超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
本来ならば先週に投稿する予定でしたが、PC復旧に遅れて申し訳ありません。
では改めて予告通り、グアム基地を爆撃したZ機部隊、待機していたZ機部隊とともに大東亜戦争の開戦日に行われた”真珠湾攻撃”を、第二次真珠湾攻撃を開始します。

灰田「少しですが、米軍ご自慢の空母戦闘群が登場しますが、果たしてどういう運命を迎えるのかは本編のお楽しみに」

ではこの言葉に伴い、改めて……

作者・灰田「「本編であります。どうぞ」」


第七十九話:第二次真珠湾攻撃、発令!

十勝のZ基地では、ハワイ・真珠湾空襲に備えて準備を整えていた。

なにしろ、グアムから100機が戻って来たばかりであり、今度は全機出撃だから準備万端でなければならなかった。

 

出撃日は、6月1日に予定された。

司令官としてはもっと早く出して欲しかったのだが……先制攻撃は早ければ早いほど良い。

200機全機の時間が掛かる。

 

この出撃判断が遅れたことが、今度は米軍に味方した。

このときすでにパールハーバー(真珠湾)には、第三艦隊、新・第七艦隊が揃っていた。

これはそれぞれ空母《ジョン・C・ステニス》《エイブラハム・リンカーン》を旗艦とする。

これらをエスコートするのは、ミサイル巡洋艦を筆頭に、ミサイル駆逐艦、駆逐艦およそ10隻からなる護衛艦隊群。さらに水中では2隻の原潜がエスコートし、前路掃討することになっている。

これらの護衛艦は全てが、イージス艦であることは言うまでもない。

 

空母自体も防空戦闘機としてF-35C《ライトニングⅡ》14機を持つことから、防空態勢は完璧とも言える。

攻撃力としてはF/A-18E《スーパーホーネット》を36機搭載している。

またナイトアタック……つまり夜間攻撃が可能な機体も18機は持っている。

地上攻撃機としても、対艦攻撃にも運用可能な世界最強の戦闘攻撃機でもある。

今回は日本空母戦闘群ないし艦娘たちとの戦闘が予測されるため、AAM(対空ミサイル)を多く搭載、また一部は対艦ミサイルも搭載している。

 

ディエゴ司令官は、最初は大西洋艦隊を待つつもりだったが、すでにグアムとサイパンで戦闘が始まったことを考えてみて、2グループだけ先に出すことにしたのである。

空母《エイブラハム・リンカーン》に乗艦するのは、先代艦長・デュバル大佐である。

同じく空母《ジョン・C・ステニス》の艦長は、シューメイカー大佐。

このグループは第13任務群と名付けられ、司令官・ノース中将が《エイブラハム・リンカーン》に乗り込んだ。

中将に与えられた命令は、まず硫黄島の日本軍基地を潰し、そののち北上して東京を窺う素振りを見せろと言うものである。

そうすれば、日本空母戦闘群は必ず迎撃してくる。そこを潰せと命じられた。

 

連邦残党海軍も同じく少数だが、米海軍が制式採用している《アーレイ・バーク》級駆逐艦を貸与された。

また連邦派の深海棲艦たちもおり、少数の人造棲艦《ギガントス》もおり、これらも空母戦闘群と同じくまず硫黄島の日本軍基地を潰し、そののち北上して東京を窺う素振りを見せろと命令された。

そうすれば艦娘たちも必ず迎撃して来るということであり、両者ともそこを潰せということである。

 

至極簡単明瞭な命令だが、命令と言うものは単純なものが良い。

迷わなくて済むからである。

 

このとき偵察衛星がないため、すでに日本空母戦闘群が東経160度ラインに向かい、南端は北回帰線、北端は北緯40度ラインの間で散開待機していることを知らなかった。

 

 

 

早朝。パールハーバーを出港した第13任務群、西北西に針路を取り、速力28ノットで小笠原諸島に向かった。

このため、第13任務群は1日の差でZ機の猛爆を免れた。

しかし不運だった連邦残党海軍はかつての真珠湾攻撃で悲惨な目に遭った米海軍のように、知能の劣る日本人がここまで来て爆撃に来るわけないだろうと慢心していた。

その行為でZ機による猛爆により、連邦艦隊は壊滅となった。

 

