超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》 作:SEALs
それでは予告通り、チョン上級政治将校が言っていた新たに開発した秘密兵器が登場します。
灰田「ヒントは田中光二先生作品『超戦艦空母出撃』に登場していた米海軍が開発した秘密兵器です、その正体を明らかになりますのでお楽しみください」
それでは、改めて……
作者・灰田「「本編であります。どうぞ!!」」
敵攻撃隊を全て撃墜した水鬼派の艦載機部隊が攻撃態勢を取る。
しかし、この先制攻撃だけならばまだ対処できるが、艦載機攻撃よりもイージス艦による対艦ミサイル《ハープーン》の大群が襲い掛かった。
いくら優秀な駆逐艦《アーレイ・バーク》級駆逐艦を貸与されているからと言っても大量の対艦ミサイル攻撃を受けたらひとたまりもない。
「迎撃せよ、特にギガントス、例の新型兵器を搭載した特殊艦隊は死守せよ!」
チョン上級政治将校は命令を下した。
ギガントスに続き、新型兵器を搭載した高速艦を必ず死守せよと全艦に伝えた。
自身やこれらの切り札が生き残れば良い、ほかは轟沈しても構わない使い捨て艦隊、また建造すれば良いだけの話、ゆえに彼らにとっては痛くもかゆくもない。
新兵器だけの威力はお墨付き、アイオワや水鬼派たちの深海棲艦たちなどを“標的艦”とした際に徹底的に研究した新型兵器を試すときがやって来たのだ。
ほかの艦娘でも先制攻撃で中破ないし大破できることはもちろん、しかも上手くいけば戦艦や正規空母級を一撃で大破できる代物である。
そう考えるだけでチョン上級政治将校は、ニヤニヤが止まらない。
大切な艦娘たちを目の前で失い嘆き悲しむ提督たちの姿を、その絶望に満ちた表情をみるだけでも、彼にとっては最高の快楽でもある。
また自分は選ばれし者、自分自身を、チョンは超能力者だと思っている。
誰もが『何が超能力者だ』と言うように、まったくの無能力者である。
しかし当の本人はそれに対して怒り狂い、子どもがよく遊びで多用する “指ピストル”を真似し、自分が気に入らない者たちに対して自身の部下たちに射殺させた。
なおそれでも気に喰わない場合は、鈍器で撲殺した。
「ミサイル迎撃後はこの“新兵器”の実験体へとなってもらうぞ」
迎撃している様子をCIC画面越しから映像を見るチョンは深海側の被害状況など気にしない。
1隻、また1隻とハープーンと徹甲弾による攻撃で轟沈していく様子を見ても動揺しない。
味方の連邦艦艇が轟沈してもさほど気にすることはない、自分たちと特殊深海棲艦と最高傑作《ギガントス》さえ生き残ればいい。
今回は重巡洋艦タイプを用意した、例によって命令は忠実である。
なお艤装に関してもやはり深海側と同じように強力な8inch三連装砲、22inch魚雷後期型を装備しているが、こちらもまた例の“新型兵器”を搭載している。
なお初期である戦艦型、空母型のように人を捕食する能力があった。
しかしアメリカ政府はこの強力な生物兵器であることに関しては歓喜だったが、自分たちが喰われたら堪らないので、万が一に備えて自爆機能を搭載している。
これならばいかに頑丈である艦娘たちですらも損傷は逃れられないからである。
自殺はキリスト教では禁忌であるが、戦争となればその行為も許されると思い始めた。
もしアメリカがあの戦況で不利になった場合は、日本と同じく神風攻撃をしていた可能性も否定できない。
連邦残党軍は強力なアメリカを失ったら堪らないので、すんなりと許可をした。
また保険としてとある島に“人造棲艦建造ドッグ”を配置しているため安心はしている。
それでも物量を誇るアメリカがいる間は安心であるが、当分封印している。
なおここには大量の陸海空三軍を配置しており、かつて海洋進出を目論んでいた中国などのように人工島も建造しており従来の島と言うよりは、もはや要塞島とも言える。
史実の硫黄島を模倣しており、敵艦の砲撃、敵機による空爆にも充分耐えられるように設計された地下トーチカ、重機関銃座・野砲陣地などに伴い、連邦側に寝返った砲台小鬼に、そして新たなる試作兵器として陸上タイプの人造棲艦《ハンター》を複数配備している。
