ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第三十話~

 今俺はタズナの護衛中に襲ってきた忍びを倒し、尋問を終えてカカシの話を聞いているところである。

 

「霧隠れの中忍ってとこか。こいつらはいかなる犠牲を払っても戦う忍びとして有名だな」

 

「ちょっと先生さっきCランク任務では他国の忍びとの戦闘はないって言ってたじゃない!!」

 

「俺もそれを聞きたくてな。タズナさん、我々はあなたが忍びに狙われているなんて聞いていない。依頼内容はギャングや盗賊などのただの武装集団からの護衛だったはず。これだとBランク以上の任務となる。依頼は橋を作るまでの支援護衛だったはずです。敵が忍者であるなら間違いなく高額なBランク以上の任務です。何か訳ありのようですが、依頼で嘘をつかれるとこちらが困ります。これだと我々の任務外ってことになりますね」

 

 Bランク任務ねえ。中忍試験で忍びどうし戦うことがあるのになんで下忍が受けられないB以上に設定するんだろう。試験前に経験しておいた方がいいと思うんだけどな。

 

「まだこの任務は私達には早いわ。止めましょ!!」

 

「別に続けてもいいんじゃない? いい経験になりそうだし。なあサスケ?」

 

「ああ、俺の力がどこまで通用するのか試してみたい。Dランク任務ばっかりで退屈だったからな」

 

「このまま放っておいたらこのおっさんは確実に死ぬしな」

 

「サスケ君がそう言うなら…」

 

 サクラ…もうちょい自分で判断してくれ。一応死ぬ確率上がってるんだから。

 

「まあ、こいつらもこう言ってますしとりあえず続行しましょう」

 

「ありがとう…お前達には正直に話そう。儂は超恐ろしい男に命を狙われている」

 

「超恐ろしい男?」

 

「お前さん達も名前ぐらい聞いたことぐらいあるじゃろう。海運会社の大富豪ガトーという男じゃ」

 

 うーん。正直言って里にいる間にその名前聞かなかったんだよね。本当に有名だったのかな。

 

「が、ガトーってあのガトーカンパニーの!?世界有数の大金持ちっていう!?」

 

 カカシが驚いている。そこまで有名ならなんで俺は聞いたことないんだ…世間知らずなのか俺って。

 

「そうじゃ。表向きはそうなっておる。じゃが、裏ではギャングや忍びを雇い麻薬や禁制品の密売をやっておる。さらには企業や国の乗っ取りというあくどい事までやっておる。一年ほど前くらいからじゃ。やつがこの国に目をつけたのは。財力と暴力を盾ににしてあっという間に島の海上交通や運搬を牛耳ってしまったのじゃ。波の国でそれを牛耳るということは国を乗っ取ると同じようなことじゃ。」

 

 なるほどね。移動手段を全部奪って支配したのか。なんとも自分の会社の強みを活かしてるな。頭はいいな。使い方が最悪だけど。

 

「そんなガトーが唯一恐れているのが。この橋の完成なのじゃ」

 

「そっか。それでこの橋を作っているおじさんが邪魔になったのね」

 

「なら、さっきの忍びはガトーの手の者だな」

 

 金で動く忍びか…確かにお金は必要だけどそれだけのために働く忍びにはなりたくないな…

 

「しかし、分かりませんね…相手は忍びすら使うような凄く危険なやからだ。何故それを隠して依頼をしたんですか?」

 

 カカシ…少し考えれば分かるだろうに。

 

「波の国は超貧しい国で大名すら金を持っていない。しかも海運や運搬などの主要産業が奪われた。さらに貧しくなってしまっておる。もちろん儂らにもBランクのような高額な任務を依頼するような金はない」

 

 橋作るだけじゃあ収入は少ないもんな。Bランクからすっげえ依頼金が上がるんだよな。危険度が上がるからってことなんだろうけど。

 

「まあ、お前さんたちがここで任務を取り止めれば儂は家にたどり着くことなく殺されるじゃろう。なあに気にすることはない。ただ儂の孫と娘が泣いて泣いて木の葉の忍者を恨んで生きていくだけじゃ。じゃがお前達のせいじゃない」

 

 ちょっと調子に乗りすぎてるな。少しお灸をすえるか。

 