この間に、Z機の大軍がオアフ上空に現われ、例によってレーダーでは探知できなかったが、パールハーバーに到着すると同時に、爆弾の雨を降らせた。

 

爆撃に先立って、Z機に偵察用カメラを搭載した偵察機が先行したが、パールハーバー湾内には空母戦闘群の姿は見えない。

少数の小型艦船ないし連邦残党海軍、そして深海棲艦たちがいるだけである。

最重要目標である空母が、見当たらない。

 

このあたりは、かつての太平洋戦争の始まりとも言える史実の真珠湾攻撃と同じである。

あのとき戦艦《アリゾナ》をはじめとする戦艦群は全て停泊していたが、空母はいなかった。

その空母は、当時太平洋艦隊にいた2隻の空母……空母《エンタープライズ》《ホーネット》である。

しかも外洋中で、2隻ともミッドウェイとウェーク島に航空機を届けに行ったため留守だったことが、日本軍にとって不運だった。

もっともハルゼー中将が乗艦する《エンタープライズ》は任務を終え、帰投途中だった。

日本機動部隊の作戦行動範囲内にいたのだが、史実が示すように南雲司令官はパールハーバーを二度叩いただけで、満足しただけで引き上げてしまう。

 

このとき、源田航空参謀は捜し求めるよう進言したが、無視されたと言われる。

南雲忠一はよく言えば慎重派、悪く言えば小心者である。

彼にとって虎の子の空母6隻を無事日本に持って帰ることが最優先事項で、敵地で粘ることなどと言う事は思いも及ばなかっただろう。

もし山口多門少将か小沢治三郎中将ならば、敵空母を撃沈するまで留まるだろう。

 

ともかく、高高度からパールハーバーを偵察したZ偵察機は暗号通信を本隊に送った。

 

“湾内に連邦主力艦隊は見当たるも、敵空母戦闘群は見当たらず……”

 

爆撃隊司令官・木村一佐だったが、一瞬躊躇った。

敵空母戦闘群は確かにいたはずだが、すでに出撃したのかもしれない。

ここで引き返す選択もあったのだが、連邦残党軍をここで一気に壊滅できるチャンスのため、進撃命令を下した。

パールハーバーの港湾施設、陸海空三軍の飛行場を叩くことに攻撃目標を変更したのである。

そうしておけば、遅れてやって来る大西洋艦隊の補給整備が困難となる。

このときオアフ島上空は晴れていたので、レーダーは例の通り効かなかったが、おびただしい飛行機雲が向かってくるのを見て防空司令官は、ミラクル・ジョージの来襲を探知した。

空軍基地からはF-15、海軍飛行場から連邦残党軍から貸与された《クラーケン》と《ヘルキャット》が飛び立った。

各機50機ずつ、合計150機が迎撃に舞い上がった。迎撃機として十分な数である。

しかも後者は以前よりも性能がアップしているのでこれで撃ち落せると誰もが思った。

またF-15は《ストライク・イーグル》も30機含まれており、これはウェポンシステムを更新したタイプである。12基の搭載兵器ポッドを持ち、最大速力マッハ2.5である。

しかし、この《ストライク・イーグル》など率いる迎撃機がマッハ2.5で駆け上がっていった先には、Z掃射機改20機が散開し、強力な防空スクリーンを張り巡らせて待ち構えていたのである。

 

飛んで火にいる夏の虫の如く、掃射機改のまえに突っ込んだのだから堪らない。

各機に搭載していた空対空ミサイルを発射する前に、猛烈な20mmバルカン砲の弾幕に包まれた。

 

この強烈な火力は、Z掃射機改・指揮官機のコンピューターによって制御され、攻撃目標が振り分けられる。

ただやたらに撃っているわけではなく、1機ずつレーダー照準されている。

 

米軍司令官と連邦残党義勇空軍は自信を持って送り出した《ストライク・イーグル》《ヘルキャット》は、この弾幕に包まれて全機撃墜された。

ベイルアウトしたパイロットたちもいたがごく少数であり、ほとんどが愛機と運命をともにした。

続いてやや性能の劣るF-15《イーグル》と《クラーケン》が突撃を敢行した。

しかし、同様にバルカン砲の20mm機関砲弾の弾幕の餌食となり、次々に落ちていった。

地上の防空指揮所から見上げていた各軍の司令官たちは茫然とした。

次々と炎に包まれて落ちてゆく機体は小柄で、味方の戦闘機なのである。

ものの10分も経たないうちに、合同迎撃戦闘機部隊は殲滅されてしまった。

太平洋司令官では、日本の切り札《ミラクル・ジョージ》が掃射機を持ち、その火力は極めて強力であることをグアム空襲での戦訓からしっていたが、これほど強力なものとは思わなかった。