これらが語られるのは後々になる。
かつての“絶対国防圏”のように、連邦残党軍にとって最後の楽園でもあり、自分たちがこの戦争“聖戦”に勝利するための場所、彼らは“聖なる楽園”だと言い始めていた。
話が逸れたので現状に戻る。
以前の旧式駆逐艦《ルター》《ルーフー》に、最新鋭駆逐艦とも言われた改ソブレメンヌイ級と旅洋Ⅲ型に比べたら、米海軍主力駆逐艦《アーレイ・バーク》級は天と地である。
ある程度被害は抑えられたものの、大量のハープーン、アイオワたちの徹甲弾の嵐を完全に防ぐことはできず、2隻が轟沈した。
連邦深海側に至っては数隻いた戦艦ル級改flagship、タ級flagshipなどは数発のハープーンを受けて悲鳴を上げることなく一瞬にして撃沈された。
また前者と同じく空母ヲ級改flagship、軽空母ヌ級flagshipたちも避ける暇もなく、同じ運命を辿った。
例の“新型兵器”を搭載した重巡型《ギガントス》に、各軽巡、重巡の被害は抑えられたが、それでも3隻中破、1隻が撃沈した。
それでも被害を押さえられたことは不幸中の幸いでもあったに間違いない。
「よし、全艦に告ぐ。裏切り者たちを痛めつけろ!」
チョンは“指ピストル”を作り、画面越しにバンッと呟いた。
全乗組員たちは『インチキが始まった』と内心に呟きながらも、このチョンたちの切り札でもある“新兵器”を搭載した特殊艦隊たちに戦果を期待するのだった。
連邦海軍は亡命してもなお精神論・根性論に縛られていた。
また年功序列と言うものも然り、年上の意見が正しく、年下の意見は全て間違っているという古い体質から抜けることが出来なかった。
しかしある程度は見直されたものの、体質はそう簡単に変わることはあり得ない。
「我々にひれ伏す時がきたのだ!」
むろん、このチョン上級政治将校も当て嵌まるが。
「Shit!これじゃ切りがないわ!」
圧倒的な物量の前に、自慢の大火力を誇るアイオワでも敵艦隊の恐ろしさを感じた。
「弱音ヲハクナ、オマエニモ頼モシイ仲間タチガイルジャナイカ」
戦場でも清々しく冷静に励ます戦艦水鬼を見て、アイオワはニッコリとした。
「Thank you!水鬼、ミーも負けていられないわ!Fire!」
「全艦、アノ無能ドモヲ蹴散ラセ!」
戦艦水鬼の勢いで、水鬼派の深海棲艦たちが砲撃を繰り返す。
戦艦水鬼たち率いる深海棲艦たちは勇敢で忠実、第一慢心しないことを心掛けている。
ゆえに仲間思いが多い。
その一方、連邦派深海棲艦の方が圧倒的に数は多いが、主と同じくあまり練度は高くない。
どちらかと言うと脳筋な者たち、つまり愚行な者たちが多い。
連邦派に残った者たちは未だに脳筋な中岡たちの言う事を、世界の救世主になれると言う絵に描いた餅、夢のまた夢という幻想に取りつかれている。
しかし自滅覚悟を持っており、実際に戦う相手ではとてつもなく厄介である。
これらを足して、さらに“新兵器”を搭載した特殊深海棲艦および人造棲艦《ギガントス》が突撃して来た。
「What!新たな増援だけど奇妙な敵がいるわね」
「マサカ……ギガントスカ?」
「For real!?(本当に)、厄介な相手になるそうね」
「アア…シカシ奇妙ナ兵装ヲ搭載シタ同胞モ気二ナルナ……」
戦艦水鬼は同胞……今は連邦派深海棲艦たちの高速艦だけで水雷戦隊ないし重巡洋艦部隊だけが突っ込むのがおかしいと察知した。
戦艦部隊が突撃すらならまだしも、圧倒的な火力を誇る自分たちの前に突撃して来るのは明らかに可笑しいと奇妙な気分、何か恐ろしい悪寒に襲われたのだ。
しかし怖気づいてしまったら、敵の思うつぼである。
「全艦、敵水雷戦ヲ雷撃セヨ!」
戦艦水鬼は一か八を賭けて、突撃して来る敵水雷戦隊に対して雷撃戦を挑めと下した。
猪突猛進しかしない、元よりただひたすら前進せよ!としか無謀な命令しかできない連邦海軍が何か隠し玉を持っていなければいいのだが、この攻撃で証明するしかない。
そう考えている間にも雷巡チ級率いる水雷戦隊に続き、新たに配属された駆逐古姫率いる精鋭水雷戦隊たちが単縦陣で突入して先制雷撃を喰らわす。
