ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第二十七話~

 俺は今、遅刻してきたカカシに連れられて屋上に向かっている。原作通りなら自己紹介と明日のサバイバル演習についての説明だろう。それにしても暗部にいた時より遅刻時間が酷くなってるな。どうしてなんだ? 暗部みたいな緊張感がないからなのか? それとも単にやる気がないだけなのか? 考えてても仕方がないか…そう思っているとどうやら屋上についたらしい。カカシが屋上にある出っ張りに座ったので俺達はその前に並ぶように座った。

 

「よし揃ってるな。うーん、そうだな。まずは自己紹介でもしてもらおうか」

 

 相変わらず遅刻しても悪気がなさそうなんだよな…俺はもう慣れたけど。

 

「自己紹介ってどんな事言えばいいのよ?」

 

 普通に考えれば名前と夢とか目標とか言えばいいと思うんだけどなあ。わざわざ聞かなくてもと思うのは俺だけなんだろうか。

 

「そりゃあ、好き嫌いや将来の夢、目標、趣味とか…まあそんなもんだ」

 

「ねえ、そんなことより先生。先に自分の自己紹介してくれないかしら?」

 

「俺か? 俺は、はたけカカシって名前だ。好き嫌いをお前らに教える気はない。将来の夢って言われてもなあ…趣味はいろいろだ」

 

 この人自己紹介する気ないだろ。自分でこれ言えばいいと言ったことなのに名前しか教えてくれないとか…よく分かんない人だよな。

 

「結局分かったのって名前だけじゃない」

 

 サクラがこっちを見ながら言ってきた。俺は苦笑いしながら頷いた。

 

「次はお前達の番だ。じゃあ、右のお前から」

 

 俺からか…まあいいけど。

 

「俺の名前はうずまきナルト。好きな物は美味しい食べ物。嫌いな物は俺の大切な人を傷つける人。将来の夢は大切な人や木の葉の里を守りきれる火影になること。趣味は修行と料理かな」

 

「ほう…(こいつ思ったより大人びてるな。それに面白い夢も持ってるな)」

 

「ふーん。あんた料理出来るんだ」

 

「出来るってばよ」

 

 俺、一人暮らししてんのに出来なかったらどう生きていけって言うんだ…

 

「本当に~?」

 

 サクラめ…俺をなんだと思っていやがる。

 

「本当だってばよ。なあ、サスケ」

 

「ああ。こいつの料理の腕はそこらへんの店より上だ」

 

 そんなにハードル上げるなよ。まだまだ練習中だっていうのに。

 

「サスケ君がそこまで言うなんて…一回食べてみたいわね」

 

「俺も食べてみたいぞー、ナルト」

 

「ハハハ…考えておくってばよ」

 

 なんでこうなった…サスケめ。あとで修行をきつくしてやる。

 

「じゃあ次」

 

「俺の名はうちはサスケ。好きな物はうちはせんべいやトマト。嫌いな物は納豆や甘すぎる物だ。将来の夢は兄さんのような強い忍びになって里を守ることだ。今の目標はあるライバルを追い越すことだ。趣味は別にない」

 

「へーそうなんだ!!(やっぱりサスケ君は格好良い!!好きな物は覚えておかなきゃ。あとで差し入れしてサスケ君のハートをゲットするわよ!!)」

 

「へえ…(サスケがライバルと言った時一瞬ナルトの方を見たような…気のせいか)」

 

「いい夢だな。頑張れってばよ」

 

 さりげなくこっち見やがって…カカシに変な目で見られるじゃねえか。まあどうせサバイバル演習でバレちゃうだろうからいいけどさ。

 

「サスケ君はあんたに言われるまでもなく頑張るわよ!!」

 

 なんで俺はサクラに睨まれなきゃいけないんだ。別に変なことは言ってないんだけど。

 

「じゃあ、最後。女の子ね」

 

「春野サクラです。好きな物っていうか…好きな人は…」

 

 サスケの方を見ながら言っている。原作通りか。

 

「趣味っていうか…将来の夢は…キャー!!」

 

 趣味でサスケの方を見たってことはサスケのストーカーでもやってるのか!?いや、それはないか…修行の時には気配感じなかったし。観察とか妄想ってとこか。

 

「嫌いな物は特にないでーす」

 

「ふむ…(この年頃の女の子は忍術より恋愛か)」

 

