これは、俺こと水沢蓮が大学を1年間休学して世界を歩いていた時に、出会ったとある妖怪との物語である。
あれは、南アフリカのとある街を観光して、ホテルで寝ようとした時のことだった。俺も流石に安宿の酷いシャワーなんかにも慣れて、ベッドで虫が這い回ってても平気になり始めた頃。
うつらうつらしてた、俺の前に急に光が現れた。
「な、何だってんだ一体!?」
「痛い! うう、あのスキマ妖怪め。」
(どうやら人が勝手に入ってきたらしいな。それに、言葉から考えて日本人だと思うが。)
闇の中でしばらく観察した後、ゆっくりと傍らの刀に手を伸ばす。そして、刀の柄に手をかけ、刀身が光を反射しないよう慎重に抜いていき、ベッドから離れ、電気のスイッチに近づき、スイッチを入れると同時に。
「この泥棒が!」
峰打ちにするつもりで刀を振り下ろしたのだが・・・。
「お、女の子!?」
そこに座っていたのは、小学生か中学生くらいの少女だった。
「はい、一応は女の子です。」
まあ、特に害もなさそうなので刀を鞘に納める。
「一体どこから入ってきたんだ? 一応鍵は閉めたんだけど。」
「言っても到底信じてもらえないでしょうから。」
そう言いながら片目を瞑りこちらを見ている。
「一応これでも善人で通ってるんだけどね。何か話して貰えないかな?」
「あなたは、度を越したお人好しですね。普通は出会ったばかりの、正体不明の相手に、それほど親切にはしませんよ。嘘は言ってないようですが。」
まあ確かに普通はそうだよな。仕方ない、話すしかないかな。こんな子供に話すことでもないんだろうけど。
「話してもいいが、子供が聞くにはしんどいと思うんだが。」
会話の間中ずっと彼女は片目を瞑っていたのだが、急に開くと、こう言い放った。
「分かりました。話さなくて結構です、あなたが本当に私のことを考えていると、分かりましたから、本当にあなたはお人好しですね。」
分かったとはどういう意味だろう? それに、どうも年に見合わない雰囲気を纏っているように感じる。職業柄そういう雰囲気を察するのは得意だ。
「この際だからはっきり話します。」
彼女は少し間を置くと、再び唇を開いた。
「実は、私は妖怪です。」
「はい?」
よ、妖怪? 一体全体この子は何の話をしているんだ? でも、この子の雰囲気。
「証拠をお見せしましょう。あなたの職業は大学生、現在は1年間の休学中、卒業後は殺し屋をしている家を継ぐ予定で、殺すことに躊躇いはない悪人かと思いきや、一方で後を継ぐかどうか迷っていて旅をしている。」
彼女の話していることは全部当たっている、そして、旅の目的は誰にも話したことはない。だとすると本当に?
「驚いたよドンピシャだ。」
「どうということはありません。心を読んだだけですから。」
そう言って彼女は微笑んだ。
これが初投稿なので文法の間違い、誤字脱字など多々あると思いますが、ご容赦くだされば幸いです。