前者は21inch魚雷後期型および22inch魚雷後期型に、駆逐古姫は特殊潜航艇……北上・大井・木曾たち雷巡と、軽巡阿武隈、潜水艦娘や水上艦娘が装備できる特殊兵器《甲標的》と同類である。
史実では真珠湾攻撃で初陣とされた計画では真珠湾奥深くに雷撃するつもりだった。
しかし、哨戒中の駆逐艦にバレてしまい失敗に終わる。
しかも全て失敗に終わり、そして大東亜戦争第1号と言うべく捕虜1人を出すこととなる。
軍部はこれを隠蔽するために『9人の軍神』として祀る。
甲標的は2人乗りの小型特殊潜水艇であり、出撃したのは5隻である。
人数が合わないという真実が語られたのは戦後であり、なお捕虜第1号となった人物は、掌を返した如く周囲の者たちに冷遇された。
現状に戻る。
先制雷撃で撃滅できると期待していた駆逐古姫たちは、次々と雷撃を喰らわす。
放たれた魚雷は数十本……例え上手く避けきれても次の魚雷が襲い掛かる。
獲物を求め、飢えているサメのように捕食しようと、一気に喰らい付こうとしたが……
「That’s Impossible!(あり得ないわ!) 全ての魚雷が命中していない!?」
「ソ、ソンナコトガアリエルノカ……?」
「ソンナアリエナイ!」
『敵艦隊はジャミング装置を持っているかもしれない』
アイオワたちが驚いていることに対して、ホッパー大尉は敵が新たに開発した魚雷回避装置だと見抜いた。
彼の言う通り、連邦残党軍は切り札ともいえるひとつの兵器は “オクトパス”と名付けられた魚雷回避装置である。
強力な磁性を艦の後ろに流し、ダミーとして利用しているため全ての魚雷はあらぬ方向に推進してしまい、全魚雷は外れたのである。
魚雷に使われる鉄は、磁気に引き付けられる性質を持っている。
艦娘たちや深海棲艦の艤装は、自然に磁気に帯びる。
また現代の艦艇は消磁作業を行なうのは、敵の魚雷攻撃を避けるためである。
連邦は稀土類元素《きどるいげんそ》が強い磁性を発見し、これらをアメリカ亡命後に完成することが出来たのが“オクトパス”である。
幾度も秘密裏に試してみた結果、敵魚雷攻撃を完全に無力化することが出来た。
ただしホーミング魚雷は実戦で試さなければ分からないため、今回は使い捨ての水雷戦隊や一部は戦艦や空母クラス率いる特殊艦隊のみに、この魚雷回避装置“オクトパス”を装備している。
アイオワたちが知らないのも無理はない。
だが、もうひとつ彼女たちが知らない秘密兵器が今まさに使われようとしている。
1隻の重巡型《ギガントス》がカタパルトを構えた。
誰もが『着弾観測機を射出するのだろう』と思ったが、しかし観測機とも似つかぬ奇妙な外観をした飛行物体を射出した。
ジョン・ポール・ジョーンズの艦橋では、アイオワから報告がきた。
「Admiral、高速推進音多数接近、速力50ノット」
「敵の魚雷か?」
ホッパーが問い合わせる。
「I don’t know(分からない)……だけど魚雷独特の水しぶき音が聞こえなかったわ、それに……」
「それにどうしたんだ?」
「ピッチが速すぎる、全艦に回避運動を!」
「分かった、取り舵いっぱい!」
全員が了解と言い、回避行動に努める。
だが、それに合わせたかのように“新兵器”がアイオワたちを追尾する。
しかしあとから考えると、アイオワのいち早い報告のおかげで、多くの者たちを救ったと言える。
数本の“新兵器”が3本ずつアイオワ、戦艦水鬼たちに殺到した。
そして高速物体は彼女たちの艤装ないしバルジに喰いこみ、双方を貫通するとともに炸裂した。通常の魚雷よりも強力な兵器が爆発したのである。
「Ouch!やってくれたわね!」
「ナンダ、コノ威力ハ通常ノ魚雷ヤ爆弾トハ桁違イダ」
「一体なんだったんだ、あの兵器は?」
ホッパーたちが呟いている間にも、被害状況は凄まじいものだった。
戦艦水鬼たちも周囲を見ると、駆逐古姫は大破した。
ほかの水雷戦隊は一瞬にして全滅、装甲が脆弱なために“新兵器”の威力に耐えられずに撃沈した。一部の重巡洋艦も大破ないし撃沈されたのだった。
辛うじて生き残った重巡や戦艦、空母クラスなども中破ないし大破が多かった。
