超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
小さな進歩ですが、お気に入りユーザー数が以前よりも増えて気分が高揚しています。
なおUA数ももう少しで20000になるのが楽しみです。
これからも少しずつですが、進歩していきます。
灰田「では改めて、予告通りまたしてもアメリカが予想外の行動を実行します。
そしてこの展開にどういう選択を、展開が起きます」
それは一体どんな展開かはお楽しみに、それではこの言葉と共に、改めて……
作者・灰田「「本編であります。どうぞ」」
アメリカがそのような驚愕と言うよりは、強硬な態度に出てから24時間後が経過した……
アメリカ大使は自ら帰国を申し出て、日米大使交換が行われることになった。
これは戦時の手続きであり、かつては交換船を使っていたが、いまは飛行機でことが済む。
つまり、いまや戦時となりつつあることを意味していた。
そのさらに24時間後……南シナ海域において日本に向かっていた重油満載の50万トンタンカー3隻、そして病院船2隻が、何者かの魚雷攻撃を受けて沈没した。
最初は戦艦水鬼たち率いる深海棲艦による攻撃かと思われたが、もはや戦力を失い、厭戦気分が高まっていた彼女たちが南シナ海域にいる時点であり得ないのである。
この攻撃に関してワシントンは沈黙したが、連邦残党軍とともに攻撃したのは明らかだ。
しかも病院船を攻撃したことについて各国は抗議をしたものの、これも黙殺したのである。
仮に抗議をしたとしても連邦と同じように『敵国に補給物資を積んだ他国の病院船が悪い』と言い逃れ、彼らなりの得意とする言い訳を言うことは間違いなしである。
これは日本が自分たちの言う事を聞かなければ、武力行使を辞せずと言う、ワシントンからのメッセージだったのである。メッセージと言うよりはヤクザの恫喝であるが。
同時に連邦残党軍は『我々は日本を膺懲するために、日本がこの地上から滅びるまで徹底抗戦をしてやる』と言うメッセージだということも含まれることも確かである。
このタンカー・病院船撃沈事件を受けて、安藤と元帥は第一回国防会議を召集した。
閣僚全員をはじめ統幕長、海上保安庁、警察庁のトップたちなどが集まった。
元帥の命令を受けて、秀真・古鷹たちも集まった。
これは史実上、アメリカと連邦残党軍と開戦すべきかどうか決定するための会議だった。
皇室の意思はここには反映されず、昭和憲法下では皇室は完全に政治不介入である。
明治憲法下でもそうだったのだが、天皇陛下の意思はおのずから尊重され、終戦に導いた。
「アメリカはついに武力行使に踏み切りました」
大洲外相は慨嘆するように言った。
「我々の外交努力が足りなくて申し訳ありませんでした。安藤首相、元帥……」
「いや、事態はもはや外交の枠を超えている。外務省のせいではない」
「大洲外相、あなたは最善の努力を尽くしたんだ」
安藤と元帥は言った。
「いまのアメリカがやっていることは、連邦同様、全て確信的行為でもない。
もはや我々の外交でどうなるものでもない。我々の選択肢はただひとつしかない……
再びアメリカの庇護下に入るというものだったが、ここまで踏みつけにされれば、それはもはやできぬことだ」
「連邦残党軍に洗脳されて、奴らに踊らされているアメリカを、彼らを元に戻すために我々が残された道はただひとつしか残っていないのだ」
「それでは総理、元帥……いよいよアメリカとの戦争ですか?」
鮫島財務相は言った。
「しかしアメリカとの戦争になると、我が国の財政が厳しいですな」
「鮫島財務相、あなたの言う事は分かっています。しかし幸いにも我が国は世界有数の預金国だ。軍資金は充分です。国債が暴落しない限りは何とか持つことが出来るでしょう」
「元帥、僭越ながら申し上げますが、もし戦争になっても長引くものではありません。
現代の戦争はスピードアップしていますから、恐らくは数ヶ月か、せいぜい半年で片が付くでしょう」
矢島防衛省長官が言った。
「ただし秀真提督が教えてくれた、ミスター灰田が約束した新軍備を我々が入手したとしての話ですが……」
「矢島防衛省長官、以前にも言いましたが大丈夫ですよ」
「……秀真提督の言う通り、ご心配は要りません」
秀真のタイミングを合わせるかのように、突然、壁際から聞き慣れた声が聞こえてきた。
秀真・古鷹たち、安藤首相と元帥、今ここにいるメンバーは、すでにほとんど全員が灰田の姿を見ているので、さしたるショックはなかった。
灰田は、何の前兆もなく現れることもできるのである。
「我々は、すでにお約束した戦力……空母戦闘群および特殊原潜、古鷹さんたちの新装備もご用意しています。
各艤装は各鎮守府に送りますのでご心配なく。
ただし前者……双方に関してはどこにそれを持ってくるのかという問題です。それを早急に指示していただきたい」
「実は、それはもう用意してあるのです」
如月官房長官が言うと、ペーパーを取り出して、灰田に手渡した。
これは安藤や元帥の密命を受けて、如月が防衛省と相談して作成しておいたシナリオである。
ニミッツ級空母4隻はなにしろ巨体なので、横須賀、佐世保、舞鶴、そして呉鎮守府の軍港にしか入れない。
これらの軍港にあるドックはこれらの空母の修理は可能だが、なにしろ灰田が持って来る空母は、人工コンピューターこと《マザー》が操艦する完全自動艦船である。
彼女が装備している艦載機もまた完全ステルス無人機で、艦は自動修理機能を持っている。
それらの機能は、灰田からあらかじめ渡されていたデータを解析して充分に分かっている。