 

ここに米軍の過信がある。

全てにおいて、世界最強と言うタイトルないしプライドを長く持ち過ぎために起きた慢心が生じたのは言うまでもない。

慢心……つまり自己過信が高ずると真実をまともに見極められない。

グアム基地が、あれだけ悲惨な目に遭ったのにも関わらず、ミラクル・ジョージの脅威は太平洋軍司令部には正確に伝わっていなかったと言える。

 

そのツケが回ってきたのである。

パールハーバー上空は無防備、つまり敵が制空権を握ってしまったと言える。

ここに迎撃用ミサイルPAC-3《パトリオット・ミサイル》の備えもあったが、味方戦闘機との友軍誤射を防ぐために、あえて飛ばさなかったのである。

そこを機銃掃射で叩かれ、防空ミサイル基地も全滅してしまうことになる。

そこに《ミラクル・ジョージ》本隊180機が悠々と侵攻してくると、1トン爆弾の豪雨を降り始めた。

これは赤外線カメラによるレーザー照準、しかもこの爆弾には最終段階で弾着修正する小型ロケットが付いているレーザー誘導爆弾である。

 

当然、狙いは正確無比だ。

パールハーバーの重要施設……ドッグ、燃料タンク、フォード島の海軍滑走路、バース、そして各司令部も航空爆弾の洗礼を浴びたが、ディエゴ大将はじめ司令部職員たちは防空隊が全滅した時点で、地下シェルターに避難していたので人的損害はなかった。

ミラクル・ジョージの一部は、カネオヘにあった空軍基地を爆撃した。

湾内に停泊していた各艦艇……連邦主力艦隊や深海棲艦たち、そして米駆逐艦やフリゲートもことごとく撃沈された。

ミラクル・ジョージはたっぷり20分、悠々と空爆を行なったあとは、搭載していた爆弾を使い果たして全機反転、遥か上空に姿を消した。

 

このことを知らされて、シェルターから出てきたディエゴ大将はじめ幕僚たちは、あまりの惨状に茫然とした。

各施設はことごとく破壊され、重油タンクは未だに燃え盛っていた。

湾内のバースは、全ての艦艇や深海棲艦たちも姿を消した。

前者に関しては横転か、大破着底状態が多く、後者に関しては火だるまになりながら死んでいる者たちが多かった。

ディエゴ大将は、空母戦闘群をひと足先に出撃させたことを神に感謝した。

今日彼女たちがここにいたら、2個空母戦闘群が全滅していただろう。

まだ我が軍にはツキがあると考え、このツキを生かさなければならないと……

 

 

 

この悲報はすぐにペンタゴンに知らされ、ケリー国防長官は激怒した。

グアムに続き、オアフ島への空爆も許したのである。

我が空軍ないし連邦残党軍は何をやっとるのかと、デスクを叩いて怒鳴った。

もっと酷かったのは言うまでもなく、連邦残党軍は火病を起こす者たちが続出した。

 

しかし幕僚のひとりは、冷静に《ミラクル・ジョージ》のグアム空襲の際の防空戦闘の様子をケリーに思い起こさせた。

グアムでもF-15や連邦戦闘機は飛び立ったが、全く役に立たなかったではないか。

空対空ミサイルも発射したが、ことごとく撃墜された。

要するに、ミラクル・ジョージ隊の持つ掃射機はいまのところ無敵である。

これを潰すには、迎撃機による体当たり攻撃を仕掛けるほかはない。

ケリーは、こんなはずではなかったと何度でも思った。

……我が軍は無敵じゃなかったのか。

第二次世界大戦以降、世界最強のスタイルを把持してきたはずだ。

深海棲艦らが現われようとそれは揺るぐことはなかった。

 

また兵器開発も、全て世界最先端をリードしてきた。

輸出用に一段劣る各種兵器やモンキーモデルの自国兵器ですらも製造する余裕もあった。

そしてステルス戦略爆撃機も開発し、これは米軍以外の軍は持っていなかった。

少なくとも、今まではそうだった。

しかし、日本は恐らくB-2やF-117よりも優秀なステルス爆撃機を入手したのである。

それが《ミラクル・ジョージ》である。

 

