超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

91 / 147
イズヴィニーチェ(ごめんなさい)
皆さん、大変長らくお待たせして申し訳ありません。
では予告通り、オリジナル展開になります。
この海域でももう一つの戦いがとある海域で行われます。

灰田「なおサブタイトルは映画『Uボート』さながらであり、緊迫した状態を描いています。お楽しみください」

それではいつも通り……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第九十一話:眼下の敵

珊瑚海海域

日米潜水艦同士の戦い最中、こちらでも小規模な戦いがいま始まろうとしていた。

 

「潜望鏡を上げろ」

 

連邦潜水艦こと214型潜水艦《安重根》艦長・ヤン中佐の命令に従い、昼間用潜望鏡がスルスルと上がっていく。

ヤン中佐は帽子を後ろ向きにすると、アイピースに顔を押し付けた。

連敗続きの連邦海軍は少しでも日本を膺懲し、鼻をへし折ってやろうと別行動していた。

連邦に寝返った深海潜水艦部隊も然り、同じ気持ちだった。

せめて一矢報いてやろうと士気が高かったのは当然と言えば、当然だった。

中岡たちから与えられた命令は実に簡単なものだった。『何としてでも艦娘ないし日本海軍の艦船を沈めろ』とのことだ。

単純なのか、それとも焼石に水と言う言葉のように現場任せなのかと言うぐらいだ。

ともあれ彼らにしても、彼女たちにしても日本軍と艦娘たちが連勝しているのが面白くない。

手柄を上げれば中岡様からお褒めの言葉と伴い、賜物と階級昇進が受け取ることが出来ると士気は高かった。

僚艦の潜水ソ級たちも同じく士気が高かった。

 

ヤン中佐が覗いていた潜望鏡には、1.5メートルはある波浪を透かして、蒼い水平線が映っていた。

ニューギニア島は50マイル北方にあり、低い潜望鏡の視野では見えない。

しかし今のところ、敵影も姿も見えなかった。

ぐるりと潜望鏡を一周させて全周走査したが、何も見えなかった。

何もないかと、ヤンが考えていたとき……、水平線上にきらりと何かが光った。

哨戒機だ。フロートがかすかに見える。日本海軍の最高傑作機のひとつとも言われ、米軍からも高く評価されたエミリーこと、二式大艇に違いない。

珊瑚海のように透明度の高い海では、例え海が少し荒れていても潜水艦のシルエットはくっきり透けて見える。

 

「潜望鏡を降ろせ! 急速潜航!」

 

ヤンは叫んだ。

副艦長のキム大尉が、命令を復唱する。

連邦潜水艦《安重根》は素早く潜望鏡を降ろすと、前部バラストタンクのバルブを開け、最大角度で潜航し始めた。

 

「深度報告しろ!」

 

ヤンが命じる。

 

「三十……四十……五十フィート」

 

航海長が深度計を睨みながら報告する。

深度70フィートに達したとき、頭上でレシプロ機独特の爆音が聞こえた。

あの二式大艇はむろん爆弾を搭載しており、遠くから《安重根》を発見するとともに、潜航したとみしたポイントに投下したに違いない。

しかし、爆雷でなくてよかった。

海面で爆発する爆弾は、何のダメージももたらさなかった。

敵は恐らく、自分たちを嗅ぎ付けに来たのだろうかと思った。

 

「こう敵機がうろうろしていては、うっかり浮上できませんな」

 

キムが言う。

 

「瑞雲ジャナクテヨカッタ……」

 

なお潜水ソ級たちは、素直に気持ちを述べた。

二式大艇もだが、特に対潜攻撃可能な航空機……通称『何でも屋』や『下駄履き』とも言われる水上偵察機ないし水上爆撃機の方がよほど怖い模様だ。

 

「うむ…聴音とソナーに頼るほかありません」

 

「うむ……敵はもっと北を通っているのかもしれない。針路四五、速力八ノット」

 

命令に従い、《安重根》はさらに北東を目指し、30分が経過した。

聴音・ソナー室からは、何も報告がない。

艦隊が接近して来るときは遠くからでも、凄まじい騒音が伝わってくるはずだから聞き逃しがない。

スクリューによる騒動音が混じっている。

 

