超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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お待たせしました。
それでは予告通り、大天使ユラエルこと由良さん無双が始まります。

灰田「では今回は特別に例の言葉を言いながらの本編開始です」

では、ご一緒に……

作者・灰田『由良しゃん∩(・ω・)∩ばんじゃーい、水戦バンザイ!』

ともあれ本編です、どうぞ。


第八十七話:超連合艦隊VS特殊深海棲艦 中編

秀真たちが安堵の笑みをしていたさなか……チョン上級政治将校だけは顔を真っ赤にして憤慨していた。

 

「えいっ、神である私の完璧な戦略をまたしても潰しやがって、クソどもがッ!」

 

しかしいくら画面越しに映し出されている古鷹たちに向かって罵声を言おうが、状況は状況であり、現実に起きたことである。

チョンはもはや冷静に指揮をするどころか、単純明白の命令しかできない。

命令と言うものは何度も言う通り、簡単なものほどしやすい。

ただし指揮官たる者、過去の偉大なる提督たちを真似るほど偉大になれる者とは限らない。

大東亜戦争でも自称『作戦の神様』と言われた者は悉く作戦を妨害したり、捨て身の特攻作戦を考案した者たちは『自分たちは後から必ず行く』と言うものの、わが身の可愛さから台湾に逃げたり、終戦まで逃げのびた。

きちんと責任を取ったのは大西大将と宇垣纏中将のみである。

ただし後者の場合は以前も記したように評価が分かれ、さらに江田島に祀られることはなかったと言われる。

 

「えい、もう旧式艦相手は良い、今度は米帝どもを救助している金の亡者たちとゴミどもを殺せ、殺して海のゴミにしろ!」

 

「りょ、了解しました……」

 

憤慨しているチョンをこれ以上刺激しないように参謀長は弱々しく答えた。

二面作戦をしている時点で負けているも同然である、戦力を分散せずに集中していれば活路は生み出せるのに、チョンのせいで勝機は失われた。

しかし命令は命令である、今度はTJS艦隊に襲い掛かるのである。

 

 

 

由良率いるTJS艦隊は、日本亡命艦隊を襲撃しようとする連邦艦隊を追撃していた。

彼らのような卑怯な者たちは必ず殲滅し、戦艦水鬼・アイオワたちを救出して皆で帰ることだけは成し遂げる。

 

「由良お姉ちゃん、本当に由良お姉ちゃんなの?」

 

阿武隈は泣きながら抱きしめ、由良は彼女を落ち着かせるために背中を摩った。

 

「私以外に他に由良は居ないはずよ♪」

 

「由良お姉ちゃんに、本当に会えてよかった」

 

「よく頑張ったね、阿武隈。もう大丈夫よ」

 

「Beautiful…姉妹愛と仲間たちとの友情は美しいわね」

 

「アア…本当ダナ」

 

かくしてアイオワたちが二人の姉妹愛に感心していた時だ。

 

「由良お姉ちゃん…後ろに気を付けて!」

 

水柱とともに姿を現したのは、戦艦ル級2隻、重巡リ級2隻、軽巡ホ級2隻、輸送ワ級elite4隻など合計10隻が由良の背後から襲い掛かった。

ル級たちはこれで終わりだと叫びながら、砲塔を剥き出したが……

 

「ここはお姉ちゃんにまかせて!」

 

ニッコリと笑みを見せると、阿武隈たちを庇うように前に出た。

 

「ヨシ、全員コロセ!」

 

無慈悲なひと言とともに、ル級の合図で全砲門が唸り声を上げて、一斉射した。

これで避ける暇もなく全艦轟沈だと確勝したのか、思わず笑みを浮かべたが……

 

「ソ、ソンナバカナ!? アレダケノ火力ヲウケテ無傷ダト!?」

 

あれだけの攻撃を受けたのに無傷なのが理解できなかった。

いや、理解しようにも素早く脳の整理をするほど冷静な分析力がないと言っても良い。

由良たちが無傷であるおかげは、灰色服の男……灰田の用意したあのシールドである。

これも古鷹たちと同じく秘かに仕込まれた未来艤装のおかげでもあるが。

攻撃が止むと……

 

「……よくも私の大切な妹を傷つけたわね、私が見過ごすほど甘く優しい人格はしてないわよ」

 

ル級たちは背筋が凍った。

自分よりも弱い軽巡洋艦なのに、由良が放った言葉は鋭いナイフが突き刺さったかのような雰囲気を思わせる。

 

「お返しよ!」

 

