サスケを呼ぶ女の子の声…誰だろう? そんなことを考えていると、ミコトは玄関の方にむかって行ってしまっていた。イタチは忍具の手入れをしている。サスケの方を見ると…
「げぇ…またあいつ来たのかよ…」
明らかに嫌な顔をしている。なんだ? 何かあるのか?
「どうしたんだサスケ? 今聞こえた声の子となんかあったのか?」
「そういうわけじゃないんだけど。あいつが来るとおままごととかに付き合わされるんだよ。逃げようとしてもあいつの方が早いし、強いから…逃げられないんだ」
それは嫌な顔もするか。五歳にもなっておままごとをさせられちゃたまったもんじゃないな。俺もサスケの立場なら気分は最悪だろう…
「なあ、ナルト。今のうちに外に出て別の場所で遊ぼうぜ。あいつに見つからないうちにさ」
「誰に見つからないようにするのかな? サスケ?」
突然後ろの方から女の子の声が聞こえた。声のした方を見てみるとそこには黒髪ポニーテールの可愛げのある女の子が立っていた。見たことないな…誰だろう?
「お前、いつの間に来てたんだよ!!ナズナ!!」
ナズナという子らしい…見た目はいたって普通の女の子だな。
「ミコトおばさんがあげてくれたのよ。ところでサスケ、そこの金髪の子は誰かしら?」
こっちの方を見ている。まあ、この様子だと結構来てるみたいだし。こんなことはあんまりなさそうだしな。珍しい事なんだろう。
「こいつはナルト、俺の友達だ」
「あんた友達いたの!?いつも一人で遊んでるのにね。珍しい事もあるもんね…」
「そうなのか?」
「うん、いつもは私が来てあげないと一人なのよ。あ、自己紹介してなかったわね。私はうちはナズナ。サスケとイタチ兄さんの従妹なの。よろしくね、ナルト君」
「よろしくだってばよ。あと俺のことは呼び捨てでいいってばよ」
この子サスケの従妹だったのか。っていうかサスケに従妹なんていたんだな、初めて知ったよ。
「ねえねえ、ナルトって強いの?」
「えっ」
いきなりだなこの子は。自分で強いって言うのは嫌だし、ここは…
「どうだろう…イタチさんどう思う?」
いきなりだがイタチに振ってみる。こいつが言った方が信憑性がでるだろうしな。
「ん? そうだな。少なくもサスケやナズナよりは強いだろう。俺と比べたら少し劣るがな」
「へー、そうなんだ…」
「兄さん、それ本当なの!?」
なんだイタチその言い方は…あんたとの力差はわかんないぞ! まだあんたとお互い本気でやりあったことないぞ!!
「ねえ、ナルト。私と勝負してよ」
「えっ!?」
なんでそうなる!?この子は強い人と戦うの好きとかそういうのじゃないよね!?
「そうね、忍術体術ありの組み手で相手がまいったと言うか審判が負けと判断したら終わりっていうのがルールね! 審判はイタチさんにお願いするわ!!」
「俺はまだやるとも…」
俺が言おうとすると両肩同時に手を置かれた。
「諦めるんだなナルト。ああなったナズナは止められない」
「いつもあんな感じで無理矢理だから。諦めたほうが気が楽だぜ…」
イタチとサスケになんだか同情された。これはやらなきゃいけないのか…
「あとは…私が勝ったら私と一緒におままごとしてもらうわ。もちろんサスケも一緒にね。ナルトが勝ったら私特製のペンダントをあげるわ」
「ほう…ナズナがペンダントをあげるなんてな。面白いことがあるもんだな」
なんだ? そのペンダントになんか意味でもあんのか? 気になる…
「なによイタチ兄さん!!文句あんの!!しかもまだあげるとは確定してないからね!!」
「ふふっそんなんじゃないさ。そうだ、ナルト。お前負けたら明日からの修行倍の量にするからな」
「えぇ!?そんなこと言われたら絶対負けらんないってばよ!!」
なんで負けた時のペナルティがそんなにきついんだ!?はぁ…勝つしかないか。
「場所はあの池の近くがいいかしらね? イタチさん」
「そうだな、あそこなら十分な広さがあるだろう」
「じゃあ、行くよ! ナルト!!」
「あ、うおぉぉおい!?」
立とうとしたら、いきなりナズナに手を掴まれ引っ張られた。そしてそのまま連れて行かれた。嵐みたいな子だな。ここまで強引だとは思わなかったな。まあ俺が勝てばなんか貰えるみたいだし、負けたら地獄だし、ちょっと気合入れないとな。
それから少しの間引っ張られ続けていたが急に止まった。周りを見ると大きな池が見えた。着いたのかな?