「確かに俺達のせいじゃないってばよ。だけどなおっさん。俺達にも大切な人達がいるんだ!!俺達の無事を祈ってくれている人達が!!もし俺達の誰かがこの嘘の依頼で死んでしまったら、その人達だって悲しいしおっさんを恨むだろう。その中には忍びだっているんだ。本当に最悪な場合戦争にまでなりかねないんだからな!!」

 

 戦争はちょっと言い過ぎかもしれないけど復讐しに来る人は出てくるかもしれない。

 

「そうだな。ここで無理をして死ぬんだったら無理をしてまで任務を続行するべきじゃあない。たとえあんたの孫や娘に恨まれようとな」

 

 サスケも同調してくれたみたいだな。別に依頼人は神様だから絶対に従わなきゃいけないなんて規則や風習もないしな。

 

「す、すまんかった。儂は自分のことしか考えていなかったようじゃ。お前達のことまで頭がまわらんかった…頼む。儂をいやこの国を救ってはもらえんか」

 

 土下座をして頼んできている。反省してるみたいだし、そろそろいいかな。

 

「ナルト、サスケ。そこらへんでいいだろう。タズナさん、事情は分かりましたとりあえずあなたが家にたどり着くまでは護衛しましょう」

 

 ちぇえ、カカシめ…いいとこどりしやがって。俺が締めようと思ってたのに。

 

「すまん、恩に着る」

 

 タズナの護衛を続けることになった。このあとは再不斬との対決だよな…うまいこと説得してみたいけど、あんまりでしゃばったことすると更にカカシに疑われちゃうからな。一応同期の担当で俺が暗部に所属してることを知っているのはシスイだけだからな。アスマや紅には小さい頃に修行してもらってはいたけど暗部に入ったことは言ってないんだよね。まあばれてそうだけど…面と向かって言ったことはないからな。そして何も知らないのがカカシなんだけど逆に暗部の時に教わったし任務も結構一緒にこなしたから下手に強い忍術とか使うと感づかれかねないからな…中忍試験ぐらいまでは気づかれたくないかな。中忍試験で警戒されすぎても動きにくいからね。そんなことを考えているともうすぐ波の国につくのか船に乗るらしい。エンジンついてるのに手漕ぎで…

 

「お前ら、疲れてないんだからこいでやれ。少しぐらい体動かした方がいいだろう」

 

「えー…なんでだってばよ。そんなこと言ったらカカシ先生だって動かした方がいいじゃねえのか?」

 

「俺は大人だから大丈夫なの。ほら、ナルト、サスケ。やってこい」

 

「っち、仕方ねえな」

 

「はあ、やればいいんでしょ」

 

 大人だからって…それは理由じゃなくて言い訳なんじゃ。あとで仕返しとしていたずらしてやる。結構目立つやつにしよう。里に帰ってからだけど。

 

「すまんなあ。頼むぞ」

 

 そうして船をこいで進んで行くと、橋が見えてきた。間近で見ると本当にでかいな。

 

「おっきい…これがタズナさんが作ってる橋なの?」

 

「そうじゃ。あれを完成させればガトーの支配から逃れられるんじゃ」

 

 うーん、ガトーなら橋が完成したら破壊に来そうなもんだよな。まあそんなことさせずに始末するつもりでいるけどね。そうしていると反対側の岸についたみたいだ。もうすぐ再不斬が出てくる。気を引き締めないと。

 

「さあ、儂を家まで無事に届けてくれよ」

 

「はいはい…」

 

 なんかカカシがめんどくさそうに答えた。顔を見てみると明らかに面倒なことに巻き込まれたって顔してんな。まあいつも遅刻してくる天罰みたいなもんじゃないのかな。そんなこと考えていると何かの気配がしたのでそっちの方にクナイを投げた。

 

「いきなりクナイなんて投げてどうしたのよナルト!!」

 

「いや、なんかいる気配がしたから…」

 

 そうして向かっていくと白い雪うさぎがいた。もうそんなところまで歩いたのか。俺はこのあと直ぐに起こる戦いに向けて気を引き締めた…




いかがだったでしょうか。しつこくなってしまった気がする。
感想、批評などよろしくお願いします。

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