由良の短い言葉と伴い、砲塔から紅きレーザーが放たれた。

避ける暇もなくル級の頭部を吹き飛ばされてしまい、頭部を失った身体は暫らくはよろめきその場に前のめりした直後、爆沈した。

残りも襲い掛かってきたものの、次に由良がレーザーとともに向けたものは……

 

「これだけじゃ、終わらないわよ!」

 

第二次南シナ海戦で連邦艦隊攻撃時に加古・衣笠が披露したあの超兵器《レールガン》を撃ち放った。

凄まじい轟音を発し、放たれた弾丸は垂直を描き、目にも止まらぬ速さで迸りながら目標たる重巡リ級、軽巡ホ級、輸送ワ級eliteたちに音速を超えて襲い掛かる。

目を丸くした襲撃艦隊はこれを避けることはできなかった。

レーザーを喰らい、爆発四散したのは4隻の輸送ワ級eliteである。

威力は以前よりも強力に改装されたために、もはや敵艦のバルジなんて紙も同然であった。

レールガンを喰らったのは……軽巡ホ級、重巡リ級である。

ホ級は艤装に蓄積された弾薬庫が感電して体内から閃光を発した後に跡形もなく消えた。

文字通り木端微塵となったのである。

リ級に関してはひとりは頭部を破壊されて即死し、もうひとりは上半身ごと肉食恐竜に引きちぎられたように破壊され、死亡した。

運よく最後まで生き残った戦艦ル級が、主砲で由良を狙おうとしたが……

 

「みんなを傷つけたこと、そして由良を怒らせたこと後悔しなさい!」

 

止めの一撃とも言えるレールガンを喰らい、悲鳴を上げることなく死亡した。

由良が放ったレーザー砲とレールガンによる両方の攻撃を喰らった襲撃艦隊は、由良ひとりに瞬きする間もなく殲滅されたのである。

例えレールガンを避けたとしても無駄に終わっていた、なにしろ対艦ミサイルも由良は発射準備が出来ていたが幸いにもそれを使用するほど危険な敵ではないと判断したからだ。

しかし万一に考えて装填はしていたが、強力な超兵器のおかげで使わずに済んだ。

 

「すごい……由良お姉ちゃん、いつの間にレーザー砲とレールガンを装備したの?」

 

阿武隈も驚いたが、由良はいつも通り優しい笑みを浮かべて答えた。

 

「灰田さんが由良たちのために用意してくれたのよ。先ほどの阿武隈たちをミサイルの嵐から助けたシールドも、ここまで早く来たのも灰田さんが用意したワープ・ゲートのおかげよ」

 

「えっ、そうなの?」

 

「Oh!レーザーにレールガン、バリア、ワープゲート……本当にSF小説に、いいえ、SF世界に転生しみたいね、水鬼!」

 

「アア、ソウダナ……」

 

またしても驚いた阿武隈、目を輝かせるアイオワ、夢でも見ているのかと思う彼女とは違い、戦艦水鬼は以前にこの話を聞いていたのですんなりと理解した。

やはり、この件も灰色服の男がわたしを助けているのかとも内心に呟いた。

 

「シカシ、戦力ハ大丈夫ナノカ?」

 

戦艦水鬼の問いに由良は答えた。

 

「大丈夫ですよ…… それに由良たちや、TJS艦隊を舐めては困りますね!」

 

天使のような笑みを浮かべるとともに、由良はウインクした。

彼女の言う通り、各ペアが連邦艦隊との熾烈な戦いを繰り広げていた。

 

 

 

「攻撃隊、全機発進!」

 

飛鷹の発令に式紙は航空機……こちらも同じく土佐姉妹が装備している驚異のジェット戦闘機《天雷改》を筆頭とした直掩隊、これに続くよう艦上戦闘攻撃機《天弓改》が次々と発艦して行く。

また飛鷹の攻撃隊に遅れて、TJS艦隊所属のワスプ型空母《綾鷹》と共に、第二機動艦隊・インド軽空母《ヴィラート》を改め《雲鳳》からF-35《ライトニングⅡ》戦闘機もこれに続き、全機発艦して行く。

大量の兵装を抱えた両部隊は連邦深海棲艦たちを見つけると獲物を見つけた隼の如く急降下をし、襲い掛かる。

 

「ック、撃テ!撃テ!」

 

