今日はナルト君の四歳の誕生日。父上から教えてもらったの。そこで母上と父上に協力にしてもらいサプライズ誕生日パーティーを開くことになった。ナルト君はいつも通りに修行に行ってしまっていて今は家にはいない。そして今私は母上と一緒にパーティーのための買い出しに来ている。
「ヒナタ、ナルト君が喜びそうな献立って何かしらね?」
「いつもの様子を見ていると、なんでも美味しそうに食べてるから難しいよね。あ、でもこの間ラーメン食べてる時はすごく喜んでたかもしれない!!」
「あら、よく見てるわね。やっぱり好きな人の事はよく見てるのかしら?」
「そ、そういう…わけじゃ…///」
「隠そうとしても隠せてないわよ。あなた今、顔真っ赤じゃない」
「うぅ~///」
もう、母上は…悪気もなさそうににそういうこと言うんだから。確かに私はナルト君が好き。あの時に見た笑顔が忘れられなくて…って今はそういうこと考えてる場合じゃない。
「は、母上。早く何買うか決めないと…」
「ふふっそうね。とりあえずラーメンの食材とケーキの材料は買わなくちゃね…」
「うん。あとは…何がいいかな…」
私はその後、母上と一緒にたくさんの食材を買った。なるべくナルト君が好きそうなものを選んでいった。そして今はナルト君へのプレゼントを選んでいる最中だ…
「うーん、何がいいかな。難しいなぁ…」
「気持ちがこもっていればなんでも喜んでもらえると思うわよ」
ナルト君なら多分そうだけど。せっかくなら普段から使ってもらえるものがいいな…
「うーん…」
「そうね…アレなんかいいんじゃないかしら?」
母上が指を指している方向を見てみた。あ、いいかも!!あれなら普段からでも使ってもらえそうだし…何よりナルト君に似合いそう!!
「母上、アレすごく良さそうだね!!プレゼントはアレにしようよ!!」
「分かったわ、じゃああれを買って家に帰りましょうか。家に着いたら早速お料理作らなきゃいけないから手伝って頂戴ね?」
「はい!!」
そうして私達はプレゼントを買い、家へと向かっていった。家に帰ってからは忙しかった。みんなで祝いたいということで料理は一族みんなの分を作らなきゃいけなかった。それにその料理をナルト君が帰ってくる前までに作り終わらせなきゃいけなかった。だから一族の女性総出で料理を作ってるの。すごい速さで料理が出来ていき、なんとかナルト君が帰ってくるまでに作り終わりそう…
お部屋の方の準備は父上が中心となってやってくれているらしい。ネジ兄さんも手伝ってくれてるみたい。宗家、分家が関係なく協力できてるのもナルト君のおかげなんだよね。いがみ合ってた宗家と分家の仲を「一緒のところに住んでる仲間なんだから仲良く暮らそうよ。絶対そっちの方が楽だし楽しいはずです。掟とかに縛られないで自由にして欲しいんです。俺のことを受け入れてくれたみなさんだからこそね。いがみ合ってる姿は見たくないんです」この一言で一族を一つにしてしまったの…
それをみんなが知ってるから、ナルト君の誕生日を祝いたいんだと思う。ふふふっ、こんなに騒がしいのも初めてかも…さて、私もケーキ作らなきゃ。
準備がようやく終わり一息ついていると玄関の方から音が聞こえた。ナルト君が帰ってきたらしい…
「じゃあ、ナルト君の案内は任せたわよヒナタ」
「う、うん…頑張る…」
母上に見送られ、玄関の方に向かっていった。うぅ…ドキドキするなぁ…
「お、おかえりナルト君」
「あ、ヒナタ。ただいまだってばよ」
「あの…ナルト君…その…」
「ん? どうかしたってば?」
「えと…ちょっと…一緒に来てくれないかな…お堂まで…」
な、なんとか言えた。あとはお堂まで案内するだけ…
「わかったってばよ、ちょっと着替えてくるから待っててくれよ」
「う、うん…わかったよ」
そうしてナルト君が着替え終わるのを待っていた。
「お待たせだってばよ。お堂だっけ?」
「うん、そうだよ。じゃあ行こう」
「おう!」
ナルト君と一緒にお堂に向けて歩いてるんだけど。ドキドキして…ナルト君の方向けないや…
「なあ、ヒナタなんでそういえばお堂に向かうんだ?」
「……」
「ヒナタ?」
「ひゃう!?」
ナルト君の顔が目の前に…すごく…ドキドキする…顔もなんだか熱い…
「大丈夫かヒナタ?」
「だ、だだだ大丈夫だよ! そ、それで何かな?」
変な感じになっちゃった。うう…とりあえず落ち着かなきゃ…
「ああ、なんでお堂に行くのかなーってさ」
「それは…着いてからのお楽しみだよ!!」
「ふーん、じゃあ楽しみにしてるってばよ!!」
そうして、お堂の扉の前まで来た。喜んでもらえるかな?
