超艦隊これくしょんR -天空の富嶽、艦娘と出撃ス!- 《完結》   作:SEALs

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С Новым годом!(あけましておめでとうございます)。
今年もよろしくお願いします。
昨年同様、今年も新年早々ですが、最新話を投稿することにしました。

灰田「では新年の挨拶がは終わりますが、前回予告した通り航空戦に伴い、この空母戦闘群同士の戦いの最終決戦にもなります。そしてアメリカにも少しだけですが、新たな動きもありますので最後まで楽しんでください……」

それでは改めて……

作者・灰田『本編であります。どうぞ!!』


第九十八話:ハワイ攻略海戦 後編

日本軍の《トムキャット》が待ち構える最中、米軍の《スーパーホーネット》部隊が突入した。

まず《トムキャット》はAIM-120A中距離空対空ミサイル4発を持ち、これが使い果たされればM61A1 20mmガトリング砲で戦うしかない。

しかも兵力差は、相手が圧倒的優位である。

敵は200機に対して、こちらは70機あまりである。

米軍の《スーパーホーネット》の大群に、たちまち日本軍の《トムキャット》部隊は飲み込まれた。

 

高度6000メートルの空戦がここに始まった。

空戦と言っても、第二次世界大戦のようなレシプロ戦闘機が行なうようなドッグファイトにはなり得ない。

両機は互いにマッハ2前後のスピードなので、見えたと思った瞬間にすれ違ってしまう。

したがってレーダーでロックオン次第、遠方からミサイルを発射せざるを得ない。

現代のミサイルを躱す方法としてはチャフを使うしかない。

漫画やゲームのように敵ミサイルを躱すことは不可能である。

 

米軍の《スーパーホーネット》の放った空対空ミサイルの数は400発。

これらが全て《トムキャット》に向かい、さしもの無人機もこの大量のミサイルの前からは逃れることはできないかに見えたが……

しかし、そのスーパー・アクロバック飛行は健在していた。

ミサイルをギリギリまで引き付けておいて、90度で急ターンする。

文字通り、直角に曲がっている。

これは機体自体が頑丈で、補助翼も可変角・フラップがよく利き、なおかつ数箇所に補助推力ノズルがあり、メインノズルも角度が可変になっているから出来る神業である。

突然、目の前にいた目標が消えてしまったミサイルは熱源探知機能がそこで断たれてしまい、ほかの熱源を探して直進するしかない。

 

これまでは上手くいった。

しかし、今度はだいぶ様子が違っていた。

米軍機が撃ち放ったミサイルは《トムキャット》が急旋回する直前に爆発したのだ。

命中せずとも接近しただけで爆発する。

このタイミングが有効なのは、ほんの数コンマ1秒の時間である。

目標とミサイルを合わせてマッハ5以上のスピードですれ違うからである。

連邦と共同開発したVTミサイルの発想は、ある意味ではミサイル本来の意味から外れるが、極度にハイテク化された無人ステルス機の弱点をついた。

無人機を操作する人工脳は、ギリギリまで敵ミサイルを引き付けておいてから、回避するように自己プログラムしていたからである。

そのため、たちまち20機の《トムキャット》が餌食となった。

しかし、人工脳《スーパーコンピューター》の学習能力は速かった。

何が起こったのか理解すると、限界までVTミサイルを引き付けるのを止めて早めに急回避した。

ミサイルが熱源を求めて旋回しているところを20mmガトリング砲で破壊した。

これにより、せっかく苦労して共同開発したVTミサイルも20機の敵機を撃墜しただけで終わってしまった。

 

《トムキャット》部隊がVTミサイル処置に手間取っている隙に、この極僅かな時間を利用して、防衛線を突破した米軍《スーパーホーネット》部隊が、日本空母上空に殺到した。

各護衛艦も搭載しているRIM-161《スタンダード・ミサイル》とRIW-7《シースパロー》がこれらを発射して敵機を迎撃する。

撃墜される《スーパーホーネット》が続出したが、なにしろ200機以上もいる。

旗艦《アカギ》を含む正規空母4隻を目標に、米軍機のAGM-84《ハープーン》が少なくとも20発以上は発射され、飛行甲板を目掛けて殺到した。

これを目撃した《スーパーホーネット》部隊指揮官・ホーガン中佐は『もらった!』と思った。

 

