超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

72 / 147
お待たせしました。
それでは改めて予告通り、秀真提督たちはどういう風に対策を練るのかに伴い、アメリカがまたどのような事をするかに注目という話であります。

灰田「今回は短めですが、楽しんで頂ければ幸いです」

それではこの言葉と共に、改めて……

作者・灰田「「本編であります。どうぞ」」


第七十二話:強行される対日経済政策

第七十二話:強行される対日経済政策

 

秀真・古鷹たちは翌日起きたことを加古たちに説明した。

なお灰田の話しを聞いた安藤首相は再び閣議を行ない、同じく灰田から話しを聞いた元帥や郡司なども召集した。

秀真たちは灰田が現れたことと、彼が教えてくれた出来事を知らされると閣僚たち全員絶句した

 

「……するとなんですか、灰田氏の言葉によれば、アメリカは中岡たち率いる連邦残党軍とともに、我々の回答如何に関わらず、再び経済封鎖と日系人抑留を断行すると言うことですか?」

 

塩島経済相は尋ねた。

 

「その通りです、彼は決して嘘をつきません。我々を担いでも何のメリットもありません。だから彼の言葉を真実と受け取り、可及的速やかに経済界にそれを知らせ、在米資産と駐在員の引き揚げを計ってください」

 

「しかしそんな事をすれば、さらにアメリカを刺激してしまう。安藤首相も元帥はもはやアメリカの要求を呑まないように決断するのですか?」

 

秀真の説明に大洲外相は反論したが、安藤は落ち着きを払って答えた。

 

「大洲外相、落ち着きたまえ。これに関しては一週間後のアメリカの行動を見て決断しようと考えている。ワシントンがもし連邦残党軍と手を切り、平和的解決を望めば、強圧的手段は取らないだろう」

 

安藤の言葉を繋ぎ合わせるように元帥が答えた。

 

「しかし、最初から連邦残党軍同様に我が国を弾圧壊滅するつもりであれば、彼らは躊躇なくこの手段を取るだろう」

 

「私には危険な賭けにしか思えませんが、止むを得ないでしょう」

 

大洲は呟いた。

 

「……その、灰田氏が説明した新軍備のことですが」

 

矢島防衛省長官が言った。

 

「本官としては大いに興味があります。これまでアメリカが武力行使をすれば、とうてい敵わないものと諦めかけていましたが、灰田氏が事実そのような兵器を揃えてくれるのであればかつ。いや、少なくとも太平洋においては、互角に戦えるチャンスが出てきます」

 

「しかし対米戦争は望ましくない。国民になんと説明するのだ?」

 

秋葉法務相は言う。

 

「あの戦争の悪夢が襲い掛かってくるのだぞ。まだ歴史の中に葬られたわけではない」

 

「しかし、戦争を忌避するつもりならば、なぜ連邦国と戦ったのですか?」

 

秋葉よりひと回り年の若い榊原国交相が指摘した。

 

「我が国は連邦国の理不尽な振る舞いに対して立ち上がったはずです。これは国家としての“プリンシプル”であり、相手がどこであろうと変わらないはずです」

 

榊原国交相が言った“プリンシプル”とは、原理、原則だが、大義、理念、または主義の意味がある。

 

「安保を反古しただけでなく、連邦残党軍と手を結び平然と我が国を裏切ったアメリカに、もはやシンパシーを感じることはありません。

もしもミスター灰田が助けてくれなければ、我々は連邦国・深海棲艦に負けただけでなく、国土は蹂躙されただけでなく、世界制覇されていたに違いありません。

ミサイル攻撃の嵐を浴びていたのに違いありません」

 

榊原の言葉は正論だったので、秋葉は黙ってしまった。

 

「首相や元帥、秀真提督たちはいったいどうお考えですか?」

 

榊原は詰め寄った。

 

「うむ……実は言えば私は五分五分なのだが、一週間後のアメリカの態度を見て決めようと考えている。ともかく相手はアメリカだ。今度は連邦国・深海棲艦のようなわけにはいかない」

 

「私も大和たちも覚悟している。いったん戦端が開けばアメリカはとことんやるだろう。

我が国はかつてのように玉砕する覚悟を持たなくてはならない」

 

元帥に続き、秀真、郡司も答えた。

 

「私はアメリカもですが、何よりも虎の威を借るキツネのような連邦残党軍を葬ります。

奴らとの決着をつけるためにも覚悟は変わりません」

 

「僕も日本や彼女たちを裏切り、アメリカに亡命した中岡たち連邦残党軍を粛清すべきです。売国奴同然の奴らを見過ごすほど甘い人格などしていませんから」

 

そのあまりにも重い言葉、二人の覚悟を聞いた全員が沈黙した。

誰もがかつての太平洋戦争を思い起こしていた。

最初の半年間は上手くいったが、しかし運命のミッドウェイ海戦に負けてから日本は押されてしまい、ついには二発の原発を喰らい、最後はノックダウンされた。

その苦痛と屈辱の念が、痛いほど刷り込まれている。

 

「つまり、国家の“プリンシプル”という問題と、強大なアメリカと戦う恐ろしい現実との相克なのです」

 

如月官房長官が問題を要約した。

 

「しかしわたし個人の考えを申し上げますと、ここでアメリカに屈すれば連邦・深海棲艦の戦いは何だったのかということになってしまいます」

 

「しかし……喧嘩は相手を見てするものだぞ」

 

秋葉は言う、いかにも老獪な政治家らしい台詞である。

 