しかし、海は不気味なほど静かだった。

あの二式大艇が哨戒に来たのは単なる偶然なのかもしれないと、ヤンがそう考えていたときだ。

 

「高速スクリュー音… 接近してきます!」

 

「駆逐艦か?」

 

「おそらく。しかしすごい速力です、40ノット近くだと思います」

 

「深度300潜航」

 

ヤンは命じた。

 

300フィートとは、メートルに直せば……100メートル弱である。

214型潜水艦の最大潜航深度は400フィートである。

 

40ノットの駆逐艦だと?

 

ヤンは考えた。

いくら日本海軍でも高速な駆逐艦がいるはずはない、それでは魚雷艇並みの速さだ。

しかしそれが現実である証拠に、シャワシャワとスクリュー音が急速に接近して来た。

まるで自分たちの位置が分かっているように、真っ直ぐ接近して来た。

ヤンたちの心臓が凍った。

対潜専門家である軽巡や駆逐艦の近づく音は、全ての潜水艦部隊にとっては悪魔の足音だ。

先ほどの二式大艇が潜没拠点を教えたのかもしれないが、そこからでも《安重根》はかなり移動した。だとすると、どうやってこっちを感知したのか?と呟いた。

 

「各艦無音を保て、機関停止、ホパリング開始」

 

ヤンは命じた。

 

「ソナー探索が始まるかもしれない」

 

むろんソナーを使うには、速度を落とす必要がある。

機関音に探知音が紛れてしまうのを防ぐためであるからだ。

ホパリングとは、ツリム(つり合い)をとって水中に水平状態で釣り上がることである。

前後の荷重と水中重力とのバランスが完全にゼロであれば、それができる。

前後の荷重のツリムを取るには微妙な仕事で、ときには乗組員を移動させる必要がある。

 

航海長の腕の見せ所だ。

《安重根》と各僚艦は推進音を止めると、水中に吊り上がった。

しかし、スクリュー音に変化はなかった。

まっすぐ《安重根》など各艦の頭上を通り抜けると、たちまち遠ざかった。

ヤンは額に浮いた汗を軍服の袖で拭いた。乗組員たちも汗びっしょりになっていたはずだ。

なお潜水ソ級たちは《安重根》の乗組員たち同様に、水中に紛れて汗を搔いていただろう。

駆逐艦と遭遇したのは、全くの偶然だったに違いない。

 

「やれやれ、敵は単なる哨戒任務だったようだ。偶然に針路が交錯したわけだ」

 

ヤンは呟いた。

 

「念のために、もう三十分待ってから潜望鏡深度まで浮上して確認する」

 

「アイ、サー」

 

副艦長・キム大尉は復唱した。

その30分が刻々と経過して行く……この時の30分が……3時間のようにも思え、そして長くも感じた。

ようやく浮上時間になると、ヤン艦長は浮上命令を下した。

ヤン艦長が乗艦する《安重根》や各僚艦は緩やかに浮上した。

再び昼間用潜望鏡がスルスルと上がって行き、ヤンは海面を覗いた。

潜水ソ級たちもヤン艦長と同じく、周囲の様子を窺う。

もっとも警戒すべき、北方には何も見えなかった。

ぐるりとヤン潜望鏡を回して南を見たとき、ヤンたちは仰け反りそうになった。

1マイルほど向こうに、1隻の駆逐艦が浮いている。

米海軍資料を目に通したことがあるが、同じくズムウォルト級巡洋艦だ。

その巨大な巡洋艦は機関を止めて漂流しつつ、付近の海面を見張っていたらしい。

1隻の駆逐艦の後ろに隠れていたのか、数人の人影が現われた。

 

ヤンたちは『こんなことあり得ない』と思考停止状態に陥った。

なぜ敵艦は《安重根》や各僚艦が浮上する場所とタイムングが分かったのだろうと……

こちらに向けている砲塔らしきものが反射光を浴びて、きらりと光った。

 

「潜望鏡下ろせ! 全艦緊急潜航!」

 