だから、ドックは必要ないと言える。
問題は原潜の方で、アメリカの《ロサンゼルス》級原潜に匹敵する巨大な原潜を置いておく軍港と言うものがない。
しかし、これは小型核融合を持つ原潜なので燃料補給の必要はなく、史実上メンテナンスフリーなので、どこにでも停泊させることができる。
矢島たちは知恵を絞った挙げ句、鹿児島湾や陸奥湾、安芸灘といった広い湾に停泊させることにした。
むろんアメリカの偵察衛星で全て露見する、それは覚悟の上である。
「分かりました。なお皆さんにお伝えしますが、これらに続き新たな戦力が加わります」
「新たな戦力だと、我々は秀真・古鷹くんたちに、PMCや在日米軍だけだが、ほかにもいるのかね?」
安藤首相は聞いた。
「ええ、かつてあなたたちの敵でしたが、戦艦水鬼率いる深海棲艦が加わります」
これを聞いた全員が驚愕した。
「しかし深海棲艦は連邦残党軍との縁を切っていないのに、なぜなんだ?」
矢島は尋ねた。
「以前の海戦、秀真提督や古鷹さんたちが戦ったあの《ギガントス》を、中岡たちはそのデータをアメリカ亡命時に、アメリカに提供したのです。
アメリカと連邦残党軍は再び人造棲艦《ギガントス》などを建造しています。
しかも戦艦や空母、重巡などを量産、さらに用済みとなった戦艦水鬼たちを秘かに殺そうと考えているのです。
ただし自分たちに寝返った連邦派の深海棲艦たちは除いてですが……」
「……散々使った挙げ句、使えないと知ると見捨てるとはクズも良いところだな」
秀真が呟くように答えた。
「その通りです。いましばらく時間は掛かりますが、彼女たちが亡命を望む際には必ず快く受け入れてください」
秀真は彼女たちの行為は決して許しておけないが、しかしいまは私情を慎み協力すべきだ。
中国のことわざでは確か“呉越同舟”とすべきであると……
「本来ならば敵ですが、みすみす困っている者たちを放ってはおけません。安藤首相……
彼女たちが亡命した際は快くお願いいたします」
「秀真提督の言う通り、もし彼女たちが亡命してきたら私の管轄で捕虜にしますのでご安心ください。空母水鬼たちもこっちに来てからは友好的な関係になりました。ですから私からもどうかお願いします」
「僕からもお願いします、安藤首相」
「私たちからもお願いします」
秀真、元帥、郡司、古鷹たちの真摯な言葉に安藤は数秒ほど考えて、そして答えた。
「うむ、キミたちの真摯な言葉を裏切る訳にはいかない。彼女たちが亡命した時は快く受け入れたまえ」
「「「ありがとうございます、安藤首相!!!」」」
史実でも駆逐艦《雷》の艦長、工藤俊作は漂流中の英国海軍兵士を救助した。
安藤はこれを知っており、彼らも数多くの功績を残している。
だからこそ日本は、安保を守り戦い抜いたのだ。
そして未来ある若人である秀真・古鷹たちを裏切ることは、自分を裏切ったも同然なのである。
「ではお決まりになりましたところで、これらを検討してそのようにします。
古鷹さんたちの各艤装は早急に送りますが、空母戦闘群や特殊原潜は搬送のタイミングを追って知らせます」
向こうの日本からの搬送については新富嶽や空母《飛鳥》に、土佐姉妹や富士姉妹たち、そして古鷹たちの未来艤装のような前例があるので、もはや慣れている。
つまりいつも通り、場所と時間さえ決めておけばいいのである。
「では、またお会いしましょう」
そう言うと灰田は、すうっと消えた。
「ところでワシントンは宣戦布告をしてきませんが、本当にやるつもりでしょうか?」
大洲がなおも不安気に訊く。
「ワシントンはそんなことはせんつもりだろう。彼らはすでにタンカー3隻に、病院船2隻を沈めた。それが宣戦布告の代わりだ」
安藤が吐き捨てるように言った。
「ともかく、ことは決したとわたしは考える。好むものと好まざることに関わらず……我々はアメリカと連邦残党軍と戦火を交えなければならない。秋葉法務大臣の言葉を借りれば、これは売られた喧嘩なのだ。
我々は誇りある独立国家としてこれを受け入れて立つ。
矢島防衛省長官の言う通り、短期決戦で終結してくれれば良いが、それはアメリカと連邦残党軍の出方次第だ。
ともかく諸君、肚を括って責務を全うしてもらいたい。もしできぬ者がいるならば、ここで辞表を出してもらいたい。国民には私と安藤首相から話をする」
安藤と元帥は全員の顔を見回したが、誰ひとりも辞意表明する者たちはいなかった。
サムライはここに揃ったと、二人は感じたのだった。
ついに第三章『第二次太平洋戦争勃発!』に突入します。
果たしてどんな激戦を繰り広げるかは、しばしお待ちを。
灰田「なお戦艦水鬼さんたちの登場はしばらくまだ先ですので、少々お待ちください」
その際はオリジナル展開でもありますから、時間が掛かりますのでご了承を。
秀真「俺たちもアメリカと連邦残党軍の奴らと戦う準備は出来ている」
郡司「僕も同志たちと同じく覚悟はできているさ」
この戦いは次回のお楽しみでもありますし、これ以上はネタバレになりかねませんから、そろそろ次回予告に移りますね。
灰田「承りました。では次回はアメリカ視点になります。そしてついに対日計画《チェリー・プラン》が発動します。果たしてどういう展開になるかは次回のお楽しみに」
今回も前回同様に短かったですが、次回はいつも通り長めに戻りますのでお楽しみに。
灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで、第七十四話までダスビダーニャ(さよならだ)」
秀真「ダスビダーニャ!」
郡司「ダスビダーニャ!」
ダスビダーニャ!次回もお楽しみに