鈴藤灯華は勇者になれなかった   作:水甲

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第6話 覚醒

桔梗達が天の神と会う数時間前のこと、私と同じ勇者である桜と一緒に宝条さんのところに来ていた。

 

「来てくれたのね。灯華ちゃん、それにそちらは……」

 

「この子は立花桜って言って、私の仲間です」

 

「は、初めまして」

 

「ふふ、初めまして。それで灯華ちゃん、勇者の力はどうだった?」

 

「はい、すごかったです。おまけに讃州中学の勇者たちよりすごく強くなっていました。でも、連絡の行き違いでちょっと酷いことを」

 

まさか連絡があっちに来ていないなんて……事情が事情ですごく申し訳ないと思う私であった。だけど宝条さんは優しく微笑んだ

 

「よくあることよ。仕方ないわ。貴女が気にすることじゃないわ。それで今日呼び出したのはちょっと厄介なことがあってね」

 

「厄介なことですか?」

 

「えぇ、どうやらこの世界を狙う敵が讃州中学に来ているみたいなの。そいつの処分をお願いするわ」

 

敵って、もしかしてバーテックス?でももう戦う必要が無いって大赦から……

 

「あの、バーテックスなんですか?」

 

桜が私の疑問を代わりに聞いてくれた。

 

「バーテックスね。大赦と天の神の友好を壊そうとしているのかもしれないわ。そんなことあってはならない。そのためにあなた達がそいつを倒すのよ」

 

「はい、分かりました。行こう、桜」

 

「う、うん」

 

私と桜は早速讃州中学へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

讃州中学についた私たちは物陰でその敵がいると思われる場所を見つめていた。

 

「あそこは家庭科準備室みたいですね」

 

「あ、あの、灯華ちゃん。あの宝条さんって本当に大赦の人なのかな?」

 

「どういうこと?」

 

だって、宝条さんは私に希望を与えてくれた人、桜は何を疑っているのだろうか?

 

「何だかわからないんだけど、本当に信じていい人なのかなって」

 

「もう、桜は疑り深いだけだよ。あの人はすごくいい人だよ」

 

「そ、そうだといいけど……ごめんね、早速はじめよう」

 

私達は変身した。桜の衣装は私と同じ巫女装束で武器は弓矢だった。

 

「画像の女の子がそうみたいだよ」

 

「人間にしか見えないけど、バーテックスなのかもしれないんだよね」

 

「うん、そうだよ」

 

桜は弓を構えた。そして窓際にいる敵に向かって矢を放った。敵は攻撃に気がつかない。これなら……

 

「えっ!?」

 

だけど矢は敵に当たらず、敵である少女に受け止められていた。

 

「一旦引くよ」

 

「う、うん」

 

私達はすぐにその場から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天の神の命令で襲撃者を追う僕、友奈、銀、獅子神(レオバーテックス)の四人。襲撃者の後を追うとそれらしき人物が見えた。

 

「あの衣装は、鈴藤灯華!?」

 

「何のためにこのようなことをしたか気になるな」

 

「でもどうします?こっちでの戦闘はあまりにも危険では?こっちの人を巻き込みますよ」

 

「そ、そうだよ。一体どうすれば……昨日は夕方だから人目もなかったけど……」

 

友奈の言うとおり、昨日は人目がなかったから良かったものの、今日は違う。あいつらはそれを知って人目が多い場所を走っているのか……

 

「ふむ、こっちの世界は不便だな」

 

「いえ、私達の世界でも結構まずいですよ」

 

「仕方ない」

 

獅子神さんは立ち止まり、思いっきり地面を殴った。すると僕らのいた世界が光りに包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、眩い光に包まれ、気が付くと色とりどりの木々に覆われた世界に来ていた私達。一体何が……

 

「ここって、もしかして……」

 

「桜?」

 

「大赦の言っていた樹海なんじゃないかな?」

 

「ここが……」

 

突然の出来事で足を止めた私達、すると私達の前に四人の人達がやってきた。四人の内二人に見覚えがある。結城友奈と神宮桔梗だ。

 

「鈴藤灯華……お前、何してるんだ?立花桜も」

 

「私はこの世界のために……敵を倒そうとしているだけですよ」

 

「敵って……あの人は」

 

結城友奈が何かを言いかけた瞬間、私は彼女に刃を向けた。

 

「邪魔をするつもり?もしかしてあなた達は敵に操られているんですか?」

 

「そ、そんなこと……」

 

「…………奇妙だな」

 

巨漢の男が何かを呟いていた。聞こえなかった私は彼らを救うために戦う

 

「すぐに助けます」

 

薙刀を大きく振り上げ、巨漢の男に攻撃をしかける私、だけどその間に両手に斧を持った少女が入ってきて、攻撃を受け止めた。

 

「何をしてるんですか?攻撃来てますよ」

 

「わかっている。お前が来なくても良かったのだが」

 

「それを早く言って下さい」

 

「何を喋って……桜!!」

 

私の後ろにいた桜が巨漢の男目掛け、矢を放った。だが、その矢が何かによって破壊された。

 

「えっ?」

 

「立花桜、弓矢使いか。だったら銃を持った僕が相手だな」

 

「神宮さん……」

 

桜の相手は神宮桔梗さん……結城友奈はじっとしてままだった。戦う気がないのか……

 

「二対一でも、勝ってみせます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は皆の戦いを見ていることしか出来ないのか……

 

(でも、私は勇者の力があるって……色んな事があって不安でしょうがない、そのせいか忘れていたのかな?勇者部五箇条を……私に勇者の力が宿っていて、神樹の勇者になって何が起こるかわからないけど、なせば大抵なんとかなるよね)

 

「行きます」

 

私は心から強く願ったこの戦いを止めたいと……

 

その瞬間、桜色の光が私を包み込み、満開した時と同じ衣装に変わった。

 

「神樹の勇者!!結城友奈」

 




最後の最後で友奈の覚醒。
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