みんなでうどんを食べに行った帰り道の事だった。僕たちの前にいた一人の少女が突然姿を変え、薙刀を構えながら告げた。
「私は琴禅中学校勇者!!鈴藤灯華!いざ参る!」
その少女に僕と夏凛、園子も見覚えがあった。灯華が何で……勇者になったんだ?一体どういうことだ?
考える暇もなく灯華が僕らに襲いかかった。みんなは咄嗟に避けた。
「一体誰よあの子は!?」
「それに私達以外に勇者がいるなんて聞いてません」
「桔梗さん、夏凛さんはなにか知ってるんですか?」
「あの子は鈴藤灯華、勇者になれなかった奴よ。園子、あんた知ってたの?私達の他に勇者がいるって言うこと」
「う~ん、私が聞いてる限りでは讃州中学勇者部しか送ってない話だけどな~」
「どうしたんですか?早くはじめましょう」
薙刀を構えながら言う灯華。というかいきなり襲われる理由が思いつかないんだが、おまけに僕は灯華と戦うことが出来ない……
「先輩、すみませんが……」
「って戦えっていうの!?」
「あくまで止めるだけですよ」
「仕方ないわね。友奈、東郷、樹、夏凛、園子、行くわよ」
先輩達が勇者に変身した。武器や服はどうやら変化はないみたいだな。
「変身したんですね。ですけど、全員で相手しないっていうのは正直舐められたものですね」
灯華はそう言うと、その場にいた全員があることに気がついた。何故か友奈だけ変身していない
「友奈ちゃん?」
「友奈!?早く変身しないと」
「東郷さん、風先輩……私……」
何で友奈は変身しないんだ?いやもしかして変身しないんじゃなくって出来ないんじゃ……
「ゆーゆはちょっと下がってようか。風先輩、私は二人を守ってるね~」
園子がそう言いながら友奈を僕のところへ連れてきた。
「いいのか?一緒に戦わなくって」
「強い力があるから攻撃したほうがいいっていうのはちょっとおかしいかな?強い力があれば守ることに使えるからね~」
「園子らしいな。それはそうと友奈、お前の端末にアプリが届いてなかったのか?」
うつむく友奈は頷いてくれた。
「何でその時に言わなかったんだ?そしたら……」
「それに前から何かがおかしいの。身体の中から何かが溢れてくる感じがしたり……それに……」
友奈が何かを言いかけた瞬間、風先輩がこっちに吹き飛ばされてきた。
「つぅ、」
「先輩!?」
「何なの?あの子は……滅茶苦茶強いわよ」
「あれでも勇者になるために鍛えていたみたいですからね。強いのは当たり前ですよ」
「それでも普通東郷の銃撃を弾いたりとか樹のワイヤーを切り裂いたりするなんて出来るのかしら?」
「それは~ちょっとおかしいかな?いっつんのワイヤーは私でも切ることは出来ないと思うよ~そういう風になってるって聞いたことがあるけど~」
多分大赦から僕らの勇者時のデータをみたんだろうな。それなら園子の言うことは納得できる。それじゃ、どうすれば……
「ん?」
「はぁぁ!!」
灯華の薙刀が夏凛の刀を弾き落とす。夏凛は追撃を躱しながら距離をとった。
「まったく強すぎるわよ。こっちの武器も壊れていくし」
「私の勇者システムはあなた達よりずっと性能がいいって聞いてます。だからだと思います」
「夏凛ちゃん、今はこの場から逃げたほうがいいと思います。さっきから私や樹ちゃんが声をかけているんですが」
「聞いてもらえません。ずっと『こっちは話をつけたと聞いてる』って言ってるんです」
「一体何の話よ!!」
灯華が一気に接近し、大きく振りかぶった。
(まずい、刀で防いでも破壊される……このままじゃ……)
やられると思ったその瞬間、一発の銃弾が薙刀を弾いた。夏凛は東郷がやったものだと思ったが……
「悪い、ようやく僕の方も完成したみたいだ」
僕は黒い銃から何発もの銃弾を放ちながら、三人の元へとたどり着く
「桔梗くん」
「大丈夫そうだな。さて、鈴藤灯華……どういうことか説明してもらうぞ」
「神宮桔梗くん、説明って私は……」
突然灯華の端末に電話がかかってきた。灯華は電話にでると……
「えっ、手違いで……はい、わかりました。すみません、どうやらそちらに連絡が来ていないみたいでした」
「何の話だ?」
「でも、戦ってわかりました。私の方が勇者にふさわしいって……」
灯華はそのまま去っていく。一体何が起きようとしてるんだ?
僕らはここから近いという理由で、僕の家でみんなで話し合うことにした
「それで大赦から今回のことは?」
「僕の方では大赦は聞いてないって」
「私の方もだよ~」
「こういう時私や夏凛の方が連絡取れないっていうのは辛いわね」
先輩や夏凛の方は大赦から連絡することが出来ないらしい。連絡きたとしても一方通行みたいなものだ。さて、僕として気になるのは友奈のことだ。体の異変、アプリのことも……大赦にも話はしてあるし……
「考えることがいっぱいあるな……まったく」
ある場所にて
「さて、折角来たんだ。あちらさんと話し終えた後、行くとしようか」
「ですが……」
「諦めて下さい。主はそういう人だって知っているはずですよ」
とある三人が有る場所へと向かっていった。