狩人が斬り裂く   作:雑穀

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患者

一日目

 今日は最悪の日だった。夜の11時くらいだったか、受験勉強に疲れた俺は気晴らしのためにコンビニに夜食でも買いに行ったのだが、その途中で大きな野犬に襲われた。子供くらいの大きさのやつで、俺に襲いかかってきた。幸い、近くを通りかかったコート着たおっさんがそいつを杖で殴り殺して俺は助かったのだが、足を思い切り噛まれた。悲鳴も出ないくらい痛かったのだが、オッサンが病院まで運んでくれた。検査したところ、歯が骨まで達していたらしいが一カ月安静にしていれば傷跡は残ってしまうが治るらしい。

 それにしても、俺を助けてくれたオッサンは何者だったのだろうか? 今度会ったらきちんとお礼を言っておこう。

 

二日目

 足の傷だが、なんか思ったほど痛くない。昨日の今日でもう痛みのカスしか残っていないって感じまで回復してきた。退院するって言ったら、医者も親父も御袋もまだ入院していろって言いやがる。冗談じゃあない。こっちは受験を控えているんだ。第一志望の大学は模試の合格可能性判定でB評価だったが油断はできない。何とか医者と両親を説得し、松葉杖付きという条件で退院が許された。最初から認めろっての。

 家につくと、夜花(よるか)が俺に抱き付いてきた。いつもそっけないやつだが、さすがにオレのことが心配だったらしい。今日ばかりはかわいく思えた。後でプリンでも買ってきてやろう。

 

三日目

 足の痛みはすっかりなくなり、包帯を取ってみると傷口も見当たらないほど完治していた。我ながら強靭な肉体だ。ひょっとして俺はショッカーに改造された改造人間なのかもしれない。冗談はさておき、もう松葉杖はいらないな。なんたって走れるくらい足が回復している。しかもいつもよりずっと速い。やっぱり俺改造人間なんじゃね?

 それはそうと、なんだか今日の夜花はいつもよりかわいく見える。毎朝顔合わせているっていうのに、今日は輝いているように見えた。胸がドキドキする。どうしたんだ俺?

 そういえば、なんだか耳鳴りがする。「キーン」って音じゃあなくて、「リリリリリ」って感じの十個くらい束ねた鈴を振りまわしているみたいな音だ。何にせよ、うるさい。勉強に集中できない。今度医者に行った時に相談してみよう。

 

四日目

 さいあくだ、昨日は一睡もできなかった。耳鳴りは止まらないし、寝ると嫌な夢を見る。夜花が変な化け物にバラバラにされる夢だ。そのせいでやたら夜花が心配だ。今日は勉強を早めに切りあげて、夜花を迎えにいった。テニス部で遅くまで練習しているんだ。この間みたいに野犬が出たり、不審者が出たりしたら大変だと思ったんだ。

 夜花は友達と一緒だった。多少強引だったが、夜花の手を掴んで家まで帰った。夜花の手、すごくあったかかった。

 相変わらず耳鳴りはうるさい。なんだか、その音が月から聞こえてきてるような気がする。

 

五日目

 俺はどうしてしまったのだろう。脱衣所から妹の下着を盗んでくるなんて。いままで夜花にそんな感情を持ったことはなかったのに。日を追うごとに夜花が恋しくなってくる。キスをしたり、抱きしめたり、もっと先に進んだり、夜花を使っての妄想がやめられない。

 月がうるさい。俺はこんなに悩んでいるんだ。少しだけでも静かにしていてくれ。うるさいうるさいうるさいうるさい。

 

五日目

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい

よるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるか

よるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるか

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よるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるかよるか

 

六日目

よるかは いつかおれ の もと からさってく。

けっこん してこども つく って おれから はなれてく。

 

ゆるさない

 

七日目

ずつといつしよ

 

 

 狩人は一つの民家に足を踏み入れた。小さすぎて、感じ取れはしたものの正確な場所がわからないでいた獣の気配が大きくなり、ようやく住処を感じ取れるまでになったのだ。そういえば、七日目に少年を助けた場所と近いと思ったが、それは狩りとは関係ないのですぐさま忘れることにした。

 この国では家の中に入るときは靴を脱ぐのが通例なのだが、それを知らない狩人は土足で入りこんだ。

 二階建てのそれなりに大きな家だ。靴の数や種類を見るに四人家族だろう。そう、狩人はぐちゃぐちゃに散乱した靴を、パズルのように組み合わせて判断した。

 

「……」

 

