ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第二十八話~

 俺は今、演習場に向かっている。辺りはまだ薄暗い。まあ、朝五時集合だったから家を四時半に出たからな。まあ当然か。おにぎり作るために三時起きだけど昨日はかなり早めの時間に寝ておいてのでそこは問題ない。体調は万全だ。そんなことを考えていると、演習場についた。どうやらサスケとサクラも今ついたみたいだ。

 

「おはよ~…」

 

 サクラが声を掛けてきた。相当眠いみたいだな。目をこすっている。

 

「おはよう。サクラ、サスケ」

 

「ああ、おはよう」

 

「ほれ、サスケ」

 

 そう言っておにぎりを手渡した。

 

「おう、ありがとな」

 

 サスケはそう言うとおにぎりを食べ始めたので俺も自分の分を取り出して食べ始めた。すると…

 

「ちょ、ちょっと。サスケ君、ナルト。なんでおにぎりなんか食べてるのよ。先生朝ごはん食うなって言ってたじゃない!!」

 

 まあ、そう言うと思ったよ。ちょっと声がでかいけど。まあ、お腹減ってるのを我慢してるところでカカシの言うこと破って食ってるやつらが目の前にいれば声もでかくなるか。

 

「昨日の様子からみてあいつが時間通りに来るとは思えない。あいつが来ないうちに食べ終われば問題ないだろう」

 

「そうそう。それに先生は吐くって言ってたけど、胃に何もない状態で吐かされると相当苦しいらしいから食べておいて損はないってばよ。あとは食べておかないと体が動かなくて実力を発揮できないってばよ」

 

 サスケと俺がそう言うとサクラの顔がはっとなった。少し考えれば分かりそうなもんだけどな。お腹抱えてうずくまってるし…そろそろあげるか。

 

「サクラ、おにぎりわけてあげようか?」

 

「い、いいの!?でもナルトの分がなくなっちゃうんじゃない?」

 

「大丈夫だってばよ。俺の分とサスケの分のおにぎりつくったんだけどご飯が余っちゃったからそれもおにぎりにして一応持ってきてあるからさ。それあげるってばよ」

 

 そう言って、サクラにおにぎりを渡した。まあ、最初からサクラの分として作ったんだけどね。

 

「あ、ありがとう。そういうことなら貰うわ」

 

 サクラは手に取ったおにぎりを食べた。

 

「あ、美味しい。中身はおかかなのね。味付けと塩加減がちょうどいいわ」

 

「そう言ってもらえるなら、作ってきた甲斐があったってばよ」

 

 そうして三人そろっておにぎりを食べた。二人とも満足そうに食べていたのでよかったかな。

 

「さて、食べ終わったし…カカシ先生来るまで寝てようかな。じゃあ、おやすみだってばよ」

 

「俺は一応準備運動でもしてるぞ」

 

「ナルトはこんな時によく寝られるわね…私も準備運動しようかな」

 

 そうしてそれぞれの方法でカカシを待った。そして集合時間から約五時間が過ぎた頃…

 

「やあ諸君、おはよう」

 

「おっそーい!!」

 

「ふんっ」

 

「遅刻すんなって言っておいたのに…」

 

 まじで予測が当たっちゃったよ…五時間は遅刻ってレベルじゃない気がする。

 

「いやー、黒猫に目の前を通られちゃってな…」

 

 そんなことで五時間も遅れるはずがない…言い訳考えるの下手だよな。なんかサクラは変な声出しながらカカシ睨んでるし、サスケは無言で睨んでいる。何を言おうがカカシが悪い。

 

「まあ、なんだ…十二時セット完了!!」

 

 制限時間は約二時間ってとこか…まあいけるでしょ。

 

「本日の課題。それはこの鈴を昼までに俺から奪うことだ。奪えなかった者は昼飯抜き!!丸太に縛り付けたうえ、目の前で俺が弁当食うから」

 

 本当に悪趣味だよな…俺がそんなことされたら縄抜けで抜け出して奪ってやる。

 

「(ナルトのおにぎり食べておいてよかった…私ダイエットで昨日の夜も何も食べなかったのよね)」

 

 サクラはほっとした顔してんな。まあ食ってなかったら空腹で演習どころじゃないはずだからな。

 

「でも、ちょっと待って。なんで鈴二つだけなの?」

 