「ここだよ、ナルト!!あ、イタチ兄さんも来たね。じゃあ、あと五分したら始めるから準備運動でもしててねー」
「う、うん…」
俺にそう言うとナズナはちょっと離れた場所で屈伸を始めた。やる気満々だな…さて、俺も準備運動するか。まずは体でも暖めに軽く走るか。
「ナルトー!!そろそろ始めるよ!!」
あら、もう五分たったのか。まあいいや体は暖まったから大丈夫だろう。
「さっき結構本気で走ってなかった? 疲れてたなんて言い訳聞かないからね!!」
「わかってるってばよ」
まあ、全然本気じゃなかったけどね。さて、頑張るか。
「じゃあ、イタチ兄さん。合図と審判お願いね」
「ああ。では、ナルト対ナズナの組手を行う…始め!!」
開始の声が掛かるとナズナは正面から突っ込んできた。何か考えがあるのかよっぽど自信があるのか…まあ様子見かな。
「はっ!!」
ナズナが上段蹴りを放ってきた。まあ子供にしちゃ早いけど。やっぱり遅いかな…ちょっと下がって避けられる。
「は、早い!!でもこれならどう!!」
連続攻撃を仕掛けてきた。かかと落としに右ストレート、左フック、回し蹴りと攻撃してくる。レベル的には下忍の上位クラスの体術レベルかな。アカデミー入学前でこれならかなりのもんだ。サスケが勝てるわけがない…今のままじゃな。そんなこと考えながら俺は避け続けていた。
「なんで当たらないのよ!!もう、こうなったら…」
そう言うと、印を結んでいく。まさかねこの歳で…
「火遁 豪火球の術!!」
まじかよ…避けるのめんどくさいな。ちょうど後ろに池あるしあれやるか。俺はバックステップで池の水面に立ち水面に向かってパンチを放った。
「桜花掌!!」
殴った衝撃で水柱が立った。ナズナの放った豪火球は水柱に当たり消えてしまった。
「嘘でしょ…結構本気で撃ったのに…」
「ふう…危なかった。それでまだやるのかナズナ?」
「はあ…まいったわ。私の負けね…」
「よっし!!イタチさんの地獄特訓回避成功だってばよ!!ってかサスケはいつまで隠れて見てんだ?」
「ええ!?」
なんだ、ナズナは気づいてなかったのか。最初からいたのに。
「バレてたのかよ…それにしてもナルト!!お前強いな!!」
「へへへ、まあ毎日修行してるからな。地獄という名のね…」
今、思い出したけど明日からはまた地獄なんだよなぁ。はあ…頑張ろ。
「ねえ、ナルト。本当に強いわね…ここまで完敗したのはイタチ兄さんに負けて以来だわ。はいこれ、約束のペンダント」
「ありがとだってばよ!!おお、これ手作りなんだよな? すっげえ格好良いってばよ」
凄く独特な十字架の形だな。でもバランスが絶妙で凄く格好良い…いいものもらったな。
「えへへ、そうかな」
「毎日つけたいってばよ。つけたいけどつけたら壊しちゃう可能性が高いなぁ…」
「え? どうして?」
「そこにいるイタチさんとか他の人達に修行してもらってるんだけど、加減ってものを知らないからさ…」
「そ、そうなんだ。それじゃあ仕方ないよね…」
ナズナがものすごく残念そうな顔をしている。どうしよう…なんか言わなきゃ。
「ナズナ、俺さもっと強くなってイタチさん相手でもこのペンダントが壊されることなんてないぐらいにさ。そしたら毎日つけられるようになるからさ。な、そんな顔しないでくれってばよ」
「本当に? 約束してくれる?」
「ああ、約束だってばよ!!」
男に二言はない…頑張らなきゃな。こんな宣言しちゃったし。
「うん、わかった。約束破ったら許さないんだからね!!」
「おう!!もちろんだ!!」
俺は笑ってナズナに言った。
「じゃあ、これからはナルっちって呼ぶね」
「ん? なんでだ?」
「私が認めた人はこう呼ぶって決めてるの///」
顔を赤くしながら言ってきた。なんだか某バスケアニメに出てくるやつみたいだけど…認めてくれたって事だしいいか。
「そうなのか。わかったってばよ!」
「ナルト、時間は大丈夫か?」
イタチが聞いてきた。周りを見ると薄暗くなり始めている。
「あ、もうこんな時間か…俺帰らなきゃ」
「そうなのね、また会える? ナルっち?」
「おう、会えると思うってばよ」
「あ、そうだナルト。これ母さんから」
サスケが袋を手渡してきた、これは…
「あ、せんべいだ!!やった! ミコトさんにお礼言っといてくれるか?」
「ああ、わかったよ」
「ナルトは俺が送っていく。サスケとナズナは先に帰ってていいぞ」
「そろそろいくってばよ。じゃあ、またな!!サスケ、ナズナ!!」
「おう、またなー」
「またねーナルっち」
そう言って俺は家に帰っていった…
いかがだったでしょうか。ちょっと長くなっちゃったかな。
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