ドトウとの戦闘が終わり少し時間が経つとカカシ達がこちらにきた。見た感じは大した怪我もしてないみたいだし普通に勝てたみたいだな。なんかこっちを睨んでいる気がするんだけど…
「おい、ナルト!!なに敵の隣でゆっくりくつろいでんだよ!!」
あ…説明しなきゃいけないんだった…
「ちょっと説明しなきゃいけねえことがあるからこっちにきてくれってばよ!!」
「そっちにいって本当に大丈夫なんだろうな? 変化した偽物とかじゃねえだろうな?」
「…そんなに疑ってんなら写輪眼使って見ればわかんじゃねえか」
「よし、ナルトね。サスケ君が写輪眼使えるのを知ってるのはここだと第七班の一員だけだし」
そういう確認方法もあんのね…いいけどさ。敵だった奴といる時点で疑わしいのはわかるし。
「まあとりあえずきてくれってばよ」
そうして第七班のみんなを呼び寄せた。
「一体なにがあったのさ? お前が理由もなくこんなことする奴じゃないのはわかってるんだけどさ」
カカシが俺に問いかけてきた。こんなことになるとは俺も思ってなかったんだけどさ…
「うーん、なんて言えばいいのかな…まあ一言で言うなら…この人が俺の姉ちゃんなんだってさ」
「「「「えっ?」」」」
俺以外の第七班の三人と小雪がの顔がポカンとなっている。姉ちゃんはそれを見てクスクスと笑っている。こうなることは予想はしてたけど…こっからどうすっかな…
「な、ナルト? じょ、冗談だよな?」
「俺ってばこんな時に冗談なんて言わないってばよ…」
「それじゃあミナト先生とクシナさんにもう一人子供がいたっていうのか!?」
「今からちゃんと説明するから!!少し落ち着いてくれってばよ!!」
そうして説明を始めた。説明には姉ちゃんにも協力してもらった。大体は姉ちゃんが俺に話してくれた内容を少し補足をつけながら話していった。補足は九喇嘛が話してくれた内容だけどね。
「こんな感じなんだけどさ…」
「なるほどね…納得できない話じゃないか…信じがたいんだがな」
「今の木の葉で知ってるっていったら三代目くらいだと思うしね。すぐに信じられないのも無理ないわ」
さて、理由は話したしこれからのことを聞いてみるか。
「そういえば姉ちゃん。これからどうするんだ?」
「そうね…私個人の気持ちとしてはナルトと一緒に木の葉に行きたいかな。今まで一緒にいられなかった分一緒にいたいし」
姉ちゃんはそう言って俺に抱きついてきた。なんか俺が弟だってわかってから人前でも遠慮なく抱きついてくるな…ま、いっか。姉ちゃんだし。
「カカシ先生、これってじいちゃんに手紙かなんか送った方がいいよね?」
「そうだな。確認を取るためにも三代目に報告が必要だしな。ここから木の葉までだとお前の飛雷神でも無理がある。俺が文書を送っておこう。まあ返事がくるまで数日はかかるだろうがな」
「了解だってばよ。っていうことはあと何日かは雪の国ってことだな」
でもそうしたらその数日はどこに泊まればいいんだ? 今まで通り船かな?
