俺は今、卒業試験合格者の班分けを聞くためにアカデミーに来ている。昨日は卒業祝いパーティーをみんなで行い大騒ぎしていた。凄く楽しかった。しかしながらちょっと疲れた…大人達がお酒を飲んで酔って暴れているのを抑えるのが大変だった。あれはもうカオスだったな。俺はああならないようにしよう。話がそれた…
「よう、ナルト。昨日は少し大変だったな」
「サスケか。まあ大変だったけど楽しかったってばよ」
「そうだな。あんなに大勢でやったのは初めてだったからな。あれがなければもっと楽しめたはずだったのにな」
「それは…同感だってばよ」
ほんと、お酒の飲み方は気をつけなきゃだめだということを目の当たりにさせられたからな。
「ナルっち、おはよー。昨日は楽しかったね」
「ナズナ、おはよう。楽しかったな、疲れもしたけど」
「ナルっちは大変だったもんねー。お疲れ様だよ」
「ありがとう、ナズナ」
もう昨日の悪いところは忘れよう。思い出してもいいことはない。
「ナルト君…おはよう」
「おはよう、ヒナタ。昨日は楽しかったな」
「うん…楽しかったね。私…一族以外の人と…あんなに…騒いだことなかったから…凄く…楽しかった」
「それはよかったな」
「うん!!」
ヒナタは満足してるみたいだな。
「ナルト、おはよう。昨日は楽しかったな」
「多由也か、おはよう。楽しかったなら良かったってばよ」
「うち、ああいうの初めてでさ。また機会があったらやりたい」
「そうだな。またやろうってばよ」
結構みんな楽しかったんだな。今度は大人なしでやろうかな。
「また、邪魔すんの!!デコリン!!」
「そっちこそ!!いのブタ!!」
またいのは喧嘩してんのか。放っておくのもまずいか。
「いの、喧嘩してないでこっち来いよ」
「あ、ナルトー。今行くね」
「あ、ちょっと。ってサスケ君がいる!!」
ん? なんだかいのだけじゃなくてサクラまできた。なんかあんのか?
「おはよーナルト!!」
「おはよう、いの」
「昨日は楽しかったわ。またやろうよ」
「ああ、そうしようってばよ」
「ねえ、ちょっとあんた」
「ん? なんだってばよ?」
「あんたの奥に座りたいからちょっとどいて」
俺の奥って言うとサスケの隣か。原作とおんなじ感じか。
「ほい、どうぞ」
「どうも」
原作と違って殆どサクラと関わってきてないからな。
「よう、ナルト。昨日は大変だったな」
「おう、シカマル。まあなんとかなったからよかったってばよ」
「だな。そういえばお前、腰に何つけてるんだ?」
「ああ、これか。これはチャクラ刀だってばよ」
このチャクラ刀は以前じいちゃんに貰った物ではなく、新しくじいちゃんが卒業祝いにとくれたのだ。同じ物を使ってると怪しまれるじゃろうからと。しかもかなりの名刀らしい。確か刀の名前は“双剣・忍冬”だそうだ。これから長く使うから大事に手入れをして使おうと思う。
「チャクラ刀か。お前武器なんか使ってたっけか?」
「まあ、任務の時以外は使ってなかったからみんなは知らないかもな」
「そういうことだったのか。ま、気にしててもしゃあねえな」
「そう言ってくれると助かるってばよ」
「おはよう、ナルト。昨日は美味しいものがたくさん食べられて楽しかったよ」
「おう、チョウジ。お前結構食ってたもんな。美味しかったんならよかった」
これで全員来たのか。あとは先生が来るのを待つだけか。そうしてみんなと雑談しながら待っていると…
「みんな待たせたな。今から班分けを発表する。班はこちらでバランスが良くなるように組んでおいた」
「えー」
「なんでだよ」
「うるさい!!文句は聞かないぞ!!では発表していく。第一班…」
