俺は五歳となり暗部となる日が来た。修行はばっちりだし…大丈夫かな。
ヒアシとの修行で八卦掌回天や八卦空掌などを使えるようになった。遠距離型の体術を覚えることが出来たのはラッキーだった。
死の森での修行では螺旋手裏剣を何とか投げられるようになった。仙人モードでもないから一発が限界だけど。後はチャクラコントロールと柔拳の応用で指先に螺旋丸を作る練習をしているけど…今までで一番難しいかも。影分身使っても一、二年掛かりそうな気がする…
今は火影邸の待合室で待っているところだ。とうとう暗部か…暗殺とかやらされるんだろうな。俺は迷わずに出来るんだろうか。不安だな…
「来ておるようじゃなナルト…」
部屋にじいちゃんが入ってきた。多分説明とかなんだろうな…後は面とか貰うのかな?
「さっそくじゃが説明に入る。お前が暗部に入ってしてもらう任務は主に儂の護衛ということになる。儂が里外に出掛ける時などについて来てもらうという形じゃな」
じいちゃんの護衛か…他里の忍びとの戦闘とかあるかもな。火影を狙うくらいの実力となると上忍クラス以上のレベルが敵の基本レベルかな…しかも護衛しながらとなると俺の実力はまだ足らないかな。護衛に向いた忍術はそこまで覚えてないし…でも護衛任務だけなのかな? 飛雷神とか使う俺の忍術は暗殺とかの方が向いてる気がするし…聞いてみるか。
「俺がするのって護衛任務だけでいいの? 暗殺とかはしなくていいのか?」
「無論じゃ、お前はまだ五歳。殺しを前提とした任務はまだ精神的にきついものがあるじゃろう。それにさっき護衛任務についてもらうといったが、それもしばらく先の話じゃ」
あれ? じゃあ今日から暗部に入った意味ってあるのか? 護衛任務が主って言ってたのにそれをやらせるのも先って…いったいどういうことなんだ?
「なあじいちゃん。そしたら俺はしばらく何をするんだってばよ?」
「しばらくは暗部の者との修行に励んでもらう。最低でも二年くらいは修行のみじゃ。それ以降は儂が十分と判断したら徐々に任務につかせようと思っておる…」
それじゃあ、最低でも二年は今と同じような生活になるのか。教わる相手が一般の忍びから暗部に変わるだけ…本当に暗部に俺を入れた意味って…聞くしかないか。
「じゃあなんで俺を暗部に入れたんだってばよ? 二年も修行するなら別に今暗部に入れなくてもよかったんじゃないか?」
「いや、今入れることには意味はあるのじゃ。お前を保護するという意味でのな…お前がいくらうまく実力を隠していたとしてもばれる。特にお前は人柱力という面もある。誰がいつお前を見ているのか分からんのだ。今のお前の歳で忍びになっている前例もある。お前が目を付けられるのも時間の問題なのじゃ。裏の組織や里外の組織に目を付けられてはかなわぬ。ならばそうなる前に儂のそばに置けるようにしておくことに越したことはないんじゃ」
裏の組織…暗部の“根”のことか。確かにダンゾウとかに目をつけられない保証はないもんな。今までそっちの事を考えてすらいなかったな。そう言われてみれば暗部に所属していれば安全ということか…なるほどね。
「わかったってばよ、そういうことならじいちゃんに任せるよ! それで、変化とかはしてた方がいいのか?」
「ふむ、そうじゃな。まあ髪と目の色を変える程度のものでいいじゃろう…」
「身長とかはそのままでってこと?」
「うむ、お前の場合火影直轄の暗部見習いみたいな扱いになるじゃろう。見習いという扱いならば幼いほうが違和感は少ないはずじゃ」
なるほど…まあ、そっちの方がチャクラ消費が少なくていいし。一石二鳥かな。
「了解だってばよ!!」
「さてじゃあこれを渡そう」
ん? これは、暗部服と狐の面と…これは…チャクラ刀かな?
