鈴藤灯華は勇者になれなかった   作:水甲

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番外編1

ある日の勇者部の活動中のことだった。

 

「あの先輩」

 

「どうかしたの?桔梗」

 

「すみませんがちょっと明日の部活休みます」

 

「あら大赦関係?」

 

「いえ、ただの用事ですから」

 

桔梗がそう告げて作業に戻った。でも、私は……

 

「なんか気になるわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「さて集まってもらって悪いわね。灯華、桜」

 

「あの何で私達なんですか?」

 

「他の皆さんは?」

 

「それがみんな用事があるみたいなの。もちろん勇者部の活動は緊急だけど中止になったけどね」

 

「はぁ、それで今日は……」

 

「桔梗の事を調べようと思ってね。あいつって何気に無茶してたりするから、隠れて何かをやらかしてたらまずいじゃない」

 

「なるほど、部員が無茶をしてないか見守るのも部長の役目ですね」

 

「でもプライベートを見守るのはどうかな?」

 

「さて早速ターゲットが動いたわ」

 

「聞いてないですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は桔梗の後をつけていくと桔梗に誰かが話しかけてきた。

 

「樹ちゃんですね」

 

「ありゃもう終わったのかしら?」

 

「歌手になるのが夢なんですよね。一回だけ聞いたことあるんですけど良い歌声でした」

 

「そりゃ、もちろん自慢の妹だからね」

 

それにしても樹があんなに嬉しそうに桔梗と話しているのを見ると……

 

「もし桔梗が樹に手を出したりしたら私、正気でいられるかしら?」

 

「樹ちゃんって純粋だから傷ついて自殺とかしたら……」

 

「くっ、精霊がいれば自殺とか防げるのに」

 

「あの桔梗さんはそんなことしないと思いますけど……」

 

二人が少し話し込み、そのまま別れるのであった。

 

「先輩、動きましたよ」

 

「って先輩は?」

 

さっきまでいた風先輩がどこかにいなくなっていた。するとすぐに戻ってきたのだが、樹ちゃんも一緒だった。

 

「さぁ行くわよ」

 

「あ、あのどういう状況なんですか?」

 

「まぁ尾行かな?」

 

「もしかして先輩、何を話していたか心配だったんですか?」

 

「他愛のない話だったわ」

 

 

 

 

 

メンバーが増えて更に尾行を続けると浜辺で今度は夏凛さんと遭遇していた。

 

「今度は夏凛ね」

 

「何だか木刀持ってなにか叫んでますよ」

 

「もしかして模擬戦じゃないんですか?未だに勝負して勝ててないって言ってました」

 

「それはありそうだね。って樹ちゃんも無理に付き合わなくていいのに」

 

「でも面白そうですし……」

 

しばらく二人のことを観察していると桔梗が適当に何かを言ったのかそのまま去っていった。

 

「動いたわ」

 

「あんたら何してるのよ?」

 

ふっと後ろを見るとさっきまで浜辺に居た夏凛が後ろに居た。

 

「まさかあっさり後ろを取るなんて……」

 

「いや横から見たらバレバレの尾行だったわよ。桔梗の奴を尾行してるの?」

 

「はい、何だかお姉ちゃんが無茶しないか心配だって」

 

「ふ~ん、まぁ確かにあいつは友奈の次に無茶をするからね。私も参加するわ」

 

こうして夏凛が仲間に加わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく尾行を続けるとお寺に着くのであった。そして桔梗は誰かと待ち合わせしていたみたいだ。相手は……

 

「友奈に東郷、園子までいるわね」

 

「三人とここで待ち合わせしてたんですね」

 

「待ち合わせ場所としてどうなのかな?」

 

「普通遊びに行くんだったらこんな場所でもなくたっていいのに……」

 

「もしかして……」

 

私は桔梗が今回の目的地が何なのか理解した。桔梗はお墓の前で何かを語った。私達は耳を澄ますと

 

『あんまりこれなくってごめんね。みんな』

 

まさかお墓参りだったなんて……でも何で友奈たちを……

 

『本当だったら勇者部のみんなを連れて来たかったんだけど、みんな用事があるって言ってたから、友奈たちしか来れなかった』

 

『初めまして結城友奈です』

 

『乃木園子です。お久しぶりです神宮のおじいちゃん~』

 

『初めまして東郷美森です。その桔梗くんとお付き合いしてます』

 

『みんなクラスメートで同じ部活のメンバーで勇者の仲間なんだよ。他にも歌手を目指している樹や頼りになる先輩、負けず嫌いだけど頼りになる夏凛、新入部員の灯華と桜もいるんだ。みんな僕の友だちだよ』

 

『そのちゃんは桔梗君のお爺ちゃんと……』

 

『会ったことあるよ~優しいおじいちゃんだった』

 

『何だか責任を感じちゃうわ。桔梗くんの家族って……』

 

『そのことは園子に言われて怒ったから気にしなくていいよ』

 

四人の話をしばらく聞いていた私達は何だか悪い気がしてお寺から出て行った。

 

「あの桔梗さんって……」

 

「うん、昔事故にあったって聞いてたけど……」

 

「私もお姉ちゃんが話してくれました」

 

「あいつは暇さえあれば墓参りしてるわ。前にあいつの保護者に聞いたことあったし」

 

「何だか桔梗のああいう姿を見て余計に見守りたいって気持ちになるわね。天国であいつの家族のためにって」

 

私からしてみれば両親の代わりに樹を見守ってたりするけど……あいつの場合はそんな人が居ないからな……というかそれは私も一緒なのかもしれない。すると樹が肩をちょんちょんと突っついた

 

「お姉ちゃんは私が見守るからね」

 

「樹、ありがとうね」

 

「それじゃ、私は桜を見守ります」

 

「じゃあ私は灯華ちゃんだね。夏凛さんは?」

 

「私!?私は……一人でも十分よ。まぁ勇者部の皆を見守るのもいいけどね」

 

「それじゃ今からみんなで遊びに出かけるわよ」

 

 

 

 

 

 




番外編は一発目は風の尾行でした。次回は特典ゲームの夏凛のお兄ちゃんが来る話をやりたいと思います
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