超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
それでは予告通り、古鷹さんたちの未来艤装の正体とともにコラボ作品『艦娘、PMCと共に水平線にて戦えり』のTJS艦隊が少しですが登場しますのでお楽しみを。

灰田「また土佐姉妹たちの艦載機も更新しています。お楽しみください。とある同志が提供してくれました。本当にご協力と共にお心遣いありがとうございます」

それでは、改めて……

作者・灰田「「本編であります。どうぞ!!」」


第八十六話:超連合艦隊VS連邦特殊艦隊 前編

「……ごめんなさい、木村中将。ごめんね、由良お姉ちゃん」

 

阿武隈が自分はそっと瞼を閉じたときだった。

 

「えっ!?」

 

阿武隈たちに殺到していたミサイルが突然と全て空中爆発した。

 

「どういうこと……?」

 

「いったい……」

 

「誰が撃ち落したの?」

 

阿武隈たちはもちろん、初霜・海風たちは理解できなかった。

後者には短SAMやCIWSなどといった未来艤装は装備していない。

 

「ホッパー、お前が全部撃ち落したのか?」

 

「いや、兄貴。俺は撃ち落していない」

 

ストーンも、ホッパーも理解できなかった。

誰よりも理解できずブチ切れていたのはチョン上級政治将校だった。

ヒステリックと化したヒトラーの如く、感情に耐えきることなく怒りを露わにした。

 

「くそっ、私の楽しみを台無しにしたのはどこのどいつだ!」

 

しかしチョンの怒りなど知らずに、またしても予想もできぬ出来事が起こった。

チョンの隣にいた護衛艦が突然と爆発した。

しかも目にも止まらない物体が直撃して、反撃する暇もなく、呆気なく爆沈した。

正体を知ろうと生き残ったヲ級に命じて、艦載機を発艦しようとした時だ。

またしても艦載機を発進することなく、ヲ級たちに猛烈な絨毯爆撃が襲い掛かる。

高速機が上空を通過した時に、チョンは歯噛みした。

 

「クソッ、奴らには空母がいないはずなのにどうしてここに!?」

 

もはや状況が分からぬまま、チョンの思考は乱れていくもまたしても爆発音が鳴り響く。

隣にいた護衛艦が何者かの攻撃を受けて爆沈した。

しかも攻撃したら捕捉できるが捕捉できないという理解不能な出来事だった。

 

「主砲、よく狙って…そう、撃てぇー!」

 

とある人物の掛け声に伴い、またしても標的にされた哀れな深海棲艦が轟沈した。

 

「十勝、もしかして……」

 

「ああ、分かっている」

 

白山・十勝は誰よりも早く理解できた、その者たちの正体が……

 

「大丈夫ですか、白山さん、十勝さん」

 

「ありがとう、助かった」

 

「ありがとう、古鷹……しかし、どうやって来た?」

 

「灰田さんが用意してくれたワープ・ゲートで来ました!灰田さんが『阿武隈さんたちがピンチだ』と教えてくれたんです」

 

「なるほど……もうひとりは誰なのですか?」

 

「見かけない顔だな、誰なんだ?」

 

白山・十勝の問いに、古鷹は答えた。

 

「彼女は長良型4番艦の由良です、元帥の知り合いのPMC『TJS』に所属しています。

提督が乗艦するズムウォルト級以外にも、TJS艦隊もいます!」

 

「そうか、元帥からの増援とはありがたい」

 

安堵の笑みをしたとき、聞き覚えのある声が古鷹の所持している無線機から聞こえた。

 

『古鷹、彼女たちや日本亡命艦隊の様子は?』

 

「はい、白山さんたちと米海軍率いる日本亡命艦隊は無事です。後者は由良さんたちが救助に向かっています」

 

無線機越しからは秀真の声が聞こえた古鷹は返答した。

 

『よし、土佐たちが攻撃隊を発艦させているが油断するな、俺たちも急いで援護に向かう』

 

「了解しました、提督」

 