敵空母は高速で回避運動を続けているが、少なくとも各艦に3発ずつ命中した。

しかし、ホーガンの期待した炸裂炎は上がらなかった。

いや、一瞬オレンジ色の炎が見えたが、次の瞬間、魔法のように消えてしまったのである。

飛行甲板は無事で、何事もなかったかのように敵空母は疾駆している。

この出来事はホーガンの理解を、元より混乱させた。

3発の《ハープーン》対艦ミサイルが全て不発などあり得ない、しかし現実に起きていることだから否定しようがない。

ホーガンは高度を下げて確認しようとしたが、これが命取りとなった。

護衛艦が発射した《シースパロー》のセンサーに捕らえられた機体は逃れる術はなかった。

ホーガンは後部座席にいたパイロットと、火達磨の機体とともに戦死した。

さらに運動性能をリ・プログラミングしたF-14《トムキャット》部隊が襲い掛かり、機体下部に搭載した対空対ミサイルが《スーパーホーネット》部隊を背後から襲った。

《トムキャット》のような変幻自在の飛行能力を持たない《スーパーホーネット》には、これを躱すことは不可能である。

敵護衛艦からの攻撃とともに、50機が撃ち落されたのを見た《スーパーホーネット》部隊は全機反転し、退避を始めた。

パイロットたちは、AGM-84《ハープーン》が飛行甲板に命中しても損傷がないことを見て、意気阻喪をしてしまったのである。

退避する間も《トムキャット》部隊の追撃は続いた。

ミサイルを使い果たし、固定兵装の20mmガトリング砲で機銃掃射した。

これにより、捕捉された20機の《スーパーホーネット》が撃ち落された。

キンケイドが多大な期待を持って送り出したVTミサイルを装備した《スーパーホーネット》部隊は、脅威の《トムキャット》部隊に対して、ほんの一瞬という勝利をあげただけで終わってしまったのだった。

 

 

 

日本《スーパーホーネット》部隊は、米海軍が制式採用した最新鋭ステルス艦載機F-35C《ライトニングⅡ》が待ち構える空域に突入した。

日本の《スーパーホーネット》は単座型のF/A-18Eだが、日本機の場合は無人機だから身軽であり、その上に非線形飛行も可能となっている。

この驚異な運動性能によって、敵の空対空ミサイルを回避する。

米軍の《ライトニングⅡ》は、高速で突っ込みミサイルをぶっ放したが、信じがたいアクロバット飛行でことごとく躱されてしまったのだ。

なにしろ、いきなり直角にどの方向にも曲がるのである。

多くの《ライトニング》部隊のパイロットたちは『こんなジェット機は見たことない』と、口をあんぐりと開けてしまった。

しかし、この《ライトニングⅡ》部隊にも例のVTミサイルを装備していた。

通常型の空対空ミサイルの効果がないと見て、これを発射した。

戦果はそれなりにあり、数機がこのVTミサイルの餌食となった。

しかし、数機が撃墜された時点で敵も学習したらしく、その手は効かなくなった。

遠方でミサイルを躱してから、旋回して来るところを20mmガトリング砲で破壊する戦術に切り替えた。

《ライトニングⅡ》がミサイルを使い果すと、今度は《スーパーホーネット》部隊の逆襲が始まった。

敵機のような驚異なアクロバット飛行を持たない《ライトニングⅡ》は逃げ切れず撃墜される機が続出した。

 

この間に50機の《スーパーホーネット》が、まず第88任務群上空に到着した。

空母2隻が黒煙を噴き上げているのを人工脳の全天候センサーがしっかり見届けた。

この2隻に対して集中攻撃をせよと、全機に伝達した。

自己プログラミングを持つ無人機は、プログラムに従い、彼らはAGM-84《ハープーン》対艦ミサイルをこの2隻に対して発射した。

 

《ジョージ・ワシントン》は未だに消火活動が続いており、さらに兵器庫まで火が及ぶと言う危険が迫っていた。

艦長はやむを得ず、艦の速力を20ノットに落としていた。

速く走っていると、炎が煽られ消化しにくいからである。

むろん兵器庫には自動消火装置を備えているが、万が一と言うこともある。

浸水はほぼ止まり、傾斜は復旧していた。

護衛艦を始め、空母自身が装備している対空兵器が猛烈に撃っているが、例の《スーパーホーネット》は非線形飛行でそれを躱し、ミサイルを発射したのである。

 

