ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第二十五話~

 俺は今、試験合格者の説明を聴き終え森に向かって歩いている。卒業祝いパーティーは明日開くことになり、今日は普通に帰ろうしたんだけどミズキがつけてきた。気づかれてないと思ってるんだろうけどバレバレだったのでとりあえず森まで誘導することにしたのだ。全く合格しても狙い目は俺なのか。まあ、人柱力でみんなに嫌われているしそういう事なんだろうけど。とりあえず森についたので…

 

「何か用ですか? ミズキ先生」

 

「へえ、よく気づいたね。君が森に向かって歩いているのを見かけたから追いかけてきたんだよ。森には危ないところもあるからね」

 

 よくもまあ平然と嘘を…まあいいか。その嘘に乗っかっておいてやるか。

 

「そうなんだ。わざわざありがとだってばよ」

 

「いやいや教師として当然のことをしたまでだよ。それにしても今日は良く合格できたね。今まで分身の術なんて出来たところ見たことなかったのに」

 

「特訓しただけだってばよ。俺強くなりたいからさ」

 

「じゃあ、もっと強くなる方法を教えてあげようか?」

 

「え、いいの?」

 

「ああ、教えてあげるよ。火影様の家に封印の書っていうのがあるんだ。その巻物に乗ってる忍術を覚えればもっと強くなれるよ。ただすごい術が載ってるから隠れて練習した方がいいと思うからここら辺で練習するのがいいと思うよ」

 

 全く…堂々と封印の書を持ち出せって言うのか。まあ俺の事を落ちこぼれだと思ってるからなんだろうけど。

 

「分かったってばよ!!それを持ってここで練習すればもっと強くなれるんだな!!」

 

「そうだよ、じゃあ頑張ってね」

 

 そう言ってミズキは里の方に行ってしまった。全く…とりあえずじいちゃんに報告かな。俺は飛雷神の術を使って火影邸に行った。

 

「む、ナルトか。急にどうしたんじゃ?」

 

「いや、実は…」

 

 そうしてじいちゃんにミズキが言っていたことを話していった。

 

「ふむ、そんなことがあったのか…」

 

「どうするじいちゃん? 俺が処理してもいいけどこの場合って…」

 

「うむ、裏で手引きしているものがおるじゃろう。しかも封印の書を狙っているとなれば手練の者が複数いるはずじゃ」

 

「そうなると誰かにそいつらを相手してもらった方がいいと思うんだけど」

 

「ふむ、そうじゃな…」

 

“トントン”

 

 突然扉をノックする音がした。誰だろう?

 

「誰じゃ?」

 

「イタチです。入ってもよろしいですか?」

 

「うむ、入れ」

 

「失礼します」

 

 イタチだったのか。このあと暇ならイタチに頼んでもいいかもね。

 

「報告です。任務完了しました」

 

「うむ、ご苦労じゃった。ところでこのあと空いておるか?」

 

 じいちゃんも俺と同じ事を考えてたんだな。

 

「ええ、空いてますが何かあったんです?」

 

「うむ、実はな…」

 

 じいちゃんがイタチに説明してる。イタチがいれば随分楽だな。

 

「そういうことですか。分かりました。その役は俺が引き受けましょう。シスイを連れて行っても良いですか?」

 

「うむ、任せる」

 

「了解しました」

 

「イタチさん、頼んだってばよ」

 

「ああ、任せろ。お前も気をつけてな」

 

「おう!!」

 

 そうして俺は森に向かっていった。森についてしばらくするとミズキが来る気配がした。なので影分身を使い封印の書に変化させた。そうして待っていると手裏剣が飛んできた。

 

「いきなり何するんだってばよ!!ミズキ先生!!」

 

「っち。避けやがって」

 

「避けるに決まってんだろ。当たったら痛えしな」

 

「ふん!!お前が持ってる封印の書をこっちによこせ」

 

「いきなり攻撃してくるようなやつに渡せるかっての!!」

 

「じゃあ、死ね!!」

 

 そう言ってミズキが背中に背負った大きな手裏剣を投げてきた。うーん、遅いしクナイで防げばいいか。そんなことを考えていると俺の前で手裏剣を弾く音がした。

 

「大丈夫か? ナルト!!」

 

 イルカ先生が俺の目の前に立っていた。いたずらで持ち出さなくても来てくれたんだな。なんか嬉しいな。

 

「イルカ先生!!」

 

「っち。何故お前がここにいる!!イルカ!!」

 

「お前が武装を整えた状態で森に行く姿を見かけたんでな。何かあったのかと思って追いかけてきたんだよ。まさかナルトを殺そうとするなんて思わなかったけどな!!」

 

「ふん、お前がそいつをかばって何になるって言うんだ」

 

「こいつはうちの卒業生だぞ。守らない理由はない!!」

 