連邦深海艦隊旗艦・戦艦タ級が発令すると、各艦は一斉に対空戦闘を開始した。

しかし何度でも言うが、彼女たちの持つVT信管は全て無効化されることを学習しない。

焼け石に水のように、音速を超える航空機を撃ち落すことなど至難の業である。

連邦艦隊も自分たちを守ることにしか、護衛艦に搭載されている短SAMやCIWSなどの現代火器を使用することはない。

先ず先手を打ったのは、天雷改・天弓改部隊による攻撃が開始された。

先ほどの土佐姉妹が装備していた75mm機関砲を搭載した天雷改、30mmガンポッドを装備した天弓改部隊、そして通常型の30mm機関砲などによる攻撃が始まった。

戦艦クラスならば蚊に刺された程度だが、しかし装甲力の薄い重巡、軽巡、駆逐艦、さらに武装した輸送船にとってはこのうえ脅威なものはない。

現代でも航空機による地上攻撃は絶大なものであり、制空権を確保してから発揮できる。

イラク戦争でも開戦早々に地上に駐機していたイラク空軍機は、多国籍空軍に破壊された。

例え舞い上がったとしても旧式戦闘機なゆえに、訓練不足もあり、そして士気も高くない。

戦う以前の問題でもあり、なにしろ多くのベテランを持ち、そして豊富な物量を誇る多国籍空軍には勝てない。

 

「クソッ、オチロ、オチロ!」

 

タ級がいくら罵声を浴びさせても、艦載機による攻撃は止むことはない。

自身の隣にいた軽巡ツ級は75mm機関砲を数発受けて瀕死の状態になり、そして止めに天雷改による急降下爆撃を喰らい、悲鳴を上げることなく爆沈した。

共にいた戦艦ル級たちなどはまだ戦闘継続可能だが、辛うじて対空戦闘をしている者たちは数えきられる者しかいない。

次々と怪しげな怪鳥ども……いや、あれは全て悪魔《サタン》だ、自分たちは悪魔と戦っているのだと思い、攻撃を続行していたときだ。

またしても航空攻撃が襲い掛かる。

しかも今度は対艦ミサイルを両翼下に搭載したTJS所属の戦闘攻撃機F-35《ライトニングⅡ》による攻撃が開始された。

この時間差攻撃は、空母《天安》率いる連邦空母戦闘群でも同じ光景が見られた。

空自・多国籍空軍による対艦攻撃の前に、深い傷を負ってしまう。

そして止めを刺したのが灰田のもたらした無人ハイテク空母《飛鳥》の艦載機攻撃により殲滅された。

 

まさにこの出来事を再現したかのような攻撃に掛かるF-35部隊が搭載していたAMG-84《ハープーン》対艦ミサイルを一斉に発射した。

 

「マズイ、ミサイルダ!回避シロ!」

 

第一次攻撃隊による攻撃が済んだと思えば、今度はTJS航空部隊による攻撃に見舞われる。

まさに『一難去ってまた一難』である。

阿武隈たちにした行為が、自分たちにもお返しと言わんばかりにハープーン・ミサイルの嵐が襲来してきた。

回避しようにも無誘導魚雷ならば容易いが、誘導ミサイルを回避することは不可能である。

ましてや音速を超える物体を回避するよりは、短SAMやCIWSなどによる艦搭載用自衛火器で迎撃した方が効率的に良い。

しかし連邦深海棲艦は使い捨て部隊に過ぎない、現代火器を搭載せさせるよりは《ギガントス》を生産した方が遥かに良く、低コストで協力的だからと判断された。

また誘導魚雷《トマホーク》や魚雷回避装置《オクトパス》を量産し始めているため、連邦残党軍の軍事費は火の車も同然である。

いちいち深海棲艦に装備させるぐらいならば自分たちないし《ギガントス》の方が良いという身勝手な理由、他人から見れば訳の分からぬ理由でケチをつけている。

また使い捨て部隊として、一部では特別攻撃隊用兵器……もっぱら爆薬を抱えた自爆深海棲艦部隊も用意している。

追い詰められてもなお、自分たちに勝機があると信じている。

 

「……コンナコトニナルナラバ、水鬼様ノ警告ヲ聞イテイレバッ!」

 

後悔するタ級に3発のミサイルが直撃、連邦残党軍を恨みながら死亡した。

ほかの深海棲艦部隊にもミサイルが直撃し、たちまち大破ないし撃沈した。

とくに舵をやられた者たちに関しては、動かない的とされて簡単に撃破されてしまう最後を遂げた。

生き残った者たちで辛うじて戦える者は数隻しか残っていなかった。

またこの状況に耐えかねたのかチョンは、部下に命じてカプセルを投下しろと言った。

成人女性が収納可能なほど大型カプセルを3個も海に投下した。

数秒ほど海を漂ったが、そのカプセルを突き破るおぞましい手が現われた。

カプセルを突き破った者は重巡型《ギガントス》だった。

いざと言うときに隠し持っていたのだ。

 