「二つしかないから最低一人は丸太行きになる。そいつは任務失敗ってことで失格だ。つまりアカデミーに戻ってもらうことになる」

 

 ここで裏を読んでチームワークをすればいいなんて中々気づけないよな。アカデミーレベルだし、緊張もしてるだろうし、考えつかないよな。

 

「最低一人だけかもしれないし、全員かもしれない。手裏剣使ってもいいぞ。俺を殺す気でこないと取れないからな」

 

「でも、危ないわよ先生」

 

「サクラ、先生は腐っても上忍だ。上忍がアカデミーを卒業したばかりのやつらの手裏剣なんて当たんないって。そうだってばよね? カカシ先生」

 

 下忍になるかならないのやつの手裏剣当たってたら木の葉の里は壊滅してるよ。

 

「ま、ナルトの言う通りだ。ドべの癖によく分かってるじゃない」

 

 随分とあからさまな挑発だな。のってみるか。俺は忍具袋から手裏剣を取り出し投げた。カカシはギリギリで手裏剣をクナイで弾いた。サスケは別段気にした様子はなかったが、サクラは凄く驚いた様子で俺とカカシを交互に見てる。カカシは俺の方を睨みつけている。ちょっとやりすぎたかな。

 

「まだスタートも何も言ってないんだけど…」

 

「あからさまに挑発されたからつい…ごめんだってばよ」

 

「(え、ナルトが何かしたの!?なんかカカシ先生はナルトを睨んでるし…)」

 

「まあいい…これでみんな分かってくれただろうからな。それじゃあスタート!!」

 

 カカシがそう言うとみんなバラバラな方向に飛んでいった。とりあえずサスケのいる方に向かうか。そうしてサスケの気配がする方に向かっていった。

 

 サスケの元に着いたので話しかけた。

 

「よ、サスケ」

 

「ナルトか。何か用か?」

 

「いやさ、お前は分かってんだろ? この演習の本当の狙い」

 

「まあな…おそらくチームワークだろ」

 

「そうだってばよ。普通に考えても上忍に対して下忍が一人で鈴取れるはずないしな。それに三人に班分けしたのに何人か落としてまた組み直すなんて面倒な事する意味ないしな」

 

「ああ。一対一でやってみたい気もするが、それは合格した後でも出来る。ならまず合格しちまった方がいい。サクラのところに行くぞ」

 

 意外だな。とりあえず一人でやってみたいとか言うと思ってたのに。まあいいか。

 

「おう!!じゃあさっさと行こうぜ」

 

 そうして二人でサクラの元に向かっていった。

 

 サクラの元に着いてみると幻術に掛けられた後なのか泡を吹きながら気絶していた。下忍に幻術使うあたり容赦ないよな…カカシ。とりあえず幻術解いてやるか。サクラのおでこに手を当て…

 

「解!!」

 

「う、うーん…あ、そうだ!!サスケくんが!!」

 

「呼んだか?」

 

「さ、サスケ君!!無事だったのね!!」

 

 サクラはそう言って、サスケに抱きついた。サスケが抱きつかれるなんて滅多に見られないからな。

 

「サクラ…とりあえず離れろ!!あと、ナルト!!何ニヤニヤしながらこっち見てやがる!!」

 

「あ、ごめんサスケ君」

 

「いや、なに。普段じゃ見られない光景だったからついな」

 

「っち。まあいい」

 

「そういえば、なんで二人共ここにいるの?」

 

「ああ、ちょっと話があってね」

 

 そうして、サスケと二人でサクラに説明していった。

 

「なるほど、言われてみればそうね。分かったわ。協力する」

 

「おし、じゃあ作戦を考えないとな」

 

「ああ、そうだな。サクラお前はアカデミーで習った術以外で使える術はあるか?」

 

「ごめん、アカデミーで習った術しか出来ない」

 

 まあ一般家庭から来てるはずだから覚えてなくて当然だよな。

 

「そうなると、サクラには隙を突いてカカシ先生から鈴を取ってもらう役を任せるってばよ」

 

「え、でもあの先生に隙なんて…」

 

「それを俺とナルトで作る。その隙を突いてくれればいい」

 

 そうした方がやり易いしな。サスケの術は俺が把握してるしコンビネーションは大丈夫だ。

 