秀真の言う通り、上空には土佐たちが発艦させた攻撃隊が通過していた。

上空には耳を切り裂くような音速……例のジェット戦闘機《天雷改》と《轟天改》だ。

また和製P-47戦闘攻撃機《サンダーボルト》と言われた《天弓改》がともに飛行していた。

制空権は先ほどの戦闘の影響もあり、何よりも連邦派のヲ級たちは瞬く間に殲滅された。

 

「白山さん、十勝さん、戦えますか?」

 

古鷹の問いに、ふたりは頷いた。

 

「飛行甲板がやられて小破しただけだ、こちらも砲撃戦ぐらいはできます」

 

「奴らにはお返しをしないといけないからな」

 

「それでは援護をお願いします、私は由良さんたちと突撃して連邦艦隊を倒します」

 

「分かった、あいつ等を倒してくれよ」

 

「分かりました、古鷹さん武運を!」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

白山・十勝に敬礼をした古鷹は連邦艦隊を葬るために突撃した。

古鷹たちの期待に応えるために、白山・十勝は40cm連装砲の俯角を取り、一斉射した。

 

「何人来ようと同じ事だ、増援を寄こして良かったな」

 

チョンは近くにいた連邦派深海棲艦がいないかと問いかけた。

数は15隻だが、いないよりはマシで撃沈された10隻を埋めるのに丁度良い数でもあった。

大半が重巡洋艦や軽巡洋艦だが、こちらには特殊魚雷こと《トマホーク》を装備した重巡・軽巡を含め、敵魚雷を無効にする《オクトパス》を装備した戦艦部隊もまだ残っている。

しかも相手はレーザー砲を装備していない重巡洋艦部隊と言った快速部隊のみ。

脅威となる戦艦空母と超空母思しき両者はこの重巡部隊を片づけてから、自分たちが乗艦しているイージス艦《アーレイ・バーク》級駆逐艦で片づければまだ勝機はある、そして逃げることもできると確信した。

いざとなれば、人造棲艦《ギガントス》による自爆攻撃で撃沈させれば良いと躊躇う事もないのだから。

しかし連邦は依然として自信過剰に伴い、慢心と言うことを知らない。

普通の軍人ならば『勝って兜の緒を締めろ』という言葉を肝に銘じている。

だが連邦国は至って特殊でもあるが、ある意味『愚鈍』といった方が良いだろう。

古鷹たちは以前のレーザー砲は装備していないが、しかし外観は依然として変わりないがここにもまた灰田が用意した未来艤装だと知らずに、チョンは勝てると慢心していた。

彼ら連邦国は、国家が亡び、残党軍に陥ってしまったのにもかかわらず相変わらず『自分たちはまだ負けていない中岡大統領閣下が“奇跡の力”を起こし、連邦国は再び復活し、世界の覇者になり、アメリカとともに世界の救世主となる』と宣告した。

しかし、連邦の多くの者たちは狂信的宣言を信じているほど救いようがない。

 

「最後に勝つのはこの私だ、貴様ら等に怯える連邦軍ではない!」

 

しかしチョンの期待を裏切る出来事が起こった。

上空から高速音を叩き出しながら急降下して来る機体がちらほら見え始めた。

襲い掛かって来たのは天雷部隊、轟天・天弓改部隊が突入してきた。

しかも全てこの機体は改良されている事も知らずに、輪形陣で対抗しようと連邦深海棲艦たちは対空砲火を開始した。

相変わらず灰田が用意した対VT信管が効いているので撃ち落すことは困難である。

手始めに天雷改が駆逐イ級に向けて攻撃を開始した。

しかし、いつもの機関砲を遥かに上回る威力を持つものが撃ち込まれた。

 

「ア、 アイツガモッテイルノハ機関砲ジャナイ、大砲ダ!」

 

隣にいたリ級は撃沈されたイ級の頭脳にはこれまでにない大穴を見て、驚愕した。

しかも爆弾ではなく、たかが低威力の機銃でもない、これは対戦車砲並みの威力を持つ大砲を搭載した地上攻撃機と同じである。

天雷改の一部には48口径75mm機関砲を1門搭載している。

かつてドイツが生み出した『空飛ぶ缶切り』と呼ばれ、連合軍から恐れられていたヘンシェルHs129地上攻撃機と同じ攻撃力を誇る。

なお通常型は50mm機関砲から30mm機関砲に変更された反面、威力と発射速度は以前の天雷改よりもバランスよく改良されており、相変わらず敵機ないし敵快速艦を倒すのには申し分ない威力と性能を発揮したのである。