「じゃあナルト君、扉を開けて…」
「おう!!」
ナルト君はそう言って扉を開けた。すると中から…
「「「「「「「「「誕生日おめでとう!!ナルト!!」」」」」」」」」
という声が聞こえてきた。ナルト君は…あれ? 固まってる。どうしたのかな?
「え、え…これって…」
「ふふっ、ナルト君の誕生日パーティーだよ。ナルト君を驚かそうと思って秘密にしてたの」
驚きすぎちゃったのかな? とりあえず中に入ってもらわなきゃ。
「中に入ろう、ナルト君。今日はナルト君が主役だよ!」
「へへへ…俺ってばこういうの初めてだ…」
私はナルト君を席まで連れて行った。なんだか嬉しそうだなぁ。
「うわぁ…美味しそうな料理がたくさんある。しかも俺の好物ばっかりだ!」
「あ、まだ食べちゃダメだからね。もうちょっとだけ待ってて」
「わかったってばよ、ヒナタ」
私がナルト君にそう言うと、父上が立って挨拶を始めた。
「みな、今日は集まってくれてありがとう。今日は我らの恩人のナルトの誕生日だ。みなで祝ってやってくれ。では、乾杯!!」
「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」
誕生日パーティーが始まった。みんな楽しそうに騒いでいる。ナルト君はというと…
「美味い!!なんか好きなものばっかりだから箸が止まんないってばよ」
「どんどん食べてね。今日の主役はあなたなんだから…」
「ナルト君これ食べて。あたしの自信作!!」
母上や他の女性に囲まれて料理を勧められている。私が近づく隙はなさそうだな…
「ヒナタ。ケーキ持ってナルト君のとこに来なさい」
母上が小声で私に言ってくれた。私は言う通りにケーキを持ってナルト君の方に向かっている。プレゼントも持った。後は渡すだけ…
「な、ナルト君…あの…ケーキ作ったの…食べて…」
「ん? これヒナタが作ったのか。お、美味い!!うまいってばよヒナタ!!ありがとな!!」
うう…すごい嬉しい。あ、プレゼント渡さなきゃ。
「あ、あとこれ…誕生日プレゼント…はい、誕生日おめでとう」
な、なんとか渡せた。よかった…
「ありがとだってばよ!!開けてみていい?」
「うん」
ナルト君は嬉しそうに袋を開けていく。気に入ってくれるといいな。
「おお!!格好良い服の上下だってばよ!!黒がメインで赤のラインが入ってる…ありがとな!!ヒナタ!!」
やった、喜んでくれた!!母上がいいもの見つけてくれたおかげだ。そしてやっぱりあの笑顔は魅力的だな見てたらすぐに顔が熱くなってきちゃう…
「ふふ、良かったわねヒナタ」
「はい、母上」
そして、誕生日パーティーは大成功に終わった。ナルトが次の日から黒い服を着て歩く様子が度々見かけられるようになったのは別の話である…
いかがだったでしょうか、番外編ということでヒナタ視点で書いてみました
感想、批評などよろしくお願いします。