超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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イズヴィニーチェ(ごめんなさい)
皆さん、大変長らくお待たせして申し訳ありません。
では予告通り、アメリカ視点であり、彼らが日本に対して反撃計画を企てます。
また彼らはとある兵器を投入しようとも考えています。

灰田「それは果たして何のかは本編を見てのお楽しみです」

それではいつも通り……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第九十二話:米軍反撃計画

日本政府は、いったん空母戦闘群を基地に引き揚げさせたあと、宣伝戦に取り掛かった。

太平洋中部ないし北方海域で戦闘があり、前者は日本空母戦闘群とアメリカ空母戦闘群が戦ったが、日本海軍が優勢で敵にダメージを与え、退避させた。

後者は日本亡命のために逃亡した戦艦水鬼・アイオワたち、そして少数の米海軍提督たち率いる日本亡命艦隊が日本・多国籍合同艦隊に救助され、さらに彼女たちを抹消しようと連邦・深海合同艦隊と激戦を繰り広げた。

そして郡司たちも日本のシーレーンを脅かそうとする連邦潜水艦部隊狩りを行なった。

日本海軍の優勢で殲滅したという双方のニュースを偵察機ないし青葉たちが写真入りで、インターネット、SNS、ヨーロッパ通信社などありとあらゆる媒体を駆使して世界中に流したのである。

 

むろん、これでもアメリカ・連邦の面子を失わせることが出来る……

写真はいくらでも複製ができる。

 

アメリカはこれに対して、反対のニュースを流した。

アメリカ空母戦闘群と連邦・深海合同艦隊が勝ったと主張したのである。

アメリカのプレスは強力なので、世界各国はどちらかと言うと、アメリカのニュースを信じる者たちが多かった。

 

しかし、これは日本政府の計算済みだった。

すぐさま早期警戒機ないし青葉が撮影したビデオ映像をYouTubeなどに流すことができるとほのめかしたのである。写真よりも、遥かに信頼性が高い。

むろんアメリカはこれに反論し、全て日本政府が制作したでっち上げだと主張することもできる。

日本政府が、なぜこれほど回りくどいやり方をしたかと言えば、アメリカの面子を失わずに連邦と同盟を解約し、なんとか和平に持って来ようとしたからである。

英仏、あるいはロシア政府をもわずらせ、和平への道筋をつけようとした。

 

しかし、それらの努力は全て無駄だった。

アメリカの面子はすでに失われているからである。

グアムでB-1B《ランサー》部隊が全滅したこと。

南シナ海ではロサンゼルス級原潜3隻が日本潜水艦部隊に沈められたこと。

パールハーバーが空爆を受けて、壊滅状態になったこと。

そして今回の、言わば『第二次太平洋海戦』も、実は日本軍の圧勝だったと言う噂がいつの間にか世界中に流れ始めた。

 

今の時代……情報は光よりも早く世界を駆け巡っている。

これは言葉のみだが、世界中を移動しつつある人間の口コミで情報が流れる。

当のアメリカからも流れる。

 

それは誰も止められるものではない。

 

 

 

世界一強大国家・アメリカは、プライドをずたずたに引き裂かれた挙げ句、その修復するためにあらゆる手段を厭わぬ決心である。

そのための会議がペンタゴンやホワイトハウスで連日のように開かれた。

ペンタゴンでは、ケリー国防長官が幕僚たちや四軍の司令官たちを叱咤し、日本を叩き潰すアイデアを出せと迫っていた。

中岡たちも連邦残党軍も同じく叱咤し、日本を膺懲するアイデアを出せと迫っていた。

その会議の席上で、フォーク海軍作戦部長が発言した。

 

「我が軍は大西洋艦隊から二つの空母戦闘群を太平洋に回して、さらに二個空母戦闘群をサンディエゴに回しました。

この四個空母戦闘群を持ってすれば、なおかつ敵の先手を打つ作戦を取れば、前回のような失態はなく必ずや敵を叩き潰すことが出来るでしょう。

しかし、衛星は残念ながら未だに役に立ちませんが……」

 