そしてホッパーたちが乗艦する護衛艦部隊はこの高速物体を回避することが出来た。
この高速飛行物体が襲い掛かろうとしても撃破することが可能だったが。
「ほら見ろ、私の超能力に掛かればこれぐらいはお手の物、私は神からのお告げを聞いた。『必ず損害を与えられる』とな!それを実現できるのは連邦で中岡様たちと私だけだ」
連邦兵士たちは拍手大喝采、彼を“超能力者”から“神”へと進化したというチョンの敬いであるものの、実際はそうしなければこの場で彼の手によって粛清しかねないから嫌々仕方なくやっているに過ぎない。
「しかしこの“新兵器”……特殊魚雷“トマホーク”は中々の代物だ」
チョンが言う“新兵器”こと特殊魚雷《トマホーク》とは、いままでの深海魚雷とはひと味違い、連邦が秘かに開発した大型魚雷である。
大型なゆえにモーターとガソリン・エンジンを両方積む余裕がある。
これは現代のハイブリット・エンジンを搭載している。
それが水の抵抗を掻き分けて、高速を生み出す秘密でもあった。
しかもソナーと磁気感知との連携運動だから、いったん目標を捕捉すると外しようがない。
この魚雷は、現在多くの海軍が使用する磁気魚雷を模倣したものである。
魚雷を発射すれば当然水しぶきが上がる。しかし《トマホーク》の場合は、あまりにも長かったので水しぶきをほとんど上げず、水中に滑りこんでしまったのである。
現代のハープーン・ミサイルですら、搭載弾頭の重量は220キロだから、炸薬量はもっと小さい。
しかしトマホークの場合は、搭載弾頭の重量が800キロとハープーン・ミサイルの3.6倍である。
これならばフリゲート・クラスならば一撃で葬る威力がある。
アイオワたちもそれを3本ずつ喰らい、これが炸裂したのだから堪らない。
たちまち彼女たちの艤装ないし装備が破壊されてしまった。
砲塔も辛うじて無事なところがあったものの、一部は破壊されて使い物にならなかった。
特殊艦隊によるトマホーク攻撃によって、攻撃力を奪われてしまったのである。
「よし、じわじわと嬲り殺しにしてくれる。私は優しいからな」
チョンは傷ついている彼女たちや裏切り者の異端者どもの泡を食っている表情とともに、自分の前に命乞いをする裏切り者たちの姿を妄想しながら、ニヤニヤした。
そしてひと足早くその姿を見るべく、最大速度を出して近づいて行った。
連邦艦隊が開発したこの二つの兵器は、本来は米海軍が開発した現代兵器の走りです。
しかも威力は高く、さらにオクトパスも日本海軍の必殺兵器《酸素魚雷》を悉く無効にしています。
因みに灰田さんは最終巻に登場して日本を助けています、トラック空襲を阻止したり、さらに原爆を搭載した潜水艦をハワイまで送り返しています。
そして満州では300機ぐらいの無人攻撃ヘリAH-64《アパッチ》を送り、ソ連軍を壊滅状態にしています。
灰田「まあ、あれは不可抗力でもありますからね」
まあ、そうなるな(日向ふうに)
なおチョン上級政治将校は某FPS『HOMEFRONT the Revolution』に登場していた小物な尋問官をモデルにしています。
調べても名前が出ていなかったので、オリジナルであります。
灰田「超能力ならば私を超えられる能力がないと無理ですがね」
あなたの超能力はチート過ぎます、時間を戻したり、搭乗員をコントロールしたりしていますから。
灰田「本来ならば禁忌ですが、致し方ないことですがね」
もう突っ込んだら負けてしまいそうです。
因みに覚えている限りでは『超空母出撃』『超戦闘機出撃』『天空の富嶽』ですね。
他にあったかな?長くなりかねないので予告編に行きましょうか。
灰田「はい、承けたりました。次回はこの海域で戦っているアイオワ・戦艦水鬼率いる日本亡命艦隊とは別視点に移ります。なおとある艦娘のカッコいい姿も見せますのでお楽しみください」
いつも通りですが、またしてもオリジナル展開なので時間が掛かりますので、何時もながらですがご了承ください。
灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで第八十四話までダスビダーニャ(さよならだ)」
ダスビダーニャ!次回もお楽しみに。