鈴藤灯華は勇者になれなかった   作:水甲

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第5話 来訪

灯華の襲撃、友奈の異変を大赦の病院に東郷と一緒に行っていた。そんな中、風は勇者部部室に向かっていた

 

「鈴藤灯華か……一体彼女は何のためにあんなことしたのかしら」

 

ため息をつきながら部室の扉を開けると……

 

「あら、お邪魔してるわよ」

 

「!?」

 

部室の椅子に本を読みながらこっちを見る少女がいた。

 

「ちょ、ちょっとあんた誰よ!?部外者が勝手に入ってきちゃ……」

 

風が何かを言いかけた瞬間、ある異変に気がついた。それは風の横に巨漢の男が立っていた。

 

(……何この男……まったく気が付かなかった)

 

「やめなさい。彼女は別に私に危害を加えようとする人じゃないわよ」

 

少女は本を閉じ、男を注意した。

 

「悪かったわね。犬吠埼風」

 

「……あ、あんたは一体……」

 

「お、お姉ちゃん?」

 

「ちょっと風なにが……」

 

タイミングいいのか悪いのか、樹と夏凛も来たのだが、この状況に困惑してる

 

「段々と増えてくるわね。いいわ、折角だからみんな集まってから話をしましょう。私は天の世界を統べる者。あなた達にわかりやすく言うと天の神よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈の付き添いで僕と美森と園子も病院について行ったのだが、何故か今日は大赦絡みの病院がどこも開いていなかった。

 

「こんなことあるんだね~」

 

「いや、普通はないだろ。診察くらいだったら日曜日休みになるけど……今日は平日だし、診察時間もまだやってるのに」

 

「何かあったのでしょうか?」

 

「ごめんね。三人とも付き添ってくれて……」

 

「いいのよ、友奈ちゃん。これぐらいのこと……」

 

「そうだよ~友達だもん」

 

「まぁ、僕も聞きたいことあったしな」

 

灯華のデータを見せてもらいたかったくらいだし、昨日のことも話しておいたし、前もって見せてもらう手はずだったんだが……何が起きたんだ?

 

フッと前を見ると電柱にもたれかかるフード付きのコートを羽織った少女がいた。うん、何か見覚えがある

 

「あっ、きたきた」

 

少女が僕らに気が付き、フードを取った。そうだ、見覚えがあるはずだ。彼女は以前天の世界で会った蛇使い座のバーテックス。そして……

 

「ミノさん……」

 

「銀……」

 

「あっ、あはは、園子、須美、久しぶり」

 

恥ずかしそうに笑う銀に抱きつく園子と美森。

 

「なんで、なんで銀が……」

 

「でも、会えて嬉しいよ~」

 

そうだよな、彼女たちはあの時以来の再会だもんな。

 

三人の再会を見つめていると友奈が肩を叩いてきた。

 

「桔梗くん、あの子って……」

 

「あぁ、あいつは三ノ輪銀。美森と園子と同じ先代勇者であり、そして僕に勇者の力を授けてくれた人だよ」

 

「それがあの子……あれ?死んだって聞いたけど……」

 

「死人に変わりないけどな。今のあいつは天の世界の住人であり、13体目のバーテックスでもあるしな」

 

「?」

 

そういえば詳しく話してなかったな。天の世界に関しても……それはそうと……

 

「銀、なんでお前がこっちにいるんだ?」

 

「あぁ、そうだった。実はね、天の神と一緒にこっちに来たんだよ。神樹が作った世界はどんなものかって、大赦の方から聞いてない?」

 

まぁそんな話、聞いてるわけ無い。結構トップシークレットなものだしな……というか……

 

「あの人まで来てるのかよ!?」

 

「人の目で見たものより自分で見たほうがいいってさ。多分今頃は讃州中学にいるんじゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは銀の言うとおり讃州中学に行くと丁度先輩から連絡が入り、とんでもない来客が来てるというものだった。うん、予想はつく

 

勇者部に入ると妙な空気が流れていた。椅子に座りながら本を読む少女。そしてその後ろに立つ巨漢の男。そんな二人を警戒する先輩、樹、夏凛の三人

 

「ほぉ、ようやく来たか。神宮桔梗」

 

「なんでまた……」

 

「ふむ、銀から聞いていないか?」

 

「いや、聞いているけど、なんでいきなりこっちに来てるんだ」

 

「暇だから」

 

天の神の返事、頭を悩ます僕。銀は笑顔で……

 

「神様だからすごく真面目そうなイメージあっただろうけど、意外とこういう人だから」

 

というが、あの時話したときとまったく違うのも……

 

すると天の神が友奈の方を見た。

 

「あら、結城友奈ではないか。どう?力は馴染んでる?」

 

「えっ?」

 

天の神は友奈の異変に何か知ってるのか?

 

「あの、友奈ちゃんのことなにか知ってるんですか?」

 

「ふむ、その様子では気がついてはいないみたいね。彼女は神樹に選ばれた真の勇者よ」

 

「真の……勇者……」

 

「選ばれたって、私達とどう違うのよ」

 

夏凛が更に質問を投げかけると天の神の代わりに巨漢の男が答えた。

 

「お前たちは勇者システムと呼ばれるもので、神樹の力を借り勇者として戦ったのだろう。彼女は違う。彼女はそう言ったシステム……いうなれば道具を使わずに勇者の力を扱える存在に変わった。覚えがあるだろう、結城友奈。我を倒した時のことを……」

 

「我?」

 

「あの戦ったことありましたっけ?」

 

「あぁ、先輩、樹。いい忘れてたんだけどこの人レオ・バーテックスだよ」

 

「「「「えええええええええええ!?」」」」

 

そりゃ驚くよな。この事話してあるのって園子くらいだったし……

 

「その、レオ・バーテックスさん」

 

「呼びにくいだろう。我は獅子神でいい」

 

「獅子神さん、もしかしてあの時アプリを使わずに貴方の御霊を破壊した時……」

 

「そうだ、お前は真の勇者に覚醒し、その身に神樹の力を宿した。真の勇者として戦う定めを与えられた」

 

「まぁでもその定めも無くなったけどね。私達天と神樹が手を取り合うように頼んできた彼のおかげで……」

 

天の神は僕の方を見た。もしかしてあの時友奈のことも助けていたのか

 

「まぁアプリなんて道具使わないで勇者になれるくらいだから別に心配することないわよ」

 

「そ、そうなんですか……」

 

「もしかして色々と気にしちゃった感じ?大丈夫よ。別に害はないから。ちょっと身体の中から力が溢れるくらいだから、すぐに馴染むわ」

 

「は、はい」

 

「さて、今日は……」

 

天の神が何かを言いかけた瞬間、突然窓ガラスが割れ、一発の矢が天の神目掛け飛んできた。だが、天の神はその矢を指二本で挟んで受け止めた。

 

「彼女みたいね。獅子神、銀、そして神宮桔梗、結城友奈の四人で捉えてきなさい」

 

何で僕らが……

 

「残った人には私が来た理由を話すわ。ほら、早く行きなさい」

 

 

 

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