『前進しろ、敵艦を葬れ!』

 

チョンは命じた。

先ほどは爆薬の量が足りず、何らかの原因で葬ることが出来なかったチョンは考えた。

非科学的なことは起きるわけがない、全ては失敗の原因はアメリカにあると考えた。

チョンもまさか未来の日本人が手助けしているとは知る由もなかったが。

なお彼の独断というよりは、勝手に新型……重巡型《ギガントス》を持ち込んだものでもある。

 

CICではチョンはまたもうひとつのカプセルも状況に応じて、すぐに投下準備できるように命じた。

こちらには人造棲艦《ギガントス》ではなく、連邦深海棲艦の予備戦力として用意された小型艦……駆逐艦よりも小柄な赤子のような姿をしている魚雷艇群を用意している。

史実ではソロモン沖海戦以降大量に投入したPTボート群は、意外な活躍をしている。

レイテ沖海戦時のスリガオ海峡夜戦でも阿武隈に魚雷を命中大破させた他、西村艦隊の隠密性を破り主力部隊へその全容を通報するなど多大な貢献をしているなどの功績を残している。

連邦にとっては地上の楽園を滅ぼした怨恨と『艦娘憎し』という事もあり、採用した。

しかしこれらには連邦十八番ともいえる性能も隠されているが、あくまでもギガントスと使い捨ての深海棲艦部隊が殲滅されたときに自分たちが逃げるために使うものである。

もちろんこれらも試作段階だが、チョンは大いに期待していた。

 

「私の神の鉄槌で貴様らは必ず惨敗させてやる!」

 

しかしチョンの高らかな予言とは裏腹に、由良たち率いるTJS艦隊はそれほど甘くはなかった。

 

 

 

チョンがヒステリックを起こしていた頃……

 

「それじゃあ、私もそろそろみんなの援護に回るからね」

 

「由良お姉ちゃん……」

 

「ほら、泣かないで。名取姉との再会の分まで取っておきなさい」

 

「うん、分かった。阿武隈も名取お姉ちゃんと由良お姉ちゃんのために頑張る」

 

涙を拭き取り、阿武隈は笑顔を見せた。

 

「いい子ね、阿武隈」

 

由良は阿武隈を優しく抱きしめながら、頭を撫でた。

アイオワ・戦艦水鬼は『本当に姉妹愛は良いね』とハンカチを取り出して感涙していた。

そこに救助を終えた初霜・海風が駆けつけた。

 

「阿武隈さん、ストーン大佐たちの艦隊は無事に戦闘区域から離脱しました」

 

「ほかの深海棲艦たちも吹雪さんたちが無事に離脱させました」

 

報告を聞いた阿武隈はアイオワを、初霜と海風は戦艦水鬼をそれぞれ支えた。

 

「由良さんご武運を」

 

「由良さん気を付けてください!」

 

「由良にまかせなさい!」

 

海風と初霜の言葉に対して、由良はウインクを見せた。

阿武隈はいま自分にできることに集中して、彼女たちを護送するために離脱した。




今回は特別編の如く、大天使ユラエルこと由良さん無双でした。
そして浴衣姿の由良さん美人です、まさに浴衣美人であります。
由良しゃん∩(・ω・)∩ばんじゃーい、水戦バンザイ!

灰田「まあ、今回はわたしも言いましたが、なかなか気に入りましたね」

艦これIL-2は航空戦がリアルであっという間に観終わってしまいます。
最新話ももちろん見ました、キス島怖いです。

灰田「まあ、こちらの本編でも同じ海域ですからね」

まあ、そうなるな。こちらは激戦ですが……
ともあれ書き遅れた分は取り戻さないといけませんから、そろそろ次回予告をしましょうか。

由良「今回は由良におまかせ!次回もこの続き……由良たちの所属するTJS艦隊と共に、秀真提督と古鷹さんたちも大活躍する話に伴い、またしても連邦の新兵器が少しだけ登場します」

なお後篇ですが、事情により別のサブタイトルで続くかもしれません。
どうかご了承ください。

灰田「いたしかない事ですね、文字数は限られていますから」

由良(メタイこと言っていいのかな?)ニガワライ

次回もまた遅くなるかもしれませんので、ご了承ください。

灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで、第八十八話までダスビダーニャ(さよならだ)」

由良「ダスビダーニャ!」ウインク

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに。
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