フォークが言ったのは、新たに打ちあげた偵察衛星が、軌道に乗ることともにまたもや不調に陥ったからである。

まるで宇宙に衛星を壊す何者かが潜んでいるとしか考えられない。

それが宇宙生命体であればSF世界だが、これはもちろん灰田の仕業だった。

ソーサスを破壊したのももちろん灰田である。

 

かつて第7艦隊の中核だった《ロナルド・レーガン》は壊滅した。

新たに編成された新・第7艦隊もドッグで修理中である。

大西洋から持って来たのは《セオドア・ルーズベルト》《ジョージ・ワシントン》《ハリー・S・トルーマン》《ジョージ・H・W・ブッシュ》である。

 

この他にも新型空母……ニミッツ級空母の後継艦《ジェラルド・R・フォード》級空母3隻を持っている。

護衛艦艇は無数と言って良いほど持ち、空母航空団も同じくである。

フォークの言う通り、戦力に欠けることはない。

 

「今回の敗戦は敵を甘く見たがためと、本職はそう考えています。しかし……セオリー通りに三倍をも誇る兵力で持って掛かれば……」

 

フォークがそこまで行ったとき、幕僚のひとり……スコット中将が発言した。

 

「失礼ですが、作戦総長。本職はそうは考えられません。今回の敗戦は敵を甘く見たがためでなく、敵の兵装に秘密があったためと考えます。

我が軍の二個空母戦闘群の空母航空団が敵に全く損害を与えることなく全滅したとは考えられません。

通信記録を解析しても、明らかに攻撃を加えた痕跡が見られます。

トマホークも数発命中したのと、本職は推測します。

なにしろ、あの時には敵イージス艦が二隻しかなかったのですから……

しかし、敵にダメージが与えられなかったのです。

言い換えると、敵は我々の兵装ではダメージを与えられない何らかの防御システムを持っていると考えられます。

また敵の《スーパーホーネット》と《トムキャット》は、極めて不自然な非線形に近い飛行軌跡を描いたことが記録されていますが、これは人間パイロットにできることではなく、

我が軍の無人機のようなものであることは確かでしょう」

 

スコット中将は、そこで大きく鼻を吸った。

 

「ここからは本職の推測ですが、恐らく敵空母はコンピューターで動く完全自動空母だったのではないでしょうか。

未来人が日本に加担していると言う、今までの仮説から推測すると……

この空母には極めて高性能な未来コンピューターないし人工知能(AI)が中枢にあって、全ての機能を掌り、無人航空団も操ることが出来たと考えられます。

機体そのものに手が加えられていて、推力ノズルがほうぼうあり、無人機があるがゆえに急激で幾何学的な運動ができると思います。

いずれも未来戦の専門家に確認したことですが。

我々のテクノロジーも日々進化していますが、専門家に言わせれば『我々もあと三十年以上すれば、このような無人機と航空団の組み合わせを手に入れることができる』と推測されるそうです」

 

「ふむ…面白い推測だが、もし我々の《スーパーホーネット》や《トマホーク》による両攻撃が成功したのなら、なぜ敵空母は無傷だったのかね?」

 

ケリーがそう言ったのは日本が昨日……基地に停泊している無傷のニミッツ級空母の写真や動画などをインターネットで公開したのである。

 

「それもおそらく……日本空母の構造に秘密があるからでしょう」

 

スコットは答えた。

 

「日本の十勝にあるミラクル・ジョージ基地への核攻撃のエネルギーを消しましたが、あれと同じシステムを空母にも組み込んであるのではないでしょうか」

 

「なんということだ!!」

 

ケリーは顔を真っ赤にして、忌々しげに言った。

 