 玄関から奥へ向かう廊下は闇に包まれているが、狩人は夜目が利くので数メートル程度先は見える。

 そして歩を進める度に、この家の異常に気づいていった。

 床にはドスやナタのようなものでえぐられたような跡、そして大量の血痕があった。この量では血の主はすでに息絶えているということは想像に難くないが、問題なのはそれがあちこちに飛び散っていることだ。普通に人間を殺しただけではありえない血の跡、ズタズタに引き裂いた後に乱暴乱雑に振り回したか、あるいは子供が粘土をちぎるように人間を扱えばこうなるのだろうか。

 少なくとも、この惨状を引き起こしたのが人間ではないということは確かだ。念のため、狩人は武器を構える。

 

「――――――! ――――――!」

 

 ふと、廊下の奥から声が聞こえてきた。狩人は、拳銃と、杖を握りしめてさらに闇の中へと身を投じる。

 ある程度進んだ先に扉があった。声はそこから聞こえてくる。

 

「――カぁ、ヨルカぁ……ナ――カワ―――、ナ――――イナ―――……」

 

 狩人は扉をあけて中に入る。そこはリビングであった。小さなシャンデリアのような照明器具、小洒落たテーブルや椅子、ソファなどが置かれており、この家の住人がそれなりに裕福であったことを想像させるが、例にもれずこの部屋も無残に破壊されている

 

「……?」

 

 狩人は頭に疑問符を浮かべて部屋を見回す。目に入ってくるのは先ほども述べたテーブルや椅子、ソファの残骸、あるいは用途のわからぬ黒い板のようなもの。割れて散乱したガラスに、その上や下に飛び散った血痕ばかり。先ほどの声の主が見つからない。

 

「ヨルカぁ……ヨルカぁ……」

 

 更に声が聞こえてくる。それは上からだった。狩人が天井に視線をやると、そこには大きな穴があいていた。狩人が入ってきたところからでは小さなシャンデリアの影に隠れて気付かなかったのだ。元々こういう作りの家だったとかではなく、下の階から上までの天井を引きちぎり続けて開けたといった感じだ。人間が五人の束になっても通れそうな穴だ。今まで気付けなかったのが不思議でならない。

 ともかく、ここからではあの穴が通じている部屋に行くことはできないし、仮にあの穴から行けたとしても待ち伏せに会う可能性がある。狩人は一端リビングから出て、階段から件の部屋に向かうとした。

 階段の一番上までくると、二つの扉があった。一つには青い掛け板で表面には『YORUHIKO』と書かれており、もう一つにはピンク色に赤い花の装飾をほどこした掛け板で表面には『YORUKA』と書かれていた。

 耳を澄ませると、声は『YORUHIKO』と書かれた扉の向こうから聞こえてきた。狩人はその部屋の扉を開けた。

 

「ヨルカぁ……ナンテカワイインダぁ、ナンテキレイナンダぁ……」

 

 部屋の奥、扉から見てあの穴の向こう側に大きな影があった。

 それは背中だった。窓から差し込む月明かりを遮る、毛むくじゃらの黒くて大きな背中。それは何かに話しかけていた。うわ言、あるいは妄想、とにかく目の前の背中は何かに向けて話しかけていた。

 

「ンー?」

 

 ふと、その背中が頭を上げた。やはりそこも毛むくじゃらなのだが、上に向かって尖ったその耳は人間のものではなかった。犬、あるいは狼のものであった。

 背中の主はゆっくりとした動作で、首だけがまるでターンテーブルのように180度捻じれ、狩人の姿を見据えた。やはり、その顔は狗のものだった。

 

「ナン……ダ……オマエ……イヤ、覚エテ……ル……」

 

 狗神憑は首を180度回した状態のまま、狩人を睨みつけたり考えたりする素振りを見せた。

 恐ろしく奇妙な光景だった。頭のイカれた者どもの悪夢に、汚れたおぞましい聖杯の墓地に潜んでいた、汚らしい銀色の獣を思い起こさせる。もっとも、あれはフクロウのように頭を90度回していただけだったが。

 

「アノ…月ノ夜……オレヲ……野犬カラ……助ケテクレタ……」

 

「……」

 

「ソウダ……アンタノオカゲダ! アンタガアノ時助ケテクレタカラ、俺ハよるかヲ守ルちからヲ手ニイレルコトガデキタンダ」

 

 獣の首から下が、ゆっくりと狩人の方を向くように回る。

 

「ダカラ、ダカラ……」

 