その性能はまさにミラクル、これで日本が圧倒的である。

これはスコアで言うと、4対0という事になる。

 

まずグアム空襲でB-1B《ランサー》がやられ、十勝のミラクル・ジョージ基地攻撃も失敗に終わった。

南シナ海ではロサンゼルス級原潜3隻が行方不明となったが、日本潜水艦に撃沈されたと判断される。

 

そして止めが、ハワイ空襲だ。

ワシントンは必死にこれらのニュースを隠蔽し、ホワイトハウス報道官の定期発表でも、曖昧な表現に終始発表をさせたので、プレス連中には、いまどうなっているのかさっぱり分からず、もっとはっきりさせてくれと迫られる始末だった。

勘の良い記者やキャスターたちの何人かは、何か思いがけないことが起きたのだと気付いた様子である。

 

しかし、パールパーバーが空襲を受けたことは流石に隠せない。

ハワイ住民からインターネットやYouTube、SNSなどで流れてしまう。

鉄壁の電網(インターネット)チェック網を敷いていた連邦国ならばいざ知らず、民主国家のアメリカでは一定以上の規制は出来ない。

 

ケリーは大統領に電話した。

 

「大統領、率直に申し上げますが、またもや悪い知らせです。パールハーバーが二度目の空襲を受けました。……幸いにも、我が空母戦闘群が出撃していて被害は免れましたが、もはや、海軍基地としての機能はしておりません。

しかし今日の夕方の記者会見では、確かに空襲を受けたが、被害はさしたることはなく、基地機能は無事であると発表しています」

 

「うむ、分かったが、それではいよいよ我が軍の敗勢を知ることになるわけだな」

 

ハドソンの声には力が無かった。

 

「私としては金融市場の動きが気になる。幸い、まだドルは投げ売りされてはおらんようだな」

 

「市場はまだ様子見でしょう」

 

ケリーは答えた。

 

「しかしご心配なく。もし投げ売りされそうになったら財務省が買い支えるはずです。

また我が空母戦闘群による第13任務群がいよいよ出撃しましたので、今度こそ勝利を収めるはずです。日本がいかに同様な空母戦闘群をそろえたとはいえ、その運用経験には天地ほどの差があります。必ず我が軍が勝利します」

 

「うむ、そうでなくては困る。しっかりと頼むぞ」

 

ケリーはこのとき、いかなる運用経験よりもスマートな頭脳が日本空母に積まれていることを知らなかった。

 

さらに言えば、実はアメリカ空母戦闘群は、いわゆる海戦、太平洋戦争のときのようなフルスケールの空母同士の海戦をしたことがない。

アメリカ空母戦闘群は、湾岸戦争はじめ各地の紛争地帯に派遣され、その航空団はもっぱら地上攻撃に使用された。

 

したがって本格的な空母戦闘群同士の戦闘は史上初めてであり、いかなる展開を遂げるか、ペンタゴンの誰にも見当がつかないと言うのが本当のところである。

 

しかし、ケリーはそんなことを大統領に言うわけにはいかなった。

 

だいぶ神経が参っているので、辞職すると言いかねない。

そんなことになれば、いよいよアメリカ建国以来の危機である。




フラグを立てたヨーク大将の台詞が見事にブーメランとなって帰ってきました。
これにより第二次真珠湾攻撃は戦略的勝利として、重要拠点でもある海軍基地は機能停止となりましたが……

灰田「惜しいことに空母を逃しましたが、のちにどうなるかはお楽しみに」

彼らにはまだまだ出番がありますからね、ニヤリ。
ゆえにもう一部の艦隊が出ていますが、それは後ほどお楽しみに。

灰田「あまり時間を掛けてはいけませんので、今回もまたわたしが予告編をしますね」

よろしくお願いいたします。

灰田「次回は私が用意したニミッツ型空母4隻の出番となります、果たしてどのような活躍をするのかはお楽しみに」

なお都合上により、前編・後編に分けるかもしれません。
ゆえにまたしても次回も遅くなるかもしれませんので、ご了承ください。

灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで、第八十話までダスビダーニャ(さよならだ)」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに。
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