再び叫んだ。

旗艦《安重根》や各僚艦は、またもや急角度で水中に突っ込んだ。

 

「どうしたんです!?」

 

キムが叫んだ。

 

「敵艦隊が真上にいる。どういうわけか待ち伏せしたんだ! …潜航を急がせろ、攻撃して来るぞ! ソナー、敵が動き出したら教えろ!」

 

ヤンは矢継ぎ早に命令を下した。

命令しながら、こんなことはあり得ないと考えた。

原潜ならば捕捉されやすいが、通常艦……ディーゼル・エレクトリック艦である本艦を捕捉することはあり得ない、敵の艦長がこっちの心を見透かしている以外には、こんな事が起こるはずがない。

 

しかし、起きたことは事実である。

 

「敵艦の機関と艦娘ども、動き出しました!」

 

ソナー室から聞こえた。

 

「深さは?」

 

「250フィートです」

 

「よし、400フィートまで行け!」

 

「しかし、いくら最大潜航深度でも本艦が持つかどうか分かりません!」

 

キムが反論する。

 

「そんなことは言っておらん、今こそは博奕を打つときだ」

 

「敵、爆雷を投射しました」

 

聴音員や潜水ソ級たちからの悲鳴に似た報告などが聞こえた。

 

「全艦、爆雷に備えろ!」

 

魚雷を回避するための囮《デコイ》であるが、旧式装備の爆雷は無理である。

アナログ兵器は、ときには恐ろしいほど威力を発揮することが多い。

何しろ日本や艦娘たちは奇跡を起こし続けているから不思議ではない。

 

やがて、カーン、カーンと言う不気味な音が聞こえた。

投下された爆雷が《安重根》の艦殻に当たっている音が聞こえた。

ヤンたちはまた新たな恐怖を覚えた。

敵はこちらの意図を見抜いているかのように、最初から此方がこうなることを把握しているかのように……

 

「来るぞ!」

 

キムが叫んだ時には、幾つもの炸裂音と衝撃が《安重根》の周囲から響き渡る。

真下から来る衝撃なので、艦全体を激しく揺さぶられるのだ。

上下で炸裂する爆雷は怖くないが……爆発エネルギーは全て上に行ってしまうからだ。

しかし、真下で炸裂する爆雷は怖い。

至近弾も数発、そのショックで各艦は電路が断ち切られ、艦内は真っ暗になった。

幸いにも非常灯がすぐに点灯した。

 

「全艦潜航450フィートまで潜れ!」

 

ヤンは命じた。

450フィートまでの潜航……本艦が持つかどうか、本物のギャンブルである。

 

「潜航が効きません」

 

「前部のバラストタンク破損、ツリムが取れません!」

 

矢継ぎ早の報告が飛び込んで来る。

 

「バッテリー室に浸水!」

 

これは最悪の報告である。

バッテリー室に海水が浸水すると、たちまち塩素ガスを発生させる。

これを吸い込んでしまうと、乗組員たちは昏倒し、最悪の場合は死に至る。

 

「全艦操艦不能、浮上します!」

 

「全艦潜航不能ダ、浮上スル」

 

航海長や潜水ソ級たちからの報告がきた。

ヤン中佐の全潜水艦部隊は急速に浮き上がっていく。

 

「やむを得ない。浮上して戦う。ソ級たちは砲撃戦用意し、各艦乗組員たちはライフジャケット着用。ライフルなどを持って応戦せよ!」

 

ヤンとキムもライフジャケットを着用した。

《安重根》は浮き上がるにつれて次第に浮力を増し、ついに水面を割って躍り上がった。

ヤンほか戦闘要員は、司令室から艦橋の真下にとり付いた。

 

「ハッチを開け!」

 

司令室員のひとりがラッタルをよじ登り、ハッチのバルブを開くと、海水がどっと流れ込んできた。

 

「上がれ、上がれ!」

 