 俺が変に突っかかって行ってないし。嫌われてはなかったか。そこはやりやすそうだな。

 

「よし、お前らの事はよく分かった。明日から任務やるぞ」

 

「どんな任務をやるのよ?」

 

「まずはこの四人だけで出来る任務をやるぞ。サバイバル演習だ」

 

 とうとうきたか…サバイバル演習。鈴は取ってみたいかな。

 

「任務なのになんで演習なんかやるのよ。演習ならアカデミーでたくさんやってきたわよ」

 

「ただの演習じゃあない…」

 

「じゃあどんな演習なのよ!!」

 

 サクラ…そんなことでいちいちキレないでくれ。めんどくさい。

 

「くっくっく…」

 

「何笑ってるのよ先生」

 

 カカシってこんな笑い方したっけ…変な笑い方だな。

 

「いや、これを言ったらお前ら絶対に引くから」

 

「なによ、それ」

 

「アカデミー卒業生三十名中下忍として認められるのは十二名だけだ。残りはアカデミーに戻される。つまりこの演習は脱落率六割の超難関テストってわけだ」

 

 カカシがそう言った後サスケとサクラを見てみるとサスケは別段変わった様子はない。サクラは顔が引きつってるな。そういえば原作より脱落率低いな。卒業人数も増えてるからそういうことなのかな。

 

「あら、引いたのはサクラだけか。お前らは驚いてないみたいだな」

 

「ふん、分身の術ごときで下忍になれるって方がおかしいぜ」

 

「そうだってばよ。ドべで落ちこぼれな俺でも出来たのにそんなのはおかしいってばよ」

 

 事前に知ってただけだけどね。サスケもイタチあたりに聞いたのかな。

 

「なるほど、意外と分かってるな。ま、そういうわけで明日演習を行う。忍び道具一式持って朝五時集合!!」

 

 朝五時とか…絶対に時間通りに来るはずがない。下手すりゃ来るのは十時くらいか。まあ一応時間通りに行くか。

 

「じゃあ、解散だ。朝飯は抜いてこい。吐くぞ」

 

「ちょっと待った先生!!」

 

「ん? なんだ?」

 

「明日は遅刻しないってばよね? ってかしないでくれってばよ!!」

 

 一応言ってみる。無駄だと思うけど。

 

「ハハハ…まあ善処するよ。じゃあな」

 

 そう言うとカカシは行ってしまった。こりゃだめだな。言っても無駄だったたな…とりあえずサスケと明日について話すか。俺がサスケに視線を送ると頷いたのでいつも修行している場所へと向かった。

 

「おい、ナルト。明日の演習はどうするんだ」

 

「うーん、やりすぎない程度に実力は出すつもりだってばよ」

 

 螺旋丸とか飛雷神はまずいから使うのは風遁系忍術と影分身、ある程度の体術くらいにするつもりだ。

 

「そうか。なら明日は大丈夫そうだな」

 

「あんまり油断はするなよな。お前は既に中忍レベルだけど相手は一応上忍だからな」

 

 そんなことしてたら俺が喝を入れてやる。

 

「言われなくても分かってる。そんなことしてもいいことないからな。」

 

「それなら大丈夫そうだな。あ、そうだ。明日朝飯は食ってこいよな。どうせカカシ先生は遅刻してくるだろうし、演習程度でお前が吐くわけないからな」

 

「分かった…と言いたいところなんだがな。プリントに書いてあるからな。母さんは必ず見るだろうし、そうしたら作ってくれねえんだよ」

 

 ミコトって意外とそういうところがあんのか…

 

「はあ、しょうがないな。俺がおにぎり作って持って行ってやるってばよ」

 

 ついでにサクラの分も作っておくか。

 

「助かる…」

 

「三個くらいで中身はおかかでいいか? 他のがいいなら変えるけど」

 

「いや、変えないでいい。俺はおかか好きだしな。それで頼む…すまないな」

 

 素直になるもんだな。親がいると。やっぱり環境って大事だな。

 

「分かったってばよ。俺のを作るついでだからな。別に気にしなくていいってばよ」

 

「ありがとな。じゃあ明日は合格するぞ」

 

「おう!!」

 

 そう言って俺らは拳を合わせた。そしてそのままそれぞれの家に帰っていった。明日の準備をするために…




いかがだったでしょうか。次はいよいよサバイバル演習ですね。
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