「それではいくら戦っても同じことではないか。いくら攻撃しても傷つかない、その代わり我々の航空団はアクロバットな飛び方をする敵機にやられてしまう。ミサイルも効かないわけだ。もしかすると艦娘どもも同じようなことになっていたら、我々はますます太刀打ちが出来なくなるぞ!」

 

「いや…必ずしも打つ手がないわけではないと本職は考えます」

 

別の幕僚……カーン大佐が言った。

彼は特殊戦のオーソリティーである。

 

「スコット中将の言われるとおり、敵の空母がコンピューターないし人工知能で動く全自動艦船であれば…… EMP爆弾で無力出来るかもしれません。無人機もまたその頭脳を破壊できるかもしれません」

 

EMP爆弾とは電磁パルス爆弾……エレクトリック・マグネティック爆弾の省略である。

これは強力な電磁波を発生させて、敵の電子兵器及びあらゆる電子機器を焼損させて無力化する特殊爆弾である。

およそ5ギガワット程度の電磁波を発生し、半導体を持つ敵の兵装を全て無力化する。

 

「我々はこれを保有していますが、まだ実戦で使ったことはありません。

ただし実践では極めて有効なことが確認されております」

 

「うむ、それはなかなか良いアイデアではないか」

 

ケリーは少し守備を開いた。

 

「その倍のパワーを持つ爆弾は造れるのか?」

 

「もちろん可能です、爆弾そのものを大型化してやれば良いわけですから」

 

「よろしい、大至急その特殊爆弾の製造に取り掛かって貰いたい。ところで非線形で飛ぶ敵機を追尾できるようなミサイルは作れるのかね?」

 

カーン大佐は首をひねった。

 

「専門家の意見を聞かないとはっきりしたことは分かりませんが、恐らく無理でしょう。

しかし、追尾して命中させなくても落とすことはできます。すぐ近くで爆発させれば可能です。

かつて太平洋戦争最中に、我が軍はVT信管と言うものを発明して大戦果を上げましたが、あれと理屈は同じです」

 

VTとは『バーチャル・タイミング』の省略である。

高角砲や機関砲弾の各弾頭にマイクロレーダーを組み込み、敵機が近くを通過しただけで爆発する。このため日本機の撃墜効果が劇的に上がった。

 

「敵機に一定の距離まで接近すれば、爆発するようなアルゴリズムをミサイルの弾頭に組み込むことは可能でしょう」

 

「それも良いアイデアではないか」

 

ケリーはいっそう愁眉を開いた。

 

「連邦軍も得意分野だから、彼らと協力してその研究に取り掛かって貰いたい」

 

「本職には、いまひとつ気になる事があるのですが……」

 

幕僚のひとり……潜水艦作戦担当のマッコイ大佐が発言した。

 

「それは言うまでもなく、我がロサンゼルス級原潜が敵潜に手もなくやられたことです。

いや…真相ははっきりしませんが、断片的に送られてきた通信・交戦時の状況を考えますと……どうもこうもまたこの敵潜もロサンゼルス級を遥かに凌駕する高度なテクノロジーを持っていると考えられています。

また我々には想像もつかない動力源を使っていると考えられます。

もし敵潜のノイズをキャッチできれば、これほど一方的にやられることはなかったはずですから……ともかくロサンゼルス級が葬られると言うのは、我々の完全なる想定外でして、この調子で連邦海軍や深海棲艦諸共、我が海軍も含め潜水艦部隊を喪失してしまいます」

 

「うむ……」

 

ケリーは唸った。

 

「それでキミには、何かいいサゼスチョンはあるのかね?」

 

マッコイ大佐は躊躇った。

 

「それが今の時点ではないのですが……なんとかして1隻捕獲できたらと考えます。

これは敵潜を浅い海に誘い込み、核機雷で攻撃すればさしもの敵も耐えられずに沈没するでしょう。それを引き揚げると言う寸方ですが……」

 

「うむ、昔ハルゼーがよく言っていた『汚い戦争』だな」

 