《セオドア・ルーズベルト》の方は、事態が深刻でまだ浸水が止まらず、続けざまに防水区画が破れて、寧ろ傾斜が深まった。

こちらも止むを得ず、速力を落とさらざるを得なかった。

その時、2発の《ハ―プーン》対艦ミサイルが飛んできたから堪らない。

ミサイルは、飛行甲板を突き抜けて格納庫で大爆発を起こして、その瞬間《セオドア・ルーズベルト》は完全に空母機能を喪失してしまった。

同じく《ジョージ・ワシントン》も2発も喰らったが、そのうち1発が艦橋に直撃した。

艦長・マクドナルド大佐もこの時、艦橋に上がっていたので不運にも彼の肉体は艦橋もろとも吹き飛んでしまった。

艦橋には無数のアンテナが林立しており、多様な用途もあり、レーダーもある。

CICは艦内にあるから戦闘能力は失われていないものの、通信手段が失われ、事実上《ジョージ・ワシントン》は耳目を喪失してしまった。

1発は飛行甲板を貫通し、格納庫内部で爆発した。

どうも日本軍の対艦ミサイルは、異様なほど高い貫通能力を持っている。

新たに火災が生じた《ジョージ・ワシントン》は手が付けられない混乱状態となった。

攻撃を終えた日本機は、風のごとく姿を消した。

その進退すら人間離れして鮮やかだった。コンピューターが操縦しているのだから当然と言えば当然だった。

 

 

 

第一次攻撃隊が帰投した後、両軍司令部では戦況を整理した。

鬼頭海将は、まずまずの戦果を挙げたと報告した。

例の《スーパーホーネット》部隊の報告では、空母2隻にダメージを与え、空母機能を喪失させた。

喪失した味方空母は皆無だが、例のVTミサイルのため《トムキャット》20機と《スーパーホーネット》5機は撃墜されたが、戦力は未だに健在である。

充分に第二次攻撃隊を編成できる。

 

しかし、敵にはまだ健在な2隻の空母が残っている。

このまま退避するとは、考えられない。

《マザー》の分析によると、敵は機体に接近しただけで炸裂するVTミサイル《バーチャル・タイミング・ミサイル》を発明したと告げた。

これは太平洋戦争当時のVT信管と同じ発想だが、接近と炸裂は遥かに速いスピードで行なわれ、弾頭の破片が高速で広く飛び散るため、20機の《トムキャット》と5機の《スーパーホーネット》が喰われた。

しかし、味方航空団は対VTミサイル戦術をプログラミングしたと《マザー》は説明した。

今後は同じ目には遭わないだろう。

鬼頭海将は、敵はあと何隻空母にダメージを与えれば、戦闘を諦めるだろうと考えていた。

米空母の情報はPMCから提供したが、最新鋭空母3隻を就役しているがそれでもいたずらに挑むことはないだろうと読んだ。

これだけでも致命傷を与えたのだから、もはや展開することはできないだろうと……

 

鬼頭海将の推測は、恐ろしいほど当たっていた。

太平洋軍司令部・ディエゴ司令部は、キンケイド大将から第88任務群の空母《セオドア・ルーズベルト》《ジョージ・ワシントン》の両艦が戦闘航海継続不能の損傷を受けたことを聞くと、この戦闘を継続すべきかペンタゴンにお伺いを立てた。

なにしろ、空母の損傷は大きい。

米海軍の原子力空母は、文字通り“不沈艦”とされ、いかなる攻撃にも損傷は受けることはないと言われた。

しかし幾度も言うようにその神話を壊したのは、皮肉にも今は味方となっている連邦残党軍と連邦深海棲艦たちである。

そして今では敵となった日本によって脆くも壊されつつあるのだった。

 

ニミッツ級空母の建造費は、数億ドルと桁違いに高い。

当然だが損傷をすれば、修理費も高い。

しかし、問題はそれではなく戦意高揚イメージの喪失であった。

報告を受けたケリー国防長官は、今更ながら日本のしぶとさに驚いたが、それより米軍最強神話が危険に瀕していることに気が付いた。

 

「これは不味い……」

 

ハワイを取られるよりも、こちらの方がよほど深刻である。

ケリーは任務群に引き揚げさせるか、それとも戦闘を続けさせて空母喪失の覚悟という危険を冒すか、そのジレンマに襲われたのである。

しかも時間がない…… 今にも敵は次の攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

しかし、日本軍にはこちらの様子を見ているところがある。

こちらが引けば、無暗には追撃してこないだろう。

ケリーは大統領に電話して、最終決断を仰いだ。

 

『何と言うことだ、国防長官。キミは我が国が誇る空母戦闘群が壊滅に瀕しつつあると言っているのかね?』

 

「いいえ、そこまで言っているわけではありません。しかし、このところ空母のダメージが大き過ぎます。連邦潜水艦と深海棲艦の攻撃によって失われた《ロナルド・レーガン》を除き、我がニミッツ級空母4隻が大破して修理を余儀なくされるのは、極めてリスキーな状態です。我が海軍のシンボルを失ったこととも言えます。

