ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第三十五話~

 俺は今飛雷神の術で首切り包丁のところに飛んできたところだ。目の前には面を外した白と上半身だけを起こした再不斬がいた。まあ再不斬は動けないだろうしこいつらも無理はしてこないだろう。そんなことを考えていると千本がこちらに飛んできていた。なので俺はクナイを取り出しクナイで千本を弾いて防いだ。

 

「いきなり攻撃なんて穏やかじゃないね」

 

「!?ってめぇは!!」

 

 再不斬が驚きの声を上げ白は千本を構えてこちらを睨んでいる。まあそうなることは予想してたけど。

 

「まあまあそんなに警戒しないでくれってばよ。俺は戦いに来たわけじゃないってばよ。話があってきたんだ」

 

 俺はそう言いながらクナイから手を離し両手を上にあげた。

 

「そっちにとっても悪い話じゃないと思うんだけどとりあえず聞くだけ聞いてみてくれないかな? どうしても嫌だって言うんなら仕方がないから帰るけど…どうする?」

 

 俺はそう言って白と再不斬の目を見る。これでダメだったらどうしようかな…ダメだったら何回も訪ねて聞いてくれるまでやればいいか。

 

「…再不斬さん。この人からは敵意を感じません。私は話だけでも聞いてみても遅くないと思うんですが、再不斬さんは?」

 

 白が再不斬の方を見つめている。さて、どう出てくる。

 

「…っち! わかった。聞くだけ聞いてやる。ただし、お前のことを信用したわけじゃねえ。少しでも不審な動きをしたらその首切り落としてやるからな」

 

「わかったってばよ。じゃあ話すってばよ」

 

 俺はそう言いながらその場に座った。立って話すのって疲れるしね。

 

「俺からの提案っていうのは俺達と協力してガトーやガトーカンパニーを潰さないかっていう提案なんだけど…」

 

「断る。俺たちがそんなことをして何のメリットがある?」

 

 再不斬は短気だな…気にしててもしょうがないけど。

 

「いやいや、今からその部分を話すつもりだったんだけど…とりあえず何も言わずに最後まで聞いてくんねえかな?」

 

「再不斬さん、聞きましょう…」

 

「っち!!…わかったよ」

 

 随分と白の言うことは素直に聞くんだな…まあおかげで助かったんだけど。

 

「じゃあ、続きを話すぞ。この話に乗ってももらった時そっちのメリットについてだな。ガトー達を潰した時の報酬は三割そっちに譲るのとガトーの持ってる資産の半分もそっちにあげよう。あとは協力した実績を考慮してもらって木の葉に保護してもらえるようにしてもらって追い忍に追われる心配がなくなること。木の葉での忍者登録もできるようになんとかするってばよ。そうすれば仕事もあるから生活できるだろ。こちら側のメリットとしては作戦の時の戦力の強化、今俺たちが請け負ってる任務の遂行がスムーズになること、木の葉としての戦力が増えること。俺の個人的なメリットは友達が増えること。ま、こんなところだってばよ。なんか質問あるなら聞いてくれってばよ」

 

「…私から質問があります。この話はもう既に火影には伝えて承認を得ているのですか?」

 

「いやまだだってばよ」

 

 そんな時間はなかったしな。こっちの了承得てから行こうと思ってたし。

 

「では、どうやってその了承を得るつもりなんですか? 見たところあなたは下忍ですよね。強さはわかりませんが」

 

「まあ、表の顔はね。これでも一応裏では暗部に所属してるんだってばよ。火影直轄の。波狐って聞いたことないかな? それが俺の暗部での名前なんだけど」

 

 どうせばらさなきゃいけないんだからここでばらしても問題はないだろう。

 

「なに!?波狐だと!?あの黄色い閃光の再来とまで言われてた奴だ。それがお前だっていうのか!?」

 

 再不斬が声を荒あげた。意外と知られてるものだね。うまく伝わったようでよかった。

 

「そうだってばよ。ここに来たのだってあんたの武器に飛雷神のマーキングをつけておいたからそれに飛んできただけだし…まあ信じられないって言うなら証拠を見せてもいいけどね」

 

 俺はそう言いながら首切り包丁の取っ手部分につけてあるマーキングを二人に見せた。

 

「まあ、この立場を利用して話をつけてくるつもりだってばよ。了承がもらえるならすぐに影分身を木の葉まで送って話をつけてくるつもりだけど…どうする?」

 

「確かに悪い話じゃありませんね…むしろこちらにメリットが大きい話ですね。どうします、再不斬さん? 私としては受けた方がいいと思うんですが…」

 

「…うまくいくかわからんが確かに乗ってみる価値はありそうだな…だが、失敗したらどうするつもりだ?」

 

「失敗したときは俺を煮るなり焼くなりしてくれればいいさ。まあ、失敗する気はないけど」

 

 このぐらいのリスクは覚悟してたしな。

 

「っけ…調子のいい野郎だ。わかった。その話乗った」

 

 よし、うまく説得できたな。ここが一番の難関だと思うからあとは楽かな。

 

「じゃあ、影分身を木の葉に飛ばして連絡するってばよ」

 

 そうして俺は影分身をして影分身は木の葉に飛んで行った。

 

「よし…これであとは待つだけだけど、そういえば俺の自己紹介をしてなかったな。俺の名前はうずまきナルト。一応下忍だけどさっきも言った通り裏では暗部に所属してるんだ。よろしくだってばよ」

 

「…知っていると思うが俺は桃地再不斬。元霧隠れの忍刀七人衆の一人だ。で、こっちにいるのが…」

 

「白といいます。元々くノ一ではないんですが再不斬さんにいろいろ教えてもらって似たようなことをしています。よろしくお願いします」

 

