ステルス艦載機、F-14D《トムキャット》、F/A-18E《スーパーホーネット》による攻撃を受けた連邦空母戦闘群は壊滅し、また連邦艦載機群も予測不能な攻撃を受けて全機撃墜され、飛鳥の勝利へとなりました。ワザマエ!
久々に8000文字以上になりましたが、どうにか収まりました。

マザー『私に掛かれば、この通りです』

灰田「まあ、私の超兵器に掛かればこの通りです」

漫画版でもトムキャット隊は華麗な避け方をしただけでなく、敵機を全機撃墜ですからね。

鳳翔「私もあのような航空機を持つことは出来るのでしょうか?」

鳳翔さんは自衛隊の未来兵器本では海自初の空母《ほうしょう》になっていましたからね、艦載機も《心神》及びデルタ翼に改造されたストライク心神になっていましたし……もし日本が空母を持つならば、このようになるでしょうね。
最新鋭護衛艦も古鷹たちの名前が受け継がれたら嬉しいのであります。

秀真「いつ静のように帰ってくると、俺は信じている」

古鷹「そうなった時は、最新鋭護衛艦の良いところ、いっぱい知ってもらえると嬉しいです!」

郡司「僕の木曾ももちろん護衛艦に生まれ変われるかな?」

木曾「お前が信じ続けていれば必ず願いと奇跡は叶うぞ、郡司?」

これはこれで時間が掛かりそうなのでありますので、次回予告をお願いします。

灰田「はい、承りました。では次回はZ機基地を破壊しようと企んでいる人造棲艦《ギガントス》と深海合同艦隊を阻止すべき、秀真・郡司提督の連合艦隊との海戦です。
なお長らくお待たせしましたが、ここでようやく土佐姉妹が活躍いたしますのでお楽しみを。なお前編・後編に分けるかもしれませんのでしばしお待ちを」

土佐「いよいよ私たちの出番か、胸が熱いな」

紀伊「そうですね、土佐姉さん」

灰田さんの言う通り、やや時間が掛かってしまいますのでしばしお待ちを。

灰田「ではちょうどいい時間になりましたので……次回まで、第六十四話までダスビダーニャ(さよならだ)」

マザー『ダスビダーニャ』

鳳翔「ダスビダーニャです」

秀真「ダスビダーニャ」

古鷹「ダスビダーニャです」

郡司「ダスビダーニャ」

木曾「ダスビダーニャだ」

土佐「ダスビダーニャ」

紀伊「ダスビダーニャです」

ダスビダーニャ、次回もお楽しみに。
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