それぐらいであるならば、寧ろハワイを失った方がマシであると私は考えます。

大統領のご決断をお待ちしています」

 

『しかしハワイを失うことは……太平洋を失うことになり、太平洋は日本の海となってしまう』

 

ハドソンは反論した。

 

「仰る通りですが、これは一時的のことで、取り返すチャンスがあると考えます」

 

『国防長官、キミは連邦と同盟を切り、日本と和平を考えているのかね?』

 

「まだ結論を下すのは尚早でしょうが、その選択肢も頭に入れておきませんと……」

 

『うむ、そうしてくれ』

 

ハドソンは唸った。

 

『……分かった。キミの意見を尊重しよう。ディエゴ大将には『任務群はサンディエゴに戻せ』と伝えてくれたまえ。

しかし“ハワイは戦力が続く限り死守せよ”と命じるのだ。戦わずしてハワイを明け渡すことは許さん。国民も承知せんだろう』

 

ここに来てハドソンは初めて、大統領らしさ気概を見せた。

 

「分かりました、そのように措置します」

 

 

 

第10艦隊では午後の攻撃に備えて、F/A-18G《グロウラー》を飛ばして、敵の様子を偵察させたが、敵は損傷した空母を守りつつ、1個任務群とともに退避しつつあると報告してきた。

敵は速くも戦闘を諦めたらしいと、鬼頭海将は判断した。

これ以上、空母喪失はできないと統合参謀本部が考えたのだろう。

第10艦隊では第二次攻撃隊の準備をしていたが、鬼頭はその目標を変更させた。

これらはハワイの上陸時点に築いている陣地を叩くからだ。

明朝より攻撃を開始する、Z機部隊にも連絡して空襲を行なうよう、日本に連絡した。

 

 

 

ペンタゴンから連絡を聞いたディエゴ司令官は、本土から見捨てられたことを悟った。

大統領からは『ハワイ防衛は連邦と共々、キミの双肩に掛かっている』とわざわざ連絡してきたが……これは独力で戦えと言うことではないか。

 

「それならば結構だ、独力で立派に敵を撃退してやる」

 

ディエゴ大将は決心するとともに全軍に通達した。

 

“最後の一兵になるまでハワイを守り抜け、これが我が米軍の伝統だ”

 

連邦残党軍も同じく、最後の一兵まで米軍と戦えと中岡たちから伝達があった。

 

 

 

ハワイを見捨て、空母戦闘群を温存すると言うケリー国防長官、ひいてはハドソン大統領の決断は後々正しかったと言える。

その日の午後判明した。

 

 

 

連邦残党軍緊急司令部

 

「これを日本までに運ぶとなれば、さぞかし一泡喰うでしょう」

 

こう告げたのは中岡元大統領である。

今でも自分は連邦国大統領と言う威厳は衰えてない、寧ろそれにしがみ付いていると言った方が正しいが。

 

「ハワイを見捨てた大統領を椅子から下ろせば、私が大統領になると言うわけか」

 

とある人物は思わず自身が大統領になることにニヤリとした。

あの大統領よりも自分自身が大統領になった方が、かつてのアメリカを取り戻せるからである。

 

「さすれば日本もさぞ驚くだけでなく、こちらに優位な和平交渉が出来るでしょう」

 

「そうある事を願うな」

 

中岡たち率いる連邦残党軍はどうにかして日本にひと泡を喰わせようと“とある作戦”を計画していた。

日本がハワイを陥落した後に、狂気とも言えるこの作戦を発動するつもりでもある。

全てはアメリカと連邦残党軍の輝かしい未来のためである……

 

 

 

(第三章 了。第四章に続く……)

 

 




はい、ということで第三章が無事終わりました。
次回から第四章に突入することになります。
因みに漫画版だとかなり省略されています、この海戦は。
ともあれ日本空母戦闘群の完全勝利となりました、この海戦も然りですが。

灰田「ここまで長い道のりでしたが、第四章も引き続き楽しめてくれたら幸いであります。とは言え、第四章で最終章でもありますがよろしくお願いいたします」

では早めですが、次回に移ります。
次回から第四章、元より最終章が始まります。
まずはアメリカ視点、そして連邦視点から送ります。
原作とは違った展開、オリジナル展開が多いため投稿が遅れることもありますがご了承ください。

灰田「……それでは第九十九話まで、ダスビダーニャ(さよならだ)」

ダスビダーニャ!次回もお楽しみに。
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