とうとう始まったな。原作通りなら俺は第七班のはず。班員は俺、サクラ、サスケになってたけど。ナズナや多由也がいるから変わるかもしれないしな。
「…では次、第七班。うずまきナルト、春野サクラ、うちはサスケ」
原作通りか…まあその方がやりやすいからいいかも。
「やったー!!(しゃーんなろ!!サスケ君と同じ班よ!!)」
「面白い…(ナルトと同じ班…ちょうどいい。あいつと一緒なら追いつきやすいはずだからな。)」
「ちょっと待った!!なんでナルトがサクラなんかと同じ班なのよ!!」
「成績で分ければ必然的にこうなる。ナルトはドべでサクラは座学トップ。サスケは座学、体術共に二位。うまく分けようとするとこうなるんだ。分かったかいの」
「はあ…分かったわよ」
「じゃあ次、第八班。油女シノ、犬塚キバ、日向ヒナタ」
班分けは原作通りになりそうだな。でもそしたらナズナや多由也はモブと組むのかな。
「…次、第十班。奈良シカマル、秋道チョウジ、山中いの」
うん、猪鹿蝶の組み合わせだね。本当に原作通りだな。
「次、第十一班。うちはナズナ、多由也、うずまきナルト」
ん? 今呼ばれた…ってなんでだ!?
「ちょっと待つってばよ!!なんで俺は二回呼ばれてるんだってばよ!!」
「ああ、そのことだが火影様からメモを預かっている。ちょっと待ってろ。これで班分けは以上だ。これからそれぞれの班を担当する上忍の方が来るからそれまでここで待機だ。では休んでていいぞ」
なんで二回も呼ばれてるんだ…普通ありえないだろ…そんなことを考えながらメモをもらって中身を見た。
“ナルトよ。お前が二つの班に配備されたことに驚いているじゃろう。今回卒業生が二十九名と少し中途半端になってしまってな。そこで暗部に所属し、影分身を使えるお前なら下忍の任務くらい影分身で事足りるじゃろうと思ってな。儂がそうしておいた。影分身は十一班の方に回してくれると助かる。十一班の担当上忍には話をつけてあるからの。では頼んだぞ”
じいちゃんめ…なんてめんどくさいことにしてくれたんだ。これ中忍試験とかどうすんだよ!!はあ、考えただけで頭が痛くなってきたな…
「なんて書いてあったの? ナルっち」
「ナズナか…これ見てみろよ」
そう言ってナズナにメモを見せた。これから大変だな…
「これはまた火影様も凄いことするね。まあ、それだけナルっちを信頼してるんだろうけど。っていうかなんで十一班の方が影分身なのよ!!そこは変えて欲しいわ!!」
「問題はそこじゃないと思うんだけどな…まあいいよ。頑張ってみるってばよ」
俺はそう言って元の席戻り、うなだれていると…
「あーあ。私ナルトと同じ班がよかったな」
「私もナルト君と…一緒に…なりたかった」
いのとヒナタが話しかけてきた。そう言われてもな…
「まあ、しょうがないってばよ。俺が二つの班に配備されたのも異例中の異例みたいだしな。俺だって出来ればみんなと一緒がいいけど、そうはいかないしな。休みには会いに行くからそれで許してくれってばよ」
「ナルトがそう言うなら…でも絶対会いに来てよね!!」
「分かったよ…ナルト君。私のところにも来てね」
「分かってるってばよ!!」
そんな話をしていると…
「第十班、こっちに来い。俺が担当上忍の猿飛アスマだ。よろしくな」
「あ、アスマさんだ」
「ん? おう、ナルトか。久しぶりだな。元気にしてたか?」
「もちろんだってばよ。アスマさんはタバコ止めた方がいいと思うってばよ」
「ハハハ…痛いところついてくるな。お前は別の班か。じゃあ俺は行くからな。またな」
「まただってばよ!!」
「じゃあな、ナルト。行ってくる」
