ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第四十三話~

 俺は今演習場に来ている。波の国の任務が終わり一週間の休暇が与えられたんだけどサクラに修行をつけてくれと頼まれたのだ。自分だけ力不足なのは悔しいとのことらしい。まあ、そういうことなら断る理由もないので引き受けたのだ。本当は少し家でゆっくり過ごしたい気分もあったけどそんなのはいつでもできそうな気がする。そんなことを考えながら待っていると…

 

「おはよう、ナルト」

 

 サクラが走りながらこっちに近づいてくる。

 

「おはよう、サクラ」

 

 そういえば、二人だけで会うのは初めてだな。まあ別になんとも思わないけど。

 

「休みだっていうのに来てくれてありがとね」

 

「気にしないでいいよ。同じ第七班の仲間なんだし」

 

「そう、ならよかった」

 

 サクラを鍛えておいて損はないしな。中忍試験も少しは楽になるだろうし。

 

「じゃあ、修行始めよっか。なんの修行がしたいの?」

 

「体術の修行をつけてもらえるかしら? 性質変化の修行は一人でもできるんだけど体術は相手がいた方がいいと思って」

 

 なるほどな。体術の修行は波の国のときもしていないしいい機会かもね。

 

「分かったってばよ。じゃあ体術のみの組手をやるよ。じゃあ始め!!」

 

 そうして組手を始めた。やはりサクラには修行をつけてなかったから体術はアカデミーレベルだな…これはなんとかしなきゃいけないな。中忍試験までにどのくらいの時間があるかは分からないけどできるだけ鍛えなきゃいけないな。それともチャクラコントロールは抜群に上手いから桜花掌を教えた方がいいかもしれないな。筋力アップもしなくちゃいけないけど攻撃力を上げるならそっちの方が手っ取り早いかな。そんなことを考えながら組み手をしていると、サクラが息切れしていた。そろそろ一旦休憩かな。

 

「一旦ここまで。休憩しよっか」

 

「ぜえ…ぜえ…わかったわ。ぜえ…ぜえ…」

 

「あっちの木陰まで歩ける?」

 

「う、うん…」

 

「じゃあそこで休憩しよう」

 

 そうして二人で木陰に向かった。サクラの呼吸が整うのを待ちながら空を眺めている。こんな感じで空を眺めるのは久しぶりだな。波の国じゃ修行してた場所が森の中で上を向いても木が生い茂ってたしな…まあそっちもそっちでよかったけどね。

 

「ねえ、ナルト。ナルトはいつもこんなにきつい修行をしてるの?」

 

「俺はこの四、五倍はやってるかな。まあ、以前から修行してるから必然的に量が多くなってるだけなんだけどね」

 

 影分身一人分だとそのくらいになるだろう。最近は体術より性質変化の修行に時間を割いているけど。

 

「そうなんだ…私もそのくらいやれば強くなれるかな?」

 

「いきなりはたくさんやらないほうがいいってばよ。徐々に増やしていかないと体が先に壊れちゃうからね」

 

「そうなのね」

 

 そりゃそうだ…俺も今の修行量にしたのはアカデミー卒業してからだし…

 

「そんなに心配しないでも大丈夫だって。サクラも修行すればみんなに追いつけるからさ」

 

「…うん!!」

 

 気が乗ってきたようだし修行内容を話しちゃうか。

 

「さっきの組手で修行の方向性が見えてきたから言うよ。サクラはまだ体力が少し少ないから体力強化。それとチャクラコントロールは抜群にうまいからそれを利用した攻撃力上昇の術の修行をしよっか。それなら結構すぐにでも実戦に取り入れられると思うから」

 

「分かったわ!!」

 

 そんな会話をして休憩していると…

 

「ナルトー!!」

 

 俺の名を呼びながら殺気を出してものすごい勢いで近づいてくる人影が見えた…すごく怖いんだけど…なんでそんなに怒ってるんだろう…なんかやばいから逃げようかな。そう思い立ち上がろうとすると…

 

「そこから動いたらどうなるかしらねえ?」

 

 怖い笑顔を向けてそう言ってきた。そんなこと言われたら動けるはずがないんだけど…なんでこんなことに…そんなこと考えると目の間に影が見えた。顔を上げると…

 

「な、なんでそんなに怒ってるんだ? いの」

 

 恐る恐る聞いてみた。

 

「昨日帰ってきて今日から休暇ってナズナから聞いて私もたまたま休みが被ったから約束通り会いにきてくれるかと思って待ってたら全然来ないしそれでまだ寝てるのかなって思ったからナルトの家に行こうとしたらサクラと二人で話してるなんてね…どういうことか説明してもらおうじゃない」

 

「お、おう…昨日の帰り際にサクラに修行付けて欲しいって言われて修行して、今は休憩兼修行内容の確認みたいなことをしてるんだけど…な?」

 

 サクラに顔を向けて確認を取る。

 

「うん。ナルトの言った通りよ」

 

 これで納得してくれればいいんだけど…

 

「…ふーん。嘘付いてる感じはなさそうね。まあ、そこは認めてあげるわ。でもね!!なんで私に連絡くれないのよ!!私、待ってたんだからね!!」

 

「お、おう…ごめんだってばよ」

 

 なんか理不尽な気がしたけど謝っておこう。謝ればこの状況から早く脱出できるはず…

 

「謝ってくれたし、許してあげるわ。でも、今から私にも修行つけてもらうからね。これって今日で終わりってことではないでしょ?」

 

「まあ、そうだけど…修行は続けなきゃ力になっていかないからね…分かったってばよ。いのの修行も見るよ」

 

 これで断って殴られたりお仕置きされるよりはマシだ。はあ、さらば俺の休暇…

 

「私だけじゃないわよ。ほら!!いつまでも隠れてないで出てきたらどうなの? ヒナタ!!」

 

「えっ!?」

 

 マジかよ…焦ってて全然気が付かなかった…もう一人増えようが二人増えようが変わらない気がしてきたけど…

 

「えへへ…私にも…修行つけて…欲しいな」

 

「わかったってばよ…」

 

「「やったー!!」」

 

「ナルト…どんまい…」

 

 なんかサクラに同情された…なんでこうなっちったんだ…

 

「…とりあえず修行内容決めたいからなんの修行がやりたいか教えてくれってばよ」

 

 そうして修行を再開していった…




今回は少し短いですかね。
感想、批評などよろしくお願いします。

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