たちまち機銃掃射により、連邦艦隊の持つ対空兵器は悉く潰された。

しかも運が悪いことに轟天改・天弓改部隊による第二次攻撃が開始された。

しかし両機とも翼下に奇妙な形をした兵装を装備していたものに連邦深海棲艦たちは気がついた。

最初はいつもの戦闘前に投下する航空機用の落下式増漕タンクかと思ったが、しかしよく目を凝らしてみると航空機用増漕タンクにはない銃身がキラッと不気味に光っていた。

 

「シ、シマッタ、ニゲロ!」

 

次の瞬間、両翼下に搭載されていたそれが一斉に火を噴いた。

回避しようとしたリ級の頭部は数発の大口径弾を喰らい、脳漿が飛び散り沈黙した。

スイカが砕け散るように頭部は破壊され、前倒れでゆっくりと倒れた。

他にもこれを喰らった彼女たちの各艤装をえぐり取るかのように破壊された。

轟天改・天弓改部隊が装備していたのは、ガンポッド……つまり30mm機関砲である。

史実では地上攻撃機は上空から30mm機関砲クラスを搭載して、敵戦車ないし装甲車など数多くの戦闘車輌に、上陸用小型艦艇などを破壊したドイツのJu-87G急降下爆撃機や米軍のP-39《エアラコブラ》に、そして『黒死病』としてドイツ軍に恐れられたソ連傑作機イリューシンIL-2《シュトルモビク》などが活躍した。

これだけに終わらず天雷改が装備していたものと同じ、75mm機関砲を胴体下に取り付けた機体が攻撃を開始した。

 

「すごい…さすが灰田さんが用意した新艦載機部隊……」と古鷹。

 

「青葉たちの常識を超えていますけどね……」と青葉。

 

「あたしらの兵装も強力なのも頷けるな」と加古。

 

「本当に味方で良かった、敵ならば嫌ね」と衣笠。

 

『確かにな、ありがたい味方だ』と秀真。

 

古鷹たちはもちろん、秀真も土佐たちの新艦載機に驚愕していたが、こちらも負けていられないという闘志を燃やした。

 

『俺たちも突撃するぞ、古鷹』

 

「はい、了解しました!重巡古鷹、突撃します!」

 

秀真・古鷹たちが突撃すると一通の交信が入った。

 

『こちらTJS艦隊旗艦由良、こちらも突撃します、古鷹さん武運を!』

 

「由良さんたちも気を付けてね!」

 

古鷹の命令で加古・青葉・衣笠は突撃した。

由良たちは阿武隈たちを襲うとする連邦艦隊の撃破に向かった。

 

 

 

「砲戦、開始します! てぇー!」

 

古鷹たちは20.3cm連装砲を構えると、一斉射した。

連邦派深海棲艦は『あの超兵器ではないな』と連邦艦隊と同じく慢心していた。

外観は古鷹たちが以前から装備している20.3cm連装砲として見ていなかったが……

しかし砲弾ではなく、あの紅きレーザー砲が発射されたのだった。

これを目にした連邦深海棲艦は目を丸くして思考停止に陥る前に、これを喰らい雲散霧消……正確には跡形も残らなかったといった方が良いだろう。

 

「な、奴らはいつの間に光学兵器を装備したのか!?」

 

チョンは驚愕するのも無理はなかった。

これらの兵器は灰田が用意した光学兵器であるとある艦隊の兵器を模倣したのだ。

もはや自分たちの持つ兵器よりも、いや、人類の科学力を軽く凌駕した超兵器だと思考停止した。

しかも深海棲艦は次々とレーザー砲ないし砲撃で轟沈していく。

灰田は古鷹たちの装備する連装砲をレーザー砲ないし砲弾を両方攻撃可能なように自動切り替えシステムを装備している。

 

