ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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番外編第二弾です。ほんわか見ていただければ幸いです。
ではどうぞ


~番外編第二十一・五話~

 今日は二月十三日、バレンタインデー前日だ。修行をいつも通りに終えて私は買い物に来ている。

 

「ナルトって何チョコが好きなのかしら。生チョコかな? それともホワイトチョコ? ナルトってなんでも食べてるから何が好きか分かりにくいのよね」

 

 うーん、いっそのこと私が得意なものでいいかしら。うん、ナルトなら喜んでくれるわよね。うん、胃袋を掴んでナルトの心を鷲掴みに…ふふふ、頑張らなきゃね。

 

「とりあえず、あそこの美味しいチョコ買って生クリームと…」

 

 いろいろと考えながら買い物をしていると…

 

「あ、いのちゃん。いのちゃんもお買い物?」

 

「そうよー。ヒナタもなんでしょ?」

 

「うん。ちょっと買いたいものがあって」

 

「それってチョコの材料でしょ?」

 

「な、なななななんで分かったの!?」

 

「まあ、明日はバレンタインだしねー。そんな時に女の子が買うものって言ったらそれくらいしか思いつかないわよ」

 

「あ…そうだよね。ってことはいのちゃんも?」

 

「そうよ」

 

 明日でナルトの心をゲットするつもりなんだから!!

 

「えっと…だれにあげるか聞いてもいいかな?」

 

「私はもちろんナルトにあげるわよ!!ヒナタは?」

 

「えっと…その…わ、私も…ナルト君に…あげようかなって」

 

 なんですって!?ヒナタもナルトに…強力なライバル出現ね。

 

「そうなのね…ヒナタには負けないからね!!ふふふ、こうしちゃいられない。どんどん作って最高に美味しいの作らなきゃ!!」

 

 絶対に負けられないわ!!お母さんにも手伝ってもらって、味見はお父さんにも協力してもらわなきゃ!!よーし、頑張るわよ!!そんなことを考えながら急いで家に帰った。

 

「お母さん!!ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど」

 

「はいはい、何かしら?」

 

「今からバレンタインのお菓子作ろうと思うんだけどさ、ちょっと手伝ってくれない? アドバイスとかお願いしたいの」

 

「あら、いいわよ。好きな子にあげるのかしら?」

 

「べべべべ、別にそそそ、そんなんじゃ…///」

 

「ふふふ、隠さなくていいのよ。好きな子がいたっておかしくないんだから」

 

「もう、じゃあ手伝ってよね!!美味しいやつを渡したいから」

 

「はいはい。じゃあ始めましょうか」

 

 お母さんがそう言うとお菓子作りが始まった。お母さんは昔からお菓子作りが上手かったらしい。見本に作ってもらったものを食べたらめちゃくちゃ美味しかった。お店出せるんじゃないかと思うくらいだった。そんなお母さんに分かりやすく教えてもらった。私は今までお菓子はあまり作ってきていなかったので凄く助かった。そのおかげもあって思いのほか美味しいものが出来た。お父さんにも味見をしてもらったら太鼓判を押されたので自信を持って渡せそうだ。ふふ、待ってなさいナルト。明日、あんたの心をゲットするんだからね!!

 

 翌日、いつも通りに家を出た。もちろん作ったお菓子を保冷バックに入れて。少し歩いていくとシカマルと合流した。

 

「よ、いの。なんだその手に持ってるやつは?」

 

「あ、シカマル。これはね秘密よ」

 

「そうか。ま、無理には聞かねえよ」

 

 こいつはめんどくさがりであんまり深く聞いてこないから助かるわ。ナルトにも昼休みまで教えないつもりだからね。そんなことを考えているとナルトとチョウジが道を曲がってくるのが見えた。とりあえず昼休みに会う約束をしなきゃ。

 

「おはようナルト!!」

 

「おう、いの。おはよう。今日も朝から元気だな」

 

「へへ、ねえナルト。昼休み一緒にご飯食べよ!!ねえいいでしょ!!」

 

「おう、いいってばよ。どこで食べるんだ?」

 

「じゃあ、屋上で食べよ!!約束ね!!」

 

「わかったってばよ。昼に屋上だな」

 

 よし、約束をとりつけられた!!あとは渡すだけね。そうして歩いていると…

 

「ナルっちー!!おはよー!!」

 

 げっ…ナズナが来た…

 

「おはよう、ナズナ」

 

「はいこれ、受け取ってナルっち!!」

 

 え!?このタイミングで渡すなんて…やられた…

 