「またね、ナルト」
「じゃあね、ナルト。約束忘れんじゃないわよ!!」
「おう!!」
そうして十班のみんなは行ってしまった。次は誰が来るかな。
「第八班、集合しなさい。私が担当上忍の夕日紅よ。よろしく」
「今度は紅さんか。久しぶりだってばよ」
「ナルトじゃない。元気にしてた? あんたが風邪とか引くとは思えないけど」
「まあ、元気だってばよ。紅さんは上忍になったんだね。また幻術教えてくれってばよ」
「暇なときにね。じゃあまたね。私も行かないといけないから」
「了解だってばよ」
「ナルト、お前あの先生と知り合いなのか?」
キバに話しかけられた。キバとはたまに一緒にいたずらしたぐらいの仲だ。
「まあな」
「へー…落ちこぼれのお前が上忍に知り合いとはな。意外だな」
「キバ、あんまり話してると置いていかれるぞ」
「それもそうだな、じゃあな」
「ナルト、お前は何かと謎の多い。きっと実力を隠しているのだろう。なぜならドべなはずなのにやたらに実力のある者と知り合いが多いうえに何故か二つの班に配備されているからだ。あとで本気の実力を見たいものだな。それではな」
シノ…いろいろと鋭くて吃驚するってばよ。まあいつかは話すことだしシノには早めに見せてもいいかもな。
「ナルト君…私頑張るね…じゃあ行ってくるね」
「おう!!頑張れってばよ!!いってらっしゃい」
八班のみんなも行ったか…原作通りなら七班の担当はカカシだから遅刻確定だからな。だとすると次来るのは十一班の担当上忍か。いったい誰なんだろう。
「第十一班。集まれ。俺が担当のうちはシスイだ。ま、よろしくな」
「シスイさんが担当か。なるほど俺の事をよく知ってる人だからこういう異例をやったのか」
じいちゃんもそこらへんはしっかり考えてたのか。
「ま、そういうことだ。ナズナも一緒だから万が一お前の影分身消えても大丈夫だとは思うけどな」
「シスイさんが担当なのね。まあ慣れてる人だからやりやすいわね」
「ナルトは影分身をしてくれ。そっち連れてくから」
「分かったってばよ、影分身の術!!」
「俺が行けばいいんだな」
「だな、じゃあ行くぞ」
「はーい」
「おう!!多由也も早くな」
「分かってる!!」
そう言って十一班も行ってしまった。まあ俺の影分身ついてるから行ってしまったって言うのも変だけどな。
「あとは俺達だけか…いったいどんなやつが担当なんだ」
「私も気になるわ」
気にしてても無駄だよ…どうせあと二時間くらい来ないから…原作通りならね。
そうして待つこと二時間。まだ来ていない…いくらなんでも遅すぎる。この空気も嫌になってきた。サスケは貧乏ゆすりしてるし、サクラは左右に行ったり来たりしてるし…早くこいカカシ…
「もう!!なんで七班の先生だけこんなに遅いのよ!!おかしいでしょ!!」
ついにサクラがキレたか。まあ普通誰でもキレるくらいの遅刻だよな。
「ねえ、ナルト。あんた暇でしょ!!探してきてよ!!」
なんで俺が行かなきゃいけないんだ。
「嫌だってばよ。第一ここで待ってろって言われたから待ってなきゃだめだろ? そこまで言うなら自分で探してくれば?」
「うっ…分かったわよ!!待てばいいんでしょ!!待てば!!」
はあ、なんで俺がキレられなきゃいけないんだ…サスケの方を見たらなんか同情するような目で見られたし。はあ、早く来てくれ。そんなことを考えていると…
「第七班の諸君、集合。今から屋上に行くぞ」
遅刻したくせに謝らなかった…分かってたけどね…
いかがだったでしょうか。班分けは四人班も考えましたがこんな形にしてみました。
感想、批評などよろしくお願いします。