ヤンの叱咤とともに、乗組員たち全員が艦橋によじ登る。

見張り艦橋は胸までのブルワークに囲まれた狭い空間だ。後部にはアンテナと潜望鏡が二本並んでいる。

全員背中に背負っていたライフル……95式歩槍を構えた。

なお一部の者は、気休め程度だが、空挺軍仕様でパラシュート降下用に砲身を前後2つに分割可能したRPG-7Dを用意した。

潜水ソ級たちも連邦海軍と協同開発した40mm連装機関砲と5インチ単装砲を装備したが、これも装甲力がない小型哨戒艇ならば効果はあるが、気休め程度にしかない。

そのとき問題の巡洋艦と艦娘たちが、白波を蹴立てて突入してきた。

 

彼らはとくに速度が速い艦娘を見て、驚愕した。

 

『全艦、連邦潜水艦部隊を全て撃沈せよ!』

 

彼らを待ち伏せしていたステルス巡洋艦《ズムウォルト》級から命令が下された。

もちろん本艦に乗艦しているのは、郡司である。

彼の命令で突撃を開始したのは、もちろん……

 

「お前たち、新装備だからって油断するなよ!」

 

この海域に相応しい海賊とも言え、また郡司を愛するパートナーの木曾である。

郡司と木曾とともに行動する部隊は……

 

「島風、出撃しまーす!」

 

「さぁ!潜水艦狩りといっきましょう!」

 

誰よりも早く突撃する島風・長波は闘志を燃やしている一方……

 

「にひひ、沖波も提督に撫でられるように頑張ろうぜ!」

 

「ふぇ、こんなときにやじらないでくださいよ、朝霜~!」

 

「何だか、すごいかも」

 

二人を見た朝霜は、沖波をやじった。

朝霜のからかいに、沖波は顔を真っ赤にして照れていた。

ふたりの会話を聞いた秋津洲は苦笑いしつつ、彼女のパートナーこと大艇ちゃんとともに戦闘に突入した。

 

 

 

「くそっ、異端者どもめ!」

 

彼女たちを見たヤンは、躊躇うことなく命令を下した。

 

「全艦攻撃しろ!蜂の巣にしてやれ!」

 

ヤンが命令を下すと、各乗組員たち一斉射撃を開始した。

95式歩槍からRPG-7Dに続き、ソ級たちは40mm連装機関砲ないし12.7cm単装砲が一斉に火を噴いた。

 

「そ、そんな……馬鹿な!」

 

「我々ノ攻撃ガキカナイダト!」

 

ヤン中佐とソ級たちは知らなかったのも無理はない。

現在、北方海域で戦っている古鷹たちと同じくように彼女たちの艤装に灰田の未来技術が仕込まれていたのだった。

 

「大艇ちゃん、攻撃開始かも!」

 

秋津洲は、改装された大艇ちゃんによる航空攻撃が開始された。

両翼下に搭載された8発の250キロ爆弾が投下された。

不気味な音が鳴り響いたと同時に、上空を見上げた時にはすでに遅かった。

不運にも連邦潜水艦2隻に命中して、反撃することなく撃沈された。

 

「俺たちも砲撃開始!ってぇー!」と木曾。

 

「連装砲ちゃん、行くよー!」と島風。

 

「ってぇーい!」と長波。

 

「始めるっきゃないね。撃てぇー!」と朝霜。

 

「よく狙って、撃てぇ!」と沖波。

 

木曾の20.3cm連装砲の砲撃と伴い、島風たち全員が砲撃を開始した。

なお爆弾を使い果たした大艇ちゃんは大量に搭載していた20mm機関砲や7.7mm機銃を利用して機銃掃射、ガンシップとして上空から木曾たちを掩護する。

木曾たちが一斉に発射した幾つもの砲弾と銃弾が、弾着の水煙に包んだ。

1発が潜水ソ級とヨ級に命中、僅かな抵抗をしただけで撃沈した。

旗艦《安重根》は艦首に命中、ショックで《安重根》を震わせ、煙を噴き上げた。

容赦なく続く砲撃の最中に、今度は司令塔のすぐ目の前に命中した。

艦橋にいた全員が爆風で艦橋もろとも吹き飛ばされた。

ヤン中佐とキム大尉を含め、多くの乗組員たちが死亡した。

この状況ではどうしようもなかった。

例えこの戦いで運よく帰還したとしても中岡や幹部たちから『臆病者』扱いされ、最後は粛清される可能性もあったため幸運と言うべきかもしれない。

数発の砲弾を受けた《安重根》は、ついに耐え切れなくなり爆沈した。

 