ケリーは苦笑いした。

ハルゼーの汚い戦争と言うのは、太平洋戦争末期のことである。

敵艦隊を誘い出すために、わざと神風特攻隊による特別攻撃で損傷艦を敵の目に行くように陽動させて、日本空母部隊を誘き寄せた。

ともかくハルゼーは戦争末期に巨大な戦力を持っていたくせに、巧妙なトリックもずいぶん使った。

ハルゼーと言うのは猪突猛進の提督としてのイメージも高いが、こういう汚い一面もあった。

 

「しかし、如何にして敵潜のそのような状況のもとに誘き寄せるかが問題ですな」

 

ヨーク参謀総長が言った。

 

「敵がハワイにやって来れば、そのチャンスはありますが……しかしまたハワイを叩かれると痛し痒しですな」

 

「私としては、日本がこのままじっとしているかどうかが、気になります。敵としては、今は押せ押せ状態で、絶対的有利な立場ですから。

私がもし日本司令官ならば、ハワイを再攻撃するでしょう。

今度は占領するつもりでやって来ます。もしハワイを取れば、本土は《ミラクル・ジョージ》の作戦行動可能範囲に入りますから」

 

オアフからカルフォルニア州まで距離にして、およそ4000キロ弱である。

ステルス重爆こと《ミラクル・ジョージ》の推定2万キロを持ってすれば、実に往復可能である。

 

「そいつは不味いな……」

 

ケリーは渋面を作った。表情に忙しい男だ。

 

「パールハーバー基地の修復は進んでいるのだろうな?」

 

「現在60パーセントと言うところです。完全修復がなって、連邦艦隊と深海棲艦に、我が艦隊が運用できるようになるまであと二ヶ月は掛かるでしょう」

 

ヨークは答えた。

 

「一ヶ月…… いや、できれば三週間でやるのだ。そのために必要なことは何でもやってほしい。資材も人材も最優先で手配する。大統領の許可も得ている」

 

ケリーは、今度は厳しい顔になった。

 

「もしハワイを占領されるようなことになれば、我が国はデフォルトに陥り兼ねんぞ」

 

ここに米軍・連邦残党軍による反撃計画が始まろうとしていた。




今回は最初の冒頭を読み返すと、某『映像の世紀』のBGM『パリは燃えているか』が脳裏から流れてきました。またナレーションも同じくですが。

灰田「まあ、『古に鷹舞い降りし青葉山』も思い出しますがね」

まあ、そうなるな(師匠ふうに)
第六戦隊提督である私としては良い動画に巡り合えましたよ。
心痛いシーンもありますが、奇跡を起こることを願いますよ。
ともあれ逸脱したらいけないから話に戻るが、今回は米軍が次の反撃計画にEMP爆弾とVTミサイルを新たに開発します。
登場はまだ先ですが、どういう脅威になるのかはしばしお待ちを。

私事ですが、リメイク版を執筆して1年になることに気がつきませんでした。
10月からスタートして、ここまでやって来れたのも皆さんのおかげです。
これからも『超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!-』を応援よろしくお願いいたします。

灰田「前回も言いましたが、無理はなさらずにしてください」

スパシーバ(ありがとう)。

そろそろ時間になるから、次回の予告に移りますね。

加古「今回はあたしが担当するね、ねみぃけど……」

(映像の世紀のBGMを聴く度に名前が重なるからね)ニガワライ

加古「それじゃ次回は打って変わって日本視点だよ。米軍・連邦が反撃計画をしている間、日本も同じく”とある計画”を、大胆な作戦を計画するから楽しみにね!」

また遅くなるかもしれませんが、お楽しみに。

灰田「ではそろそろお時間になりましたので……。次回まで、第九十三話までダスビダーニャ(さよならだ)」

加古「ダスビダーニャ…ふわぁ~それじゃ寝るね」スヤッ

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに…加古寝るの早いです、流石だね。ヨシヨシ
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