「えい、こちらにもトマホーク部隊がいる突入させろ!」

 

特殊魚雷ことトマホークならば中破ないし大破させることが出来る。

誘導装置を仕組まれたこの魚雷ならば艦娘たちを上手くいけば轟沈させることが出来るとチョンは自信を持っていた。

万が一に備えて、ギガントスを忍ばせて自爆させる覚悟もあった。

艦娘を一撃で轟沈させるほどの高性能爆薬を仕込ませているからこれに賭けるしかないとチョンは考えた。

また例え相手が必殺技の酸素魚雷を撃とうとも魚雷回避装置《オクトパス》がある。

上手くいけば敵が持つ酸素魚雷はもちろん、音響ホーミング魚雷ですらも無効にすることが出来ると自信を持っていた。

生きて帰ってこれらをまた改良してすれば、我々にはまだ勝機があると信じてもいた。

日本にもかつては神風が吹いたならば、我々も今の劣勢を跳ね返すこともできると……

連邦国が負けるはずがない、強大国家アメリカがいる限り負けることはない。

しかしチョンは日米空母同士の戦いでも日本が奇跡の完勝をしたことを否定しており、米軍に慢心があっただけと論破した。

事実は日本の完勝であり、米空母戦闘群は敗れたことを知らない。

 

「あの兵器どもにトマホークを使え!」

 

チョンの命令で全特殊深海棲艦たちは古鷹たちを標的に、トマホークを発射しようとしたときだ。

 

「私たち戦艦空母を忘れたの?」

 

「我々が単なる戦艦空母だと思うな!」

 

白山・十勝は搭載している40cm連装砲の仰角は敵艦に向けると、凄まじい砲撃音を鳴り響かせた。

まるで獲物を求める飢えた肉食恐竜の唸り声の如く、鳴り響く砲撃音でもあった。

特殊深海棲艦たちが気付いたときには、徹甲弾の豪雨が降り注いだ。

もはや古鷹たちを狙うどころか、逆に自分たちが狙われている状況になった。

 

「第二次攻撃隊、敵艦を殲滅せよ!」

 

「敵艦を葬ります!」

 

土佐・紀伊の第二次攻撃隊が襲い掛かる。

先ほどの天雷改・轟天改・天弓改中心の戦爆雷連合部隊が襲い掛かる。

もはや地べたを這い回る蛇と思わせる特殊深海棲艦たちは回避するものの……ひとり、またひとりと撃沈されていく。

悪運強く、最後のひとりである重巡ネ級が構えようとしたら……

 

『古鷹たちには指一本触れさせない!』

 

ズムウォルト101から発射された対艦ミサイル……ハープーンが殺到した。

発射する前に逃げようとしたが、これらから逃れることができずに撃沈した。

こうして連邦艦隊が誇るトマホーク艦隊は殲滅されてしまったのだ。

 

「ええい、異端者相手に全滅とは!」

 

チョンは頭に血が昇り、顔を真っ赤にして激怒した。

指揮官たる者どんな状況でも冷静に判断しければならないにも関わらず、連邦軍は冷静に指揮する者たちはごく少数……しかも一部は日本に亡命した。

ほとんどが烏合の衆であり、まともに現場指揮をする者たちは感情任せに命令することは禁句である。

 

「もう良い、もうたくさんだ、ギガントスを敵艦に体当たりさせろ!」

 

チョンはとんでもない命令を下したが、参謀長が反対した。

 

「チョン上級将校、それでは我が艦隊の攻撃力が失いかねません!」

 

この反論に対して、チョンは指ピストルを向けて恫喝した。

 

「私の命令は絶対だ、貴様は私の超能力でいつでも殺せるんだ、覚えておけ!」

 

言われるがままに、ギガントスを最大速度で突撃した。

 

『ギガントスだ、気を付けろ!』

 

秀真が乗艦しているズムウォルト級ミサイル巡洋艦から報告がきた。

前にも記したとおり、搭載している新型レーダーは対艦巡航ミサイルに対する索敵範囲を3倍に拡大されている。

なおかつこのレーダーは高性能であり、イージス艦の持つ艦隊全体の防空能力を10倍ほど上回っているのだ。

 