「そのチャクラ刀二本は儂からの入隊祝いじゃ。お前は二本使っておるじゃろう…」
「な、何でその事を…」
二本使ってる事は誰にも言ってないし見せてもいないはず。
「まったく…死の森での修行を続けているのがバレてないとでも思っとったのか! お前が隠していたのを聞いてからたびたび水晶で様子を見るようにしていたのじゃ。案の定予想は当たり修行している姿が見えたぞ…」
バレてたのか…さすがは三代目火影。抜け目がないよ。
「ハハハ…返す言葉もないってばよ」
「まあ、よい。後は暗部で活動するときは波狐(はっこ)という名で活動することじゃ分かったな?」
「おう!」
「それじゃあ、早速じゃが着替えて来い他の暗部に紹介しなければならん。今日から暗部なのはお前の他にもう一人いるのでな。同期ということでお前と修行させる機会も多くなるじゃろうからそのことは覚えておくようにな」
同期がいるのか…誰なんだろう。多分原作にも出てこないような人だろうけど。でもそうじゃなかったら…また大変そうだな。
暗部服に着替え面をつけてじいちゃんにいわれた場所まで向かうとじいちゃんだけがいた。
「着替えてきました、火影様」
一応、暗部姿なのでいつもとは違い敬語を使っている。まあ当たり前か…変化で髪の色を赤、目の色も赤にして、声も少し変えている。これならばれないかな。
「うむ、少しばかり待て。もうすぐもう一人が来るからの」
「分かりました」
それにしてもどんな人かな。あんまり歳が離れてなきゃいいけど…
「すみません、少し遅れました」
「いや、大丈夫じゃ。紹介しよう儂の隣にいるのが波狐じゃ」
「よろしくお願いします」
紹介されたので頭を下げた。見た目の身長的にはまだ若そうだな。面してて顔分かんないけど…黒髪ってのは分かる。ん? 若くて黒髪で…いや…まさかね。俺の予想、外れてて欲しいんだけど…もし当たってたら凄く面倒に巻き込まれそうだ。お願いだ…外れててくれ。
「波狐、今来たのがお前の同期となるうちはイタチじゃ」
「よろしく」
予想、当たっちまった。なんでイタチと同期なんだよ。うちは事件に巻き込まれる確率が高くなっちまったよ。あんなのどうやって事件発生防げって言うんだ。うぅ…考えただけで頭が痛い。修行だけだからしばらくは何もないだろうと思ってたのに…これだったらまだ任務についてた方が楽な気がする。
「それでは、他の暗部に紹介するからついてこいの」
「「はっ!」」
とりあえず今は忘れよう。表の顔がばれなきゃきっといけるはず。うん、そう思っておこう…
じいちゃんに連れられて行くと暗部の人達が大勢いた。暗部全員招集したのかな?
「みな、集まってくれてありがとう。お前達に紹介しておきたい者がおる。儂の左にいるのがうちはイタチじゃ。こやつはかねてから暗部入りが噂されておったから知っている者も多いじゃろう。そして、右にいるのが波狐じゃ。こやつはまだ幼いが結構な実力がある。しかしながら少しお前達と比べるとまだ劣る部分があるじゃろうから儂の元で儂直轄の暗部見習いという形でつかせることになった。ではみな、よろしく頼む!」
「「「「「「「「「御意!!」」」」」」」」」
「それでは解散じゃ。じゃが…カカシ、テンゾウ、夕顔、イタチ、波狐は残れ」
やばい…残された人が聞いたことある人ばっかだ。呼ばれてない暗部の人達はあっという間に帰ってしまった。やっぱり動き早いなぁ…
「お前たちに残ってっもらったのは少しばかり任務を頼まれて欲しいからじゃ」
「どのような任務ですか?」
カカシがじいちゃんに聞いている。俺はなんとなく内容の予想はついてるけどね。
「カカシ、テンゾウ、夕顔、イタチお前達には波狐に修行をつけてもらう。それが任務じゃ。波狐は修行を受けることが任務となる。良いな?」
「「「「「はっ!!」」」」」
やっぱりね…この人達に教わるのか。なんか…もう…ね。驚きすぎてよく分かんなくなってきた…
「修行は毎日行う。一週間で誰が教えるかの割り振りは儂が決めておいた。基本的に二人一組で教えてもらうことになる。では言うぞ…月曜日はイタチ・カカシ、火曜日はテンゾウ・夕顔、水曜日はイタチ・夕顔、木曜日はカカシ・テンゾウ、金曜日はイタチ・テンゾウ、土曜日はカカシ・夕顔、日曜日はイタチ・テンゾウとなる覚えておくように」
「「「「はっ!!」」」」
「他の任務などで行けない者がいる時は別の曜日でも出てもらうことがあるからの。それは頭に入れておいてくれ…任務は明日からじゃ」
とりあえず大変そうだけど頑張ろう。気合いれなきゃ。
「では、解散じゃ」
「「「「「はっ!!」」」」」
そうして俺は家に帰った。明日からの修行が地獄であることも知らずに…
いかがだったでしょうか?一応暗部編に突入です。
感想、批評などよろしくお願いします。