「ん? なんだってばよこれ」

 

「おはぎよ!!今日はバレンタインだからね」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!!なんでおはぎなのよ!!」

 

「え、だってミコトおばさんがバレンタインにはおはぎをあげるものだって言ってたから頑張って昨日作って持ってきたのよ」

 

「あ、あんた間違った事教えられてるんじゃない? バレンタインには普通チョコをあげるものよ」

 

「え!?」

 

「それってさあ、多分フガクさんがケーキとか嫌いらしいからおはぎなんじゃない? サスケは甘いものがそこまで好きじゃないしそうなったのかも」

 

 ナルトが理由を推測していた。なるほど、そういうことね。

 

「まあ、もらうってばよ。俺ってば和菓子も好きだし」

 

「ほ、本当!?よかったぁ…」

 

 ってさりげなくナルトがフォローしてる!?もう、これを無意識でやってるみたいだから困るのよね…

 

「ナルト!!早くアカデミーいこう!!遅刻しちゃうわよ!!」

 

「そうだな、行こう」

 

 そうしてアカデミーに着いた。教室に入るといつもより騒がしい…まあバレンタインだからよね。サスケ君の周りが凄い事になってるけど私には関係ないわ。そんなことを考えていると…

 

「な、ナルト君。お、おはよう」

 

「おはよう、ヒナタ」

 

 最大のライバル登場ね…ヒナタはいったい何を作ってきたのかしら。

 

「あの…その…これ…う、受け取って…もらえる…かな。昨日…作ったの」

 

「おう、ありがとだってばよ」

 

「中身は…生チョコだから…溶けないうちに…食べてね」

 

 生チョコですって!?この子、本当に凄いわね…でも私のだって負けてないんだから!!

 

「じゃあ早速食べていいか?」

 

「う、うん…どうぞ」

 

「いっただっきまーす…お、美味いってばよ! 甘さと苦味のバランスが絶妙で口の中でとろける。すげえなヒナタ。こんなの作れるのか…作ってくれてありがとな!!」

 

 す、すごい高評価ね…この子おとなしい割にそういうことが得意なのね。侮れないわ。

 

「え、あ…どういたしまして///」

 

「おい、ナルト」

 

 この声は…多由也だったかしら。まさかこの子も…

 

「これ、あげる。じゃあな///」

 

「ん? あ、おい…行っちまったってばよ。これはチョコクッキーか。後でお礼いいに行かねーとな」

 

 ほっ…ヒナタほど凄いものじゃなくてよかった…

 

「お前ら授業始めるから席に付けー」

 

 もうそんな時間なのね。

 

「じゃあナルト昼休みだからね」

 

「わかってるってばよ」

 

 そうしてそれぞれの席につき授業が始まった。

 

 昼休みになり屋上に向かっている。ナルトはもうついてるのかな。そんなことを考えながら屋上の扉を開けた。

 

「おう、いの。こっちだってばよ」

 

「あ、ナルト。今行くー」

 

「じゃあ、食べようぜ」

 

「うん、いただきまーす」

 

 そうして二人で並んでお弁当を食べた。他愛のない会話とかだったけど二人きりだったからちょっとドキドキした。だいたい食べ終わってきたのでそろそろ渡そうかな。うん、大丈夫。いけるはず。

 

「ねえ、ナルト。はいこれ。バレンタインのチョコ」

 

「ありがとだってばよ、いの。中身見ていいか?」

 

「うん!!」

 

 喜んでくれるといいな。

 

「うお、すげーないの!!これガトーショコラってやつだよな? 手作りなのか?」

 

「うん。昨日頑張って作ったの。食べて」

 

「おう、じゃあいっただっきまーす…おお!!うまいってばよ!!店で出てくるのより美味しいってばよ!!マジで美味しい。ありがとだってばよ」

 

 喜んでもらえた。よかった…昨日頑張った甲斐があった。

 

「へへへ、どういたしまして///」

 

「あーうまかったってばよ。いのの旦那さんになるやつはきっと幸せだろうな」

 

「えっ…///」

 

 いきなりなんてこと言い出すのよナルトは…もう、顔が熱いわ…

 

「あ、もうこんな時間だってばよ。昼休み終わっちまうってばよ。行こうぜいの」

 

「う、うん///」

 

 そういって二人で教室に戻っていった…今日一日、私の顔はナルトの事を見るたびに熱くなっていた事は別の話だ…




いかがだったでしょうか。今回はいの視点で書いてみました。
感想、批評などよろしくお願いします。

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