「ヤン中佐の仇だ、殺せ!」

 

「せめて一隻だけでも沈めろ!」

 

「仲間タチノ仇ダ!」

 

生き残っていた連邦潜水艦部隊は、なおも攻撃を緩めることなく攻撃を続けた。

しかし、やはり灰田が提供した未来艤装にはバリアーが彼女たちを守っているため、悪足掻きでしかならなかった。

 

『撃ち方、始め!』

 

郡司が乗艦するズムウォルト級による155mm先進砲の砲撃で、またしても連邦潜水艦が同じく僅かな抵抗をしただけで沈黙した。

こちらも艦橋に命中したので多くの乗組員たちは死亡した。

 

「小娘どもに負ける連邦ではない!」

 

改良したキロ級潜水艦……本来ならば搭載しないはずの20mm連装機関砲ないし、5インチ単装砲で攻撃を開始した。

これらは対艦用と言うよりは、対地攻撃に加えて、船団から脱出した乗組員たちを皆殺しにするために装備させている。

かつてのドイツUボート艦長は非情であり、泳いでいる乗組員たちを平然と射殺した。

戦争のセオリーからすれば正しい、敵の人的資源を減らすことは国益に大きく影響するからである。

ただし連邦の場合は、闇雲に快楽殺人を楽しんでいるだけのならず者たちに過ぎない。

手柄を立てようと島風たちを狙っていたが、しかし……

 

「おっそい、おっそーい!」

 

島風は40ノットのスピードも誇るゆえに、灰田の未来偽艤装により絶対防御を誇っている。

ほかの娘たちも同じく、絶対防御たるバリアーによって全ての攻撃が無効化されるだけだった。

 

「この朝霜に掛かって来い! もっと! もっとだっ! 撃って来いやぁ!」

 

「この調子でいける!いける!」

 

戦意高揚状態の朝霜・長波ペアに続き……

 

「よぉく狙って、てぇー!」

 

「私もみんなと頑張るかも!」

 

二人に負けないように沖波・秋津洲ペアも同じく攻撃を緩めなかった。

 

「中岡様のために戦い続けるのだ!」

 

無駄だと分かっても、連邦潜水艦部隊はなおも銃撃を繰り返したが……

 

「お前たちの無能指揮官のためにだと、笑えるな!」

 

木曾の挑発に乗ったのか、緊急時に指揮官として務めるチョウ少佐は顔を真っ赤にして激怒した。

 

「黙れ、神である中岡様を馬鹿にするレイシストどもは地獄行きだ!」

 

チョウ少佐は乗艦している214型潜水艦《孫元一》に取り付けている20mm連装機関砲に取付き、木曾に向かって銃撃を浴びせた。

 

「何処に消えた!?」

 

「俺はここだ!」

 

上空を見上げるとアクロバティックなジャンプをする木曾がにんまりとした。

慌てたチョウは部下たちと共に、対空射撃を喰らわそうとするが……

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!」

 

チョウの絶叫に対して……

 

「言っておくが、安い挑発に乗るのは無能指揮官の証しだ!」

 

木曾の言葉を聞いたチョウは、なにっと思ったのだろう。

その言葉を理解したのは、数秒後のことであった。

 

「いまだ、全艦雷撃開始!」

 

木曾の合図で、島風たちは雷撃態勢を整えていた。

 

「五連装酸素魚雷!いっちゃってぇー!」

 

「よっしゃー、雷撃戦開始!」

 

「完膚なきまでに蹴散らしてやるぜ!」

 

「目標捕捉、てーっ!」

 

「大艇ちゃんも雷撃開始かも!」

 

島風・朝霜・長波・沖波たちは五連装酸素魚雷発射管から酸素魚雷を投射した。

そして秋津洲は補給し終えた二式大艇ちゃんで攻撃を開始した。

なお大艇ちゃんの両翼下にも同じく酸素魚雷を投下した。

合計22本の酸素魚雷が、一斉に連邦潜水艦部隊に向かっていく。

ようやく木曾の言葉を理解したチョウ少佐たちの前には、酸素魚雷が見えていた時には、もはや手遅れだった。

 