「提督、例の兵器使用許可をお願いします!」

 

古鷹の問いに……

 

『ああ、遠慮はいらん。奴らにひと泡吹かせてやれ!』

 

秀真は命令を下した。

 

「了解しました、加古、青葉、衣笠……用意して!」

 

古鷹の命令に、加古たちは『了解』と頷いた。

そして猪突猛進に突撃して来るギガントスに標的を合わせた。

 

「 古鷹、突撃します! 撃てぇー!」

 

「ブッ飛ばすッ!」

 

「青葉にお任せ!」

 

「逃げても無駄よ!」

 

魚雷発射管から発射された奇妙な魚雷がギガントスに向かった。

ギガントス自体は避ける気配はない、もはや突撃あるのみで突入してきた相手を狙うことは容易い。

その一方、自滅覚悟する相手ならばこのうえ厄介な敵はいない。

ギガントスの場合はどちらかと言うとただ目の前にいる敵を殲滅したいだけである。

この突撃が往生際の悪さを物語っているが……これが命取りとなったのだった。

この奇妙な魚雷は全てオクトパスに吸い寄せられることなく、全弾が命中した。

命中した途端……目標に貼り付くと、ギガントスは全身を黒く染めていく。

幽霊船のようにボロボロ状態になったギガントスは、古鷹たちを目の前にして崩れ去ったのだった。

 

「す、すごい…灰田さんの用意した“振動弾頭”の威力……」

 

「ギガントスを一瞬にして撃沈した」

 

「だけど、これはあくまでも抑止力のためです」

 

「連邦艦隊の戦意を削げば良いけどね、これで……」

 

この振動弾頭はとある世界の敵艦隊を倒す魚雷として開発された。

これを使えば連邦派深海棲艦はもちろん、人造棲艦《ギガントス》ですらも倒すことが出来る超兵器である。

灰田から言わしてみれば試作品よりも完璧なものであるが、秀真はあくまでも抑止力として少数ながらも生産した。

灰田もそれを了承して、今回は特別に開発した。

終戦後にはこれを回収すると約束もしているため、少数に留めたのだ。

 

『これでギガントスは死亡か。もう一匹いなければ良いが……』

 

秀真は連邦の事だから隠し持っているかもしれないと不安に駆られた……

その時だった。

 

古鷹たちの後ろから大きな水柱が立ちあがるとともに、重巡型のギガントスが姿を現した。

先ほどの奴は致しかない犠牲……つまり古鷹たちを倒すための“使い捨て”である

古鷹たちは砲塔を向けたが、ダメージを受けても躱す気もないギガントスを見た秀真は、もしかしてと気付いた。

 

『古鷹、加古、青葉、衣笠…今からそいつから離れろ、奴は自爆攻撃をする気だ!』

 

警告は遅く、射程距離に入ったギガントスをCIC画面越しからチョンは狂気に満ちた笑みで命令を下した。

 

「よし、ギガントスとともに海のゴミになれ!」

 

チョンは携えていた遠隔操作による自爆スイッチを押した。

すると、ギガントスの体内から数本の閃光が照らし出す。

直後、大爆発とも言える爆発音が鳴り響き、古鷹たちに衝撃波と爆風が襲い掛かる。

古鷹たちは逃れる術もなく巻き込まれた。

 

「嘘だろう……」

 

秀真は目を疑った。

命よりも大切な古鷹たちを轟沈させてしまった。

いくら応急修理女神を装備しても跡形もなく消えてしまえば、復活は出来ないからだ。

 

「う、嘘ですよね」

 

「嘘だろ……」

 

「そんな古鷹さんたちが…」

 

「轟沈したの……」

 

白山・十勝だけでなく、土佐・紀伊たちも含めて全員が驚愕した。

 

「やったやった!ざまあみろ!血も涙もないこと言うから轟沈したんだ。反省しろよ!わはははははは!」

 