「それに対しては、太平洋戦争もまた自衛の要約があったことを指摘したいと思いますが」

 

榊原は応酬した。

 

「白人国家の経済的封鎖にあって、我が国は息の根を止められる寸前だったことをお忘れなく。その意味で、あれは国家としての存続の血路を開く戦いでした」

 

他の者たちが秋葉と榊原にそれぞれ与していっせいに喋り始めたので、安藤は手を上げてその混乱を制した。

 

「まあ待て……ここで決断するのは早すぎる。ともかく、一週間を待ってから決めたいと思うがどうかね。

大洲くん、ウィルソン大使には国内世論が纏まらないにつき、もう一週間を待って欲しいと伝えてもらえないか?」

 

「……分かりました」

 

大洲はしぶしぶ答えた。

ウィルソン大使は日に日に居丈高になっており、猛禽類のような顔つきの男だ。

あの顔をまた見なくてはならないのかと考えると、うんざりしたのである。

 

「キミたちも何時でも準備ができるようにしてくれ。TJS社にも協力するように説明しておくから」

 

「「「はい、元帥!!!」」」

 

秀真・古鷹たちは一斉に敬礼をした。

 

 

 

その日のうちに各経済団体の代表が呼ばれ、鮫島財務相から現状リスクの説明を受けて、在米金融資産の引き揚げ、また駐在員の引き揚げが勧告された。

しかし、アメリカの銀行に置いてある資金だけなら動かせるが、自動車産業のような装置産業はどうにもならない。

アメリカに造った工場をそっくりそのまま持って来るというわけにはいかないのである。

とりあえず操業は中止、駐在員は帰国せよという社命が出された。

またハワイを含むアメリカ領土への民間人の旅行は、政情不安定につき禁止と言う行政命令が出された。

 

各企業は大混乱とも大混乱となり、日米航空路線は突然全便が満席となった。

それでも一週間以内に駐在員全員を帰国できるかどうかは危うかった。

そのために各航空会社とも臨時便を出した。

それほどアメリカに働いている日本企業に、その企業人が多いということだ。

同時に訪日して来るアメリカ企業人も途絶えた。

アメリカ企業体もまたワシントンの意思を秘かに知らされていたのである。

国際市場はこの怪しげな雰囲気を察して嫌気が差し、商いは低調となった。

青葉たちが提案したアイデアは、最初は誰もが信じられない噂としてなったが効果はなかなかのものであった。

また日本が膨大なアメリカ国債を放出するとの噂が流れ始めたのである。

もし事実であれば、ドルは大暴落する。

 

 

 

5月5日。

すなわち、灰田が秀真・古鷹たちのところに現れてからきっかり一週間が経った……

これは日米の時差を見込んでの話であるが……アメリカ政府が突然、全米の日本資産の凍結、または日系人の抑留政策を発表し、ただちに連邦亡命政府とともに行動に移した。

また日本所有のアメリカ国債無効を宣言した。

このアメリカのショッキングかつ理不尽な仕打ちに衝撃を受けたのは世界各国であって、事前に覚悟していた日本は少しも驚かなかった。

むしろ、灰田の予告があまりにも正確なために驚いたのである。

 

さらに、ワシントンはさらに声明を出した。

これは未知の大量に新型兵器を保有することに至った日本がアジアの一大覇権国となり、アジアを支配する野望を持っていることは明らかなので、この災いの牙を摘むための措置だと言うのである。

国連では緊急総会が開かれ、日本大使はこの経済封鎖、日系人抑留という非人道措置に対し、これを常任理事国の権限で無効にすべきだと演説したが、アメリカは拒否権を行使してこの可能性を断ち切った。

アメリカは操業していた全ての日本企業の工場は押収され、合弁は解消された。

逃げ遅れた駐在員も少なくなく全て抑留された。

日本政府は、これはまさに準戦時態勢であると受け取らざるを得なかったが、国連に調停を申し出ることは諦めた。

アメリカと連邦残党軍が牛耳る国連に頼っても全く無駄であることは分かり切っていた。

元より国連が役に立ったと言うことは今までもないに等しいが。

 

アフリカ諸国、インドやインドネシア、トルコ、台湾民主国家などの数多くの親日国は、アメリカに対して抗議の声を上げた。

またザオ将軍率いる中国民主国家やイミンジョン大統領率いる韓国も強く抗議した。

そしてロシアやEU諸国、とくにアメリカと伝統的に仲の悪いフランスは遺憾の意を示すことしか出来ず、またイギリス、ドイツも同じく遺憾の意を示すことしか出来なかった。

 

しかしアメリカは黙殺した。

馬鹿な親日国家や学習能力のない雑魚どもが幾らギャアギャアを喚いても、なんら影響が及ぼすものではないという態度だった。

儚くもアメリカのユニラテラリズムが露骨に、ここに表れたのだった。




原作でも同じくこのような展開になっていますが、この世界では一部変更しています。
この後はどういう風になるかは伏せておきます。

灰田「きな臭い展開になったことは間違いないですがね」

まあ、そうなるな(日向ふうに)
ここからはどういう展開になるかは、予告篇をお願いいたします。

灰田「承りました。では次回はまたしてもアメリカが予想外の行動を実行します。
そしてこの展開にどういう選択を、展開が起きますのでお楽しみを」

次回もまた今回と同じく短いかもしれませんが、お楽しみに。

灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで、第七十三話までダスビダーニャ(さよならだ)」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。