 今、白がくノ一って言ったよね!?やっぱり女だったんだ…こんなこともあるのか。覚えておこう…

 

「再不斬に白だな。覚えたってばよ。さて、こうして待つだけなのもあれだし再不斬の治療でもするか。流石に仮死状態になった痺れはとれないけど打撲や切り傷ぐらいは治せるからな。見せてみるってばよ」

 

 薬草使うまでもなく治せるだろう。まあ薬草使ったほうが早いんだけど取りに行くぐらいだったらここで医療忍術そのまま使った方が早いだろう。

 

「ナルト君、医療忍術を使えるんですか!?」

 

 白が驚いたように聞いてきた。

 

「まあな。たまたまその道のスペシャリストに教わる機会があったからな。地獄のような修行だったけど。今こうして役に立ってるから別にいいけどね」

 

 俺はそう言いながら再不斬に治療を施していく。そこまで時間は掛からないだろう。

 

「あの、ナルト君…聞いてみたいことがあるんですけど…いいですか?」

 

「ん? 構わないけどなにかあるのか?」

 

 白からの質問か…なんだろう?

 

「ナルト君は血継限界を持つ人達をどう思いますか?」

 

 なるほど…確か白は血継限界の所為で酷い目に遭ったんだっけか。まあ思ってることそのまま言えばいいだろう。

 

「俺は羨ましいって思うことが多いかな。自分の一族でしか使えない忍術って凄いって思うし…俺がもし血継限界を持ってたら格好いいかもって考えたこともあるしな」

 

 まあ、俺自身も持ってるはずなんだけどね。なんの血継限界かわかんないけど…でもあの時の感覚を信じるなら…白と同じ氷遁が俺の使える血継限界の術になるはずなんだよな。

 

「フフフ…君は面白い考え方をしますね。今までそんな考え方を持った人には会ったことないですよ。再不斬さん以外では」

 

「そうなのか…まあ木の葉にいると周りに血継限界持ってる人とか結構いたからかもしれないってばよ。里でも別に差別なく接している感じがあるし」

 

 迫害してるなんて噂は聞いたことないしな。俺はされてたけどな…

 

「そうなんですね…私は雪一族という血継限界を持つ一族の母と普通の家庭に生まれた父との間に生まれたんです。母は一族のことを隠して結婚して私を産んだらしいです。ある日私がそんなことがあるとも知らずにその能力を使って遊んでるところを自慢げに母に自慢して見せたんです。母にはすぐ止めさせられもう使うなと言われました。しかし、その現場を父に見られてたらしいんです。そうしたら父は母を殺し、私を殺そうとしました。そうしたらいつの間にか私はその能力を使い父を殺していました。その時私はこの世で一番辛い事実を知りました…それは“私は必要とされていない存在”なのだと…そうして絶望し放浪していた時に再不斬さんが私の血を好んで必要と言ってくれた。その時から再不斬さんと一緒にいるんですよ。私を必要としてくれましたから」

 

「そうなのか…俺と同じような体験をしてる人がいるなんてな。想像したこともなかったってばよ…」

 

 まあ、知ってたけど…改めて聞くと壮絶だよな。

 

「え…同じような体験って。でもさっき血継限界は持ってないって言ってましたよね!?」

 

 白が驚いたような顔をしている。まあそうだろうな。

 

「まあ血継限界は持ってなかったんだけどさ…俺ってば人柱力なんだってばよ。九尾のさ」

 

「えぇ!?」

 

「なにぃ!?」

 

 白は少し飛び退いて、再不斬は寝っ転がっていたのに上半身を起こしていた…まあそういう反応するのは予想はしていたけどね。

 

「まあ、普通はそういう反応するってばよね…里でもそんな感じだったからな。まあ影分身から連絡来たら結果伝えて帰るからさ…それまでは辛抱してくれってばよ」

 

 しょうがないよな…今の人柱力に対する態度なんてこんなもんだろう…

 

「すみません、ナルト君!!君は自分のことを正直に話してくれたのに私は私がされて一番傷ついたことを君にしてしまった…君に悲しい顔をさせてしまった…何度でも謝りますからもう少しここにいてください。お願いします」

 

「わ、わかったってばよ。ここまで必死に謝ってくれた人は白が初めてだな…なんか嬉しかったってばよ。連絡が来て俺が戻ってもすぐ会えるようにこれあげるからさ…その…俺と友達になってくれないか?」

 

 俺は飛雷神のマーキングが書いてある木の板を小包で包んだものを渡しながら言った。ただマーキングのついたクナイあげたんじゃそっけないしね。

 

「は、はい!!もちろんです!!と、友達ですか…初めてできましたね」

 

「初めての友達だったのか。大丈夫木の葉に行けばいっぱいできるって!!俺が保証するってばよ!!万が一できなくても俺がずっと友達だからな!!」

 

 俺は白を安心させようと精一杯の笑顔で言った。あんまり悲しい思いさせたくないしな。

 

「は、はい…///」

 

 白の方を見てみるとなんだか顔を赤くさせながら返事をしていた。どうしたんだろう?

 

「あの、絶対ですからね///私、信じてますから」

 

「おう、約束は破らないってばよ。男に二言はないからな」

 

「はい///あの、先に言っておきますけど私は一途でしつこいですからね///」

 

 あれ、このセリフどっかで聞いたような…思い出せん…まあいいや。

 

「わ、わかったってばよ…ん? 影分身から連絡来たけどうまくいったみたいだってばよ。じゃあ俺は一旦元の場所戻って報告してくるから…また後でなー!!」

 

「はい!!待ってます!!」

 

「わかった…こっちも準備しておくぜ」

 

 そうして俺は飛雷神でカカシ達の元に向かった…




ちょっと無理やりな部分があったかも…
感想、批評などよろしくお願いします。

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