「そういうことなら…でも自信ないな…」

 

「大丈夫だってばよ。サクラならきっと出来るって。合図はするからさ」

 

「ああ、お前になら出来る。じゃあ俺達はカカシのところに行き隙を作るから任せたぞ」

 

「う、うん!!」

 

 これで大丈夫かな。よし、あとはカカシとの戦闘だけだな。そうして俺はサスケを追ってカカシの元に向かった。

 

 カカシを見つけたので俺とサスケは別方向に行きそれぞれの場所から手裏剣を投げた。

 

「ようやくお出ましか。それにしても二人同時とはな。面白い」

 

「へ、うるせえってばよ!!油断してると痛い目にあうってばよ!!いくぞ!!サスケ!!」

 

「おう!!」

 

 そう言って二人同時に印を結び始めた。

 

「まさか!?下忍レベルでそんな術が使えるはずが…」

 

「火遁 豪火球の術!!」

 

「風遁 神風!!」

 

 サスケと俺の忍術が合わさってカカシに向かっていく。火に風の性質で補助したから威力は抜群だ。どう避ける。術が終わりカカシがいたはずの場所を見るとそこにカカシの姿はなかった。周囲にカカシの気配はない。そういうことか。

 

「サスケ!!下だ。飛べ!!それとあれやるぞ!!」

 

「分かった!!タイミングは任せるぞ。」

 

 そう言って二人で同時に飛び上がり印を結んだ。さっきまでいたところを見るとカカシに捕まり地面に埋められる影分身の姿が見えた。とりあえず軽い隙が出来た。行くぞ!!

 

「火遁 龍火の術!!」

 

「風遁 つむじ風!!」

 

 炎の龍が巨大化し炎の渦を纏いながらカカシに向かっていく。

 

「本当にナルトはドべなのか? サスケにしても下忍レベルにしてはかなり強いし、まさかここまでのコンビネーションを使ってくるとはね」

 

 そう言って後ろに飛んで避けていった。サクラが来てる。しかもちょうどいい位置だな。

 

「今だってばよ!!」

 

「えい!!」

 

「何!?」

 

“チリンチリン”

 

 お、うまく取れたみたいだな。

 

「まさか、本当に取られるとはね…しかも三人で取りに来たとはな。さて、誰がアカデミーに戻るんだ」

 

 そんなの選ばなくても大丈夫さ。

 

「サクラ、一個鈴をこっちに投げてくれ」

 

「う、うん」

 

 そうして鈴が投げられてきたので俺はクナイを取り出し鈴を真っ二つに切った。そして切れた片方をキャッチしもう片方をサスケがキャッチした。

 

「これで全員鈴ゲットだってばよ。先生」

 

「誰も切ってはダメと言ってないしな」

 

「ふっ…お前ら…一本取られたよ。見事なチームワークだ。第七班全員合格!!明日から任務やるぞ!!」

 

 なんかスムーズにいったしよかった。

 

「やったってばよ!!」

 

「やったー!!」

 

「ふっ…」

 

「お前らなら心配なさそうだが言っておきたいことがある」

 

「なんですか? 先生?」

 

「忍びは掟やルールを破るとクズ呼ばわりされる。お前らも知ってるかもしれないな。だがな、仲間を大切にしないやつはそれ以上のクズだ。ま、お前らは見事だったよ」

 

 この名言がここで来るのか…オビトが言ったセリフだけどな。名言には変わりない。

 

「よし!!気分がいいから昼飯は弁当じゃなくて俺が何かおごってやる!!」

 

「え、いいの!?」

 

「やったあ!!二人はなんか食べたいのあるか?」

 

「俺は別にない。お前らは?」

 

「私も特にないかな…ナルト決めていいわよ」

 

「本当に!?じゃあ一楽でラーメンがいいってばよ!!」

 

「決まったようだな。じゃあ行くぞ!!」

 

「「「おう!!」」」

 

 そう言って第七班のみんなで一楽に行った。食後にカカシの財布が寒くなったことは別の話だ…




いかがだったでしょうか。無事にサバイバル演習編終了です。
もし、ナルトの影分身がいる第十一班の方も書いて欲しいという方がいれば番外編で書こうと思うのでご意見お願いします。
感想、批評などよろしくお願いします。

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