「これでチェックメイトだ!」

 

木曾は着水と同時に、酸素魚雷を投射した。

挟み撃ちにされた連邦潜水艦部隊は潜航も回避することもできないまま、木曾たちが投射した酸素魚雷を全て喰らった。

その証拠に大きな音を鳴り響かせると共に、巨大な数本の水柱が立った。

各敵艦は魚雷による命中弾を喰らうと連邦潜水艦は、多くは搭載していた各種の兵器が誘爆を起こし、きのこ雲が立ちあがるほどの勢いで爆沈した。

潜水ソ級率いる部隊は……生き残りは誰ひとりもおらず、木曾たちに殲滅された。

元々潜水艦乗組員たちは脱出することは考慮されていない。

水上艦ならば助かる見込みはあるが、潜水艦は助かる確率は無きに等しい。

今回は浮上した連邦潜水艦の乗組員たちの多くは脱出することはできず、艦と運命を共にしたが、少数のみが泳いでいた姿がいた。

 

これが連邦艦長ならば、Uボート艦長と同じように漂流者たちを銃殺していた。

しかし郡司は非情な提督ではなく、話が通じれば敵でも助けるという心優しい提督である。

カッターを出して、木曾たちと共に連邦乗組員たちを救助した。

運よく生き残っても艦に乗り上げられただけでも死んでしまう者も多い。

救助できた連邦乗組員たちは極僅かであった。

救助されても何をするか分からないため、ボディーチェックも忘れずに行った。

案の定だが、彼らには分解可能な小型拳銃やベルトに偽装した護身拳銃など抜かりなく用意していた。

艦内を掌握しようとしても海軍スペツナズがいるため、制圧されるのがオチだが。

また朝霜が笑顔でお話し合いをしたおかげか、怖さのあまり全員が正直に出したのは別の話である。




今回はオリジナル展開であり、郡司提督たちの戦いでありました。
今月は思うように上手くいかず、また呉・江田島に友人と共に行く用事などがありましたので時間が掛かりました。

灰田「まあ、古鷹さんたちと楽しめて何よりですね。古鷹山にも登りましたし」

長迫公園と青葉慰霊碑なども行けたから良かったです。
古鷹の戦没日と重なりましたから、偶然です。
出発前と慰霊碑の前は黙祷を忘れずに、感謝と敬意を込めてしました。
今月もいろいろ多忙でしたので、遅れを取り戻さないといけませんが。

灰田「無理はなさらずにしてください」

スパシーバ(ありがとう)。

郡司「ロシア語ならば僕がいるだろう」

木曾「俺も郡司のおかげで少しは話せるようになったさ」

島風「それより予告編、おっそーい」キーン

朝霜「早くしないといたずらするぞ」二ヒヒ

長波「さっさと予告編して、エビチャーハン食おうぜ!」ニカッ

沖波「予告編はきちんとしないと……」アセアセ

そろそろしないといけないね、

秋津洲「今回はこの秋津洲が予告編をしちゃうかも!次回はこの戦いから打って変わり久々のアメリカ視点に移るかも……移るよ!アメリカが何かをたくらんでいるかも!
楽しみに待ってほしいかも!こういう風で良いのかな?大艇ちゃん」

大艇←頷く大艇ちゃん。

秋津洲「わーい♪ 嬉しいかも!」

一同(曖昧な予告編だけど、可愛いから良いかな……?)ニガワライ

灰田「ともあれ次回はアメリカ視点であり、彼らが日本に対して反撃計画を企てます。また彼らはとある兵器を投入しようとも考えていますのでお楽しみを」

お疲れ様です、灰田さん。
次回も無理なく、慢心せずに執筆やっていきます。
オリジナル展開とか原作に戻ったりもしますが、気合入れて、やっていきます(比叡ふうに)

灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで、第九十二話までダスビダーニャ(さよならだ)」

一同『ダスビダーニャです!』

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。