チョンが高らかに笑うと、周りの仲間も大笑いした。

これほど愉快な光景を見れたのだ、ようやく艦娘たちにひと泡を吹かせたのだと勝利を確信していた一方……

 

「俺は……なんて事を……慢心してしまった……」

 

古鷹たちを轟沈させてしまった罪を、約束を守ることが出来なかったと悲しみに包まれたときだった。

 

『…く、……とく』

 

無線機から声が聞こえた。

 

「もしかして……」

 

『提督、私たちは無事です!冷静に指揮を取ってください!』

 

「古鷹なのか?みんなは無事なのか!?」

 

奇跡が起こったことに驚いた。

 

『はい、みんな無傷です!』

 

『提督、あたしも無事だから安心しな!』

 

『司令官、青葉も大丈夫です!』

 

『提督、衣笠さんも無事だよ!』

 

古鷹・加古・青葉・衣笠の声を聞いた秀真は嬉しかったが、しかしどうして轟沈を免れたことに疑問を抱いた。

あれほどの彼女たちを轟沈させると思われた高性能爆薬を連邦軍は作動させたのに、この奇跡とも言える瞬間が不思議で堪らなかったときだ。

 

「あれは無人空母《アカギ》などと同じように、古鷹さんたちの未来艤装にも同じように施し、さらには彼女たちを傷つけるエネルギーを探知するとともに、ナノ秒のスピードで例のエネルギー転送システムを働かせ、ミサイルの爆発エネルギーを消滅する力もあります。

いわば鉄壁のバリヤーとも言える存在……とある世界の『クラインフィールド』に近いものと考えて頂ければ幸いですね」

 

「灰田、いつの間に……」

 

秀真の後ろには、灰色服の男こと灰田が立っていた。

さすがに今回ばかりは驚かされてしまう。

 

「寿命が縮んでしまったな、特に今日は……」

 

「すみません。わたしも決して意地悪をしたのではなく、緊張感を保たせたのです。

この機能については伏せていたのは、あまりに強力なディフェンス機能を持っていると事前に知らされると慢心しかねないと思いましてね」

 

「知っていても慢心するどころか、逆に不安になりかねない」

 

秀真はかぶりを振りつつも、内心は感謝の気持ちでいっぱいだった。

灰田の場合は、借りなど求めない主義でもあるが。

 

「それではわたしは一度退散しますので、ご武運を」

 

灰田はそう言い残すと、すぅと消えた。




古鷹たちの超兵器は無人空母《アカギ》率いる日本空母戦闘群も少しはありますが……以前、艦これとコラボした作品として『蒼き鋼のアルペジオ』に登場した兵器……厳選してこの三つにしました。
多すぎますと『蒼き鋼のアルペジオ』になりかねませんので今後は追加はしません。
なお今回の土佐たちの艦載機は、とある同志のおかげで完成しました。
本当にありがとうございます。

灰田「もう一つ未登場でしたがより強化された連山改もあります、当分先ですが次の機会に登場しますのでお楽しみください」

暫くは執筆するとともに、今はまだイベントもありますので遅れますが、自分のペースに合わせて書いていきますので。

灰田「まあ、無理はしないでくださいね」

某提督の憂鬱みたいに、強力な栄養ドリンクがあればね。
26時間だったかな、確かあのドリンクの効果は……たぶん……
考えただけでも……う~ん……次回予告に行きましょう。

灰田「次回はこの続きになりますが、TJS艦隊視点……大天使ユラエルこと由良さん無双が始まります。なお水戦妖精は出ませんのでご理解ください」

由良さん見るたびに艦これIL-2の影響ですにて、由良しゃん∩(・ω・)∩ばんじゃーいと水戦バンザイ!を思い出します。

灰田「まあ、そうなりますね」

由良「さぁ、次回は由良の良いところ見せてあげるね!」

作者・灰田『由良しゃん∩(・ω・)∩ばんじゃーい、水戦バンザイ!』

由良「うふふっ、楽しみにしてくださいね♪」

次回もまた遅くなるかもしれませんので、ご了承ください。

灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで、第八十七話までダスビダーニャ(さよならだ)」

由良「ダスビダーニャ!」ウインク

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに。
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