「ふん、いい事を思いついた。ナルト、お前が知らないことを教えてやるよ」

 

「ま、まさか…よせ!!」

 

「十二年前、化け狐が里襲い封印された事件があったのは知っているな。その事件以来お前にだけは決して知らされることのない掟が作られた」

 

「ミズキ!!止めろ!!」

 

「それはナルト、お前の正体が化け狐だと口にしてはいけないという掟だ」

 

「そんなこと知ってるってばよ。修行してる時に気づいたしな」

 

 まあ本当は原作読んでて知ってるし、三歳の時にじいちゃんから直接教えてもらってるからな。

 

「ナルト…お前知ってたのか…」

 

「うん、俺ってばみんなの何倍も修行してて、その時に知ったんだ。でもあんまり言わない方がいいと思って黙ってたんだってばよ」

 

「っち。つまらねえ。もうお前に用はない!!さっさと死ね!!」

 

 ミズキはそう言うともう一つ持っていた手裏剣を俺めがけて投げてきた。めんどくさいから忍術で弾き返そう。

 

「風遁 烈風掌!!」

 

「何!?」

 

 突風が吹き、手裏剣はあらぬ方向へ飛んでいってしまった。

 

「何故、落ちこぼれであるはずのお前がそんな忍術が使えるんだ!?」

 

 ミズキが信じられないといったような顔してるな。イルカ先生も驚いてるみたいだ。

 

「それは簡単なことだってばよ。落ちこぼれって言うのは表の顔みたいなもんかな」

 

「どういうことだ」

 

 ミズキが聞いてくる。別にばらしてもいいか。イルカ先生にも隠したままなのはなんか嫌だしな。

 

「俺にはもう一つ名前がある。それは…三代目火影直轄暗殺戦術特殊部隊“波狐”それが俺のもう一つの名前だってばよ」

 

「なんだって!?」

 

「そんなわけがあるか!!波狐といえば最年少の火影直轄の暗部でこなした任務の数は少ないものの全ての任務でかなりの成果を上げているというやつのことだぞ!!黄色い閃光の再来とまで言われている。確か二つ名は“双魔の閃光”だったはず。二本のチャクラ刀を使い目にも止まらぬ速さで敵を倒していく天才という話だ!!お前がそんなやつな訳ないだろう!!」

 

 いつの間にそんな噂になってたんだ…二つ名まであったのか。知らなかったよ。でも父ちゃんと同じで閃光ってついてるのは嬉しいかな。今はそんなことは置いておくか。にしてもあの二人は早いな…もうこっちの様子見に来てる。

 

「嘘じゃないってばよ。なんなら確かめる? ねえ、イタチさん、シスイさん」

 

「ああ、そいつの言っていることは事実だ」

 

「まあ、普通は信じられないだろうけどな」

 

「何故お前らのようなやつがここに…」

 

 ミズキの顔がだんだん絶望に変わってきたな。

 

「ナルトがお前のやろうとしてる企みに気づいてな。火影様も知っている。それで裏で引いてるやつを捕縛する任務が俺達に出されたというわけだ。もう終わったがな」

 

「そしてナルトにはお前を捕まえる任務が出されてたって訳だ」

 

「な…なんだって…」

 

「じゃあ、そろそろ捕まえるってばよ!!」

 

「ひ、ひい!!」

 

 ミズキは顔をひきつらせてながら逃げようとした。俺はその方向にマーキングをつけたクナイを投げて、飛雷神で近づき…

 

「てりゃあ!!」

 

 ミズキの後頭部を殴った。

 

「がはっ」

 

 ミズキは殴られた勢いで地面に叩きつけられそのまま気絶した。

 

「ふう、なんとか終わったってばよ」

 

「ミズキは俺達が連れて行っておく。報告もしておくから今日はそのまま帰っていいぞ」

 

「ありがとう。イタチさん、シスイさん」

 

「ああ、じゃあ俺達は行くぜ」

 

 そう言ってイタチとシスイはミズキを連れて行ってしまった。すると…

 

「ナルトお前…」

 

 イルカが話しかけてきた。なんか言わなきゃな。

 

「イルカ先生。今まで黙っててごめんだってばよ」

 

「いや、謝らなくていい。事情があったんだろうからな」

 

「そう言ってくれるとありがたいってばよ」

 

「よし!!じゃあ卒業祝いだ。一楽に行くぞ。俺の奢りだ」

 

「いいの!?やった!!イルカ先生ありがとだってばよ!!」

 

 そう言って二人で一楽に向かっていった。ナルトがたくさん食べ過ぎてイルカの懐が寒くなったのは別の話だ…




いかがだったでしょうか。イルカ先生ってやっぱり格好良い大人だな…
感想、批評などよろしくお願いします。

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