 狗神憑の身体が、正面を向いた時に狩人は見た。その手の中にあるものを。

 

「俺ハ、よるかトズットイッショニイラレルヨウニナッタンダ」

 

 頭だ。二十歳を過ぎていないような、少女の頭だけがその手の中に納まっていた。身体から無理やり引き抜いたのだろうか、中ほどから折れた背骨が首の断面から竹蛇のように揺れている。

 その断末魔の形相は、絶望と恐怖に染まっていた。

 

「!」

 

 狩人は床を蹴って穴を飛び越え、空中で右手に持つ杖の鋭い先端を狗神憑に向けて突き出した。

 

「ナニ!?」

 

 狗神憑は素早い身のこなしで避けるが、巨体でこの狭い部屋に潜んでいたことがあだとなり、よけきれずに剣先がわずかに身体をかすめた。

 

「ぐぅるるぅぅぅ……オノレ!」

 

 狗神憑は少女の頭をかばうように抱え込み、窓を割って外に飛び出た。

 

「ダレモ、誰ニモよるかトノ時間ヲ邪魔サセタリハシナイ……!」

 

 アスファルトの上に着地した狗神憑は、道路に沿ってそのまま走り去っていく。

 逃がしはしない。狩人は窓から飛び降りた。狩人の速力をもってしても獣には追いつけないが大体の行動は予測できるし、そこからどこへ向かうのかも推測が可能だ。

 あの手の半端に成長した獣は人気の多い場所を避ける。自分に力があると頭で理解していても、本能が単独行動を拒む。群れなければ行動を起こすことはできないのだ。必然、裏路地や下水道、あるいは人気のない公園などに行きそうだが、脇道にそれていけば大旧杜近辺の森に通じている。隠れる場所という意味では、森はまさにうってつけであるから恐らくそこへ向かうだろう。

 

 狩人はアスファルトを蹴って、夜の街を駆け抜ける。

 

 ◆

 

 檻之宮、大旧杜より手前数百メートルほどの場所にある森の中。狗神憑は大事な夜花の頭を包みこむように持ち、木を背に周囲を見回す。鼻を鳴らし、耳を張り、細心の注意を持って周囲を警戒する。

 今のところ異常はないようだ。

 

「ふぅ……ふぅ……ココマデクレバ………」

 

 狗神憑は安堵し、脱力したように木に体重を預ける。その時に傷が痛んだ。

 狗神憑は忌々し気な目で狩人に着けられた傷を睨みつける。治らない。ちょっと前まで父親だったモノが包丁を突き立ててきたときは痛みも感じず、傷もかすり傷で、さらに瞬きする間に治ってしまったというのに、この傷は治らない。

 毒でも塗られていたのだろうか、そんな疑問が浮かんだが、すぐにそれを思考の外へと追いやった。

 今は最愛の妹との、二人だけの時間。余計なことは考えず、流れる流血にも気を遣わず、ただ愛を胸に刻みたい。手の中で、ずいぶんと小さくなった妹が微笑んでいるように見えた。

 

「ヨルカぁ……コンナ姿ニシテシマッテごめんヨォ……デモ、シカタガナカッタンダ……『月』ガ、コウスレバ二人ハ永遠ニ幸セニナレルッテ、ズット命令シテクルンダカラ……」

 

 狗神憑は妹の頭を潰さないように優しく抱きしめ、いったん身体から話すと口から舌を垂らす。その舌を持ち上げ、妹の頭の口の中にねじ込んだ。

 永遠にも思える刹那の中でかわす、妹との接吻。彼女の味を、ゆっくりと堪能し、同時に自分の匂いを刻み込んでいく。

 冒涜的な愛の光景を、夜空の三日月が静かに見下ろしていた。

 

「ソウダ……コンナくそ田舎ヲ出テ、二人デ逃避行シヨウ……南ノ方ノアッタカイ外国トカ……はわいガイイ。ヨルカ、家族旅行ハはわいニ行キタイッテズット言ッテタモンナ……。ソレナノニ……アノごみ親父トくそ御袋ハ『村』カラ遠クヘハ行ケナイトカ、訳ノワカラネーくそミタイナコトヲ言ッテ……」

 

 狗神憑は妹の頭から片手を話すと、その手に血が出るくらいの力を込めて木を殴った。狗神憑の腕からはひび割れるように大量の血が噴き出し、木の幹は粉々に粉砕され、大木は吹き飛ぶようにして倒れる。

 

「……オット、ヨルカニコンナ暴力的ナ場面ヲ見セルナンテ……俺ハ悪イ兄ダナ」

 