「でもあと数日ってどこに泊まるのよ? もう映画の撮影は終わっちゃってるし、宿でも取るの?」
俺の思ってた事をそのままサクラが聞いてくれた。
「ああ、それなら父が生きてた時に使っていた別荘を使ってくれたらいいわ。私も使うけどね。広いから部屋の心配とかしないでいいわ」
「じゃあお言葉に甘えさせていただきます。お前達、行くぞ。雪絵さん、案内お願いします」
「わかったわ。でもその前に三太夫達に知らせに行ってからね」
そうして三太夫達に知らせに行きその後別荘に向かった。
数日が経ち、木の葉に帰る日がやってきた。なんだかんだ言ってこの数日は忙しかった。いろいろ雪の国の事を手伝っていたのだ。
まずは城の再建。俺がドトウが建てた城だと思っていた物は元々は雪の国の君主が作ったものだったのだ。知らずとはいえぶっ壊して瓦礫の山にしたのは俺だしな。影分身を使って積極的に手伝った。
次は姉ちゃんがお世話になってた親戚の人に姉ちゃんのお別れの挨拶を兼ねて会いにいった。初めて会ったのにとても優しくしてくれた。なんとなくだけど父ちゃんに似てると思った。姉ちゃんはいろいろ事情説明したりしてたけど最後は少し泣いてたな。十年以上世話になってた人だもんな。別れが惜しくて当たり前だよな。家を出るときは姉ちゃんと家の人で抱き合っていた。見ていて微笑ましいなと思った。そんなことを考えていたら俺は頭を撫でられた。驚いて顔を上げると微笑みながら親戚の人が頭をなでているのが見えた。なんか恥ずかしかったけど嬉しかった。その様子を見た姉ちゃんが俺に抱きついてきたのにはもっと吃驚したけどね。
じいちゃんからの返事も届いた。元からそのつもりだったから何の問題もないとのことだった。最初っからこうなることわかってたのかよ…そういえば任務内容をカカシから聞いたときに是非第七班にって言ってたのはこういうことだったのか。まったくじいちゃんは…少しぐらい説明しておいてくれてもいいのにな。
そして小雪が雪の国の君主となった。いろいろ考えた結果君主になることに決めたそうだ。原作と違って三太夫も生きてる。国の再建は早まると思う。心から信頼し支えてくれる人がいるんだ。安心してできるだろう。争いのない平和な国にしていって欲しいな。まあ小雪のことだ。そうしてくれるだろう。
そうして今は帰るための船に乗るところだ。
「とうとうお別れなのね…寂しくなるわね」
「まあな。俺達は忍びだからな。任務が終わったら自分の里に帰らなきゃいけねえ。里に仲間もいるし次の任務もあるからな」
「そうよね…観光できてたわけじゃないのよね…」
俺の方を見て感じかなり落ち込んだような顔してるのは気のせいじゃない…気がする。なんでだ? 酒のお供がいなくなるからなのか? ここ数日姉ちゃんにバレないようにするの大変だったんだけど…なんか言った方がいいのかな?
「暇ができたらまた来るってばよ。里から遠いから長期休暇の時にしかこれないと思うけどな」
「わかったわ。来る時は必ず言ってね。大歓迎するから」
「おう!!」
小雪が笑顔になった。よかった、長期休暇なんて本当に取れるかわかんないけどこれたらまた来よう。親戚の人にもまた顔を見せに行きたいしな。
「そういえば雪絵さん。女優は辞めちゃうんですか? 雪の国の君主になったわけですし…」
「女優は辞めないわ。君主の仕事と女優の仕事を両立させていくつもりよ。大変だとは思うけどどっちもやりたいんだもの」
原作通り両立すんのか。まあ小雪なら君主の仕事を三太夫に押し付けて女優の仕事とかやりそうだ。
「頑張れってばよ!!応援してるぜ」
「ええ!!もし撮影で木の葉の近くに来たら立ち寄るつもりだからその時にも会えるかもしれないわね」
「そうだな。その時はナルト、お前が案内してやったらどうだ?」
サスケにそう言われた。案内役俺だけなのかよ!?サスケとサクラも手伝ってくれてもいいと思うんだけど…
「都合が合えば案内するってばよ。でも長期任務とかで里にいない時とかもあるからその時はできないってばよ」
「了解よ…ねえ、ナルト。また会えるおまじないをしたいからちょっと来てくれる?」
「ん? わかったってばよ」
俺は言われるがまま小雪の方に向かった。
「ちょっと目を閉じてて」
「? こうか?」
俺は目を閉じた。すると少しの間の後に頬に柔らかい感触を感じた。そしてその感触が離れていくのを感じた。俺はその後少しの間動けなかった。
「ねえ、サクラちゃん。ナルトってモテるの?」
「本人に全く自覚はないと思いますけど…モテますね。同期の下忍から。でもナルトは鈍感だから…」
「これは里に行ったら見てみたいわ!!うちのナルトがどれだけモテるのかを」
なんか姉ちゃんとサクラが話しているがよく聞こえなかった。それにしてもおまじないで頬にキスされるとはな…吃驚して固まっちゃったよ。
「そろそろ出航の時間ね…じゃあね。ナルト、みんな。元気でね」
「おう!!そっちも元気でな!!」
こうして雪の国での任務に終わりが告げられたのだった…
雪の国編が終了しました。次回からは遂に中忍試験編に入ると思います。
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