 狗神憑は血の流れる腕を持ち上げて妹の頭を撫でる。傷が瞬時に治ったので、愛らしい顔が汚れることはなかった。

 

「思イ立ッタガ……ナンダッケ? トニカク、スグニデモ出発シヨウ……朝ニナレバ、人目ニツキヤスクナルカラ、夜ノ間ニ遠クヘ……」

 

 狗神憑が立ち上がり、その場を去ろうとする。

 

 その次の瞬間。

 

「ウギャッ!」

 

 突如、狗神憑の左足が吹き飛んだ。狗神憑は倒れる直前、その直前に妹の頭を押しつぶさないように仰向けになるよう身体を捻って倒れこんだ。

 

「イ、イ、イ、痛イイイィィィィイイイイ!」

 

 力を込めるが足が再生しない。この能力を阻害する力は狩人のものだ。彼はすでに近くにきている。

 

「グアアアアアア! コノくそ野郎ゥオオオオオォォォォオオオオオオ!!! ドコニイルーーーーー!」

 

 狗神憑は怒りの咆哮を轟かせる。だが、それに答えたのは闇の中から飛んできた新たな弾丸だった。

 巨体を持ち上げようとする前足が吹き飛び、狗神憑は地面に伏すこととなった。

 

「グアー! グワー!」

 

 痛みに悶える狗神憑。だが妹の頭を泥と腐葉土まみれにするわけにはいかないので転げまわることもできない。広がっていく血だまりの中、狩人を探して森の闇を睨みつけるしかない。

 するとその闇の奥から何かが投げ込まれた。男性の握りこぶしより大きい程度の、丸い塊だ。

 

「!」

 

 狗神憑はそれを払い落そうとしたが、片腕は吹き飛んですでに無く、もう片方の腕は振りまわすわけにはいかない。跳び退こうにも片足もない。彼は妹の頭を守るように内側に寄せて体を丸めた。

 

―――破凛(ばりん)

 

「?」

 

 それは身構えていた狗神憑が拍子抜けするようなものだった。ただの瓶だったのだ。多少は衝撃を感じたものの、まったく痛くない。

 だがその瓶が割れたとき、中にあった液体が漏れ出して狗神憑にかぶさったようだった。

 だが、狗神憑の嗅覚がその液体の正体を瞬時に突き止めてしまう。可燃性の液体、油だった。狗神憑は何とかその場から離れようと地面を這おうとする。

 だが遅かった。

 

「ハッ!」

 

 眼前に狩人がいた。手を伸ばせば届きそうな距離で、狗神憑に左手に持つ物を向けていた。

 真鍮色の円柱状のタンクに取っ手と噴射口が付いた小型の器械、火炎放射機。狩人が引き金を引いた次の瞬間、狗神憑を飲み込むほど大量の炎が吐き出された。

 

「ガアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 狗神憑の全身にまとわりついた油に炎が引火する。火だるまと化した狗神憑は自分のはもう助からないと悟るが、それどころではなかった。妹の頭部にも引火した。

 どうしようもない。彼女のしなやかだった髪の毛は一瞬で燃え、愛らしかった顔もドロドロになった。

 

「よるがアアアァァァァアアアアアア!!! よるガァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!」

 

 愛する妹が無残な姿になっていくのを見て、ただ叫ぶしかなかった。無意識に力が入ってしまい、炎によって脆くなった頭部を粉々に握りつぶしてしまった。

 

「よ……る………か…………ぁ……………」

 

 愛する者の姿を完全に見失った今、狗神憑はもはや生きることに意味を見出すことはできなくなった。失意の中、完全に力を失い、片手を見つめたままの姿で絶命した。後にはパチパチと音を立てて燃え盛る死体と、それが燃え移った背の高い木が残るのみとなった。

 

「……」

 

 あと数分後には、この森を焼く山火事に発展するであろうが、狩人にそれを止める術はない。彼は消防士ではないのだから。

 狩人は火を使ったのは失敗だったかと考えたが、すぐに白を切ることに決めこんだ。獲物は狩ったのだから後のことはどうでも良いらしい。炎に巻き込まれないよう、足早にその場を去っていく。

 

 ふと振り向いたとき、炎と月の光に挟まれて立ち上る煙が抱き合う男女のように見えた気がしたが、すぐに風にかき消された。狩人は煙をしばらく眺めたのち、朝日に照らされてその姿を消した。

 

 




 時間かけた割にうまくできんかった。
 次、がんばろ。
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